ご注文はリゼでしょうか?   作:シドー@カス虫

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自分の髪型がオールバックだって気づいたこの頃



30話 リゼたちと映画館へ

学校

 

普段はリゼと帰宅だけど、今日は珍しくシャロもいる。

 

「待ち合わせは直接映画館でいいんだっけ」

 

「はい」 「そだよ」

 

これから俺ら3人にココア、チノちゃん、千夜を加えた6人で映画を見に行く。

しかも見るのは青山さんの『うさぎになったバリスタ』だ。楽しみでしょうがない。

 

「…………Zzz」

 

「…シャロ?」

 

「ふぇっ!」

 

…寝てたな今。

まぁいつもバイト頑張っているししょうがないか。

 

「……ところで待ち合わせは直接映画館でいいんだっけ」

 

「「えっ⁈」」

 

何故かまた同じことを聞いてきたリゼ。てかよく見たら目の焦点が合ってない。

こりゃリゼも半分寝てるな。

 

「おいリゼ、目を覚ませやい」

 

リゼの頬をペチペチと超軽く叩いて起こす。

こうして触ると、柔らかくてやっぱ女の子だなって感じる。

 

「……う、う〜〜ん。……眠い」

 

「だろうな。こんまんまじゃ映画館で寝ちゃうぞ」

 

もちろんシャロも。

おれ?俺はちゃんと寝たよ。

 

「す、スマン……」

 

「おおかた楽しみで眠れなかったんだろ?」

 

「 ⁈ な、何故わかった/// ⁈」

 

「………マジかよ」

 

「なっ⁈」

 

ぶっちゃけ当てずっぽうだわ。

にしても随分可愛らしい理由だな。

 

「おまえって奴はーーー/// ‼︎」

 

「待て待て落ち着けやい。眠気覚めたやん」

 

「……あっ、確かに」

 

「よかったじゃん。じゃ、行こうぜ」

 

2人、主にリゼからちょっと離れて前を歩く。

なんか恥ずいしな。

 

「……ホント、お前って奴は……」

 

……あれ、まだ怒ってる?

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、雨じゃん」

 

校舎を出ると、雨が降っていた。

 

「雨⁈傘持ってないのに!」

 

「困ったな」

 

2人は傘忘れたっぽいけど…

 

「俺持ってるぞ」

 

備えあれば憂いなしってね。

 

「3人は無理だし2人で使ってくれ。俺は鞄で行くよ」

 

「でもケイトが風邪を引くかもしれないし……そうだ!こうすれば!」

 

すると、リゼが俺の右腕に抱きついてきた。

 

「これだったら雨に濡れないだろ?」

 

「いや、たしかにそうだけど……さすがに恥ずい///」

 

「わ、私だって恥ずかしいぞ/// ‼︎」

 

だったらやめてくれよ!

おもきしリゼの大きめな膨らみが当たってヤバイ!

 

「ほら、シャロも入れよ!」

 

「は、はい!」

 

今度はシャロも入ってきた。

左側にきたシャロだけど、何故かシャロにはあまりパニックにならない。なんでやろ?

 

あっ!膨らみあんまないから………

 

「…イマナニカンガエテマシタカ?」

 

「ナナナナンデモナイヨアハハハハ!」

 

だからその眼で俺を殺せそうな顔やめて!

 

 

 

 

結局押し切られ、マジで3人で傘を使った。

リゼの膨らみもヤバイけど、周りの視線もツラかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

無事?に映画館にたどり着き、びしょ濡れのココア、チノちゃん、千夜と合流した。

 

「ちゃちゃと中入ろうぜ」

 

「これ使ってくれ」

 

リゼが取り出したのは、体育で使わなかったタオルだ。俺は持ってきてない。

 

「ほらほらちゃんと乾かさないと髪に変な癖ついちゃうわよ」

 

「もうっ!お母さんじゃないんだから!」

 

みんな回して使うが、シャロはなんか頭が爆発してる。

 

「頭拭いてあげるねー」

 

「いいです、私はあまり濡れなかったので」

 

