ご注文はリゼでしょうか?   作:シドー@カス虫

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執筆中 部屋にゴキの野郎が侵入してきました。
真夜中に女の子な悲鳴あげるとこでした。

男だけど、蚊も潰せないんだよぉ……。


52話 リゼたちと山へお泊まり!

現在普段のメンツ+チマメ隊の二人は、車に乗っている。

泊まりがけで山に遊びに行くのだ。

 

ココアがお誘いの手紙を見忘れたハプニングがあったが、それはさほど問題ない。

 

 

「俺は まだ……死にたく、ない!」

 

「お前は何を言っているんだ?」

 

そう、真に問題なのは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…吐きそう」

 

「死を連想するほどかよ」

 

車酔いである。

 

 

俺の知る限り、車酔いには車の揺れか、ガスの匂いで酔う二パターンある。

俺の車酔いには、ガスの匂いが当てはまる。初めて街に来た時は電車だったが、揺れでは酔わないのですぐにラビットハウスでバイトする余裕があった。

しかし電車が大丈夫な分なのか、車には10分で酔った。

 

あぁ、本当、マジで最っ低な気分だ!

 

 

「ほら、背中さすってやるから、もう少し耐えてくれ」

 

そう言って隣に座るリゼは、窓に寄っかかってる俺の背中を優しくさすってくれる。

 

 

前言撤回

マジで最っ高の気分です!

 

なんかこれだけで今までの酔った俺が報われた気がする。

……いや、それはないか。

 

 

「…あ、ヤバイ。何か出そう」

 

「うわぁあああ こっち向くなぁ‼︎」

 

「待って殴ったらアウt……ウップ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

くぁwせdrftgyふじこlp

(イメージ音)

 

 

道中のトイレまで耐えました。

 

車の中で出さなかっただけ褒めてほしい。

 

 

 

 

 

山に着きました

 

 

「生きて辿り着けた!俺は勝ったんだ!」

 

「一度出してハイになってるな」

 

出した後は気分が良くなる。

車酔いのあるあるだ(と思う)。

 

「この雰囲気!実家に帰ってきたみたい!」

 

「「「実家ってこんな山奥だったの⁉︎」」」

 

今みんながいる森は、泊まるコテージ以外人の手が加えられた形跡が見当たらない。大自然そのものだ。

ココアの実家もこんな大自然の中にあるらしい。

歳をとったら、こんな場所で余生を過ごすってのも魅力的だな。

 

「す…すごいです!まさに大自然の驚異です!」

 

「自然の醍醐味は美味しい空気だよ!」

 

「じゃあ空気をお土産にしましょう!」

 

そう言ってチノ、あとメグは空のペットボトルに空気を入れる。お土産にありそうなやつだ。

 

 

うん、空気が美味しい。

病みあがりのツライ身体を癒してくれる。

 

 

 

 

 

コテージに入ると、みんながすぐ中を見て回った。

割と広いしコテージ探検だけで楽しいだ。

俺?まだ身体がツライからソファで横になってます。

 

家の物よりフカフカなソファでつい寝そうになると、何故か焦った様子のリゼが飛び出してきた。

 

「大変だ!どういうわけかクーラーボックスが空だ!」

 

「……えっ、食べ物ないの?」

 

「食料は現地調達になった‼︎」

 

「急にサバイバルに⁉︎」

 

あとリゼ、どっからサバイバルナイフ出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんとかなるよ!実家の大自然に鍛えられた私と!」

 

「しっ食費のやりくりに鍛えられた私がいれば!」

 

「一人暮らしで料理慣れした俺もいるぜ!」

 

「私もできます。あと先輩は安静にしててください」

 

「辛辣か優しいのかわかんね」

 

「ハイハイ私釣りやってみたい!」

 

「私は山菜採りに行ってみたいな〜」

 

「じゃあお供させてもらおうかしら」

 

一同集まって現地調達の件について話し合うが、割とみんな前向きだ。

ぶっちゃけ最初のリゼが一番焦っていたな。

 

「たくましい小隊を持てて嬉しいよ」

 

「いつ小隊になったの⁉︎」

 

「あとそんな事で泣くな!」

 

「リゼちゃーん。チェーンソー見つけたんだけど、持って行った方がいいかしら?」

 

「何を刈るつもりだ⁉︎」

 

案外狩りに行くのかもな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会議の結果、千夜とメグが山菜採り(チェーンソーは無し)、他のメンツは釣りをすることになった。

俺は体力的に歩き回るのは不安だし、やったことないから釣りに参加する事にした。

どんくらい体力使うかはわかんねぇけど、歩き回るよかマシだろう。

 

「よーし、この中で釣りの経験者は?」

 

……………………………………

 

「お前ら任せろって言ったじゃないか!」

 

「なんとかなるって言ったよ!」

 

「魚をさばくくらいなら…」

 

「食べるのなら任せろ」

 

「働け‼︎」

 

まぁ街に釣りできるスポットはなかったししゃあないだろ。

 

「なんだ素人集団かよ」

 

「先が思いやられます」

 

「お前らも初めてだろ」

 

 

そんなわけで、ほぼ素人たちによる釣りが始まりました。

 

「どっちがいっぱい釣れるか勝負だよ!」

 

「なんでよ……あっ かかった!」

 

「あっ私もだ!」

 

ココアとシャロが釣竿を引っ張ると、図らずも二人同時に釣り上げた。

 

「一緒に釣れるなんて私たち息が合いすぎだよ〜♪」

 

「ぐ、偶然よ! あっまた…」

 

「私もまたきた!」

 

