「・・・・・・なにか俺に対して聞きてェことはあるか」
握手を交わした後、一方通行はイリヤが大人しく椅子に座ったのを見届け、静かに口を開いた。
一瞬、キョトンとした表情でこちらを見つめるイリヤと目が合い、彼女は虚空を数秒見つめるような仕草をしたのち、再び一方通行の方を見た。
「えっと、確認だけどバーサーカーはここから違う世界から来た人っていう解釈で良いんだよね?」
「あァ、ここが俺にとって異世界っつー確証はねェけどなァ」
日付を見る限り、まるっきり時間軸が同じというわけではないようだった。
ここが学園都市そのものがつくられる前の時間軸である、という可能性も否定できないが少なくとも一方通行がいた世界からしてみれば異世界なのは違いない。
「その、あまり信じられないんだけど。バーサーカーの話じゃあ、貴方はアッチの世界でまだ生きていた事になるんだよね」
「そういうこったな。コッチに呼ばれる前までは俺は確かに生きていた。それは間違いねェ」
「じゃあ、霊体には――」
おそるおそるといった風に上目遣いで訊ねてくるイリヤに、一方通行ははっきりと結論を口にする。
「……あぁ。一応試してはみたが、俺自身の身体が消えるっつう奇怪現象は起きなかった」
「うう、やっぱり」
一方通行が頷くと、言いにくそうにこちらを見ていたイリヤは分かりやすく肩を落とした。
彼女がうな垂れるのも無理はない。
普段からサーヴァントを実体化させるという行為は、すなわち敵に己のサーヴァントの情報を曝すということにつながる。
霊体化。
これはおそらく、文字通り物理法則の干渉から解き放たれる、一種の反則にも似た能力のことだろうと一方通行は推測している。
そもそも死後の英霊とかいう存在を現世に呼び出し、己の代わりに戦わせる聖杯戦争だ。
その兵器ともなりうる英霊は、言ってみれば『魂そのもの』と言っても過言ではない。
形のないものを戦わせるには物理法則に干渉することのできうる『入れ物』が必要になる。
この少女の口ぶりからすると、聖杯戦争はなんらかの方法で肉付けされた体を持った英霊が、マスターの代理で戦う、ということだ。
つまり、その英霊を具象化する肉体は魔力か何かでできているのだろう。
(なんだったら、姿を見えなくするだけじゃねェ。もしかすると、純粋な物理攻撃は意味をなさねェのかもしれねェってことだ)
脳裏に浮かべた可能性は否定できない。
夕方、キャスターとの戦闘時。奴は一方通行が放った弾丸を避けたり、防いだりとして見せた。
本来、霊体化が使えるなら文字通り消えてしまえば、あんな無駄なことをせずに済んだはずだ。
にも拘らず、キャスターは一方通行の弾丸を防ぎ、あまつさえこう口走った。
『聖杯戦争にもかかわらず、ただの銃で向かってくるなんて』
物理干渉を完全に受けないのであれば、あのような言葉は口にしない。
もしかしたら、霊体化というのは一種のスイッチの切り替えのようなもので、自分のチョーカーのようにオンオフが存在し、普段は実体化して戦闘するなり、ものに触れるなりできるが、いざ霊体化する際にはいくつかの工程を経て発動するのかもしれない。
その一瞬の隙。それはこの戦いにとって生死を分ける行動といっても過言ではない。
もしそうなのだとしたら、魔術戦争であるこの聖杯戦争を想定したキャスターの行動も頷けるし、裏を返せばいま自分が腰にさしている拳銃は無用の長物となる可能性が高い。
(……もしそうだとすると本格的に装備を改める必要があるなァ)
簡単に思考をまとめ、今後の対策に練ろうと思考をシフト仕掛けたとき、ジッと何かを呟いていたイリヤが一方通行の方を見て、躊躇うような表情を見せてから口を開いた。
「それと!!」
「……まだ何かあンのか」
「初めに聞こうと思ったんだけど、バーサーカーって冬木に召還される際に、聖杯から聖杯戦争についての情報なんか与えられてるの?」
