学校
普段はリゼと帰宅だけど、今日は珍しくシャロもいる。
「待ち合わせは直接映画館でいいんだっけ」
「はい」 「そだよ」
これから俺ら3人にココア、チノちゃん、千夜を加えた6人で映画を見に行く。
しかも見るのは青山さんの『うさぎになったバリスタ』だ。楽しみでしょうがない。
「…………Zzz」
「…シャロ?」
「ふぇっ!」
…寝てたな今。
まぁいつもバイト頑張っているししょうがないか。
「……ところで待ち合わせは直接映画館でいいんだっけ」
「「えっ⁈」」
何故かまた同じことを聞いてきたリゼ。てかよく見たら目の焦点が合ってない。
こりゃリゼも半分寝てるな。
「おいリゼ、目を覚ませやい」
リゼの頬をペチペチと超軽く叩いて起こす。
こうして触ると、柔らかくてやっぱ女の子だなって感じる。
「……う、う〜〜ん。……眠い」
「だろうな。こんまんまじゃ映画館で寝ちゃうぞ」
もちろんシャロも。
おれ?俺はちゃんと寝たよ。
「す、スマン……」
「おおかた楽しみで眠れなかったんだろ?」
「 ⁈ な、何故わかった/// ⁈」
「………マジかよ」
「なっ⁈」
ぶっちゃけ当てずっぽうだわ。
にしても随分可愛らしい理由だな。
「おまえって奴はーーー/// ‼︎」
「待て待て落ち着けやい。眠気覚めたやん」
「……あっ、確かに」
「よかったじゃん。じゃ、行こうぜ」
2人、主にリゼからちょっと離れて前を歩く。
なんか恥ずいしな。
「……ホント、お前って奴は……」
……あれ、まだ怒ってる?
「あ、雨じゃん」
校舎を出ると、雨が降っていた。
「雨⁈傘持ってないのに!」
「困ったな」
2人は傘忘れたっぽいけど…
「俺持ってるぞ」
備えあれば憂いなしってね。
「3人は無理だし2人で使ってくれ。俺は鞄で行くよ」
「でもケイトが風邪を引くかもしれないし……そうだ!こうすれば!」
すると、リゼが俺の右腕に抱きついてきた。
「これだったら雨に濡れないだろ?」
「いや、たしかにそうだけど……さすがに恥ずい///」
「わ、私だって恥ずかしいぞ/// ‼︎」
だったらやめてくれよ!
おもきしリゼの大きめな膨らみが当たってヤバイ!
「ほら、シャロも入れよ!」
「は、はい!」
今度はシャロも入ってきた。
左側にきたシャロだけど、何故かシャロにはあまりパニックにならない。なんでやろ?
あっ!膨らみあんまないから………
「…イマナニカンガエテマシタカ?」
「ナナナナンデモナイヨアハハハハ!」
だからその眼で俺を殺せそうな顔やめて!
結局押し切られ、マジで3人で傘を使った。
リゼの膨らみもヤバイけど、周りの視線もツラかった。
無事?に映画館にたどり着き、びしょ濡れのココア、チノちゃん、千夜と合流した。
「ちゃちゃと中入ろうぜ」
「これ使ってくれ」
リゼが取り出したのは、体育で使わなかったタオルだ。俺は持ってきてない。
「ほらほらちゃんと乾かさないと髪に変な癖ついちゃうわよ」
「もうっ!お母さんじゃないんだから!」
みんな回して使うが、シャロはなんか頭が爆発してる。
「頭拭いてあげるねー」
「いいです、私はあまり濡れなかったので」
「チノちゃんは傘持ってたのか?」
「途中でティッピーが持ってきてくれました」
「スゲエなティッピー」
もはやウサギの能力を超えている。
ティッピーがテレビに出る日がくるかも。
「そういえばこの前の、先輩が演じた劇見ました。かっこよかったです」
「思ってたのと違っただろ」
銃向けられたしね。
……いや、それはたまにあるか。
「リゼちゃんが銀幕デビューの日も近いね」
「寂しくなりますね……」
「話を膨らませるな」
「もしヅカ的な歌劇団に入っても私の事忘れないでください!」
「入らないから!」
「甘兎・ザ・ムービーが上演決定の際はぜひ主演女優に……」
「お前の野望はどこまででかいんだ!」
千夜もう小説家目指せよ。メニュー名とか独特だし。
☆
上映後
映画は原作を忠実に再現していてよかった。
確か青山さんはラビットハウスをモデルにしてるって言ってたし、今度色々話を聞いてみよう。お爺さんの事とか。
「後半寝てたんですか⁈凄く良かったのに皆さんと語り合えないじゃないですか‼︎」
「でも小説は読んだから〜」
チノちゃんが熱い。まぁ気持ちはわからなくはないけど。
「とにかく映画よかったよな?」
「「「………」」」
………マジかよ。
「一応聞いておくけど理由は?」
「映画館が初めてでスクリーンのデカさに感動してて……」
「新作のメニュー名に……」
「お腹が減って……」
とりあえずシャロには売店の食べ物奢った。
「でも主人公のうさぎになっちゃったお爺ちゃんかっこよかったね!」
「ライバルの甘味処のお婆さん、あの情熱には心打たれたわ!くだらないことで争ってたけど」
「どこかで聞いた話ね」
確かモデルは甘兎って言ってたっけ?
「お爺さんも良かったけど、ジャズで喫茶店の経営難救ったバーテンダーの息子さんはもっとカッコよかったな!」
「まるで父みたいでした!」
「ムキーッ!」
何故かティッピーが怒った。
なんか悔しそうだな。
「おぉ今日のティッピーは表情豊かだね!」
「一番楽しんでたんじゃないか?」
「案外ティッピーにお爺さんの霊ついてるかもな」
「 ⁈ 」
あれ、なんで驚くんやチノちゃん?
☆
数日後
「私もバリスタ目指してみようかな。それでリゼちゃんとケイトくんがバーテンダーかソムリエになるの。大人になってもここで4人で働けたら素敵だよね!」
「確かにそれもいいな」
「けど、パン屋さんと弁護士はもういいのか?」
「あ、最近小説家もいいなーって」
もうちょっと将来の夢絞れよ。
「確かケイトは色々な所に引っ越してたんだよな?」
「そだよ」
姉さんの仕事でね。
「また引っ越すことは……」
あぁ、なるほど。いつか引っ越しちゃうかもって不安なんだな。
「だいじょぶだいじょぶ。どこにもいかねえよ」
姉さんは今は外国だ。
元々ここに残り続けるつもりだし引っ越すことはない。
それに……
「せっかくリゼに会えたんだし、離れるのは俺もやだよ」
……なんか恥ずかしい///
リゼも後ろ向くけど耳まで真っ赤だ。
「……お前はよくそんな恥ずかしいことを………///」
「わるかったな/// ‼︎」
まぁ、離れるかもって心配してくれたのは
マジで嬉しかったわ。
サンキューな、リゼ。
『このすば』とか『艦これ』の創作や『小説家になろう』でオリジナルやってみたい。
ケイト「今やったら更新速度さらにヤバくなるがな」
………
せめてワンパンマンの方原作に追いついたらやろう
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