ご注文はリゼでしょうか?   作:シドー@カス虫

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夏休みもあと1週間か……
(シドーの学校は22日から学校です。23日だっけ?どっちか)

勉強しか思い出せません(当たり前だ受験生)


44話 リゼたちとココアの成長

「「ココアの様子が変?」」

 

春休みのバイト中、チノちゃんから相談を受けた。

実際ココアは、窓を拭く動きやティッピーの撫で方がいつもより機敏だ。

 

 

「ココアいつもよか頑張ってるし……」

 

「働けケイト」

 

「へいぃぃぃ……」

 

 

春眠暁を覚えずって言うし、ココアが頑張る分寝たかったんだけどなー。

いや、心地良く眠るのは夜だしちょっと意味違うか。

 

 

「そういえばいつもと分け目が逆です」

 

言われてみれば、髪飾りがいつもと反対側にある。

 

「本当だ!偽物かもしれない」

 

「だったらいい手があるぞ」

 

チノちゃんには部屋からウサギのぬいぐるみたち、リゼには適当なロープを用意してもらった。

(リゼがロープ持ってた事にツッコんだら負け)

 

こうして出来上がったのが…

 

「なんだこのモフモフづくし」

 

「本物なら抱きつくだろ」

 

チノちゃんとぬいぐるみの即席モフモフづくしだ。

本物なら抱きつくはずだ。関係ない俺もモフりたいし。

 

「ま、真面目に仕事しなきゃダメだよ!(プイッ)」

 

「なぜか分かりませんがすごく悔しいです」

 

「地味にショックだな」

 

まぁ、若干モフりたい衝動に駆られてるし、偽物ってことはなさそうだな。

 

 

「にしてもなんで急に真面目になったんだ?」

 

「私に聞くな。どうせチノにいいとこ見せたいとかだろ」

 

「それもそうだな。気を張りすぎて熱出さなきゃいいけど…」

 

 

むぎゅっ

 

 

ん?今なんか踏んだような…

 

「ってココア⁉︎」

 

「言った矢先に!」

 

いつの間にかココアは倒れていた。

体力が切れるの早すぎだろ。バイト始めて30分経ってねえぞ。

 

「しっかりしろー!」

 

「どうしてこんなになるまでっ⁉︎」

 

「あ…明後日、 お姉ちゃんが 来るんだ よ……」

 

「それとどう関係が⁉︎」

 

「衛生兵!えいせいへーーい‼︎」

 

 

 

 

 

 

「つまり、しっかりしている所を姉に見せたかったのか」

 

「惜しかったなリゼ」

 

「言ってろ」

 

「ココアさんのお姉さんって厳しいんですか?」

 

「安心して!すごく優しいよ。お兄ちゃんも二人いるんだけど、躾けて従えてる姿がかっこいいんだー」

 

「調教師か」

 

姉の尻に敷かれる兄たち……兄妹って大変だな。

 

「調教…私これ以上何されるんですか…?(震)」

 

「怯えてしまった!」

 

「調教……リゼ……ゴクッ」

 

「おい、今何考えていた?」

 

「いやいやいやけしてやましい事は考えていませんよ!」

 

そこから10分ほど記憶がない

思い出そうとしたら身体が震えるんだ。

 

 

 

 

 

 

 

空白の10分の間に千夜とシャロも来て、ココアのお姉ちゃん修行に付き合うことになった。

 

「この1年で成長した姿を見せたいんだけどなー」

 

「リゼちゃん達が少しドジな姿を見せたらしっかりして見えるんじゃ……」

 

「逆転の発想!」

 

しかし、やっぱりやらなあかんのかねぇ。あとココア、そんな上目遣いで見つめられたら断れないから。

リゼさんや、何か別のアイデアありませんかね。

 

「わ……分かった…やってみる」

 

「えっマジでやんの⁉︎ドジっ子を⁉︎」

 

需要はあると思うけど。主に俺。

 