「チノちゃんは傘持ってたのか?」

 

「途中でティッピーが持ってきてくれました」

 

「スゲエなティッピー」

 

もはやウサギの能力を超えている。

ティッピーがテレビに出る日がくるかも。

 

「そういえばこの前の、先輩が演じた劇見ました。かっこよかったです」

 

「思ってたのと違っただろ」

 

銃向けられたしね。

……いや、それはたまにあるか。

 

「リゼちゃんが銀幕デビューの日も近いね」

 

「寂しくなりますね……」

 

「話を膨らませるな」

 

「もしヅカ的な歌劇団に入っても私の事忘れないでください!」

 

「入らないから!」

 

「甘兎・ザ・ムービーが上演決定の際はぜひ主演女優に……」

 

「お前の野望はどこまででかいんだ!」

 

千夜もう小説家目指せよ。メニュー名とか独特だし。

 

 

 

 

 

 

 

 

上映後

 

映画は原作を忠実に再現していてよかった。

確か青山さんはラビットハウスをモデルにしてるって言ってたし、今度色々話を聞いてみよう。お爺さんの事とか。

 

「後半寝てたんですか⁈凄く良かったのに皆さんと語り合えないじゃないですか‼︎」

 

「でも小説は読んだから〜」

 

チノちゃんが熱い。まぁ気持ちはわからなくはないけど。

 

「とにかく映画よかったよな?」

 

「「「………」」」

 

………マジかよ。

 

「一応聞いておくけど理由は?」

 

「映画館が初めてでスクリーンのデカさに感動してて……」

 

「新作のメニュー名に……」

 

「お腹が減って……」

 

とりあえずシャロには売店の食べ物奢った。

 

 

「でも主人公のうさぎになっちゃったお爺ちゃんかっこよかったね!」

 

「ライバルの甘味処のお婆さん、あの情熱には心打たれたわ!くだらないことで争ってたけど」

 

「どこかで聞いた話ね」

 

確かモデルは甘兎って言ってたっけ?

 

「お爺さんも良かったけど、ジャズで喫茶店の経営難救ったバーテンダーの息子さんはもっとカッコよかったな!」

 

「まるで父みたいでした!」

 

「ムキーッ!」

 

何故かティッピーが怒った。

なんか悔しそうだな。

 

「おぉ今日のティッピーは表情豊かだね!」

 

「一番楽しんでたんじゃないか?」

 

「案外ティッピーにお爺さんの霊ついてるかもな」

 

「 ⁈ 」

 

あれ、なんで驚くんやチノちゃん?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後

 

 

「私もバリスタ目指してみようかな。それでリゼちゃんとケイトくんがバーテンダーかソムリエになるの。大人になってもここで4人で働けたら素敵だよね!」

 

「確かにそれもいいな」

 

「けど、パン屋さんと弁護士はもういいのか?」

 

「あ、最近小説家もいいなーって」

 

もうちょっと将来の夢絞れよ。

 

 

 

 

「確かケイトは色々な所に引っ越してたんだよな?」

 

「そだよ」

 

姉さんの仕事でね。

 

「また引っ越すことは……」

 

あぁ、なるほど。いつか引っ越しちゃうかもって不安なんだな。

 

「だいじょぶだいじょぶ。どこにもいかねえよ」

 

姉さんは今は外国だ。

元々ここに残り続けるつもりだし引っ越すことはない。

それに……

 

「せっかくリゼに会えたんだし、離れるのは俺もやだよ」

 

……なんか恥ずかしい///

リゼも後ろ向くけど耳まで真っ赤だ。

 

「……お前はよくそんな恥ずかしいことを………///」

 

「わるかったな/// ‼︎」

 

 

まぁ、離れるかもって心配してくれたのは

マジで嬉しかったわ。

 

 

サンキューな、リゼ。

 




『このすば』とか『艦これ』の創作や『小説家になろう』でオリジナルやってみたい。

ケイト「今やったら更新速度さらにヤバくなるがな」

………
せめてワンパンマンの方原作に追いついたらやろう


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