「チノちゃんの笑顔?」
「うん…見たことないの」
ラビットハウスのいつものメンツ。チノちゃんの笑顔を見たことないとココアが相談してきた。
「たしかにチノってあんまり笑わないよなー」
「基本クールだしね」
「早くにお母さん亡くしてるし、おじいちゃんもいなくなっちゃってショックを引きずってるのかな…」
大切な家族がいなくなったらそりゃショックだよな。俺のようにガキの頃だったら兎も角。
「……あれ?リゼちゃんあんまりって言った?」
「言ったけど」
「もっと笑ったら取っ付きやすいだろうに。勿体無いなぁ」
「⁈」
というわけ?で、チノちゃんの笑顔及びみんなの写真を撮る事になった。写真は姉に送るらしい。
「と、撮ったら見せろよ。半目だったら恥ずかしいからな。」
「わかったー!」
パシャッ
「!」
「これは…心霊写真!?」
え、マジで?
えっと、どれどれ〜……
「今までその銃で何人やってきたの⁈」
「おい、ココアの指だろ」
「チノちゃんもっと笑顔で!」
「いきなり言われても…」
「どうせなら3人一緒に撮らないか?」
リゼがカメラ係で、3人は並ぶ。
「チノちゃんだけ笑わないのも変だからチノちゃんに合わせるよ。」
「おk」
パシャッ
「これは…」
写真には無表情で並ぶ3人。
「ずいぶん陰気な喫茶店だな…」
却下で。てか俺ホント目つき悪いな……。
「笑ってくださいお願いします…」
「泣きながら言うなよ」
お願いしてしてもらうものじゃ…
「くすっ…なんだか証明写真みたいですね」
「今だココア!これがチノの笑顔だ‼︎」
「いねえ……」
「え?あ、ちょっとパンの焼き加減見に行ってたよー」
「「間が悪い‼︎」」
「私はココアさんにとって我が子を突き落とすライオンです。這い上がってきときに笑いかけるんです。たぶん」
「なんだその理屈?」
しかもたぶん言ってるし。
「照れてるだけって正直に言えよ。くすぐったら笑うだろ」
しゃあない。強行手段で…
「こちょこちょこちょこちょ」
「んっ…や、やめてください…」
あれ?楽しい。ゾクゾクする。何か新しい世界が見え……
「やめろぉおおおおおおおおおおお‼︎」
「ナブシッ⁈」
リゼにドロップキックされた。
「危ねぇ。行ってはいけない世界に行く所だった……」
そしたら俺は社会的に死んだだろう。
なんて考えてると、ココアが助っ人を連れてきた。千夜だ。
「漫才コンビの相方を連れてきたよ!コントで笑わせるからね!」
仕事中じゃなかったのかよ
「それはそれ これはこれ♡」
あっハイ。
「私、この前家庭科の授業で塩と間違えて砂糖入れちゃったじゃない?」
「うんうん、よくあるね。」
ねぇよ。
「あれ、砂糖じゃなくて粉末石鹸だったみたい」
「あはは、それ面白いー」
「「シャレにならない…」」
実話じゃないよな?実話じゃないよな⁈
「ふっ…こんなことまでして…ココアさんは本当にしょうがないココアさんです」
「チノちゃん…!」
パシャッ
「やったー!チノちゃんの笑顔撮れたよー!」
「「………」」
(リゼ、これって嘲笑だよな……)
(ココアがいいならそれでいい…)
ココアの姉生活も前途多難のようだ。
* * *
「ほら笑って笑って〜」
「お、お前も撮るのか?」
せっかくだし俺も姉さんに送る写真を撮る事にした。
「ココアに習って俺も笑顔の写真を撮るよ」
「そんな急に言われても…」
それもそうか。だったら…
「じゃあ首を傾げて、口に手をあてて」
「こ、こうか?」
「ニコッ!」
「ニコッ♡」
パシャパシャパシャパシャパシャ…
「すぐに消せぇえええええええええ///」
「イヤだ‼︎こんなカワイイ笑顔を消すなんて勿体無い‼︎」
後にこの写真は俺ん家の机に長い間飾られる……
いやだって超カワイイじゃん
テストやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだ……
ケイト「うるせえ」
明日も日曜日曜日曜日曜日曜日曜日曜日曜日曜日曜日曜日曜日曜日曜日曜……
ケイト「現実を見ろ」
バルスバルスバルスバルスバルスバルスバルスバルスバルスバルスバルスバルス……
ケイト「学校は消えない」
次はかなりの確率で来週日曜の同じぐらいの時間です
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