東方不明録 ー「超越者」の幻想入りー / THE TRANSCENDEND MEN(現在更新休止中)   作:タツマゲドン

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今回のタイトルは...言うまでもなかろう

それとクラスメイトにアルマゲドン知っている奴が居なくて失望した...


34 ゲームをしよう

 リョウと妹紅は永遠亭に着いた。

 

「よう、輝夜。最高に面白いスリルのある映画を持って来たぜ。」

 

「輝夜、あたしも映画見に来たんだ。」

 

「何であんたまで来たのよ。」

 

「俺が誘ったものでな。お前達が仲悪いのは知っているが、折角だし楽しもうぜ。」

 

 とリョウは言ったが、

 

「......と言って妹紅が怖がってチビる姿を見たいだろ。」

 

 と輝夜に小声で言うのだった。

 

「どんな映画なの?まあホラーは苦手だけど妹紅が恥かく姿見れるなら。」

 

「2人とも何コソコソ話しているんだよ。さっさと見よう。」

 

「ああ、そうだ、何なら他の奴らにも見せてやろう。」

 

「ところで映画のタイトルは?」

 

「”そう”だよ。」

 

「そう?」

 

「へ?」

 

「SAWだ。S・A・W。ところで2人とも......」

 

 リョウはわざとらしく間を置き、僅かに笑みを浮かべた顔で言った。

 

「ゲームをしよう。」

 

「へ?何の?」

 

「この映画7作目まであるんだが、最初から最後まで観切れた奴には好きな物を奢ってやる。ただし、」

 

 リョウがわざとらしく間を置く。

 

「それまでに画面から目を逸らすか、吐くか、部屋から出て行くか、弱音を吐いたらゲームオーバーだ。その場合は残った奴の勝ち。ルールはこれだけ。それと前半戦と後半戦に分けて休憩もある程度は入れる予定だ。14時間もぶっ通しじゃあキツイだろうからな。」

 

「面白そうじゃない。たった14時間?逆に物足りないんじゃない?」

 

「成程。要するに輝夜の奴が観なくなれば良いんだろ?なら楽勝だ。」

 

「それと、もし、2人以外にゲームに参加したい者が居るか、ゲームをしたくない者が居れば言うのは今の内だ。」

 

 最終的に、ゲームの参加者は輝夜、妹紅、てゐ、の3人となった(ちなみに映画を観るのは全員。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 1作目終了時、てゐが部屋から出て行った。

 

 それから4時間以内に鈴仙と永琳が「吐き気がする」と言った。

 

 2作目終了後、鈴仙が部屋から出て行った。(なお永琳は見続けている。)

 

 3作目終了後、輝夜と妹紅は物凄い勢いで部屋から出て行った。(前半戦は3作で終了。)

 

「あ~面白かった。でも慣れても正直キツイが。永琳さんよ、どう思う?」

 

「殺人ゲームによってで命を大切にしない者に命の大切さを伝えるという中々面白い所があるわね。特に自分の命を守るか、他人の命を守るか、というゲームは人間の心を窺っているかの様で深い所があるわね。2作目の自身の罪を痛感させる仕掛けも中々だったわね。」

 

「やっぱり永琳さんなら分かってくれると思ったぜ。特に3のテーマは「自分と自分の大切な者の人生をどん底に落とした者を許せるか」だもんな。他にも、低予算でこんな面白い映画を作れる事も凄い。それにしてもあいつらは......。」

 

 リョウ達は後ろの全開になっている障子戸を見た。

 

「そうね。あの子達は長い間生きているけど、まだ学ばせるべき事が山ほどあるわね。」

 

 2人は談笑した。

 

 リョウは気付かれない様に心の底でため息をついていたが。

 

(本当はこのゲームをやるべきなのは俺なのに......。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夜が明け、朝が来た。

 

「にとり、来たぜ。」

 

 電気モータ独特の キュイィーン! という音を発しながらリョウは来た。

 

「おお、待っていたぞ盟友。他の仲間達も連れてきたよ。」

 

「んじゃあ......。」

 

 リョウはリュックからバックパックらしき機械と設計図らしき紙、それから永夜異変で手に入れたバエルやロブの武器を取り出した。

 

「機関部は大体出来ていて後は性能を上げるだけだ。しかし、問題は回路部だ。この銃の部品をこの設計図通りに組んで後はこれに付ければ良いだけだが、複雑だ。気を付けてくれよ。」

 

 リョウと河童達は早速作業を開始した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「準備は良い?」

 

「アダム、行くぜ。」

 

「ああ。」

 

 霊夢と魔理沙がアダムへ弾幕をまき散らす。

 

 宙に舞い、体を捻り、回転させ、地面を転がる。

 

 しかし、弾幕が目の前に迫っていた。

 

 拳を突き出す。

 

 しかし、力は入れていない。

 

 力を抜いて素早く、弾幕の当たる瞬間に力を入れる。

 

 これにより、弾幕には被弾するがダメージは全く無い。

 

 迫り来る弾幕を殴り、打ち払い、蹴る。

 

 弾幕はアダムへヒットするもののダメージを与える事が出来ない。

 

 次に銃を腰から引き抜き、弾幕へ向けて連射する。

 

 金属製対物弾以上の威力を持つ銃弾は音速の5倍で、1秒で25発、2つ合わせて50発のペースで放たれる。

 

それに対して反動や発光、音速を超える時に生じる音も殆ど無い。

 

