ご注文はリゼでしょうか?   作:シドー@カス虫

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前回のあらすじ

新しい友達とパン作りで土下座したケイト

間違いではない……ハズ


6話 リゼたちとのパン作り

「ゴメン」

 

「わかればよろしい」

 

土下座now。まぁ、俺が悪かった。

 

とりあえず再開するか。ココア、力の入れ方とかコツを教えてほし……

 

「このときのパンがもちもちしててすごくかわいいんだよ!!」

 

「「すごい愛だ!!」」

 

ココアの周りのオーラはより一層激しくなっていた。真剣に頑張る姿がすごくカッコイイ!

 

 

 

暫くこねってると、宇治松がしんどそうにしてた。

 

「宇治松、手伝うか?」

 

「千夜でいいわ。ケイトくんに負担はかけられないわ」

 

「健気ってやつだな」

 

「頑張るなぁ」

 

「ここで折れたら武士の恥ぜよ!息絶えるわけにはいかんきん!」

 

「健気?」

 

時代が違うぞ。

 

とりあえず生地を伸ばした後、一時間寝かして形を作る。

 

「チノちゃんはどんな形にするの?」

 

「おじいちゃんです。小さな頃から遊んでもらっていたので…」

 

「おじいちゃん子だったのね」

 

「コーヒーをいれる姿はとても尊敬していました」

 

チノちゃんのおじいさんか、一回会ってみたかったな。

 

「みんなーそろそろオーブン入れるよー」

 

「…では、これからおじいちゃんを焼きます」

 

「もうちょっとマシな言い方しようぜ⁈」

 

言い方怖いわ!ティッピーまで驚いてるわ‼︎

 

 

 

「リゼちゃんはうさぎパン!?」

 

良い感じにうさぎで可愛いな。

 

「焼けたらチョコで顔を描いて完成だな。ケイトは何パンにしたんだ?」

 

「俺は焼きそばパンだ」

 

ちょうど昨日焼きそば作ったからな。

ネタが思いつかなかったのはナイショだ。

 

「チノちゃんはさっきからオーブンに張り付きっぱなしだねー」

 

投入したパンを熱心に見てるチノちゃん。

 

「パンを見ててそんなに楽しいか?」

 

「はい。どんどん大きくなってきてます」

 

オーブンの中のおじいちゃんやみんなのパンが大きくなってる。

 

「おじいちゃんがココアさんと千夜さんに抜かされました!」

 

「おじいちゃんもガンバレー!」

 

「リゼさんとケイトさんのパンは出遅れてます。もっと頑張ってください」

 

「「私(俺)に言うなよ」」

 

無茶言うなや。

 

 

 

 

 

「みんな焼けたよー!さっそく食べよー♪」

 

それぞれ自分の作ったパンを一口食べる。

 

「……!美味しい!」

 

「いけますね」

 

「これは納得のいく味だ」

 

「流石焼き立てだな」

 

「これなら看板メニューに出来るよ!」

 

「この焼きうどんパン」

 

「この梅干しパン」

 

「このいくらパン」

 

「どれも食欲そそらないぞ」

 

看板メニューにはならなそうだ。

 

「そういえばリゼが作ったうさぎパンは?」

 

「無事に焼けたしここからが本番だね」

 

どうやら、うさちゃんパンにチョコで顔を描くようだ。

 

「絶対に揺らしたりするなよ!」

 

「揺らせってフリか?」

 

「フリじゃない‼︎」

 

ゴメン。

気を取り直して顔を描くリゼ。すると……

 

だう〜〜

 

チョコが少し溶けてしまった。

 

「あっまだ熱が冷めてなかった!」

 

「傾いてる!」

 

「歌舞伎うさぎね!」

 

「…………」

 

発想の転換か。リゼの望んだ成功じゃないけど。

 

「そういえばまだ焼いてるのがあったけどあれはなんだ?」

 

「じゃーん!ティッピーパン作ってみたんだ!」

 

「「「おぉーー!」」」

 

見事にティッピーの形をした可愛らしいパンが出来上がった。ティッピーも嬉しそうだ。

 

「看板メニューはこれで決定だな」

 

「食べてみましょう」

 

 

「もちもちしてる…」

 

「えへへー美味しく出来てるといいんだけど」

 

「中身はイチゴジャムね!」

 

((…なんかエグいな))

 

俺とリゼは、少しだけ食欲が削がれました。

 

 

 

 

 

パン作りも終わり帰り道。

 

「今日のパン作り楽しかったなケイト」

 

「もちろん。まぁティッピーパンの中身は反応に困ったけど…」

 

「それは忘れろ」

 

仕方ないじゃん。可愛い形に食べると真っ赤な体内、エグすぎて忘れられないぜ。

 

「そういえばケイト、それって焼きそばパンか」

 

「あぁ、さっきの余り」

 

知っての通り俺は焼きそばパンを作ったが、少し作りすぎたの今も歩きながら食べている。

 

「食べるか?」

 

「それじゃあ遠慮なく」

 

パクッ

 

「うまいな!」

 

「だろ!焼きそば気合い入れて作ったからな!」

 

あっ、もちろんパンも気合い入れたよ。

 

「あれ?これって…………

(間接キスじゃ…//)」

 

「ん?なんか言ったかリゼ?」

 

「なんでもない‼︎」

 

「ゲホァッ⁈!」

 

アレ?俺毎日攻撃食らってるような…

 

 

俺がこれらを照れ隠しだと理解するのは、まだまだ先のことだ……





ケイト君の性格はいい人。それさえ貫ければいいかなって思ってます。

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