ご注文はリゼでしょうか?   作:シドー@カス虫

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長くなったので、前編後編に分けます。

話数稼ぎ?……アーッ、聞こえないなー!
忙しいんや。うん、忙しい。m(_ _)m


50話 リゼシャロと行く部活戦線 前編

とある日の放課後

 

「リゼ先輩の蹂躙走行よー!」

 

「私も蹴散らしてー!」

 

バスケ部の助っ人をしてるリゼが、男顔負けの勢いで攻めている。

観戦スペースでは、ぎゅうぎゅうになるまで入った女子たちの黄色い声援が止まない。おかげで耳が割れそうだ。

反対側にいるシャロも、人と柵に挟まれていて大変そうだ。

 

あっ、3ポイントシュート決まった。

 

 

 

 

 

翌日

今度はテニス部の助っ人をしてるらしい。

もちろん見る以外の選択肢はない。

 

「リゼ先輩の核ミサイルスマッシュ炸裂よ!」

 

「先輩の爆風感じるー!」

 

テニスコートに来ると、ちょうどリゼが試合をしていた。

リゼの運動神経もすごいが、黄色い声援はさらに凄まじい。

人も多いので、シャロもジャンプしながら観戦している。

 

一応リゼに一緒にやろうと誘われてたが、男は流石にゲームバランスが崩壊するから俺は参加していない。

でも、観客だと試合が見づらいし、せめてマネージャーとしてもっと近くで観戦させてもらおっかな。

 

ジャンプのしすぎでバテたシャロを見ながら、そんな事を俺は考えた。

 

 

 

 

 

 

さらに翌日

 

「シャロ?確かにいたけど、それがどったんだ?」

 

「いや、あんまり熱心に見ていたから気になって…」

 

ラビットハウスで、昨日一昨日のシャロが気になったリゼの話を聞いていた。

 

「それは絶対!シャロちゃんも部活で青春の汗を流したかったんだよ!」

 

「えっ…あっそうね!」

 

ココアの解釈に、客の千夜が一瞬言い淀んだ。

 

(千夜、たぶんリゼを見たかったからだよな?俺と同じで)

 

(最後のはともかく、絶対リゼちゃんを見てたわね)

 

やっぱりそうか。

バラすわけにはいかないから小声で話したけど、第三者としてはもうちょい察してほしい。

 

「やっぱりか…バイトばっかりだったもんな…」

 

「私も部活入ってみたかったなー」

 

ココアの言葉に、チノちゃんの顔がかすかに歪む。

確かに、学校の方針で居候先の手伝いをすることになってる。だからって、それでチノちゃんが負い目を感じる必要はないのではないか。

そんな事を言おうとしたが…

 

「ラビットハウスで部活動を始めては?」

 

「そっかぁ!」

 

「仕事してください」

 

青山さんの提案で笑顔(遊ぶ気)が湧いたココアを前に、チノちゃんの顔には哀愁さえ漂っていた。

まぁ、負い目よりはマシか。

 

 

 

 

 

 

 

 

またさらに以下略

 

リゼとシャロ、オマケの俺が集まり、これから部活の助っ人をする。

今日は文科系の部活もあるから、男の俺も参加できる。

 

「そういえば先輩、今日はポニテなんですね」

 

「みんな凛々しい方がらしいって言うから」

 

助っ人のときのリゼは基本ポニテだ。

髪型の違うリゼもありだな。

 

「それに、部員を蹴散らす荒れ狂う黒馬と対峙するみたいで気合が入るって」

 

「練習ですよね?」

 

「荒れ狂う黒馬……ハッ!黒王号か!」

 

「それはやめろ‼︎」

 

ポニテにする理由にリゼはあまり納得してない顔だったが、眼福だし問題ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いくぞシャロ!」

 

俺の投げたボールが、見事に空へ打ち上げられる。

 

「はいっ先輩!」

 

シャロが必死にボールに食らいつく。

しかしボールはさらに遠くへ行き……

 

 

 

 

 

 

 

 

「いくぞ シャロ〜♪」

 

探偵の衣装を着たリゼが、何故かバットを持ったまま劇に臨む。

 

「はい 先輩ー♪」

 

ワトソ……某助手らしい衣装のシャロも、何故かグローブを着けたままだ。

「そういえば部長さん、俺の役は?」

 

「あっそうでした。 これを持ってください」

 

「………血塗れのナイフ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「特売というのは、特別なあなただけに売るという意味で……」

 

「いけるかシャロ⁉︎」

 

「奴ら はき違えてます先輩」

 

意味不明な解釈をしているお嬢様たち。

そんな彼女らを影から見つめる二人の探偵と俺…

 

「ケイト、何スマホを見ているんだ?」

 

「グー◯ル大先生」

 

 

 

 

 

 

 

「ていうか詰め込みすぎー!私が管理します!」

 

「悪いなシャロ!」

 

馬に乗った二人は馬に怖がることなく、会話をする余裕さえある

 

「動くなよ!絶対動くなよ!」

 

「乗り手が怖がると、馬にも伝わって余計危なく……」

 

「ちょっ待って動かないで!高くて怖いから!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……疲れた」

 

「なんだ、もう根を上げるのか」

 

「いやだって予定詰め込みすぎなんだよ!」

 

すでに俺らはソフトボール部・演劇部・庶民研究部・乗馬部と色々な部活の助っ人をした。男の俺も体育会系の部活にだって参加した。

これでもリゼと出会う前よかだいぶ鍛えられたが、慣れないこの量はキツイ。会社だったらブラック認定不可避だ。

 

「ケイト先輩、馬が高くて震えてましたよね」

 

「うっせえ高い所が苦手なんだよ!」

 

「降りた後も生まれたての子鹿みたいだったな」

 

ぶっちゃけ乗馬部が1番キツかった。高いの怖いし。

 

「そういえば、部活巡りしてる私とリゼ先輩を見て、部活の子達から『ある人』みたいって言われるんですよ」

 

「リゼとシャロが?」

 

「はい。何でも神出鬼没!過去に多くの部活を適当なアドバイスで勝利に導いたという……その名は‘‘ミス・エメラルド”!」

 

何だろう。勝利に導いたってのはスゴイけど、適当なアドバイスって所で急に胡散臭くなった。

 

 

「ついでにその人の情報も集めてみませんか?」

 

「うん シャロが楽しめるならいいよ」

 

「? はいっ!」

 

 

 

 

 

「何だか、リゼがシャロの姉に見えたな」

 

「そうか?」

 

「リゼ先輩が……姉…」

 

シャロの顔が赤い。

 

普段は普通に友達って感じだけど、どことなくお姉さん的な雰囲気を感じた。

 

 

 

 

とにかく、三人で次の部活へと向かう。

高い所がない部活であることを願って…。

 

「「それはお前だけだ(です)」」

 

「あれ口に出てた⁉︎」

 

何かを切実に願う顔が出てました。

 





昨日メガネデビューしました。

後編やったら、次はケイトのメガネ回書こうかなーって思ってます。
その時は、ケイト君には近視になってもらいましょう。

ケイト「解せぬ」

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