 また、弾薬は使用者のエネリオンであり、重量は軽くて済む。

 

 高威力で高効率で低リスク。

 

 それがエネリオンを利用するTM専用武器の利点。

 

 しかし、通常のエネリオンを利用出来ない人間には全く扱えない。

 

 光学兵器や素粒子兵器はある程度開発されているが、歩兵が携行出来る物は無い。

 

 その為、2世紀以上の時が経過しても歩兵の主力武器は金属弾を利用する銃だ。

 

 アダムはそんな金属弾銃よりも遥かに強力な武器を使っているのだ。

 

 銃弾一発一発を撃ち漏らす事無く、全ての弾幕を撃ち落とす。

 

 トランセンデンド・マンには霊夢達の放つ弾幕など遅く感じる。

 

 アダムの場合、音速の5倍で放たれる銃弾は100mを10秒で走るトップアスリートにとって最高速級の野球ボールが飛んで来る様に体感する。

 

それでも十分に凄い速度に思えるが、トップアスリート級の動体視力では時速300kmの野球ボールも捉えられる。

 

 それに加え、アダムは音速以上で身体を動かす。

 

 それでも霊夢達の放つ弾幕の物量が多く、銃弾では押されるばかりである。

 

 銃を仕舞い、両手にナイフを握る。

 

 腕や脚の動きに加え、ナイフが弾幕をかき消す。

 

 二刀流は対多数戦、狭い場所で有利というメリットがあるが、上手く使いこなせなければ自分を傷つけるというデメリットもある。

 

 そんなアダムは一刀流以上に二刀流を使いこなし、自身を傷つけるというデメリットを克服している。

 

 霊夢達の放つ弾幕の量が更に増した。

 

 2本のナイフにロープを繋げ、1m伸ばす。

 

 2本のロープを回転させ、弾幕をかき消していく。

 

 これも二刀流同様に自身を傷つける恐れもあり、別のロープにも絡まるというリスクもあるが、アダムはそれも見事克服していた。

 

 勢い良く回るロープは止まる事無く回転し続け、弾幕をかき消す。

 

「神霊「夢想封印 瞬」!」

 

「恋心「ダブルスパーク」!」

 

 素早くアダムを囲む様に飛んで行く光弾と2方向からアダムを狙う太いレーザー。

 

 通常より遥かに速い速度で来る光弾を回転するロープで打ち消し、別方向から来る2本のレーザーを体を捻って躱す。

 

 弾幕を避け終え、両手両足を着いて着地する。

 

 自分の顔面に迫っていた光弾1発を蹴り弾く事も忘れなかった。

 

「ふう......如何にか全部避け切ったか。」

 

「凄いわね。私達2人掛かりでも1発も当てられなかったわ。」

 

「夢想封印とダブルスパークを避けて、それから最後の私の1発を蹴り飛ばした所カッコ良かったぜ。」

 

「しかし、問題はこちらから攻撃が全く出来ない事と、こちらのスタミナが持たない事だ。この様に短時間なら耐えられるが、長時間であれば......。」

 

「まあ、そんな難しい事は考えるなよ。少しずつ改善していけば良いだろ。いきなり強くなれる訳じゃないし。」

 

「そうよ、記憶を思い出していくみたいに少しずつでも良いじゃない。」

 

「記憶と言えばさ、最近はどんなだ?何か思い出せたか?」

 

「いや、最近は大した事は何も......それと最近では何か妙なエネルギーを感じるな。曖昧だが、気を静めれば感じるかも知れない。」

 

 2人は目を閉じ、深呼吸した。

 

「......本当ね。大気がやけにざわついているわね。」

 

「......すまんが、私には分からないんだが......。」

 

「エネルギーなど日々変化する物だからそういった誤差による物かも知れんが、暫く様子を見て状況が悪化する様だったらその時は異変とみて間違いないだろう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 針らしき物が電子回路の線を焼いて切り、それを別の回路へ焼いて繋ぐ。

 

 切っては繋ぎ、焼いては焼き直す。

 

 それが何百回と繰り返される。

 

 しかも通常の人間であれば見えないミクロの世界での出来事だ。

 

 それをやってのけるリョウ。

 

 光学顕微鏡といった道具を駆使してでも作業の難しい作業を顕微鏡も無しに作業を続ける。

 

 トランセンデンド・マンはこれ程のミクロの世界の情報、それどころか何km先の情報さえ知覚出来る者もいる。

 

 とうとう最後の回路を焼き切り、焼いて繋ぐ。

 

「......ぷはっ!......よっしゃあ!......一番面倒な回路が出来たぞ!」

 

「リョウ、大丈夫かい?」

 

「だ、大丈夫だ、問題無い。」

 

 そういうリョウは余程集中していたのか、息をするのも忘れて集中していたらしい。

 

 ふと、リョウが当たりを見回し、ある事に気付く。

 

「ってかもうこんな時間か!何も食って無くて腹減った......。」

 

「凄い集中力だったね、盟友。」

 

 丁度日没を迎えていたのだ。

 

「他はどうだ?」

 

「ばっちし、設計図通りに出来たよ。」

 

「おっしゃあ!それじゃあ後はプログラムを組み替えりゃ終わりか。後は結構楽な作業だし、お前ら情報工学知らないだろうし、後は俺一人で大丈夫だ。それじゃあまたな。」

 

「ああ、何時でも遊びに来ていいぞ盟友。」

 




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(異論は聞いてやるが、認めるとも認めないとも言ってない)

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