俺ことケイトは今みんなで洗濯をしている。それも手洗いだ。
チノ家の洗濯機が壊れたんで、ラビットハウスの制服をみんなで手洗いすることになった。ちなみに千夜やシャロも手伝ってくれてる。
「ケイト、これって洗濯か?」
リゼが言うのも無理はない。
ココアやチノちゃんはシャボン玉を作るのを頑張っていてはしゃいでる。
普段クールだけどそこんとこはチノちゃん子供らしいな。
「私の渾身のシャボン玉が……儚いものね。私の人生もきっと……」
「千夜ちゃぁぁぁぁぁぁん!」
「本当に洗濯してるのか?」
俺が聞きたいわ。
純粋に洗濯を頑張ってるのはシャロとリゼと俺の半分。頑張らない人を見てると俺も頑張りたくなくなってくるし、もうちとちゃんと洗濯してほしい。
「リッリゼ先輩!その制服洗いましょうか?」
「いいのか?」
普段手洗いをしてるのか一番ハイペースのシャロは、リゼの制服も洗ってくれるようだ。
リゼにいいところを見せれてイキイキしている。
「気合い入れすぎて破かないようにね」
「そんな失敗ありえな………ハッ!」
制服を見てみると脇が破れていた。
シャロは気合いで破っちゃったと思ったか、めっちゃ青ざめてる。さっきまでのイキイキ顔が嘘みたいだ。
「あ、そこ昨日引っかけて……」
「これって軍法会議にかけられますか……?」
「落ち着け!何言ってる⁉︎」
シャロはガタガタ震えて涙まで流している。ガチ泣きだった。
シャロが軍法会議にかけられることもなく洗濯してると、ココアがカーテンを持ってきた。
流石に手洗いでは無理じゃね?
「大丈夫!手洗いの底力見せてあげるよ!」
結局、ビニールプールに入れてみんなで踏んで洗うことになった。
足洗いだね。踏んで洗うのはわかるけど。
「流石に素足じゃ冷たいな…………キャッ!」
「おっと危ない!」
バランスを崩したリゼを先に入ってた俺が受け止める。
俺の胸元にリゼの顔がある状況だ。
こうして抱きかかえてみると、柔らかくてリゼも女の子だなって感じるな。
「とりあえず濡れなくてよかっ……リゼ?」
「うなぁああああああああああ‼︎」
「ヘブシッ⁉︎」
リゼが震えてるなって思ってると、いきなりプールの底に叩きつけられた。
「あっ‼︎すっすまないケイト!」
「プハァッ! あー大丈夫大丈夫」
まぁ流石にちょっと恥ずかしいことしちゃったしな。しゃあない。
とりあえず服がびちょびちょになったし、まだ洗ってない俺の制服に着替えるか。
「ふふ♡」
俺とリゼの光景を見た千夜の笑みに、俺が気づくことはなかった。
一時間後
カーテンの洗濯は未だに終わらない。女子たちは体力も尽きかけ足の動きが鈍くなっている。
リゼは男子顔負けの体力あるし大丈夫だ。女子のカテゴリーに入れてない。
「何か失礼なこと考えたか?」
「ソンナコトアリマセン」
心読むのは反則。
まぁとにかくカーテンの洗濯が終わらない。
「人間の力じゃ機械に敵わないの⁉︎」
「諦めちゃダメよ!力を合わせれば必ず勝てるわ!」
あんたらは一体何と戦ってるんだよ。
するとココアは一人プールから出ておもむろに両手を挙げた。
「み みんな…!私に力を貸してー!」
「貸してるから戻って足動かせ。あとケイトも何で手を挙げてる?」
「いやもうやるしかないと」
両手を挙げて力を貸してって、ドラ◯ンボールじゃん。元◯玉じゃん。
ド◯ゴンボール知ってたらやるしかないだろ。
「終わったー!」
あの後なんとかカーテンの洗濯機を済ませ、一気に残りも終わらせた。
けど、みんなの制服は所々ほつれていて、直す必要があるようだ。
「いい機会なので制服をリニューアルしますか?」
「「「リニューアル⁉︎」」」
「それならミニスカートの着物なんてどう?」
「絶対フリル付きのエプロンドレスよ!」
お二人さんの案は却下で。違う店になるわ。
「着ぐるみがいいなぁ。ティッピーの」
ダメ。
なんか悲しそうな顔してもダメ!
「でも、この制服それなりに愛着があるんだよな」
「わかります。私も今ではうさ耳がない仕事服は落ち着かなくて」
シャロ、それ洗脳されてる。
思わず可哀想な人を見る目で見ちゃったけど、一瞬リゼもしてたし許してほしい。
「先輩のフルールの制服姿もすごく似合ってましたよ!」
「うちの制服も着こなせてたわ」
二人に言われてリゼも満更ではない顔をしている。
確かに普段と違う服のリゼも可愛かったな。フルールのは少ししか見れてないけど。
「いっ今出た案をローテーションで回すのは……」
「リゼちゃんもティッピーのコスプレしたいの」
違うそうじゃない。
「リゼもたまにはフルールの制服姿見せてくれ」
「土下座するなよ」
これは誠意を持ってお願いをしているだけなんだ!
プライド?プライドで生きていけるか‼︎
リゼのメイド服姿を見れるのはもう少し先のことであった……。
☆
次の日
ココア、チノ、そしてリゼの制服がリニューアルされた。
……フリル付きで。
「せっ先輩⁉︎すごくプリティです‼︎」
「仕事終わったら直すから何も言うな……!」
リゼも恥ずかしくて顔が真っ赤だ。
でも直すのはなんかもったいない気がするなぁ。
まぁいいや、カメラ持ってきたし。
「なっ何を撮ってるんだケイト‼︎」
「えっ、可愛いリゼを………かっ返せ俺のカメラ‼︎」
それには今撮った可愛らしいリゼの写真が‼︎
やっやめろー‼︎投げるフォームなんてしちゃいけない‼︎
バギッ‼︎
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああ(号泣)
つい先週、とある部活に 文化祭でやる劇の助っ人を頼まれました。
リゼも劇の助っ人やってたんで勿論即決でした!
……でも、なんの劇やるか決まらないんスよ(T ^ T)
異能とか無しで男女比良さげな作品って、なかなか思いつかないね。