引退した博麗の巫女と問題児たちが異世界から来るそうですよ? 作:hakusai
そこのところご理解ください。
あ、完全オリジナルっていっても有情破顔拳はしません。
そして総合評価1000突破してました!皆様ありがとうございます!
ちなみに今回は、投稿する前に納得がいかずにすべて書き直すというあふぉなことしましたので疲れましたです。
それではどうぞ。
黒ウサギの号令を聞いて、少し距離を取って構える二人。
その二人の間には、ピリピリとした緊張感が漂っている。
一触即発の気配だ。
そんな二人を少し離れたところから、十六夜たち問題児も固唾を飲んで見守る。
まるで自分が対峙しているような、威圧感のような、圧迫感のようなものが伝わってくるようだった。
そして、今────
「──それでは、始め!」
戦いの火蓋が切って落とされた。
「先手は譲ろう。どこからでもかかってくるがよい」
「ずいぶん余裕なのね」
「それはもちろん、おんしが“挑戦者”なのだからな。挑戦を受ける者として堂々と受け止めるのが筋と言うものだ」
「なるほどね……それじゃあ、遠慮なくいかせてもらうわ!」
そう言うと霊夢はポケットからお札を取り出した。
そして、それを高々と掲げて、高らかに
「霊符【夢想封印】!」
すると霊夢から、無数の虹色に輝く、直径1メートル程度の霊力の弾丸が、白夜叉にむかって一目散に飛んでいった。
それも結構なスピードで、高速道路で一番右レーンを走る程度の速さだ。
白夜叉までの距離はそこまで離れてもいないので、文字どおり瞬く間に白夜叉に襲い掛かっていった。
それを白夜叉は、両手に炎を纏わせ、
向かい来る光弾をグーパンチで弾き飛ばした。
「なかなか強力なようだが……儂を傷物にするにはちと弱いのぉ」
光弾を殴りながらそう評する白夜叉。
それに対して霊夢は、
「ええ。そんなのわかってるわ。だからそれは
そう言われて、白夜叉は未だに襲いかかる光弾の相手をしながら回りを見ると、光弾は弾かれた方向から動いて規則正しく自分を囲っていた。
「これは…」
「──結界【二重結界・囲】」
瞬間、白夜叉を囲う光弾同士を霊力の線が伝い、白夜叉を取り囲む。
それはまるで白夜叉を捕らえる籠のようであった。
「なるほど……これは一本とられた。なかなかの結界だの。並の者を捕らえるには十分すぎるほどに」
「悪いけど、それは捕獲が目的じゃなくて──
──攻撃が目的よ」
そういって霊夢は指をパチンッとならす。
すると結界の内側から、白夜叉を目指して細かい、それでいて傷がつく程度の威力の霊力の弾丸が放たれた。
「ふむ……ここまで追い詰められたのは久方ぶりだの…だが、結界を出てしまえば四方八方から弾幕が来ることもなくなる!」
結界を脱するという結論に至った白夜叉は、霊夢の方向に結界目掛けて音を置き去りにした速度で突っ込んだ。
両手に焔を灯して結界に右の拳を振り抜くと、それはいとも容易く割れた。
しかし、目の前に
(二重結界とはそういうことか!)
だが白夜叉は、それを見てもスピードを緩めることなく、今度は左の拳を突き出した。
すると、今度は先程よりも結界が強いのか、少しの間だけ拮抗した。
だがそれも少しの間だけで、すぐに破られた。
が、その少しの間に、白夜叉の背後に弾幕が殺到していた。
「小賢しいわ!」
しかし、それに気がつかない白夜叉ではない。
背後の弾幕に一瞥も与えることなく、爆炎を背中から放って全て燃やしつくした。
そして霊夢に再び突撃する。
それは小細工や策略などない単純なスピードだけの攻撃だった。
だが、単純だからこそ強く、砕けない。
白夜叉は白き矢のように一直線に霊夢に突き進む。
対する霊夢は、
「っ!流石星霊ね!ちょっと洒落にならないわよ!?
