ご注文はリゼでしょうか?   作:シドー@カス虫

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無事進級できました!

某物語では主人公はこの時期吸血鬼に出会いますが、
ケイト君や俺は通常運転です



25話 リゼとお出かけ

「デートに行こう!」

 

「………いいけど」

 

何の変哲もない休日。リゼが家に来たと思ったらそんなことを言ってきた。

 

「てか何で急に?」

 

「前にデートに行くって約束しただろ」

 

あぁ、確かプールに行ったときそんな約束したね。でもホント急だな。今日の今誘う理由にはなってねえし。

 

「……なんだ、愛しい俺に会いたくなったからか(笑)?」

 

「そ、そんなわけあるか/// ‼︎」

 

「じょ冗談だから拳は止めデオッ‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で どこに行くの?」

 

「………」

 

「考えてないのかよ」

 

なんとなく歩いてるけど正直ラチがあかない。

 

「そうだ、そこの店の服でも見るか?」

 

「お、いいな」

 

というわけで服を見る。

 

 

 

適当に見てる俺と違ってリゼは真剣に服を選んでる。やっぱ女子なんだな。

俺は趣味に使うから服は滅多に買わない。

 

「何やら葛藤しているようですな」

 

「そっとしておきましょう」

 

あら、ココアとチノちゃんだ。リゼにだけ気付いてどっか行っちゃった。まぁ微妙に離れてたし、俺影薄いし。

 

「ケイト、試着してみるから見てくれ」

 

「おk」

 

試着

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうだ?」

 

試着を終えたリゼが出てきた。

 

「うん、かわいいよ」

 

「そ、そうか///」

 

白のワンピースを着たリゼは何処となくお淑やかな雰囲気を感じる。たぶん気のせいだけど。

 

でもやっぱ着る服で雰囲気って変わるもんなんだな。

……フルールのときのもう一回見たくなったな。次着てたら写真撮るか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リゼがワンピースの買い、二人で色々な店を見て回ってると……

 

「あらあらまぁ…!可愛いカップルですね♡」

 

「は、はぁ……」

 

「カップル//// ⁈」

 

誰やねんお姉さん?

 

「お嬢さん、よろしければカットモデルお願いできませんか?」

 

「へっ?私が⁈」

 

へぇ、ホントにカットモデルのお願いってあるんだな。

 

「どうするリゼ?」

 

「むぅ……ケイト、少し待っててくれるか?」

 

「ええよ。公園で待ってるわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

する事もなく公園のベンチで横になってる俺。

 

「あのぉ…座ってもいいでしょうか」

 

「あ、スイマセン」

 

流石にベンチの占領はダメだよな。

 

「今日はお散歩ですか?」

 

「まぁ、そんなところです」

 

なんか会話が始まったけど、暇つぶしになるからいいや。

 

「あなたも散歩ですか?」

 

「はい。閃きを求めて彷徨っているんです」

 

「閃き?」

 

「えぇ。私、小説家なんです。未熟ながら本でご飯を食べさせてもらってます」

 

「おぉ…、凄いですね。ペンネームとかあるんですか?」

 

「あっ、自己紹介がまだでした。青山ブルーマウンテン・・・と申します」

 

「青山さん……、あぁ 『うさぎになったバリスタ』の作者さんでしたか」

 

確か最近映画化した本だ。……と昨日本屋に行ったときにそんな広告を見た気がする。

 

「あっ、俺は用があるのでそろそろ……」

 

約束した時間にそろそろなりそうだ。

 

「そうでしたか。話し相手になってもらってありがとうございます」

 

「いえいえ、こちらこそいい時間潰しになりましたし…」

 

「ではこれで…」

 

「はい。ありがとうございました」

 

青山ブルーマウンテンさん……不思議な雰囲気の人だったな。

 

 

 

……帰りに本屋寄るか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結論から言うと

 

メッチャお嬢様になった。

髪型とワンピースがさらにマッチして、何処からどう見てもお嬢様だ。まぁホントにお嬢様かもだけど。

 

「ど、どうしたんだケイト?」

 

おっと、固まってしまった。

 

「い、いや…その……」

 

「なんだその反応は?お前らしくないな」

 

「うるへぇ」

 

なんかリゼを直視できないな。

 

「……リゼさん?」

 

「はいっ⁈」 「へ?」

 

このタイミングでチノちゃんとココアがやってきた。

 

「……と思ったら違ったみたいです。失礼しました」

 

「さっき見かけた時と服と髪型が違うもんね」

 

(見てたのかよ‼︎)

 

って思ってるな、絶対。俺も一言も言わなかったし。言う理由がないし。

 

「…ん?でもリゼちゃんって呼んだら振り向いたよ?」

 

「ちっ違います!私はロゼです!聞き間違えただけです///」

 

いやリゼ、それは無理があるような……

 

「そうだったんですか!ロゼさんに良く似た人がうちの喫茶店にいるんでびっくりしました」

 

マジかよ気付いてねえ‼︎

純真すぎる‼︎

 

「ケイトさんはどういった理由でロゼさんと?知り合いなんですか?」

 

えっと……、これは真実を言えばいいのか?

 

いや……。リゼの目が怖い。口裏合わせなきゃ俺に明日は無いやつだ。

 

「いや、道を聞かれたから案内してるだけ」

 

「そうでしたか」

 

まぁ理由としては充分違和感は無いだろう。

 

「じゃあ私たちはここで」

 

「引き止めてすみませんでした。ラビットハウスという店なので、いつか来てください」

 

「はい。いつか必ず」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「案外気付かないもんだなぁ」

 

「……助かった」

 

「でもなんでわざわざ誤魔化したんだ?」

 

「そ、それは……恥ずかしくて///」

 

乙女心は複雑だ。

 

「まぁ、デート続けようぜ」

 

「だな!」

 

まだまだ時間はあるしな。

さっきあった青山さんの話もしたいし。

 

 

「あ、リゼ。言い忘れてた」

 

「ん?」

 

「そのカッコ、超可愛いぜ」

 

「なっ///」

 

やっぱ思ったことはハッキリ言うとスッキリするな。

恥ずかしがってるリゼも可愛いしw

 

 

 

 

その後も俺たちは街を回って、今日という日を存分に楽しんだ。

 




いやぁ、進級できてマジよかったよ

ケイト「進級ぐらいはできるだろ」

いやいや、うちガチで高レベルの進学校だから。俺毎年危ないし

「……マジかよ」

でも今年は初めて先生から『進級あぶないよ』って電話来なくてよかったよ。成長してるんだな俺も。やったねシドー君♡

「誇れねぇしキモイ」

(´・ω・`)



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