東方不明録 ー「超越者」の幻想入りー / THE TRANSCENDEND MEN(現在更新休止中)   作:タツマゲドン

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作者からすればやっと序章の中間来た辺りです


41 強大な力

 妖怪の山の中腹辺りで。

 

 辺りに閃光が広がり、次の瞬間、9人の者達が出現した。

 

「着陸しました。シートベルトをお外し下さい。」

 

「そんなもんねーよ。」

 

 すると、その内の一人が頭に手を当て、もう一人が目を瞑った。

 

(本部へ、テレポートに成功した。)

 

『分かった。では作戦を予定通り続けてくれ。』

 

 ちなみに手や耳には通信ユニットの類は無い。

 

「連絡完了。増幅サンキュー。」

 

「別にどうって事無いさ。それより”爆弾”の位置はどこだ?」

 

「それが妙でな、幾つかに分かれて散らばっているんだ。」

 

「って事は奴らは俺達や”爆弾”に気付いたって事か?」

 

「一応計画が漏れる事はあらかじめ予測していたが、爆弾の事に気付かれるとは......一応計画通り二手に分かれるぞ。」

 

「了解。」

 

 “8人”は4人と4人に分かれ、”9人”はそれぞれの方向に散っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 博麗神社には永夜異変の関係者達が揃っていた。

 

「カイルとトレバーは来ていないが、この面子でも良い。先に言っておこう。良いか、これをそれぞれのグループに数量が均等になる様に渡しておく。」

 

「この立方体、ユニバーシウムで出来ているみたいだけど、一体何の役割がある訳?」

 

 紫が訊く。

 

「カイルにはこれが奴らの目的としか聞いていないからなあ......詳しくは分からん。とりあえずこれを奴らに奪われない様にするんだ。奴らはこれに反応するレーダーを持っているらしいからこっちの行動は知られている。とりあえずは計画通りに実行だ。分かったか?」

 

 アダム達もそれぞれの方向へ散って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 東風谷早苗、緑のロングヘアーと深い緑の目、白と青を基調とした巫女服を着た、先程幻想入りして来た少女、は何か不穏な気配を感じていた。

 

「神奈子様、諏訪子様、何か嫌な気配を感じませんか?」

 

「ああ、何か恐ろしい物に対して騒いでいる様に感じる。」

 

 そう答えたのは八坂神奈子、青紫のセミロングと赤褐色の目、赤がかった様な黒い上着とロングスカートと胸の位置にある黒い鏡としめ縄が特徴的な女性、の容姿をした神、だ。

 

「私達は神社から離れる訳にはいかない。何が起こっているのか見て来なさい。危ないと思えば逃げれば良いわ。」

 

 そう提言したのは洩矢諏訪子、金髪のショートボブと紫の目、紫の白い袖の上着とスカートと目玉の2つ付いた帽子が特徴的な少女、の容姿をした神、だ。

 

「分かりました、行って来ます。」

 

 早苗はそう言うと山の麓の方へ飛んで行った。

 

 自分達を見る視線に気付かずに。

 

 1000m以上も離れているのだから当然だが。

 

「奴らも異変を感じ出した。レックス、どうする?」

 

『殺せ。俺達に関わる奴は敵だ。分かってるな、サム。』

 

「あいよ......結構好みの女なのによ......。」

 

 サムと呼ばれた男性はそう言い残し、早苗を追って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 リョウは友人2人と再会していると同時にアダムに友人を紹介していた。

 

「元気だったか?2人共。コイツが色々言っていたアダムだ。アダム、左からカイル、トレバー、以前言ってた俺の仲間だ。」

 

「そっちは相変わらず元気そうだね。それとよろしく、アダム。」

 

「......よろしく......。」

 

「ああ。」

 

 カイルは長めの金髪で青い目をした、白いスーツとロングコートに全身を覆った、アダムより1~2年程年上の少年。

 

 トレバーは坊主頭を少し伸ばした様な黒髪と茶色の目の、黒いタンクトップに黒い柔軟素材のズボンを着た、リョウと同じくらいの年齢の男性。

 