「そンなもン知ってたらワザワザ聞いたりしねェよ」
「うっ。そう、だよね」
重苦しい嘆息が室内に溶け、しばらく気まずい空気が倉庫に流れる。
イリヤからしてみれば確認の問いなのだろうが、実際に肯定されるとへこむらしい。
しかし、一方通行にはすでに分かっていたことなので、何のショックもなくこの事実を受け入れることができた。
そもそも。
「・・・・・まァ、俺の考察だと、俺の召還は聖杯側からしたらイレギュラーなもンだと思ってる」
「それは、そうかもしれないけど――」
「あくまで考察だ。だが、こう考えると他の『諸々の仮説』がしっくりくる」
尻すぼみしていくイリヤの姿を見かね、一方通行は大きくため息を吐き出してあえて強調するように前置きする。
イリヤにも念押しするように言ったが、これはあくまで一方通行がはじき出した仮説でしかない。
確定的な証拠がまだ存在しない以上、むやみに正しいと決めつけ勘違いしたまま行動する時ほど危ういものはない。
まず、与えられた情報を吟味し、慎重に理解していく。
暗部で培った経験則であり、裏家業に身を置くものなら当然の常識だ。
その言葉にひとまず納得したのかイリヤは答えるように小さく頷くが、何か思いついたようにすぐに表情を曇らせ、指先を絡めたりほどいたりを繰り返し気まずそうにこちらの様子をうかがってきた。
不審な仕草に一方通行は思わず眉根をひそめてイリヤを観察すると、うつむいていた彼女が不意に顔を上げて一方通行を見る。
こういった行動をよく打ち止めで目にする一方通行にとってはたいして驚きもしない行動だったが、彼女が何かに対して悩んでいるのだけは伝わってきた。
口を開きかけて言葉を伝えようとするも、イリヤはためらうようにして視線を彷徨わせ、もどかしそうに口を動かし続ける。そして、今度こそ一方通行の瞳を正面から見つめると、喉からつかえた言葉が吐き出された。
「・・・・・・ねぇバーサーカー。バーサーカーってわたしに隠してることがたくさんあるよね」
それは今にも消え入りそうな、先ほどまで喜んでいた彼女とは違う声色。
興奮が冷めたように静かな声に、一方通行も言葉を選ぶようにして黙りこくり、先日のイリヤが言い出しそうなことを考え、一つの可能性に行き当たった。
「あン? まさか隠し事は無しだなンて言わねェよな」
「ううん、そうじゃない。ただ、ちょっとした確認」
「確認だァ?」
怪訝そうに眉をひそめた一方通行に、イリヤは軽く頷いて椅子から飛び降りた。
勢いついた椅子はガタゴトと音を立ててむなしく回るが、当の本人は至って真剣な表情で、一方通行を見つめている。
月明かりに照らされる白い肌が一層、輝きを増し、ルビーより赤く光る双眸が一方通行を静かに射抜いた。
「ねぇ、バーサーカー。わたし達って『対等』の立場だよね」
「あァ、その認識は間違ってねェ。いまの俺たちには『上』も『下』も存在しねェ」
「――そう、だったら大丈夫かな」
そう言って、頬を緩ませると幾分か明るい声でイリヤは笑った。
その笑みを理解しきれなかった一方通行は、さらにいっそう眉をひそめて彼女の方を見る。
「何が大丈夫なンだよ。もしかしたら俺は、裏でお前を殺そうと考えてるかもしれねェンだぞ」
「わたしを、殺すの?」
「殺さねェよ」
はっきりと語調を強めて否定すると、イリヤは目を丸くしたようにして驚き、すぐに柔らかく頬を緩ませて小さく笑った。
―――――
「ふふ。ならやっぱり大丈夫」
あんまりにもはっきり言うものだから思わず笑ってしまった。
それと同時に、彼は本当に聖杯戦争に参加してくれるのだと実感がわいてきて、胸のあたりがジンと熱くなってくるのがわかる。
それでも、バーサーカーは納得していないのか、まだ眉間にしわを寄せてわたしをジッと見てくる。
