ツイッターでは話しましたが、三者面談関係で多忙となり遅れてしまいました。
マジでスミマセンでしたm(_ _)m
31日はちゃんと更新します。
「ケイト、何か視線を感じないか?」
「奇遇だな。俺も同じこと思ってた」
いつも通りリゼと一緒に下校してると、誰かにつけられていた。……気がする。そりゃそうだ。誰かにつけられてるなんて、厨二病の妄想ぐらいでしかないだろ。
でも、最近忘れてきたけどリゼは軍人の娘だ。もしかしたら戦争絡みの何かがあるかもしれない。
「これって、とっちめた方がいいかね?」
「わからないが、このまま尾行されるわけにもいかない。とりあえず捕まえるか」
「とりあえずで捕まえるって軽いな……。まぁストーカーは気に入らないけど」
「とっちめようとしたお前も軽いがな。あと、護身用にこれを貸しとく」
「……これは?」
「言っとくがモデルガンだぞ」
学校にモデルガン持ち込んでる時点でおかしいと思うのは、どうやら俺だけらしい。
とにかく、俺たちは謎のストーカーを捕まえることにした。
しかし、2人でカッコよく「出てこい!」なんて言ったて出てきたのは……。
「気づくなんてさすがアニキとリゼー!」
「…なんだ、マヤか」
小説のようなカッコイイ展開を期待してた自分が恥ずかしい。
ま、まぁ危ない奴じゃなくて結果オーライだ。
そう納得しリゼの方を見ると、別の方向を向いてた。
マヤに気付き視線を向けると、見事に顔が真っ赤になってる。
「なっ………あっ……⁉︎」
これは俺よか恥ずかしい。
……とりあえず、あとでアイス奢るか
マヤの尾行ごっこは、リゼの提案で青山さんに標的が変わった。壁際で2人が隠れてるのを、俺は近くのベンチで観察してる。
けしてストーカーではない。この尾行を第三者の視点で観察してるのだ。
人数が多いと言って別行動をとったが、これは『ある』視線を感じたからだ。
「(マヤちゃんだっけ、リゼ先輩と仲いいのかしら…)」
視線の正体はシャロだった。たぶん↑の感じに思ってる気がする。
青山さんを尾行しているリゼ&マヤを尾行しているシャロ…。カルガモ親子の行進みたいだ。親(青山さん)に着いて行く子たち(リゼ&マヤ、シャロ)ってね。
「あれ、ケイトさんではないですか」
「……こんちは、青山さん」
やっちまった。2人の尾行対象と合流してしまった。
尾行の列を眺めるのに夢中になりすぎだった。
『何やってるんだケイト!』
『ゴメ。会話で謎解くから刑罰は勘弁』
『するかバカ!』
とりあえずハンドシグナルで弁明して、俺は単独で青山さんの不思議を読み解くことにした。
「腕を振ってどうしたんですか?」
「あっ、えっと虫が付いてたんで…。それより青山さんは何をしていたんですか?」
「私ですか?私はあそこにいるシャロさんを見守ってます」
「……なにゆえ?」
「新作を描くためにも、シャロさんの一挙一動を観察するためです」
……青山さん、それ完全にストーカーっす。
とにかく、これじゃ尾行が1回転してて誰も動かない。日が暮れてしまう。なんなんこの三角関係。
リゼもハンドシグナルで動かない理由聞いてくるし、どうしようか考えてると、均衡が崩れた。
「ババババイトがっ…!私のバカーっ‼︎」
「あっシャロさんが!ではケイトさん、また今度!」
「ちょっ青山さん!完全に不審者になってます!」
「待ってよ青ブルマー!」
「その略称だけはやめろ‼︎」
「あっコケた!」
バイトに向かったシャロを追いかける青山さんを追いかけると、青山さんがコケてしまった。
リゼ&マヤと合流して青山さんを起こすが、何故か青山さんはどことなく真剣な顔をしてる。
「はっ早くシャロさんを追ってください!」
「それより絆創膏貼らないと!」
「でも、早く追わないと!
私が見守るシャロさんがっ
最近ストーカー被害に遭ってるらしいんです‼︎」
「「お前だよ」」
「えっ?私はネタを探してるだけで……」
「「それだよ」」
いつか青山さんが逮捕されないか不安でしょうがない。そう俺とリゼは思った。
「ねぇアニキ、リゼ。友達と進む学校違ったら、もう親友じゃなくなるのかな」
3人で適当なベンチで休憩してると、いつになく真剣な顔のマヤに問いかけられた。
「チノとメグ3人で高校どこ行くか話してたら、行こうとしてる学校が違っててさ。本当は3人で同じ高校に行きたかったんだ。そう考えてたら、いてもたってもいられなくなっちゃったんだ」
どうやら、チノちゃんとマヤはココアと千夜のいる学校を考えてたけど、メグちゃんは母親に別の学校、リゼにシャロに俺の通う学校を勧められてるらしい。
「マヤは別々の学校になったら、2人と友達やめるのか?」
「やめるわけないじゃん!ずっと親友だよ!」
「そう思えるなら、違う学校になっても関係ないだろ。本気で親友て思うなら学校が違っても、それこそ大人になってもずっと親友だろ」
「私がよく会ってるやつらは学年も学校も違うけど、それはそれで楽しいぞ。楽しかったら、学校の違いなんて些細なことだ」
「…そっかぁ。私もリゼにアニキと遊べて楽しい!」
実際友達関係なんて、続けたいと思い合ってりゃずっと続くもんだ。
逆に、どっちかでも忘れていいって考えてたら続かない。だから俺は、今まで転校しても変わらない友達はいない。
「リゼは大人になっても、ずっと一緒にいてくれるか?」
「ななななんだいきなり!それじゃプロポーズじゃないか‼︎」
「……ゴメン。他意はない」
俺もリゼも、リンゴぐらい真っ赤になった。
本当、俺はバカだ。深く考えずこっぱずかしいこと言っちまうし。
でも……
「まぁ、これから先も よろしくな。ケイト」
「……あぁ、よろしく。リゼ」
バカだからこそ、俺はリゼと分かり合えたんだ。
メグ「マヤちゃ〜ん!」
チノ「そんな事考えてたなんて!」
千夜「リゼちゃん、ケイトくん…っ!」
ココア「私達ズッ友だよー!」
リゼ&ケイト「お前ら何なんだ‼︎」