「奴らの居場所が分かるか?」

 

「ちょっと待ってくれ。」

 

 カイルが目を瞑り、数秒後、目を開けた。

 

「僕達を狙っているのが4人、立方体を狙おうと分散しているのが4人、ってところかな。」

 

「それと、あの立方体は一体何なんだ?」

 

 アダムが訊く。

 

「おっと、詳しく話してなかったな。つい最近分かった事なんだが、あれは結界を破壊する、いわば爆弾だ。大量のエネルギーを用いる為、ユニバーシウムを使ったと思われる。」

 

「成程、半数を持ってきて良かったぜ......。」

 

「それだと僕達が集中攻撃される筈だが、何を考えているのか......。」

 

 カイルが言い終える前に4人は横を振り向いた。

 

 そこには素顔が分からぬように仮面で顔を隠した見知らぬ4人が居た。

 

 仮面の色は4人共真っ黒だが、髪の色はそれぞれ黒、茶、金、赤、と違う。

 

「お前達の相手は俺達だ。」

 

「俺達を引き付け、あとは此処の住民を殲滅していくんだろ?だが此処の奴らを甘く見るな。少なくともお前達が考えているよりは強い。」

 

「考えているんじゃない、知っているんだ。」

 

「......「増幅野郎」と「レーダー野郎」が居るって事か。」

 

「「増幅機」と「オブサーバー」としっかり言ってもらいたい。そう言うお前は「灼熱」だな。そこに居るのは「バトルコンピューター」と「死神」、「アンダーソンシリーズ」の1号だろ?」

 

「あったりぃ。お前らは......全然知らねぇや。」

 

「当然だ。機密はお前達ほど漏れてはいないのでな。」

 

「今僕の事を「アンダーソンシリーズ」と言ったが、どういう意味だ?」

 

「どうでも良い、さっさっと終わらせようぜ。」

 

 8人はそれぞれ個々の武器を手にし、アダム達4人が疑問を抱えたまま、相手に向けて構えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 青年が一人、妖怪の山の中腹にいた。

 

 銀髪にYシャツとジーンズ、耳にはイヤホン、口笛を吹きながら何処かへと宛ても無い様な足取りで歩いている。

 

 その青年の姿を犬走椛はしっかりと捉えていた。

 

 椛は銀髪と赤い目、山伏風の白の上着と黒と赤のスカート、片手剣と盾を持った白狼天狗で、天狗のアジト周辺の見回りをしていた最中だった。

 

「こんな所で何をしているのですか。天狗のアジトですよ。貴方の身の為にもすぐに此処から離れなさい。」

 

「五月蠅いぞ、黙ってろ。」

 

「何を言うのですか。」

 

「音楽鑑賞中は黙ってろ。綺麗な音楽に汚い雑音が混じる。」

 

 椛達天狗、あらゆる妖怪に共通する事だが、自分を貶される様な発言や行動に敏感で怒りやすい。

 

 それを引き起こした者が妖怪よりも下等な人間(妖怪が一方的に決めつけているだけだが。)であれば尚更だ。

 

「何を!」

 

 反射的に青年へ剣を振り下ろす。

 

 青年が剣の鋭くない側部を手刀で押し、軌道を横に変えて避ける。

 

 続けて横に剣を薙ぐ。

 

 またしても剣の側部を手の甲で押され、上に逸らされる。

 

 腕を引き、青年の体の中心目掛けて剣を突き出す。

 

 掌で軌道を横にずらし、直後、椛の顔面に裏拳を決めた。

 

 吹き飛ばされた椛だが、よろけた体勢を整える。

 

 しかし、

 

「......はっ、消えた?」

 

 青年の姿は椛の視界から完全に消えていた。

 

 椛は千里眼という能力を持っているのだが、その能力を駆使しても青年の姿は見つからない。

 

「なあお前、ベートーヴェンは好きか?」

 

 青年の声が四方八方から聞こえてくるが、何処に居るのか全く掴めない。

 

