それでもいい方は、本編スタートです
ここは木組みの家と石畳の街。
俺は今日、この街に1人で引っ越してきた。
とりあえず自己紹介から始めよう。
俺の名前は 黄金桂兎(こがね けいと)。春から高校2年生になる。
姉さんの仕事の都合で、今日から一人暮らしを始めることになった。
姉さんの仕事についてはいつか話すとしてーー
幼い頃に両親を亡くし、俺と姉さんと二人暮らし。その姉さんも仕事で海外に行くことになった。でも正直俺は日本に残りたく、姉さんの親友に保護者代理として面倒を見てもらうことになったのだ。
同時期に女の子が下宿し始めるらしく、流石に男の俺も下宿させてもらうわけにはいかなかったけど…そこは姉さんが家を用意してくれたので問題ない。マジでありがとうございます。
まぁ、これが街に来た大まかな経緯だな。
今俺は、親友さんの経営している喫茶店『ラビットハウス』の前にいる。
事前にバイトをしたいと伝えたので、たぶん挨拶したらすぐにでもバイトは始まるだろう。
まず店に入るか。
「安心する味!これインスタントの…」
「うちのオリジナルブレンドです」
店に入ると、コーヒーを3杯飲んでる女の子と、頭にもじゃもじゃを乗せた小さな店員がいた。
てか失礼すぎるわ。
「すみません、タカヒロさんはいますか?」
「父に用があるのですか?」
小さな店員さんが呼ぶと父さんの親友、タカヒロさんがでてきた。
「やぁ、君が黄金君の弟か」
「初めまして、黄金桂兎です。今日からよろしくお願いします」
「あぁ、よろしく。こっちが娘のチノだ」
「初めまして。香風智乃(かふう ちの)です。」
二人ともクールだなぁ。
…カッコイイ。
「本当は君もうちに下宿してよかったのだけれどね」
「いえいえ、同年代の女の子がくるんじゃ色々危ないですし」
俺の理性とかね。
「まぁいい、さっそく仕事を始めようか。制服は二階にあるからまず着替えてきてくれ」
「わかりました」
制服に着替えるか。制服のサイズあるかな?
「ここにも誰かが下宿しにくるの?私も下宿先探してたんだ♪」
チノちゃんに俺にあった制服あるか聞いてたら、さっきの女の子が話してきた。ちなみにサイズはあるらしい。
あれ、そんな何人も下宿しに来る人なんているのか?
「イキナリで悪いけど、君の下宿先の人の名前は?」
「? 香風さんだよ?」
「……ウチです」
「え⁈すごい!これは偶然を通り越して運命だよ!」
やっぱり話で聞いた女の子だったか。てかイキナリ運命て。
「私は保登心愛(ほと ここあ)。今日からよろしくね♪」
「私は香風智乃です。ここのマスターの孫です」
「あれ、そのマスターはどこにいるの?」
「祖父は去年……」
「そっか、今はチノちゃんとお父さんで切り盛りしてるんだね……」
「いえ バイトの子が一人いますし黄金さんも増え……」
「私を姉だと思って何でも言って!!」
チノちゃんに抱きつくココア。
なんか俺びっくりするぐらい蚊帳の外にされてるな。
……着替えるか。
二階に上がると、それっぽい部屋があった。たぶんここが更衣室だろう。
そういえばどのクローゼットにあるか聞いてなかったな。
まぁ全部開ければ見つかるか。
とりあえず適当なクローゼットを開ける。
「「えっ?」」
……なんか女の子がいた。
なんでクローゼットに女の子が? てか、女の子の格好ってまさか下着じゃ…
「キャアァァァァァァ⁈」
「アァァァァア⁈!スミマセェェェェン‼︎」
咄嗟に女の子から目をそらす。
「スミマセンたぶん部屋間違えましたすぐに出まDOOR⁈」
俺はどこのサイヤ人だよ
……なぜだろう?背中が痛い
俺
浮いて
あれ
床が
目 …… 前に
あ
ドロップ…… キッ…
か
バダンッ‼︎
辛うじてドロップキックを食らったことを認識して、俺は意識を失った。
これが彼女との、衝撃(物理)的な出会いだった。
「今何か大きな音がしました」
「そんなことよりお姉ちゃんって呼ん……」
「じゃあココアさん何があったか見てきてください」
初めまして シドーです
現役高校二年生です
更新は最遅で一週間の予定です
余談ですが、俺も背後からドロップキック食らったことあります。小5のときです。
世界が反転して、宙に浮きました。人は危機が迫ると1秒が何秒にも感じるときがあるようですが、ガチで世界がスローになりました。
皆さんはふざけてても友達にドロップキックはやめましょう(切実)
余談の方が長いなw