「協力すると言った以上やるしかないだろ!」

 

「俺言ってないッスよ‼︎」

 

「協力……してくれるよな?」

 

「ウィッス(震)」

 

協力するから、その怖い顔やめてください。

……俺完全にリゼの尻に敷かれてるな。

まぁ、好きな子の尻ならまだ心地いいか

 

 

 

「注文お願いしたいんだけど…」

 

「私コーヒーの区別がつかないので…」

 

「ココアー!助けてー!」

 

「( ˘ω˘ ) スヤァ…」

 

「わ 私算数苦手ですから間違ってコーヒー豆1トン注文してしまいました」

 

「ココアー、パンって火炎放射器でも焼けるかなー?」

 

「( ˘ω˘ ) スヤァ…」

 

「こんな3人見てられないよー!うわぁぁぁん!」

 

「お前のためだぞ!あとケイトは起きろ!」

 

「おはようございま( ˘ω˘ ) スヤァ…」

 

あぁ、今日はひたすら眠い。

目の前には鬼の形相のリゼが……えっ?

 

 

 

 

 

「お姉ちゃんパンが食べたいなー」

 

「私は宿題手伝ってー」

 

「ふふふあとでね♪」

 

チマメ隊が妹のノリでココアに甘えている(いつも通り)

ふぅ、今日も平和だなぁ。……俺の頭にたんこぶがなけりゃ完璧なのに。

なんでだろう、ココアが仕事に関わる形で頑張ると、その分俺がポンコツになってる気がする。

 

「あれいつまで続くんですか」

 

「ココアが無意味と気づくまで……」

 

「じゃあ一生無理くね?」

 

「いやそんなことは………あるかもな」

 

一寸先に光が見当たらないでいると、ココアがみんなにカフェラテを作ってくれた。

 

「今日はみんなありがとね。ほんの気持ちのカフェラテだけど……」

 

「これ……っ ココアが描いたの⁉︎」

 

何事かとシャロの元に集まると、飲もうとしてたカフェラテを見せてきた。

カフェラテには、ココアが描いた可愛らしい花のラテアートがあった。

 

「初めてもらった時からすごくうまくなってる!」

 

「ずっと見てきたから気がつきませんでした…!」

 

「ちゃんとした成長の証があるじゃないか」

 

とにかく、これで姉に見せる成長の証は決まったな。よかったよかった。

 

「よーし今もっとすごいもの振る舞うからね〜!」

 

「私3Dラテアートってやつ見てみたい!」

 

 

「…店員として成長してても、姉としてはまだまだです」

 

「そうか?」

 

「妹のように無邪気だしな」

 

まぁ、妹の目線を知ってるからこそ、一緒に成長できる姉になるかもな。 いや、もうなってるか。

 

「できたー!3Dラテアート♡」

 

「「「ただのティッピー‼︎」」」

 

いつかのデカイカップに入った、ご飯なティッピーがそこにいた。

……姉としても、成長してるよな?

 

 

 

 

 

「そういえば、ケイトは1年で成長したのか?」

 

「おっとー、聞いちゃうかー。それ聞いちゃったかー」

 

それには触れないでほしかったなー。マジで。

 

とりあえず、ラテアートをしてみた。

 

「……雲かな?」

 

「……綿菓子?」

 

「水溜り?」

 

ティッピーです。目がうまく描けなかったティッピーなんですよ。

 

「き、きっと思いつかないだけで何かあるはずだ!だからそんなに凹むな!」

 

「。゜゜(´□`。)°゜。ウワァァン!!」

 

「抱きつくなぁぁぁぁあ‼︎」

 

つい抱きついた俺がCQCでねじ伏せられたのは、言うまでもない……

 

 

きっと 俺も成長してるよね。 ね?




成長は自分では案外気付かないものですよね。

ケイト「シドーは成長したか?」

……してるといいなぁ。
同じ穴のムジナって奴だよケイト君(/ _ ; )

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