引退した博麗の巫女と問題児たちが異世界から来るそうですよ? 作:hakusai
謝ることが多いですが申し訳ないです。
もう開き直ってまいります。
この小説は書きたい場面があって書き始めたので、そこまでは絶対失踪はしませんので!(遅れないとは言ってない)
どうかお付き合いいただけると幸いです
「して霊夢よ、これは一体どういうからくりなのだ?」
十六夜のカードに引き続いて、不思議を通り越して意味不明な状態のカードを見て、白夜叉が尋ねる。
「これってのは、急にギフトが表示されたこと?」
「そうだ。それもあるし、この文字が化けているのもどうなっているのだ?おんしはそこの小僧と違ってこれを自分で引き起こしたようだしの」
と、若干怖い顔で白夜叉は霊夢に返す。
すると霊夢は、
「よくわかったわね。と言っても大したことはないわ。ただ私のギフトがカードのギフトを拒絶して表示されなかったから、そのギフトを封印しただけよ。封印したら副次的に文字が化けちゃったみたいね」
「ふむ……?」
そう言うと白夜叉は難しい顔をして黙り込んでしまう。
何やら熟考しているようだ。
と、そこで黒ウサギが思い出したように声を上げる。
「あ!そういえば霊夢さん!あの世界の果てでのギフトゲームは何だったんですか!?あれは主催者権限としか思えないようなものでしたが…?」
「む?それは本当か霊夢?そうならば私は東のフロアマスターとして、なんやかんやせねばならんのだが」
「その主催者権限っていうのは何なのかしら?説明された気がするけどあんまり覚えていないのよね」
そう霊夢は悪びれもなく言う。
「その質問には私からしっかりと答えようかの。主催者権限というのは、簡単に言えば相手をゲームに強制的に参加させることができるギフトのことを指す。許可の無い者がそのギフトを行使すれば、黒い契約書類が発行されて、その者は“魔王”と認定される…といったものだ。黒ウサギよ、その契約書類は何色だったかの?」
話を振られた黒ウサギは、しばし逡巡して、苦笑いを浮かべて答えた。
「えぇーと……紅い和紙でしたね」
「意味がわからんな」
「ですねー♪」
黒ウサギと白夜叉は揃って遠い目をした。
「ん?ちょっと待って?もしかして今の話からすると霊夢は魔王なの?」
魔王という単語に反応して、そう聞いたのは、今まであまり話について来れていなかった飛鳥だ。
「ふむ…本来なら罰する所だが、箱庭に召喚されて間もなかったこと、それに霊夢は私に勝ったからの。今回はサービスで目を瞑るとしよう。だが、今後は許可なく使用することは禁ずる。よいな?」
「構わないわ。別にわざわざギフトゲームにしなくてもいいし」
「そういうことを言っているわけではないのだが…」
白夜叉は霊夢の返答に苦笑いを浮かべた。
と、ふと霊夢は思いついたような顔をしたとおもったら、急に賽銭をねだるような顔をして、白夜叉に詰め寄る。
「そういえば…私はあなたとのギフトゲームに勝った訳なんだけど…何をしてもらおうかしらね…♪」
そんな霊夢に白夜叉はげっという顔をして
「…ギフトカードはあげただろう?」
「それは耀が試練をクリアした分でしょ?」
「……主催者権限を使用したことは目を瞑るぞ?」
「あなたから目を瞑るって言ったんじゃない」
「…………本来はおんしも“与える側”の者だろうに」
「貰えるものは貰っておくものよ」
「人それを貧乏性という」
「十六夜、静かに」
そんな問答(+十六夜の茶々)を繰り替えして、白夜叉も堪忍したようだ。
「はぁ〜〜仕方ないの。で、何をしてほしいのだ?儂にできる事ならある程度はするが」
「「「「ん?今なんでもするって」」」」
「言ってない。断じて言ってない」
問題児四人の声が重なった。
「そうね…じゃあここを私達も使えるようにしてほしいわ。ほら?この店って名無し、旗なしお断りでしょ?でも私達は“ノーネーム”だから普通ならこの店が使えない。それだと困る。だからこの店を普通に使えればいいわ」
