ご注文はリゼでしょうか?   作:シドー@カス虫

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ツイッターでは話しましたが、三者面談関係で多忙となり遅れてしまいました。
マジでスミマセンでしたm(_ _)m
31日はちゃんと更新します。


41話 リゼたちのスニーキングごっこ

「ケイト、何か視線を感じないか?」

 

「奇遇だな。俺も同じこと思ってた」

 

 

いつも通りリゼと一緒に下校してると、誰かにつけられていた。……気がする。そりゃそうだ。誰かにつけられてるなんて、厨二病の妄想ぐらいでしかないだろ。

でも、最近忘れてきたけどリゼは軍人の娘だ。もしかしたら戦争絡みの何かがあるかもしれない。

 

 

「これって、とっちめた方がいいかね?」

 

「わからないが、このまま尾行されるわけにもいかない。とりあえず捕まえるか」

 

「とりあえずで捕まえるって軽いな……。まぁストーカーは気に入らないけど」

 

「とっちめようとしたお前も軽いがな。あと、護身用にこれを貸しとく」

 

「……これは?」

 

「言っとくがモデルガンだぞ」

 

 

学校にモデルガン持ち込んでる時点でおかしいと思うのは、どうやら俺だけらしい。

 

とにかく、俺たちは謎のストーカーを捕まえることにした。

しかし、2人でカッコよく「出てこい!」なんて言ったて出てきたのは……。

 

「気づくなんてさすがアニキとリゼー!」

 

「…なんだ、マヤか」

 

小説のようなカッコイイ展開を期待してた自分が恥ずかしい。

ま、まぁ危ない奴じゃなくて結果オーライだ。

 

そう納得しリゼの方を見ると、別の方向を向いてた。

マヤに気付き視線を向けると、見事に顔が真っ赤になってる。

 

「なっ………あっ……⁉︎」

 

これは俺よか恥ずかしい。

……とりあえず、あとでアイス奢るか

 

 

 

 

 

 

 

マヤの尾行ごっこは、リゼの提案で青山さんに標的が変わった。壁際で2人が隠れてるのを、俺は近くのベンチで観察してる。

けしてストーカーではない。この尾行を第三者の視点で観察してるのだ。

人数が多いと言って別行動をとったが、これは『ある』視線を感じたからだ。

 

 

「(マヤちゃんだっけ、リゼ先輩と仲いいのかしら…)」

 

視線の正体はシャロだった。たぶん↑の感じに思ってる気がする。

青山さんを尾行しているリゼ&マヤを尾行しているシャロ…。カルガモ親子の行進みたいだ。親(青山さん)に着いて行く子たち(リゼ&マヤ、シャロ)ってね。

 

「あれ、ケイトさんではないですか」

 

「……こんちは、青山さん」

 

やっちまった。2人の尾行対象と合流してしまった。

尾行の列を眺めるのに夢中になりすぎだった。

 

 

『何やってるんだケイト!』

 

『ゴメ。会話で謎解くから刑罰は勘弁』

 

『するかバカ!』

 

とりあえずハンドシグナルで弁明して、俺は単独で青山さんの不思議を読み解くことにした。

 

「腕を振ってどうしたんですか?」

 

「あっ、えっと虫が付いてたんで…。それより青山さんは何をしていたんですか?」

 

「私ですか?私はあそこにいるシャロさんを見守ってます」

 

「……なにゆえ?」

 

「新作を描くためにも、シャロさんの一挙一動を観察するためです」

 

……青山さん、それ完全にストーカーっす。

 

とにかく、これじゃ尾行が1回転してて誰も動かない。日が暮れてしまう。なんなんこの三角関係。

リゼもハンドシグナルで動かない理由聞いてくるし、どうしようか考えてると、均衡が崩れた。

 

 

「ババババイトがっ…!私のバカーっ‼︎」

 

「あっシャロさんが!ではケイトさん、また今度!」

 

「ちょっ青山さん!完全に不審者になってます!」

 

「待ってよ青ブルマー!」

 

「その略称だけはやめろ‼︎」

 

「あっコケた!」

 

バイトに向かったシャロを追いかける青山さんを追いかけると、青山さんがコケてしまった。

リゼ&マヤと合流して青山さんを起こすが、何故か青山さんはどことなく真剣な顔をしてる。

 

「はっ早くシャロさんを追ってください!」

 

「それより絆創膏貼らないと!」

 

「でも、早く追わないと!

私が見守るシャロさんがっ

 

 

最近ストーカー被害に遭ってるらしいんです‼︎」

 

 

「「お前だよ」」

 

「えっ?私はネタを探してるだけで……」

 

「「それだよ」」

 

いつか青山さんが逮捕されないか不安でしょうがない。そう俺とリゼは思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇアニキ、リゼ。友達と進む学校違ったら、もう親友じゃなくなるのかな」

 

3人で適当なベンチで休憩してると、いつになく真剣な顔のマヤに問いかけられた。

 

「チノとメグ3人で高校どこ行くか話してたら、行こうとしてる学校が違っててさ。本当は3人で同じ高校に行きたかったんだ。そう考えてたら、いてもたってもいられなくなっちゃったんだ」

 

どうやら、チノちゃんとマヤはココアと千夜のいる学校を考えてたけど、メグちゃんは母親に別の学校、リゼにシャロに俺の通う学校を勧められてるらしい。

「マヤは別々の学校になったら、2人と友達やめるのか?」

 

「やめるわけないじゃん!ずっと親友だよ!」

 

「そう思えるなら、違う学校になっても関係ないだろ。本気で親友て思うなら学校が違っても、それこそ大人になってもずっと親友だろ」

 

「私がよく会ってるやつらは学年も学校も違うけど、それはそれで楽しいぞ。楽しかったら、学校の違いなんて些細なことだ」

 

「…そっかぁ。私もリゼにアニキと遊べて楽しい!」

 

 

実際友達関係なんて、続けたいと思い合ってりゃずっと続くもんだ。

逆に、どっちかでも忘れていいって考えてたら続かない。だから俺は、今まで転校しても変わらない友達はいない。

 

 

 

「リゼは大人になっても、ずっと一緒にいてくれるか?」

 

「ななななんだいきなり!それじゃプロポーズじゃないか‼︎」

 

「……ゴメン。他意はない」

 

俺もリゼも、リンゴぐらい真っ赤になった。

本当、俺はバカだ。深く考えずこっぱずかしいこと言っちまうし。

でも……

 

 

「まぁ、これから先も よろしくな。ケイト」

 

「……あぁ、よろしく。リゼ」

 

 

バカだからこそ、俺はリゼと分かり合えたんだ。

 

 





メグ「マヤちゃ〜ん!」

チノ「そんな事考えてたなんて!」

千夜「リゼちゃん、ケイトくん…っ!」

ココア「私達ズッ友だよー!」

リゼ&ケイト「お前ら何なんだ‼︎」

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