ご注文はリゼでしょうか?   作:シドー@カス虫

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何かがあると普通に遅くなってまう。
何もないとラノベや漫画読んで遅くなってまう……

七つの大罪面白いんだお(^ω^)


48話 リゼ率いる振り回され隊(仮)

「あのココアと千夜がケンカか」

 

「それケンカか?」

 

「困ったものです」

 

何故かシャロに、リゼやチノちゃんと一緒にフルールに集められた。

なんでも、千夜がクラス替えが不安だって話したら『私すごく楽しみ!』って満面の笑みで言われたらしい。

まぁ少し頬を膨らませただけでケンカはなかったからマシだけど。

 

「ココアさんは天然でしでかすんです」

 

「前もパズル完成させちゃってたよな」

 

「千夜もそういう所あるわね。ココアと波長が合うぐらいだし」

 

「あの二人はマイペースお騒がせコンビですね」

 

「じゃあ私たちは振り回され隊だな」

 

「カッコ悪いな」

 

入隊は拒否させてもらうとして、天然は悪気がないからタチが悪い。おかげで怒るに怒れないし、日常が濃くなってしまう。

後者は感謝しかないか。

 

「クラス替えって運なんですか?中学にはないので…」

 

「うちもよ。学力や特性で決めるって聞くけど…」

 

「でも俺が転校してきた学校は、今の所以外運だったな。参加はできなかったけど」

 

「運だったらチマメ隊が解散して新チームが結成してたかもな」

 

「それは困ります‼︎」

 

「でも、私ちょっと運には自信あるんです。商店街のくじ引きで当てたハズレのボールペン、使い心地バツグンだったんです!」

 

「運がいいのか悪いのか⁉︎」

 

使いやすいなら運良かったんじゃね。

結局認識の問題だと思う。人の不幸は蜜の味なんて言葉があるぐらいだし。

 

「そういえば、ケイトさんって運悪いですよね?」

 

「……そこにきちゃったかー話の流れ」

 

「前もロシアンルーレット牡丹餅ハズレ引いたよな」

 

「なんか変なんだよ。昔は普通だったのに」

 

何故かこの街に来てから俺の運がどこにも見当たらないんだよ。

ジャンケン10連敗には慣れたし、10連続で二択問題外すし、ロシアンルーレット牡丹餅や饅頭は基本俺がハズレを引いてしまう。

 

 

アレか、リゼに出会った幸運で運が尽きたのか?

 

 

「…ケイト、今なにか恥ずかしい事考えなかったか?」

 

「うんにゃ」

 

俺って顔に出やすいのかな?

 

 

 

 

 

 

 

シャロのバイトが終わったあと、俺たちはとある文房具店にやってきた。

チノちゃんがマヤ達と見つけた穴場で、流行の文房具がいっぱいらしい。

まぁ俺は流行はよくわかんねぇけど。

 

「これは機能性に優れてるみたいだ」

 

「お父さんが使ってるやつみたいです」

 

「えっ⁉︎」

 

「おっ、これガンダムのペンじゃん」

 

「子供が使いそうなデザインですね」

 

「マジかよ」

 

「二人はもっと中学生の目線になるべきですね」

 

「少し歳が離れただけで…」

 

「中学生以上だってロボはロマンだろ…」

 

「チノちゃん、これコーヒーミル型の鉛筆削りらしいわ」

 

「素敵です!とても渋みがあります!」

 

「「中学生なのに渋みって」」

 

俺だって持ち物に渋みなんて求めないのに……

喫茶店の娘はここまでクールになれるのか!