「俺は嵐の前の静けさって奴が好きでね、そよ風みたいな静けさが突然暴風になる様な音楽が面白くてね。それともお前モーツァルトのファンか?まあ良い、要するに俺はベートーヴェンが好きで......」

 

 突然、椛の目の前に青年の姿が現れた。

 

「......俺も真似しているんだ。」

 

 椛にボディーブローを決め、再び椛の視界から消えた。

 

「くっ、山窩「エクスペリーズカナン」!」

 

 弾幕が椛を中心に広がり、周囲へと拡散する。

 

「良いねぇ、その調子だ。でもそんなんじゃあ俺は......」

 

 今度は椛の背後に現れ、

 

「倒せない。」

 

 椛の背中に肘打ちを決め、また消える。

 

「一体どうなって......。」

 

「困り事かしら、椛。」

 

「大天狗に言われて私達も来ました。」

 

「文様にはたて様じゃないですか!」

 

 はたてと呼ばれたのは、茶色の長いツインテールと同じく茶色の目、薄ピンクのブラウスと紫と黒のスカート、手に持つ携帯端末らしき物が特徴的な、姫海堂はたてという鴉天狗だ。

 

「客が増えたか。俺はハーレムは疲れるから嫌いだが、まあ良いか。ちなみに俺はサム。楽しませてくれよ。」

 

 どこからか青年の声が聞こえてくるが、何処からなのかは全く分からない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 紅魔館のメイドである咲夜は門番の美鈴と主のレミリアと共に見知らぬ人物と対峙していた。

 

「知ってるわ、貴方あの立方体を狙っているんでしょう。」

 

「ここから先は通しませんよ。」

 

「ここの主であるレミリア・スカーレットも直接相手してあげるわ。」

 

「......全く馬鹿な連中だ。俺はレックス。宣言しよう。俺は1分以内にあのドアを突き破り、中に入る。」

 

 そう言った緑がかった様な黒髪の男は咲夜達に右手を向けた。

 

 男の髪が揺れたかと思うと、咲夜達に向かって屈んでしまう程の強風が吹きつけた。

 

 男が強風に乗りながら駆け込み、咲夜の首筋に手刀を当てた。

 

 美鈴が男へ蹴りを繰り出すが、男の手によって軌道を変えられ、蹴りが咲夜にヒットしてしまった。

 

 続けて美鈴をラリアットでレミリアへと吹き飛ばすが、レミリアは難無く躱し、男へ鋭い爪を突き出す。

 

 しかし、突き出した腕を掴まれ、地面に叩きつけられる。

 

 咲夜が時を止め、男に向けてナイフを大量に投げ、時を戻す。

 

 しかし、ナイフは突風に煽られ、男に当たる事は無かった。

 

 美鈴が男へ飛び蹴りを放つ。

 

 男が飛び上がり、踵落としを決め、レミリアへ叩きつける。

 

 咲夜が男に向けて弾幕を放っていく。

 

 男が咲夜に向かって手を突き出し、次々と放出される圧縮空気が弾幕を打ち消す。

 

 圧縮空気は更に咲夜を襲い、上空へと吹き飛ばす。

 

「紅符「不夜城レッド」!」

 

「虹符「彩虹の風鈴」!」

 

 レミリアの十字型レーザーと美鈴の周囲を張り巡る様な弾幕が合わさり、男へ襲い掛かる。

 

 男が空中に跳び上がり、圧縮空気を利用して空中で高機動力を生み出し、弾幕を避けていく。

 

「幻符「殺人ドール」!」

 

 これまであった弾幕に咲夜のナイフが追加され、男の機動力に追い付く。

 

 避ける事が困難になった男は弾幕を放つレミリア達を睨む。

 

 直後、レミリア達の頭上から圧縮空気が吹き付け、3人を地面に叩き落とす。

 

 3人が怯んだ瞬間、男が手を突き出し、紅魔館の入り口のドアを吹き飛ばし、そのまま内部へ侵入していった。

 

