ご注文はリゼでしょうか?   作:シドー@カス虫

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母さんと弟がケンカしてると捗る悲しみ…


19話 リゼとの約束

「これからリゼが泳げるよう特訓を始めまーす」

 

「ココアは泳ぎ方覚え直しなさい」

 

「はーい♪」 「わかった」

 

チェスのことは一旦忘れて特訓を始める。講師役は俺とシャロ、生徒役はリゼとココアだ。

 

「ではまず最初にすることは?」

 

「普通にストレッチだな」

 

「リゼ正解」

 

ストレッチしないとケガするしな。ストレッチ、やる絶対。

 

「確かに準備運動は大切だよな」

 

リゼは足を大きく広げながら上半身を床につける。

 

「おー体柔らかいな」

 

「訓練してるからな」

 

「何のだよ………あと、ココアたちは何してんだ?」

 

「肉体美の表現なら負けてられないね!」

 

ココアは負けじとシャロと組体操のサボテンをした。震えてて危なっかしい…

 

「だったら私たちも!」

 

「待ってリゼ‼︎押すなよ!それ以上絶対押すなよ‼︎」

 

「それはフリか?それに硬すぎるぞ!手は足につけないと!」

 

「うるせぇ!俺前屈ニガテなんだよ!体硬いからこれ以上ム『ボキッ!』ホギャァアアアア‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

「まずは息止め勝負開始!」

 

「「「(なんでそうなるんだろう)」」」

 

何故か3人で息止め勝負になった。俺?うつ伏せで観戦ですが何か。

 

 

………ちょっと待て!ココアが『ぷかぁ』て浮かんでる!ま、まさか溺れたのか⁈いま助け……

 

 

「私の勝ちだね!」

 

「変な体勢で息止めるなよ!こっちが息止まるわ!」

 

「あれ、じゃあこっちは……」

 

 

 

 

ぷかぁ

 

 

 

 

「大丈夫かケイト⁈」

 

腰が……。ヤバイ、死………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう大丈夫なのか?」

 

「あぁ。でもさすがの俺も死ぬかと思ったぜ……」

 

俺はどこのサイヤ人の王子だ。

 

「チャンスです」

 

「まだまだよ!」

 

あっ、チェス勝負も終わりが近づいてきたっぽいな。

 

「っ!チノちゃんが勝ったら私のお姉ちゃんとしての威厳がぁぁ!」

 

おいコラ生徒。

 

「えっと…とりあえずビート板を使って練習しましょう」

 

「あっシャロ ビート板じゃなくて手を引っ張るやつ あれがやりたい!」

 

((リゼ(先輩)意外と子供だ))

 

 

 

「先輩ってスポーツ万能かと思ってました」

 

「泳ぐ機会がなかったからなー。授業もなかったし」

 

2人は手を引っ張るやつで練習してる。……暇だな。チェス見に行くか。

 

 

「シャロが溺れても助けられるくらい上手くなってやるぞー」

 

「そんな迷惑かけませ……」

 

ぷかぁ

 

「もう想定訓練か⁈」

 

「(緊張して足がつった……)」

 

なんてことがあったのを俺はあとで聞いた。

 

 

 

 

 

暇なんで練習はシャロに任せてチェスを見に来た。戦況はチノちゃんが優勢だがまだわからない。

 

「千夜ちゃんそこでチェストだよ!」

 

「チェックメイトって言いたいの?」

 

しかもそんな盤面じゃねぇし…

 

「違うぞチノ!その隣りの方が有利になるはずじゃ!」

 

「ティッピーうるさいです」

 

「はい……(ショボーン)」

 

チノちゃんは腹話術しちゃうぐらいノリノリみたいだ。

 

 

「一兵卒が女王に逆らおうなど貴族に生まれ変わってからにしろー」

 

「ココアちゃん……駒になりきるのやめてもらえる?」

 

「チノ!今じゃそこだ!」

 

「千夜ちゃん!上、後ろ!」

 

「はいはい邪魔になるから泳いでよっか」

 

「あ〜う〜」 「はなせ小童!」

 

とりあえずココアと一応ティッピーをチェス試合から引き離した。

 

 

 

 

 

 

「リゼちゃんすごーい!もうあんなに泳げるようになってる!」

 

リゼはどうなったか見るともう一人で泳げるようになった。

 

「これも全部シャロとケイトのおかげだな」

 

「リゼ先輩は飲み込みが早いですから。私はほとんど何もしてないです」

 

「それ言ったら俺は本当に何もしてなかったぞ」

 

先生2人もいらなかったし。

 

「泳ぐのがこんなに楽しいとは思わなかった!ありがとなシャロ、ケイト!」

 

「よかったじゃんシャロ」

 

「は、はい!」

 

やっぱ誰かのために何かできるって嬉しいよな。

 

「次はこれを使って泳ごう!」

 

足ヒレ……さすがにムリだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここから見える夜景きれいー!」

 

外を見るとすっかり夜だ。こうして街を見渡すのもいいな。

 

「夜風が気持ちいいわねー」

 

「こうやって耳を澄ませばあの明かり一つ一つから街の営みが聞こえてきそう……」

 

「素敵です」

 

「あのお家、今夜は妹さん特製カレーだって。いいなー」

 

「あの家のご夫婦。今夜は修羅場ね」

 

「それは聞きたくなかった……」

 

 

「牛乳買ってきたわよー」

 

「みんなで飲もう」

 

シャロとリゼがコーヒー牛乳買ってきてくれた。ちなみにシャロはフルーツ牛乳だ。

 

「「「「コーヒー牛乳(フルーツ牛乳)で乾杯ー!」」」」

 

「お姉ちゃん!コーヒー牛乳はこうやって飲むんだよ!」

 

「チノが勝ったのか……」

 

 

 

 

 

 

 

「あのさぁケイト」

 

「?」

 

「その、千夜はチェスで負けたけどさぁ…」

 

「…デートをしたいと?」

 

「うっ/// ま、まぁそうなんだが///」

 

「あ〜、もちろんいいぜ。デートって言うべきかはわからんが、一緒に出掛けるとかならいつでも」

 

「いいのか⁈」

 

「断る理由ないしな。……いや、違う。そうじゃないな」

 

「?」

 

「俺もリゼと一緒に出掛けたいんだよ」

 

「なっ⁈/// お、お前は本当に恥ずかしい事を平然と言うな///」

 

「これが俺の本心だしな。まぁ、そのうち一緒に 約束な」

 

「あぁ 約束だな」

 

 

 

 

 

俺とリゼは帰り道、指切りげんまんをした。

リゼの手はちっちゃくて可愛らしかった。

 

 

 




次回バレンタイン&誕生日回です。

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