おばあちゃんの誕生日パーティーで遅れました。
こんな感じの理由がなければ夕方あたりに投稿します。
「お姉ちゃん入っちゃダメ!」
「チノちゃんのお友達だよね?私も一緒に……」
「ダメなの!いい?入っちゃダメ!」
ココアに部屋に入れてもらえず、モカさんが項垂れている。ショック受けすぎだ。
見てる俺とリゼも反応に困る。
「妹の姉離れが深刻だよ……」
「深刻なのは姉の方だな」
「ココアはなんか忙しいみたいですし、俺たちが街案内しますよ」
「う、うん……」
詳しい事はわかんないけど、このままじゃ見るに堪えない。ここは俺たちで少しは気を紛らわせよう。
3人で甘兎庵に向かってるnow。
同級生と大人の女性の3人で歩いても、あまり気になんない俺って凄いと思う。
むしろ、モカさんと若干距離を置いてるリゼの方が気になる。
「リゼちゃん、エスコートしてくれるという割にはちょっと距離が…」
「モ、モフモフ対策で…」
「まあ、リゼちゃんの後ろ姿も可愛いから良しとしますか」
「たまにはリゼの後ろ姿もアリだなぁ」
「おっ、なかなか話がわかるねケイトくん!」
「やっやっぱり後ろはダメだ!ていうか近づくなぁあああああああああああ‼︎」
「「案内放棄⁉︎」」
顔を真っ赤にしたリゼはどっかに走り去ってしまった。
まぁ、律儀だし甘兎に逃げたんだろう。
リゼには悪いが甘兎に連れてく約束だし、俺1人ででも案内しよう。
「どっどうしたんですかリゼ先輩⁉︎」
「命までモフられる!」
甘兎に辿り着くと、リゼはシャロの後ろに隠れてしまった。
シャロがガードしてるけど、そこって俺がいるべきポジションじゃね?(んなことない)
「千夜ちゃん!その制服イケてる♪」
「本当ですか⁉︎シャロちゃんの働いてる制服もミニスカでかわいいんですよ!」
「行ってみたいなぁ」
その時は俺もご同行させていただこう。
メイド服の店に1人で入る男って、明らかにダメな奴に見られるもん。
「私もまだまだミニスカで働けるかな?どう思うシャロちゃん?」
その時俺は、シャロの目線がモカさんのモフモフした胸元に向いてたのを見逃さなかった。
そして不可抗力だが、俺の目線がモカさんの胸元に向いたのをリゼは見逃さなかった。
「やめましょう…トラウマになる子もいるんですよ…」
「トラウマ?」
「ケイトは今どこを見ていた?」
「あれは不可抗力で……あったまにはフルールの制服着てほしイダダダダダッ!」
下心はなかったから勘弁して欲しかった。
☆
翌日
「サプライズパーティー?」
「ココアから聞いてなかったのか?」
ラビットハウスに来るよう言われて来たら、俺の知らないところでパーティーが企画されてたらしい。
なんでも、モカさんが元気ないのが気になったので、今日帰るモカさんのために何かしようとのこと。
「とりあえずクラッカーぐらい持て。もうすぐ2人がくるぞ」
俺だけ何も知らなかったのは気になるが、気にしたら負けだ。今までの引っ越しでさよならパーティーなんてなかったし、企画に参加できるだけ十分幸せだ。
「サプライズパーティーの」
「始まりだよー♪」
モカさんと奇妙な兎の被り物をしたココアが入ってくると、マヤとメグちゃんの言葉を合図に、一斉にクラッカーを鳴らした。
「モカさんが元気ないから励まそうってココアちゃんが」
「お別れパーティーをしようって」
「ココアじゃないよ!この街のマスコットキャラのキグミンだぴょん!」
この街のマスコットに謝っていただきたいが、その前にモカさんが、ココアに思いっきり抱きついた。
「元気ないのはあんたのせいでしょー‼︎」
パン作りで培われたパワーで思いきり抱きつかれて苦しそうだ。
あぁ、平和だなぁ。
「どうしたケイト、何かを悟ったような顔をして」
「いやぁ、俺が今まで引っ越ししたときはお別れパーティーなんてなくて、この光景が眩しくて……」
「泣くな」
元ぼっちにパーティーの類は、どうしても複雑な気分になってしまう。控えめに言ってバカみてぇだ。
「お前はもう少し素直に楽しめないのか?」
「いやいやこれでも超楽しんでるぜマジで」
「盛りすぎだ」
この後タカヒロさんの手伝いをするつもりだったけど、楽しんでるのはマジだ。
控えめな性格なんだよ。
微妙に空気を読めないでいると、マヤメグに抱きついてたモカさんがやってきた。
「ケイト君もプレゼントとして貰っていこっかな?私弟も欲しいなーって思ってたの」
「ケイトくんも違うよー‼︎」
背中からモカさんに抱きつかれて、モフモフしたアレがヤバイ。青少年には猛毒だ。
まだポーカーフェイスは保ててるが、これ以上は理性が砕ける。暴走はしないが義弟もありかなってなってしまう。
自分の中の悪魔と争ってると(この間0.5秒)、リゼに引っ張られてモフモフから解放された。
俺の腕にしがみついたリゼは、妙に真剣な顔だった。
「ケイトはダメです!こいつは、その……」
「あらあら〜、ゴメンねリゼちゃん。リゼちゃんのケイトくん取っちゃって♪」
「ななななんでそうなるんだ⁉︎」
「そうですよ⁉︎なんで逆じゃないんですか‼︎」
「お前は何を言ってるんだぁああああああ⁉︎」
「待って今のは冗談だから‼︎」
つい本音を漏らしてしまった俺は、真っ赤になったリゼにボコボコにされた。
でも、真剣な顔で俺を引き止めてくれたのは、冗談でも凄く嬉しかった。
リゼのものでもアリだなっては思ったけどね。
ボコボコにされて微妙にパーティーに参加できなかったが、まぁ楽しんだし問題ないか。
なんて考えながら最後にモカさんに挨拶しようとすると、不意にモカさんが耳に口を近づけ小さな声で喋った。
「さっきはゴメンね。あと頑張ってね、リゼちゃんのこと」
……なんでそれを。
ほんと、姉という人種は鋭くて困る。
「じゃあねケイト君。ありがとね♪」
最後の見送りのココア、チノちゃんと一緒にモカさんが去ると、リゼがさっきの内緒話について聞きに来た。
「おい、さっきは何を話してたんだ?」
「あぁ、リゼがかわいいって話ィダダダダダダダダッ!」
「誤魔化すな!」
「いやいやリゼマジでかわいイダスギィイイイイイ‼︎」
俺はまだ、今のリゼとの関係を楽しみたい。
でも、一歩を踏み出す勇気が、少しだけ湧いてきた別れだった。
テストやっと終わったぜ(無事とは言ってない)
現代文以外はなかなか点が上がらないッス。
現代文以外は、何かしら覚える必要があって苦手。
みんな!オラに記憶力を分けてくれ‼︎
(ネタの使い回し)