「中に入られてしまいましたね。」

 

「宣言通りにされたのが悔しいわね。」

 

「3人掛かりでこれ程とは......。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 永遠亭には黒髪でダークブラウンのコートに身を包んだ少年が一人来ていた。

 

 それを迎え撃つのは永遠亭のメンバー。

 

 鈴仙が特技の幻影術と銃弾の様に速い弾幕を浴びせていたのだが、

 

 弾幕は青年に当たる前に何かに弾かれ、届く前に消える。

 

「無駄だよ、僕には攻撃は勿論幻影も通用しない。」

 

「私の能力が効かない?!」

 

 自分の幻術が効いていない事に驚く鈴仙。

 

 永琳が弓を引いたままの手を離し、矢を放つ。

 

 これも少年に当たる前にことごとく何かに打ち砕かれた。

 

「物理攻撃も特殊攻撃も効かないのね。」

 

「そうさ、僕は出来の悪い兄さんとは違うんだ。レオだ。よろしく。」

 

 永琳の独り言に答え、後方に居る輝夜を睨む。

 

 すると輝夜の足元が爆発した。

 

 空中に吹き飛ばされた輝夜を更に睨む。

 

 上空から何かが押した様な感覚を覚えた輝夜は、次の瞬間地面に叩き落された。

 

 続けて右手を鈴仙に向けて突き出し、鈴仙が衝撃波で後方へ吹き飛ばされる。

 

 左手を吹き飛ばされている鈴仙に向けて突き出し、鈴仙の背中で爆発が起こる。

 

「兎符「開運......」

 

「天丸「壺中の......」

 

 てゐと永琳がスペルカードを詠唱しようとするも、少年が両手を突き出し、突き出した方向に向かって地面がえぐれていく。

 

 てゐと永琳はスペルカード詠唱に失敗し、そのまま地面の津波に飲まれ、吹き飛ばされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 博麗神社には暗い銀髪の大柄な男が来ていた。

 

 それに対するのは霊夢、魔理沙、アリス。

 

 男のフードに隠れた顔は感情が全く読み取れない。

 

 何も言わず男が背負っている銃を取り出し、3人を照準に合わせ、引き金を引く。

 

 1秒間に200発のペースで放たれる銃弾は霊夢達を驚かせるのに十分だった。

 

 霊夢が上空へ飛び上がり、魔理沙が横へ転がり、アリスが後方に避ける。

 

 霊夢が呪符から、魔理沙が八卦炉から、アリスが人形から、それぞれ弾幕を放ち、男の恐ろしい連射がそれを迎え撃つ。

 

 3人の弾幕を合計した為か、霊夢達の弾幕が押していた。

 

 弾幕を避けるべく男が空中に跳び上がった。

 

「隙あり!霊符「夢想......」

 

 突然、男の体が不意に揺れ動いた様に見えた。

 

 次の瞬間、霊夢の腹には男の拳がクリーンヒットしていた。

 

 怯んだ霊夢に向かって拳を振り上げる。

 

「霊夢!」

 

 魔理沙が男目掛けてレーザーを放つ。

 

 すかさず男が振り向き、腕でレーザーをブロックする。

 

 レーザーを腕に受けたまま魔理沙の方へと駆け込んで来た。

 

 それを止めようとアリスが男へ弾幕を放ち、男にヒットさせるが、まるでダメージを受けた様な調子が見られなかった。

 

 難無く魔理沙に接近した男は魔理沙の顔面を殴り飛ばし、今度はアリスの方へと駆け込んだ。

 

 アリスの動体視力は男のスピードを捉えられず、そのまま飛び蹴りを決められた。

 

「恐ろしい力ね......まともに喰らえばすぐにやられる......そしてあの速さに防御力......。」

 

「まるで怪物だな......。」

 

「うう......私の攻撃がまるで効かなかったなんて......。」

 




初5000文字突破

それと原作主人公に腹パンさせた作者を許せ...
そんな描写は増えていくかも知れないです
以前も原作キャラ達をボロボロにしていましたね...

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