そんな彼の表情がたまらなくおかしくて、うれしくて、口元に手を当てて恥ずかしそうに笑うと、わたしははっきりと自分の胸にあった心境を吐露した。
「わたしは、ただ対等の立場ってわかればそれで満足。それ以上は今は望まない」
それでも満足しないのか、バーサーカーは黙って私の話に耳を傾ける。
ここまでいってしまったら、いいかな。
バーサーカーだってちゃんと決心して、自分で決めてわたしの望みに答えてくれたんだ。ここでわたしが自分の気持ちを隠すのは卑怯だ。
小さく息を吐き出し、ゆっくりと胸の内をそっと吐露する。
「バーサーカーがいま考えてることって、少なくても今のわたしには話せないことなんでしょ?」
「あァそうだ」
短いけど答えが返ってくる。
やっぱりそうだ。
彼には彼なりの考えがあって、それはきっとわたしのため、は言い過ぎかもしれないけどきっと『わたしたち』のためになることなのだ。
ならわたしは――。
「だったら、わたしが無理に聞き出す権利なんてない」
自分の意志で、はっきりとバーサーカーに伝える。
驚いたのか、瞳を若干見開かせたバーサーカーは少しの間、黙って私を見つめてくる。
ちょっと珍しい顔だけどそれでも、驚いたのはほんの一瞬だったようですぐにいつもの鋭い瞳に戻ると
「いいのか? お前は俺の『マスター』なンだろ。なンだったら全てを聞く権利だってあるとは思わねェのか?」
「初めは、そう考えてた。貴方のマスターであるわたしはバーサーカーを従わせる権利があるって。でも、バーサーカーの態度を見て考えが変ったの」
『わたしはあなたのマスターなの。だから、あなたに言う事を聞かせるなんか簡単なんだよ』
いま考えてみれば、あれほど傲慢で、恥ずかしい言葉などない。
召喚されたから、わたしに仕えるのは当たり前。自己中心で、わがままで、なんて無様なんだろう。
令呪を笠にバーサーカーを縛ろうとして、無理に自分のわがままに我を通そうとしていた。
バーサーカーに見限られたっておかしくない。
サーヴァントは物言わなぬ存在じゃない。ちゃんと考え、仮初の身体だとしても、生きている。
なら、わたしはちゃんと彼を見なくちゃいけない。
サーヴァントとしてではなく、一個人の『いのち』として。
それが少なくとも、自分の願いに無理やり巻き込んだ者の最低限の礼儀だから。
「マスターなんてただの飾り、バーサーカーには関係ない。わたしはきっとバーサーカーの前では、簡単に殺されておしまいの存在」
「・・・・・・続けろ」
「だったら、マスターなんて飾りを捨てて、バーサーカーと同じ立場で戦いたいと思ったの。……うん。ただ、それだけ」
そこで言葉を区切り、イリヤは照れくさそうに頬を掻くと一度地面と顔を合わせ、伏せた顔を上げてバーサーカーを見つめる。
そして――。
「でも、いつかバーサーカーが何を考えていたのかわたしに教えてくれたら、うれしいな」
そう言って口元が自然に微笑みの形を作った。
意識しようとしたわけでもなく、なんだか胸の内のすべてを吐き出したら勝手に笑ってしまった。
それと同時に、イリヤは胸の内にわだかまっていた今までの『魔術師』として『作り上げられた』自分自身が溶けていき、別なものになろうとしていくのを感じた。
しかし、そこに不安や戸惑いはない。むしろその『かたち』こそが自分を自分たらしめていた最も大切なものだったと気付かされるほど、簡単に胸の内に収まっていく。
(ああ、きっとこれが、生きるってことなんだ)
胸の内に落ちた答えが後を追うように実感として強く胸の内に灯っていく。
わたしはきっと魔術師として失格なのかもしれない。
道具に愛着を持つことも、生贄をかわいそうだと思う心も全て不要な感情だった。
そうおじいさまに教わってきた。
全ては根源に至るために。
そうあれと命令され、正しく生きようと、期待に応えるようにと『生かされてきた』
