ご注文はリゼでしょうか?   作:シドー@カス虫

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俺もとうとう高3か……



27話 リゼとチラシ配り

今日も今日とてラビットハウスでバイト。

 

いつも通り仕事してたら、チノちゃんから見慣れない紙束を渡された。どうやらラビットハウスのチラシっぽい。

 

「ケイトさん、チラシ配りをお願いしてもらってもいいでしょうか?」

 

「ん?えぇよ」

 

断る理由もないし受け取る。

にしても分厚いな。ちょっとした辞書ぐらいある。

 

「ありがとうございます。少し多く作ってしまったので、リゼさんと協力して配ってください」

 

「別にえぇけど、2人抜けて大丈夫?」

 

「今日は比較的客も少ないので大丈夫です。それに2人で配るのはリゼさんの提案です」

 

あ そうなんだ。

まぁ人手は多いに越したことはないし。

 

「それじゃ早速行くぞケイト」

 

「へいへい。わーったからおいてくな」

 

俺をおいてきそうな勢いで店を出るリゼを追いかける。

あと半分持ってくれるとありがたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃ配るか」

 

「おk」

 

適当に人がいる場所で早速分かれてチラシを配る。

チラシ配りは初めてだけどなんとかなるだろう。

 

 

「喫茶店ラビットハウスをよろしくお願いしまーす」

 

「あらどうも♪」

 

「喫茶店ラビットハウスハウスをよろしく(以下略)」

 

「へぇ、可愛い名前ですね」

 

「喫茶店ラビット(以下略)」

 

「……ん」

 

「(以下略)」

 

「ありがとうおじちゃん!」

 

「まだ高校生だ」

 

 

色々な人にチラシを配って30分、3割ほどチラシを配ったがいかんせんやる気が出ない。同じことばっか言ってると機械みたいで性に合わない。

 

……リゼはどんぐらい配ったかな。ちょいと様子見するか。

 

 

 

 

「リゼ、チラシ配りは順調か?」

 

「あぁ、こっちは大丈夫だ。だいたい半分は配った」

 

「えっマジで?」

 

リゼの手元を見ると確かにチラシは半分ぐらい減っている。30分で半分って早すぎだろ…

 

「しゃべる暇があるならもっと配ってろ」

 

「待て待て、せっかくだし配ってるとこ参考にさせてくれ」

 

「かまわないが私で参考になるのか?」

 

「…………」

 

「おい、なんだその反応は」

 

「冗談冗談。なるから見せてくれ」

 

リゼのやり方を参考に見せてもらうと、フルールでバイトしてた時の笑顔や姿勢をしていた。

……なるほど、可愛いから俺よか受け取ってくれるのか。こりゃ参考にならねぇわ。

 

「フルール・ド・ラパンをよろしくお願いしまーす♪」

 

……無意識にフルールの宣伝になっちゃったかー。さすがに止めないと客が減りかねない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ついフルールの宣伝をしてしまうとは……不甲斐ない」

 

「気にすんな」

 

可愛いもの見れたからプラマイで言えばプラスだ。

 

「ど……どい……っ」

 

「ん?なんか聞き覚えある声」

 

「あっちからだ」

 

気になって2人で声の出どころに向かうと……

 

「どいてくださいお願いします‼︎」

 

…うさぎに土下座してるシャロがいた。通りがかりの人も変人を見る目で見ちゃってる。

 

「ほら」

 

「リリリリゼ先輩⁈ついでにケイト先輩も‼︎」

 

「オマケかよ」

 

しかもデジャブ。

まぁとりあえずリゼがうさぎを追い払ったので、シャロも正気に戻った。チラシの上にうさぎ乗っちゃってたんだね。

 

「店の制服で外にいるなんて珍しいですね」

 

「ココアが企画したパン祭りのチラシ配り担当に任命されたんだ」

 

「そうでしたか…………2人で(チラッ)」

 

何故俺を睨む。

 

「で、どうするリゼ。さすがに他店と一緒に配るのはアレだし」

 

「そうだな。私たちは別の場所にでも……」

 

「あら、桐間さんと先輩方だわ」

 

「面白い格好をなさっているわ」

 

チラシ配りを再開しようと思ったら、女の子2人がやってきた。たぶんシャロのクラスメイトだろう、うちん学校の制服だし。

 

「桐間さんも今度開くお茶会ご一緒しない?」

 

「ま、またいつか……」

 

シャロはやんわりと断る。バイトが忙しいからかな。

 

「先輩方もよろしかったら」

 

「俺?俺はいいよ。みんなに馴染めなさそうだし」

 

お嬢様じゃないし、女の子ですらないし。

 

「ま、誘ってくれてありがとね」

 

「いえいえ。天々座先輩もよろしかったら」

 

「それならクレープやケーキのレーションを持ってこう。サバゲーやりながら食べると楽しいな」

 

「サバゲ?」

 

ブレないなぁリゼ。お茶会でその考えに至る人なんて他にいないだろ。

 

「お嬢様ばかりの中、先輩のそういう所すごく安心します」

 

「?」

 

まぁ、ありのままの自分でいるのは大切だよな。レリゴーは無しで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっちで配ってくる」

 

「いてらー」

 

「……なんでケイト先輩は残るんですか」

 

「なんとなく」

 

移動するのが面倒だし。

 

シャロに少し距離を置かれながらチラシを配ってると、なんだか見覚えのある人がシャロん所にきた。

いつかに会った小説家の青山さんだ。

 

「あの…このお店はいかがわしいお店なのでしょうか?」

 

「普通の健全な喫茶店です‼︎」

 

「なるほど……耳をつけた少女たちを拝みながらお茶をする…。こういった趣向もあるんですね」

 

「拝⁈」

 

微妙にズレた会話をしている。暇だし挨拶ぐらいするか(チラシ配れ)

 

「こんにちは青山さん」

 

「あらケイトさん。ケイトさんもチラシを配ってるのですか?

 

「この子とは違う店ですけど」

 

「近日伺いますのでお二人とも何卒よしなに」

 

「ちょっ太ももに向かって話さないでください‼︎挨拶する体勢じゃない‼︎」

 

何故かシャロの太ももを見ながら喋る青山さん。

どこまでもズレた感じがする人だった…

 

「先輩も太もも見ないでください!」

 

「いやいやついノリで『ガスッ‼︎』

 

頭を踏まれ、鼻血が出ちまった。

ちなみに残念ながらパンツは見えなかった。ちくせう。

 





朝納豆食って歯磨き忘れたのに

『とってもキレイですね♪』

なんて歯科検診で言われて心が痛い(7日の実話)

ケイト「みんなは歯を磨こう」



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