 

 

 

「みなさん、買うもの見せ合いませんか?」

 

「ん?ええよ」

 

「じゃあ せーので」

 

 

四人が見せたのは、それぞれ色違いのウサギをテーマにしたペンだった。

 

受けがいいかなって最初に見せたけど、まさか同じ種類のペンを選んでたとは思わなかった。

男の俺がウサギ?名前に兎があるから愛着湧くんだよ。

 

 

「以外と趣味が似てるんですね」

 

 

「あとは…アンゴラうさぎの下敷き」

 

「手榴弾型消しゴム」

 

「ラプラスの箱型ペン立て」

 

「お徳用ノート……本当によくかぶったわね」

 

全くである。

男の俺はしゃあなしだけど、女子でもだいぶ好みが違ったな。

リゼも相変わらずだし。

 

 

 

 

 

 

 

文房具を買ったあと、ココアと千夜が心配で、話し合うという公園にやってきた。

 

「あ…みんな……」

 

公園のベンチには、正気を失ったような千夜がいた。

黒いオーラが見えて怖い。そのままお化け屋敷で活躍できるレベルだ。シャロもビクッ!ってしたし。

 

「みんな…ココアちゃんから果たし状が…」

 

 

 

 

 

 

 

果たし状

 

夕刻4時半、公園にて待つ

飾る言葉などいらぬ

覚悟と心意気の身持ち来れ

 

 

あ、お菓子はあるからね

 

 

 

 

 

「帰っていい?」

 

「ダメだ」

 

なんだろう、すごくやる気がでない。

気にしてなくはなかったけど、あんな遊び心満載のメールみたら杞憂じゃねえのって思うわけだよ。

 

 

「えーーっっ‼︎クラス替えあるの⁉︎」

 

「「今知った⁉︎」」

 

杞憂だった。

やっぱりココアは天然だ。

 

「千夜ちゃん 良い先輩(おねえちゃん)になれるか不安だったのかと‼︎」

 

「ひでぇ勘違いだ」

 

「そっちも心配した方がいいかしら‼︎」

 

「しなくていい」

 

まぁクラス替えのこと知らないなら、何の心配もしないわけだ。

ココアたちの学校は明日らしいけど、運が良ければいいな。

 

「というわけで、ティッピーのコーヒー占いで明日の運勢を占ってもらいます!」

 

「心読むな。あと準備早いな」

 

「ふむ、明日の二人は……

 

今までの行いの報いが来るじゃろう」

 

「わっ私たちの強運なめてもらっては困るわ!」

 

そういって千夜は、どこかからロシアンルーレット饅頭の箱を出した。

もうそのマジックにはツッコマないぞ。

 

 

 

 

 

「く……口の……っかんかくが」

 

「ちやちゃ……いきて……ガクッ」

 

「バ、バカな!ケイトも参加してるのに二人がハズレを引くなんて!明日は天変地異が起きるのか⁉︎」

 

「俺を何だと思ってんだよ⁉︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

「「「春休みの宿題忘れてた⁉︎」」」

 

「明日までに提出しないと進級早々補習なの!」

 

「初日提出じゃなくてよかったな……」

 

「ティッピーの占いは当たりですね」

 

宿題を手伝ってほしいと泣き疲れたお嬢様高校組は、心を鬼教官にして勉強を教えてる。

ついでにチノちゃんの予習も手伝ってる。

自称お姉ちゃんとはエライ違いだな。

 

「ここの解答!」

 

「間違ってる!」

 

「だからってすぐ解答に頼らない!」

 

「鬼教官が三人!でも頼もしい!」

 

結局俺たちは振り回されるのか。こりゃあ振り回され隊に入るのも致し方ないか。

はぁ……振り回す側にはなれないけど、振り回されるのはそれなりに疲れるな。

 

「そういや、二人のクラスってどうなったんだ?」

 

「千夜ちゃんと同じになったよ!」

 

「…そっか。よかったな」

 

 

 

 

 

 

「あれ、なんで四人とも同じペンなの?」

 

「ひみつの絆です」

 

「??」

 

 

 

 

 

 

 

 

さらに翌日

 

「まぁなんだ。今年もよろしくな、リゼ」

 

「あぁ。よろしくな、ケイト」

 

うちの学校にクラス替えはないが、俺たちは再び隣同士の席になった。

 

 

俺の運は 案外まだ尽きてないらしい




ジャンケン10連敗は作者の実話。
50%の確率でスキルレベルアップすんのに、12連続スカもあった。(4096回に1回起きる確率のはず)
黒ひげやワニが噛み付くアレも基本負けてしまう。
そんな不幸が笑えるぐらいには慣れたった。

おかしいなぁ、まだ胸ときめく出会いないのに…。

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