でもそうじゃない。
これは、きっとこの聖杯戦争は『わたし』と『バーサーカー』の問題。
アインツベルンの『イリヤスフィール』としてではなく、一人じゃないもできないただの『イリヤ』個人が『バーサーカー』とどのような関係になりたいかという問題なのだ。
少なくとも、目の前のサーヴァントはアインツベルンなんて家柄は初めから見ていなかった。
初めから『わたし自身』を見てくれていた。そして、その上でどうなりたいかを問うてきたのだ。
なら、やっぱりこの思いも、選択も間違いじゃない。誇りを持ってそう言える。
わたしは、バーサーカーと一緒に戦いたいと。
例え足手まといになろうとも、貴方の横に立ちたいと。
そうして何かを振り切ったように嬉しそうに笑うイリヤを見て、バーサーカーは少しの間、黙ってわたしを見つめるとやがて重々しく口を開いた。
「お前は、それでいいンだな」
「うん。今のわたしにはこの考えしか思い浮かばないもん」
「――っ。ふ、そうか」
――――――
一方通行は上から物を言うような形であるが、少なからずイリヤの発言に驚いていた。
学園都市での一方通行には、彼に対して対等に振舞うモノなんて存在しない。
皆、彼の能力と地位を知っており、近づくことの出来ない圧倒的な壁が存在するからだ。
例外があるとすれば、一方通行を殴り飛ばした『無能力者」と打ち止め程度だろう。
何かが大きく変わった少女を見つめ、一方通行は彼女の頭を乱暴に撫でる。
賞賛。
周りを拒絶するしかなかった彼が取った行動はそんなものだった。
自分の考えを改めるのはなかなか出来ない。それは一方通行にも言えることであり、彼はそれを実行した目の前の少女に素直な評価を下した。
彼が抱く少女の印象は、サーヴァントは自分に仕える物としか見ていない。そんな感じだった。
そして、それと同時に何かの強迫観念に駆られ、意思のない言葉を吐き出している人形にも見えた。
しかし、今は対等の存在であることに安心している。それはつまり、自分の考えが誤まりだと認めたのだ。
伸びた手のひらが滑らかなイリヤの髪に触れ、一方通行は慣れない手つきで左右に手を動かす。
しっとりと上質な毛皮でも触っているかのように指と指の間を流れていく白い髪質が心地よい。
「ちょっと、あんまり撫でないでよ!」
しかし、撫でられている当の本人は納得しなかったのか、頬を膨らますとイリヤは非難の声を上げて、一方通行の手を乱暴に払った。
払われた手のひらをじっと見つめ、一方通行は改めてイリヤの方に視線を向けると、話題を切り替えるようにイリヤに問いかける。
「おいクソガキ。まだ知りたいことがあるだろ」
「えっ! あとはもう――」
「俺の能力」
そう言いかけたところで、一方通行の言葉にイリヤの動きが不自然に停止した。
そして息を呑み、思わずといった様子で一方通行を見上げる。
その真っ赤な瞳を見据え、改めて一方通行は宣言した。
「今から俺の能力について教えてやる」
「本当に教えてくれるの」
言い切るが早いか、頬を紅潮させて身を乗り出す彼女の額を軽く小突き、一方通行は小さく息を吐き出す。
「あぁ、お前が俺の横に立つっつゥなら、ある程度の認識でもこの位のことを俺もお前に教える義務がある。これで『対等』だ」
そう言うと、額を摩るイリヤの顔が明らかに、不満から喜びへと変わる。
どうやら、目の前にいる少女は対等という存在がすごく嬉しいようだ。まぁあれだけの事をしてわからなくもないが。
「じゃ、じゃあ。ちょっと待って。今から心の準備をするから」
何を準備する必要があるのか、一方通行は疑問に思うが、敢えて口にしない一方通行。
そして、思い出したように重要なことを口にする。
「ああそうだ。それと俺のステータス情報。説明し終えたらでいいから教えろ。今後の参考にする」
「うん、わかった。じゃあさっそくバーサーカーの秘密を――クシュン」
