ごちうさ五巻、来週発売ですね。
五巻のおかげで夏期講習に屈しない気力が湧きました。
本日はココアの姉さんが来る日。
ココアは緊張で固まってるが、ラテアートが失敗しないよう何度も練習をした。準備万端だ。
……時間になってもこないんだけどね。
「ココアの姉さんだし、ポンコt ……そそっかしいから迷子になったとかじゃね?」
「ココアの話を聞く限りそんな事はないと思うが…」
まぁ時間になってもこないんじゃ、迷子になったと考えるのが妥当だな。
ココアの姉さんは機会が苦手なので、携帯を持ってない。おかげで連絡を取る事もできない。
「私 お姉ちゃん探してくる!」
「あっおい!」
「言っちゃったか……」
姉さんが心配になったココアは、仕事を放り出して探しに行ってしまった。
「ココアの奴、仕事を放り出して…」
「姉さんが心配ならしゃあないだろ。俺もココアの立場なら探しに行くし」
「それもそうか。なら、戻るまではココアの分の仕事もするか」
にしても、最初は道に迷いまくってたココアが、あんなに頼もしくなるなんてな……
『かわいいうさぎ見つけた!』
前言撤回
☆
「いらっしゃいま……せ」
ココアからメールが届いた5分後、ラビットハウスに怪しい女性がきた。
サングラスとマスクをして素顔を隠し、トランクケースを持ってる。
「ご、ご注文は…」
「じゃあこの''ココア特製厚切りトースト”で」
怪しい女性は、格好とは裏腹にごく普通に注文してきた。
「あの風貌…スパイか運び屋か?」
「ここで取り引きやって、最悪交渉決裂からの戦闘……リゼ、武器貸してくれ」
「コンバットナイフでいいか?」
「やめてください二人とも!芸能人とか花粉症とかって考えないんですか!」
戦闘準備しようとしたら、チノちゃんに叱られてしまった。高校生二人が中学生に叱られる……悲しいかな。
なんて真面目にバカやってると、いきなり怪しい女性が大声を出した。
「このパン!もちもちが足りない!」
女性が勢いよく立ち上がると、拍子にケースが開いた。中身は謎の白い粉だけだ。
「って白い粉⁉︎」
「やっぱり運び屋だったじゃないか!」
「この小麦粉で本当のパンの味を教えてあげる!」
「Qui êtes-vous ⁉︎(お前は誰だ⁉︎)」
「慌てすぎだケイト!あと誰だ!」
「私です!」
「「「本当に誰⁉︎」」」
ココアの姉さん 保登モカさんでした。
「モカさん、このパンおいしすぎて涙が…」
「俺が今まで食べたパンはなんだったんだ…」
「さすが姉妹」
「三人の話は聞いてるよ、写真も見たよ♪」
モカさんが取り出した写真は、俺をジャイアントスイングして失敗したリゼや、ブレたチノちゃん&ティッピーのような、いわゆる面白写真がほとんどだった。
ちなみに写真の俺は、すぐ後に顔に擦り傷を負った。あれは痛かった。顔だけじゃなく全身。
「「「ロクなのがない!」」」
「みんなかわいい…♡」
「「「どこが⁉︎」」」
微妙にズレてる感性に、ココアとの血の繋がりを俺たちは感じた。
「さて!妹が帰ってくるまでお手伝いしようかな」
「お、お客さんにそんなことっ!」
「お姉ちゃんに まかせなさい♪」
今までココアの微妙な姉っぽさを見てきたからだろうか。モカさんから、後光が見えるほどの頼れる姉オーラを感じ取った。
そして俺たち三人の思考は完璧に一致した。
『いつものココア(さん)が 茶番のようだ』
「中学生でお仕事なんてすごいねー」
「マスターの孫として当然です!」
当然と言いつつも、どこか誇らしげなチノちゃん。
「ケイトくんはカッコイイねー」
「あ、ありがとうございます…」
ならなんでチノちゃんと同じように頭撫でんだろ。
あと一瞬殺気を感じたのは多分気のせいか。
「リゼちゃんもかわいいねー」
「高3ですが…」
「私から見たらかわいいの!真っ赤になるのもかわいいなぁ♡かわいいかわいい♡」
モカさんにかわいいと言われながら撫でられ、リゼの顔はすっかり真っ赤だ。超かわいい。
……いいなぁ、モカさん。
「ち 近寄るな!」
「つかまえた♪」
「脅しが効かない⁉︎」
リゼは銃で脅したが、それも気にせずモカさんはリゼに抱きついた。
……本当にいいなぁ。
「ケイトくんもリゼちゃんもふもふしない?」
「しません!」
「えー遠慮しなくていいんだよ」
「………いい、リゼ?」
「ダメだ‼︎」
「(´・ω・`)」
まぁ駄目元だったけどね。
「満足満足♪」
「わっ私がもふもふされるなんて……」
「リゼ、カム」
「くるか‼︎」
両手を広げてcomeしても、リゼが来ることはなかった(そりゃそうだ)。
☆
モカさんが仕事を手伝い始めて少し経つと、やっとココアが戻ってきた。
ただし茶色の帽子とコート、サングラスにマスクとちょっと?グレたスタイルで。
「おかえりー」
「ちゃちゃっと仕事戻れよー」
「あ、うさぎかわいかったです」
「あれ?」
格好にツッコまないからか不思議そうにしてる。
気にするだけメンドイし。
「ココア⁉︎その変装は…ダサい‼︎」
おい さっきグラサンマスクできた客。
「とにかく……久しぶりココア。元気そうでよかった♪」
「おっ…おねぇちゃーん‼︎」
ココアはモカさんに抱きついた。一年ぶりの再会なんだ、嬉しいに決まってる。
みんな(窓の向こうに千夜とシャロがいた)で感動の再会を見てると、急にココアは何かに気付いたように抱きつくのを止めた。
「みみみみんなの前で恥ずかしいよ!しっかり者の姉で通ってるんだから!」
それはない
ずいぶん長かった気がするが、やっとココアのラテアートをモカさんに披露した。
「すごい…!お客さんのために練習したんだね」
「ココアさんの成長の証です」
ココアの成長に、モカさんも思わず目尻に涙を浮かべてる。
「それか日向ぼっこしてるかどっちかだったもんな」
「仕事の方はなかなか上手くいかないしな」
「ココアーーーー!!?」
うっかりこぼした俺とリゼの問題発言に、モカさんも絶叫するしかありませんでした。
自分は三兄弟の長男なので、兄か姉は羨ましいです。
青山さんみたいな姉が欲しい……!