1弾はお泊り。
2弾はその次
学校もバイトもない休日。
俺は当たり前だけど、姉さんと家にいた。
俺はダラダラTVを見てて、姉さんはウサギのアミを撫でてる。
「少年ってさ〜、リゼちゃんとどんな関係?」
「なんだよ藪からスティックに」
俺も姉さんも互いに顔を向けるどころか、TVもナデナデも止めずに会話を始める。
顔を合わせるまでもなく会話するのは、むしろ仲の良い証拠だ。
「リゼは大切な親友、そんだけだ」
「ふぅ〜〜〜〜ん」
納得のいかないって感じの反応だな。
マジで親友って名前の関係だし、一体どう答えろってんだよ。
「じゃあ〜〜、彼女はいないの?」
「いねぇよ。友達だって学校じゃリゼぐらいだし」
学校には特待生の男子は俺だけだし、クラスのみんなも俺とリゼには何故かアンタッチャブルだし。
『二人はワンセットでほっとくのがルールですし』なんて笑顔でO野さんに言われたし。意味わかんねえよイジメかよ。
「あー二人じゃそうなるよねー」
なんで納得すんだよ。うんうんって頷いてる姿が後ろ見なくても目に浮かぶよ。
「……じゃあ、リゼちゃんと付き合っちゃえば?」
「ブフォッ⁈ ゲホッゲホッ‼︎」
いいいいきなり何言ってんだ姉さんは⁈思わずブフォッってなっただろ‼︎
俺が咳き込んでるのも御構い無しに姉さんは話を続ける。
「リゼちゃんスッゴイかわいいし、仲良いし、絶対学生時代に付き合わなかったこと後悔しちゃうでしょ!青春に戻りたいって思っちゃうでしょ!」
姉さんはまるで過去の自分を戒めるかってぐらい真剣だ。
ってか、このままじゃ姉さんが俺とリゼをくっつけそうだ。
「…リゼが俺と付き合うわけないだろ。
リゼのように軍人でもない、何か特別な事ができるわけでもない。
……ただそこにいることしかできない俺を、だれがすきになるってんだよ」
自分でも寂しいことを言ってるのはわかる。
でも、なんの取り柄もなく、友達の作り方もわからない俺じゃ、そこまで大切な人間になんてなれるとは思えない。
「……それが、なんだってのよ」
「…ハ?」
「なんであんたはそう自分を低く見るのよ!もっと自信を持ちなさいよ!
それに 人を好きになるのに理屈なんてないでしょ‼︎
大切な人間になるんじゃなくて
大切な人間であろうとしなさいな‼︎」
姉さんは 本当に強いな。
バカみたいに綺麗事言って、かといって現実を追い求めて…
他人のために自分の想いを本気で伝えて、曲げようがないぐらいまっすぐで…
すごく カッコイイ姉さんだよ。
俺には こんなカッコイイ人間にはなれない。
「それに、 少年はリゼちゃんのことをどう思ってんのかなぁ?」
「俺? 俺………は…………っ?」
あれ、 なんで……言葉に詰まるんだ?
わからない
……俺には 俺がわからない
俺は結局、最後の質問に対して、答えを出す事ができなかった。
翌日
昨日の話をリゼにできるわけもなく、一つだけリゼに質問をした。
『ただそこにいることしかできない俺が、何か出来ると思うか?』
正直、なんでこんなバカなこと聞いたのかって一瞬後悔した。
でも……
『ケイトは何度も私の目をまっすぐ見て、本気で向き合ってくれた。誰でもできるわけじゃないことを、お前は充分できてるじゃないか!
それに私は、ケイトがそばにいてくれて……
…その
……… スゴく嬉しいぞ (ボソッ) 』
…これは なんてことはない
勝手に落ち込んで 勝手に救われて…
バカな俺のバカみたいなお話だ。
もう少し経ったら『小説家になろう』で投稿始めます。
その時はツイッターにリンク貼るんで、気が向いたら読んでみてくださいm(_ _)m
シドーのツイッター↓
http://twitter.com/PLqyFkTYpFpjoKS