背筋を伸ばして姿勢を正したイリヤは、可愛らしいクシャミをして、小さく震えた。
辺りはもうすっかり夜中だ。室内といってもさすがに倉庫の中は冷える。
「・・・・・・。さ、さぁバーサーカー。わたしにバーサーカーの力を話して」
「無理すンな。――なンだったらさっきの食堂でも俺はかまわねェぞ?」
震える彼女を見かねて、そんな提案を口にするが、その言葉を聞きイリヤの動きが不自然に揺れ、わずかに彼女の視線がそれた。
「それじゃ、リズやセラにバーサーカーの力が――」
「だから、別にかまわねェよ。アイツ等に知られたところで戦闘には支障はねェしな」
「で、でも」
「デモもヘチマもねェ。俺はここ以外ならどこでもいいっつってンだよ」
そこまで言うと、イリヤは遂に視線を完全に一方通行の方から外し、あらぬ方向を向きだした。
別に何もやましいことなどないはずだが、どういうわけか煮え切らない空気が一方通行とイリヤの間に流れる。
一方通行からしてみれば悩む理由などないはずなのだが、悠長に待っていられるほど気も短くはない。
トンと、テーブルを指先で叩くと、その音に飛び去るように肩を上下させ、顔を上げるイリヤと目が合う。
すると、取ってつけたような声がイリヤの口から発せられる。
「じゃ、じゃあ。わたしの部屋で話そっか。あの部屋なら暖かいし」
「別にそこでもかまわねェが、何そンなに慌ててンだ」
その言葉に、イリヤ再び両肩を上下させて、ぎこちない笑みを浮かべて回れ右をした。
このとき、女心など理解している一方通行が知るはずもないことなのだが、イリヤの心の中は恥ずかしさと焦りでいっぱいだった。
なにせ、なんだかんだあったこの二日間。
まるで懐かなかったペットがようやく懐いた矢先に他人に取られてしまった。そんなどこか嫉妬にも独占欲にも似た感情がイリヤのなかで芽生えていたのだ。
こんなこと恥ずかしくて知られたくない。
(い、言えない。自分だけが知っておきたいなんて言うわがままを!!)
胸に秘めた思いに無理やり蓋をし、一方通行が杖を取り立ち上がったのを見計らって、イリヤは急かすように声をかける。
「じゃあ行こっか。あ、言っておくけどレディの部屋で暴れるのは厳禁だからね」
「ハッ! 何がレディだ。前も言ったがもちっとでかくなってから出直してこい」
「あー! 言ったー!! いまもっともわたしが全力で目を逸らしていることを包み隠さず言ったーっ!!」
振り返り、まるで蒸気でも発しそうな形相で痛くもない拳を腰あたりにお見舞いするイリヤ。
それを面倒くさそうにあしらいつつも、一方通行は暗がりにも拘らず安全なルートを正確に思い出し、杖を突いてイリヤを置いて一人歩き出した。
「一応、自覚はあったンだな」
「もう、バーサーカーなんて知らない」
そんな声が倉庫一室に響くがその声色に怒りはなく、どこか喜びに満ちているなんとも明るい声だった。
そうして一方通行はイリヤに先導される形で、多くの『ガラクタ』が入った倉庫から出る。
その後ろ姿は、まるで捨てられた宝物を改めてゴミ箱の中から見つけ、大事に胸にしまい込む子供のように、大きくそして不規則に白い髪先が揺れていた。
どもども、川ノ上です。
読書の秋がやってまいりました!!
毎日多忙の日々ですが、それでもこれだけはやめられません。
さて、今回のお話はどうだったでしょうか。
マスターとしてではなく、横に並ぶ者として一歩前に進んだイリヤ。
それに対して、少女の覚悟を真摯に受け取った一方通行。
少々特殊な関係になりつつある二人の聖杯戦争。
夜は、まだまだ続きます。
次回作も全力で面白いものになるように努力していくのでご期待ください!!
それでは、毎度のことですが感想、ご指摘、評価のほどを頂けるのであればよろしくお願いいたします。
ご愛読ありがとうございました!!