東方不明録 ー「超越者」の幻想入りー / THE TRANSCENDEND MEN(現在更新休止中)   作:タツマゲドン

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日常は基本的にリョウ君がアダム君以上に多く出ると思います

そもそもアダム君の性格的に日常シーンは難しいのです...


33 気ままな半日

 アダムが箒をスケートボードに乗るかの様な姿勢で戻って来たので、霊夢達3人は驚いていた。

 

「全くアダムには毎回驚かされるわね......。」

 

「お前、どんな姿勢で乗ってたんだよ......。」

 

「上下左右へ旋回する性能を上げるためだ。」

 

「それで、文は逃がしたの?写真は?」

 

 そう訊いたのは写真を取られた張本人の幽香だった。

 

「逃がしてしまったが、カメラは破壊したから写真は広まらないだろう。」

 

「それは良かった。どうもありがとう。でも今度荒らしたら許さないわよ。」

 

「ああ。」

 

「ところで幽香、」

 

 魔理沙が話題を変えた。

 

「お前この異変について何か知っている事は無いか?少なくともあたし達じゃあ何も分からなくてさ。」

 

「異変?ええと、そういえば60年前も同じ事が起こったかしら。その時も全ての季節の花が咲いていたわ。原因は確か、霊が関係してるとか。」

 

「へぇー。でも放っておいて大丈夫なのか?」

 

「さあ、その時は大丈夫だったけど......詳しい事は良く分からなくて。」

 

 丁度その時、

 

「妖精達の噂を聞いて来てみれば、貴方達、何をやっているのですか?争い事と聞いたもので。」

 

 アダム達へ問い掛けたのは、暗い青を基調とした服と帽子を着た、緑髪の少女。

 

 しかし、大人びた雰囲気を漂わせていた。

 

「あんた、閻魔さまじゃない。」

 

「争いはもう過ぎた事だ。この異変について調べているが、詳しい事が何も分からなくてな。」

 

 アダムが代表して質問に答える。

 

「貴方は確か噂で聞いた外来人のアダム・アンダーソンですね。私は四季映姫・ヤマザナドゥ。異変の事ですね。説明しましょう。」

 

「長い間生きている私でも分からないのよ。これと60年前にも同じ事が......」

 

「ええ、60年に1度の感覚で外の世界で幽霊が増加するんです。その所為で死神達の許容を遥かに超える幽霊が幻想郷に溢れ、その幽霊が花に憑依してこの様に全ての季節の花が咲くのです。まあ幽霊達自体は害は無いので大丈夫でしょう。後は死神達が幽霊達を運んでくれるので普通に戻ります。」

 

 アダム達は安堵の息を着いた。

 

「ふーん、じゃああたし達は何もしなくても良いんだな。」

 

「大した事では無くて楽に済んだわね。」

 

「それで、これからどうする?」

 

「いいや、まだ花見は終わってないぜ。まだ全部は見終わって無いだろ。」

 

「それなら、ここから更に南へ行った所にヒマワリ畑があるわ。私がいつも手入れしている自慢の畑よ。良かったら見て来なさい。」

 

「私達は見た事あるけど、アダムはまだ見た事ないのよね。本当にあそこは綺麗よ。」

 

「是非行ってみよう。」

 

 アダム達は再び花見を再開した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 永遠亭の一室では、プラスチックを打ち鳴らす音だけが鳴り響いていた。

 

 無言でただ画面だけを見詰める2人。

 

 画面に映るのは2人の男。

 

 右側には、全体的に上部に尖った髪の毛で、上半身裸で、両腕に赤い小手を付けた男。

 

 左側には、上半身は青、下半身はグレーのチャイナ服で、後ろに纏めた髪が特徴的な男。

 

 体力ゲージは互いに残り3分の1、つまりコンボが決まれば確実に倒せる程度。

 

 攻撃を出してはガードされ、攻撃を出されればガードする。

 

 自分が攻撃コマンドを入力すれば相手がガードコマンドを入力し、相手が攻撃コマンドを出せば自分がガードコマンドを入力する。

 

 そして、左側の男が距離を取り、鶴の構えを取る。

 

 右側の男が駆け込みながら蹴りを繰り出す。

 

 左側の男が鶴の構えを解き、その場で寝る事により、相手の跳び蹴りを躱す。

 

 起き上がると同時に背中と腕を支点にして足を回転させ、相手のバランスを崩す。

 

 更にパンチ2発、蹴り上げ、ミドルキック、回転踵落とし、蹴り上げ、空中回し蹴り。

 

「くぁー!良い所まで行ったのにー!」

 

「正直ヒヤヒヤしたぜ。鉄拳の腕は中々やるな。」

 

「2人ともやり過ぎですよ。もう2時間はしているんじゃないですか。」

 

 そう言ったのはリョウと輝夜の試合を見ている鈴仙だった。

 