くっ、【封魔陣・集】!」
ポケットからお札を取り出して、白夜叉に向かって放り投げながら、
すると、白夜叉と霊夢の間に、1メートル四方程度の大きさの透明な壁が現れた。
厚さはそれほどでもないが、白夜叉は一目見て、先程の結界とは固さがまるで違うことがわかった。
(これは並の神格では歯がたたんの…だが!)
しかしそれでも、白夜叉は勢いを緩めず、それどころかさらにスピードをあげて、右手に灼熱を宿して振りかぶって、
真っ正面から右ストレートでぶっ飛ばした。
先程結界を破ったときの威力の数倍のパワーだ。
だが、今度の結界は破れることなく、白夜叉の攻撃に対抗している。
それを見て、白夜叉は右手から迸る炎の出力を上げた。
すると先程まで拮抗していたものが、白夜叉優勢に傾いていき、
ついには結界は割れてしまった。
「それが破られるとか想定外なんだけど!?」
「それは儂を軽く見すぎだの」
だが、結界もただで割れた訳ではなかった。
音速を越えた白夜叉の勢いを止めたのだ。隙を作るのには十分すぎる働きをしたと言える。
そして、その隙を見逃すほど霊夢は優しくはない。
「まぁいいわ!宝具【陰陽鬼神玉】!」
止まった白夜叉に向けて、巨大な青白く輝く陰陽玉を投げつけた。
「何度も思い通りにいくと思うな小娘が!」
そう言い返して、陰陽玉と同じくらいの大きさの火炎球を作り出し、陰陽玉に投げつけた。
二つの巨大な玉がぶつかり、その余波で辺りの空気が揺れる。
そして二つの玉はお互いの威力を相殺して消滅した。
そしてその影に紛れて、霊夢が白夜叉目掛けて突撃していた。
その手には鋭利なお札が握られている。
霊夢は陰陽玉と火炎球が消えると同時に白夜叉に突っ込んだ。
「もらった!」
「甘い!」
しかし白夜叉はそれを予見して、右手を振りかぶっていた。
拳は目の前まで迫っており、回避はできない。
ワープする猶予もない。
防御も間に合わない。
白夜叉の拳は、完膚なきまでに霊夢の鳩尾に突き刺さったように思えた。
だが、白夜叉に手応えはなかった。
それどころか───
───霊夢は白夜叉をすり抜け、背後に回っていた。
「【夢想天生】……ってね!」
「透過のギフトか!」
霊夢は白夜叉の背後に回ると夢想天生を解除して、鋭利なお札を振るった。
しかしそれは白夜叉に距離をとられて虚空を切るに終わった。
「流石、星霊であり神霊でもある存在だわ。これは一筋縄ではいかないわ」
「そういうおんしも人間とは思えぬ強さだの」
「貴女ほどの人に誉められると照れちゃうわね」
「全くもって人間離れした強さだぞい。
それを聞いた霊夢は複雑そうな顔をする。
「………そういえば、少し意外だったのよ。貴女ともあろう人が、
「それは……どういう意味かの?」
「こういう意味よ」
そう言うと、霊夢は宙に浮かび静止して、目を閉じた。
すると、霊夢の胸の前に、赤白く煌めくお札が現れた。
それを手に取ると、札を持った手を大きく横に振るって、こう呟いた。
「神格解放───モード“本気”」
前書きにも書いたんですが、今回全部書き直したんですよー疲れました。
前のやつは何かいてるのか自分でもわからなかったですね。
見るに耐えない感じでした。
まぁ、今のが見られる文かといえば答えはノーですが。
そういえば、君の名は。見に行ったんですよ!
面白かったですねぇ。でも連れの人が号泣してたイメージが強すぎてなんも言えなかったです。
また見に行きたいと思いました。
それでは、また次回とか!
追記
スペルカードについて
・夢想天生…格ゲー仕様じゃなくて弾幕仕様(今さら)
・二重結界・囲…オリジナルスペルカード。相手を囲む二重結界のようなもの。内側に弾幕が放たれる。
・封魔陣・集…オリジナルスペルカード。封魔陣を一ヶ所に集めて固めた感じ
・神格解放…名前の通り。