「そうですね。我々“ノーネーム”は普通ならこの“サウザンドアイズ”は使えない訳ですから、使えるようになればかなり助かります」
「ふむ、それくらいならお安い御用だ。だがそれだけで良いのかの?」
「ついでに割引とか」
「………考えておこう。それではおんしらにはこの店の使用権を特別に与える。他の支店でも使えるように、これを渡しておこう」
そう言って白夜叉は全員に契約書を渡す。
そこには“サウザンドアイズ”を使うことを許可する旨が書かれていた。
「これは見ての通り許可証だ。ギフトカードにでもしまっておけば良い。あぁ、この支店を使うときは別に見せなくても良いからの?」
「それは助かるな。いちいち出してたら面倒そうだ」
「何にしても助かります!ありがとうございます!白夜叉様!霊夢さん!」
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少し話した後、六人と一匹は暖簾の下げられた店の前に移動した。
「今日はありがとう。また遊んでくれると嬉しい」
耀が礼をして白夜叉に言う。
「あら、だめよ春日部さん。次は対等の条件で挑まないとだもの」
「ああ。吐いた唾を飲み込むなんて格好がつかねぇからな」
「今度はもっと大舞台で戦いたいわね」
耀の言葉を十六夜と飛鳥が挑戦的に正し、霊夢も好戦的に言う。
「ふふ、よかろう。楽しみにしておけ………ところで、」
白夜叉はにこやかにしていたかと思うと、スッと真剣な顔になって黒ウサギたちを見る。
「……今更だが一つ聞かせてくれ。おんしらは自分たちのコミュニティが置かれている状況を本当に理解しているか?」
「ああ、名前とか旗の話か?それなら聞いたぜ」
十六夜はあっけらかんと返す。
「ならそれを取り戻すために、“魔王”と戦わねばならんことも?」
「聞いてるわよ」
霊夢も同様に返した。
「…………。では、おんしらは全てを承知の上で黒ウサギのコミュニティ加入するのだな?」
その言葉に黒ウサギはドキリとするが、四人の顔を見て気を取り直した。
四人とも白夜叉の話を聞いても、全く表情も何も変わっていなかった。
「そうよ。打倒魔王なんてカッコイイじゃない」
「“カッコイイ”で済む話ではないのだがの………全く、無謀と言えばよいのか勇敢といえば良いのか。まぁ、魔王がどういうものなのかはコミュニティに帰れば否応なしにわかるだろう。それでも魔王と戦うことを望むならとめはせぬが………」
白夜叉はそこで言葉を切り、飛鳥と耀を交互に見やる。
「……そこの娘二人、おんしらは確実に死ぬぞ」
予言をするように断言をする。東の階層支配者であり、主催者権限を持つ白夜叉の助言は、有無を言わさぬ威圧感があった。
「魔王の前に様々なギフトゲームに挑み力をつけろ。小僧と霊夢はともかく、おんしら二人の力では魔王の前に成すすべもなく羽虫のように弄ばれるだけだ。そんな様はいつ見ても悲しいものだ」
「………ご忠告ありがとう。肝に銘じておくわ。今度は貴女の本気のゲームに挑みに行くから、覚悟しておきなさい」
「ふふ、望むところだ。私は三三四五外門に本拠を構えておる。いつでも遊びに来い………ただし、黒ウサギをチップにかけてもらうがの!」
「嫌です!!」
即答だった。
その返答に白夜叉は拗ねたように唇を尖らせた。
「つれないことを言うなよぅ。私のコミュニティに所属すれば生涯遊んで暮らせると保証するぞ?3食首輪付きの個室も用意するし」
「3食首輪付きってそれもう明らかにペット扱いですから!!」
黒ウサギのツッコミが響き渡った。
そして終始賑やかなまま、五人と一匹は無愛想な女性店員に見送られて、“サウザンドアイズ”二一○五三八○外門支店を後にした。
次こそは早くしたいな…と思ってますが、4話か5話あたりの修正をしないと次が書けないので、そこを修正し次第次を書きまする。
しばしお待ちくだされ。
ちなみにマーリンをお迎えしました。術ネロ育ててたからスキル素材も全く足りないんですよね…どうしたらいいんでしょうね?
というわけで、
『それじゃまた、今度とか!』