「んじゃ、休憩するか。」

 

「今度は何にする?」

 

「そうだな......何か映画でも見るか?」

 

「どんなの?」

 

「家にある奴持って来ようかと思ってるが......ジャンルはどうする?」

 

「ん~......何か退屈しのぎになりそうなスリル満点の映画。ある?」

 

「......”そう”だ、私に良い考えがある!それじゃあ持ってくるぜ。あとちょっと用事もあるから時間掛かるかも知れないが、待ってろ。」

 

 勢い良く永遠亭の障子を開け、勢い良く靴を履き、勢い良くバイクに跨る。

 

「楽しませてやるよ。」

 

 そう言い残し、リョウは走り去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まずリョウがやって来たのは人里からそう遠くない川だった。

 

「おーいにとり、居るか?」

 

「おお、リョウじゃないか。何の用だい盟友?」

 

 水色の上着に水色のスカート、同じく水色の髪の毛をツインテールにした少女。

 

 青緑の帽子とリュックが特徴的なこの少女の名前は河城にとり。

 

「お前達に作るのを手伝って貰いたい物があってな、今取り出すぜ。」

 

 リョウが大きなリュックから同じく大きなバックパックらしき物を取りだす。

 

「何だいこれ?」

 

「飛行マシーンだ。これを改造しようと思うんだが、短期間で終わらせたくてね、手伝って欲しい。」

 

「分かった。良いよ。」

 

「サンキュー、盟友。まあ製作は明日からする予定だ。」

 

「分かった。それまで他の仲間達にも手伝う様に言っとくよ。」

 

「そりゃあありがてぇ。お礼に何か奢ってやるぜ。」

 

「お礼なんか良いさ。盟友だろ。」

 

 2人は握手を交わした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次にリョウは里に戻って来た。

 

 人が歩いているので、スピードを出す訳にはいかない為、低速で自宅へ向かっていた。

 

 そんなリョウは人々から注目を浴びていた。

 

 当然幻想郷にバイクを知っている者など人里には居ないのだから。

 

「リョウ、それ何だ?」

 

 慧音が真っ先に質問をして来た。

 

「バイクを知らんのかバイクを。Ninja EX-Rって言う凄いスピードの出るバイクだ。改造無しで時速360kmも出る優れモノだぜ。霖之助から貰った。以前一般自動二輪車はスズキがいつもトップに立っていたが、半世紀前にカワサキがそれを超えた。これが丁度そのバイクだ。それ以来はずっとカワサキがリードしている。ちなみに......」

 

「分かったからもういい......。」

 

 慧音が話しを遮る様に言った。

 

「お前が良く言うぜ。お前んとこの生徒が嫌そうに授業を聞いているの知ってるからな。話が早くてしかも分からないだと聞いたぜ。」

 

「なっ、何を!」

 

「まあ、慧音弄りはこれで良いとして。」

 

「弄るな!」

 

「フッ、悪いね。」

 

「わ、笑うな!」

 

「笑うなと言われると笑いたくなるから笑うぜ。ハッハッハッハッハッ!」

 

「こ、コラー!」

 

 ドゴッ!

 

「うおっ!痛っ!頭突きは無いだろ!それとガキ共こんな威力を喰らっていたのか......。」

 

「うるさい!お前がそんな事言うからだ!」

 

「悪かったよ。何か奢ってやるからさ。」

 

「そうか......じゃあ中華料理か京料理のフルコースをお願いしたいな。」

 

「わざと高いのを頼みやがって......。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 午後8時。

 

 リョウは夕食を食べ終え、バイクで再び永遠亭へ向かう。

 

 その途中の竹林にて、リョウは知り合いの姿を確認した。

 

 ブレーキを掛け、歩く速さに合わせる。

 

「妹紅、どうした?」

 

「いや、いつもの暇つぶしの散歩さ。リョウはどうした?」

 

「輝夜んとこで映画鑑賞だ。お前も行くか?」

 

「輝夜の奴とは仲が悪いんだが......どんな映画だ?」

 

「ええと......”そう”だ、少なくとも輝夜はチビる筈だ。どうする?輝夜のチビる所を見たくないか?」

 

「それってどんな映画だよ......まあアイツが恥かく所なら見たいし、行くか。」

 

「それじゃあ乗ってけ。」

 

「ああ、それカッコいいな。」

 

「お、分かる?しっかり掴まってろ。」

 

 妹紅が後ろに乗り一気に加速させる。

 

「ひゃあ!」

 

「凄いだろ?もっと飛ばすぜ!」

 

「うおおお!!!」

 

 リョウが更にアクセルに力を込め、スピードメーターはあっという間に時速300kmを超えた。

 




格ゲーはバリバリの鉄拳派だがコンボも出来ない下手くそです...

それと異変は他にも起こる予定です

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