再び二人が釣り上げると、またしても同時に魚を釣り上げた。

ただしそれぞれ相方の顔に向かって。

勢いのついた魚が顔にクリーンヒットした様は、ただただ痛そうとしか感想が湧かなかった。

 

「「か、顔が痛い……」」

 

「さっきから仲がいいのか悪いのか…」

 

仲悪くはないだろ。

 

 

二人がバカやってると、今度はマヤの釣竿にかかったようだ。

 

「リゼどうしようヤバい助けて!」

 

「落ち着けー」

 

リゼの言葉で多少落ち着いたマヤは、すぐに助けを借りる事なく一人で釣り上げた。

 

「人生で初めて釣った魚だよ!写真!こいつと一緒に写真撮って!」

 

「わかったわかった」

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅー、大満足。もう釣りはいいや」

 

「おい!撮ってあげたんだから私も撮れよ!」

 

「あーいいよいいよ俺が撮るから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10分後

 

「ケイトー、魚釣れたか?」

 

「まだヒットしないな」

 

「まぁ最初はそんなもんさ」

 

その割にはココアにシャロ、マヤは釣れたよな。

ま、まぁそろそろ釣れるよな俺も。

 

 

 

 

 

さらに10分後

 

「ケイトー、調子はどうだー?」

 

「………(プルプルプル)」

 

「あぁ…だいたい察した」

 

「場所が悪いのかねぇ…」

 

「じゃあ私と一緒にやるか?私も何回か釣れたし」

 

「お願いするわ」

 

釣れなくてラッキー♪

 

 

 

 

 

 

 

もうさらに10分後

 

「……(´・ω・`)」

 

「なんでだ!なんでケイトがやると魚が釣れないんだ⁉︎」

 

「あぁ、魚もまだ見ぬ男友達も俺から離れていく……」

 

「凹みすぎだ」

 

なんだろう。俺って嫌われてるのかな?魚にも、周りにも。

 

 

なんて黄昏れてると、とうとう人生初ヒットがきた!

 

「キタキタキタァアアア!ってこれってどうすればいいんだ⁉︎」

 

「手伝うから落ち着け!」

 

どうするかわからずジタバタしてると、リゼが背中から俺の釣竿を握った。

後ろから抱きつく感じになって、リゼのふくよかなアレが背中にムギュ〜って当たってとにかくもうヤバイ!

肉体的には落ち着いたけど、頭は人生トップクラスぐらい暴走してて脳が焼き切れそう。

 

だけど、なんとかギリギリ意識を無にして、魚を釣り上げることができた。

 

「やったなケイト!人生で初めて釣ったんだろ!」

 

「あ、あぁ!根気よく待った甲斐があった!」

 

二重の意味で。

でも正直すぐにはリゼの顔見れない。

さりげなく魚見て顔逸らしてるけど、今の俺の顔は絶対真っ赤だ。

 

 

ほんと、女の子はこういうのズルい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?さっき釣ったやつはどこだ?バケツに入れたはずなのに」

 

「お、俺は……俺は魚ノ介を食べることなんてできない‼︎」

 

「逃したのか⁉︎」

 

 

俺が必死になって言い訳をしてると、視界の端でチノちゃんが泳いでるのが見えた。

 

「友であり師の魚太郎を食べるなんて……あっ、チノちゃんが泳いでる」

 

「名前違うし何が師だ……お、確かに泳いでるな」

 

よく見るとチノちゃんが進む先には、被ってたはずの帽子があった。

なるほど、珍しくアクティブだと思ったら、飛んでった帽子を取りに行ったのか。

 

あっ 手を振ってる。

 

「なんだ、私に来いってか?」

 

ノリノリなリゼがチノちゃんの元へ泳ごうとしたが、どうも違和感がある。

 

やけに激しく手を振ってるし、なんか鬼気迫る的な顔をしてるし……

 

って あれ溺れてんじゃね⁉︎

 

「どうしたケイト、そんな急いで?」

 

リゼが何か言った気がしたが、説明する余裕もなく急いでチノちゃんの元に向かった。

さほど距離はなかったので、すぐにチノちゃんの元に辿り着き、底の浅い場所まで連れてく。

 

間に合って良かった……のはよかった。

 

 

「ケ、ケイトさんありがとうございま……ケイトさん‼︎大丈夫ですか⁉︎」

 

車酔いのせいで多少朦朧とした意識。

さらに、さっきまで長時間日向で釣りをしていた。

 

おかげで俺の身体は、体感以上に疲れを引きずっていたらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まぁ、ようするに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

倒れた。溺れた。

 

バタンキューだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大丈夫かケイト‼︎私がわかるか⁉︎」

 

「……あれ、俺 どうなって?」

 

確か俺は、溺れてたチノちゃんを助けようとして……

あぁ、ミイラ取りがミイラになったのか。

 

「よかったですケイトさん!」

 

「大丈夫⁉︎生きてるよね⁉︎」

 

「うん、生きてるっぽい」

 

なんか沈んでた記憶が微かにあるけど、ほんとラッキーだった。一人だったら間違いなく逝っていた。

 

「ほんとよかったよケイトくん!リゼちゃんが人工呼吸してめなかなか起きなくて心配したんだよ‼︎」

 

「うわぁああああ それを言うなぁ‼︎」

 

「………えっ?」

 

 

 

 

 

 

 

……人工呼吸?……えっ

 

 

それってつまり……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…マジで?

 

 




活動報告を読んでくれたかはわかりませんが、たぶんあと2話で一旦更新終了です。

ある程度日にち経ったら5巻の内容執筆しますが、それまでは不定期でオリジナル更新するかもって感じです。

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