引退した博麗の巫女と問題児たちが異世界から来るそうですよ?   作:hakusai

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第1話 異世界へと招かれたようですよ?

ここは人里から少し離れた場所にあるボロ屋。

 

「暇ねぇ…」

 

そう言って女性は縁側で白い息をはいた

 

「霊香の修行も終わったし、掃除もさっきしたし、やることないわねぇ…」

 

女性は赤いTシャツにパーカー、下はジーンズという、一見普通の格好であったが、とても特徴的な紅白の大きなリボンで髪をとめていた。

 

彼女の名前は博麗霊夢。二代前の博麗の巫女だ。

 

二代前といっても、その姿は若々しいままで、初対面では大学生と間違えられてしまうくらいだ。

 

なぜこんなに見た目が若いのかというと、彼女はいつの間にか仙人になっていたようで、現在は不老となっているからだ。残念ながら不死ではないので、あまりにも大きな怪我をすると死んでしまうが。

 

余談だが、親友の魔理沙も不老になったらしい。

 

「魔理沙のところにでも遊びに行こうかしら……ん?」

 

暇を持て余している霊夢の目の前に、突然どこからか手紙が降ってきた。

 

(・・・空間転移の類の術がかけられているわね)

 

手紙にかけられた術をひと目で見破った霊夢は、おもむろに立ち上がると、

 

「ちょっと遊びに行ってこようかしら。」

 

という呟きを残して、何処かへと消えた。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「紫ー入るわよー」

 

霊夢は幻想郷の賢者である八雲紫の元へと来ていた

 

「珍しいわね。そっちから来るなんて。」

 

「ちょっとお願いがあってね。」

 

「ふぅん。で?お願いってなに?」

 

「幻想郷の外に遊びに行きたいのよ。」

 

そう言って霊夢は、さっき空から降ってきた手紙を紫に見せた。

 

「霊夢宛の手紙ねぇ…しかも、幻想郷の外からの。」

 

「だめ…かな?」

 

霊夢がお願いすると、紫は少しの間考えるようにして、

 

「仕方ないわね。手紙の差出人のところに行くことを許可するわ。但し、何かあったら戻ってくること。これを守れるなら行っていいわ。」

 

「わかったわ。でも、幻想郷の外なんでしょう?戻ってこられるかしら。」

 

「それなら心配ないわ。これを持っていってもらうから。」

 

そういって紫は、霊夢に紅白の陰陽玉を渡した。

 

「これは…?」

 

「この陰陽玉に霊力を込めれば、私と通話できるわ。連絡手段兼座標捜索道具よ。」

 

「なるほどね。これなら心配ないわね。」

 

「たとえ繋がらなかったとしても、私が全力で探しだすから、心配しなくていいわ。」

 

「至れり尽くせりね。とてもありがたいわ。」

 

「それだけあなたが大切ってことよ。本当は外に出したくないもの。でも、あなたには是非外を経験してもらいたかったからね。それに面白い土産話も聞けそうだし。」

 

「ありがとう…紫。たくさんお土産持ってきてやるから、期待しときなさい。」

 

「それは楽しみね。期待しておくわよ。」

 

紫が続ける。

 

「それと、幻想郷のことをあまり外では話さないでね。色々と都合が悪いから。能力もあまり使いすぎないように。郷に入れば郷に従えというし、目立つことはしすぎないようにしてね。」

 

「わかってるわよ。」

 

「あと、一番大事なのは、全力を極力出さないこと。あなたの全力は、私たちでは敵わないくらいだからね。危険視されることも考えられるからね。」

 

「全力を出さなきゃ死ぬときは?」

 

「おもいっきりやりなさい。」

 

「さすが紫。わかってるじゃない。」

 

「何年一緒にいると思ってんのよ。まぁ、あなたより強い人なんているわけがないんだけどね。」

 

「分からないわよ?たくさんいるかもしれない。」

 

「少なくともたくさんはいないと思うわ。」

 

 

そんなこんなで少々雑談をして…

 

 

「じゃあ、行ってきます。」

 

「行ってらっしゃい。霊夢。」

 

霊夢は手紙の封を切った。手紙には、こう書いてあった。

 

 

――『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。

 その才能を試すことを望むのならば、

 己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、

 我らの“箱庭”に来られたし』―――

 

(少年少女って年でもないけどね…それに、捨てるつもりもないし。)

 

その手紙を読んだ霊夢はそう思い苦笑いした。

 

その直後、霊夢の視界が急変した。

 

さっきまでいた場所とはうって変わり、上空4000mからの景色と、自分同様に自由落下する少年たちの姿が見えた。

 

「「「「ど……何処だここ!?」」」」

 

―――それが問題児3人との出会いであった。




はじめて書いた文ですので、おかしなところもあるかと思います。
マナー違反などしていたら、教えてくださると幸いです。

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