ロリ提督から幼妻に転職する羽目になった   作:ハンヴィー

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 人は何故、幼女に惹かれ、幼女を愛し求めるのか。

 人が人である限り、この本能的な欲求に答えなど無いのかもしれない。

 だが、それでも、幼女の未成熟な青い果実に感じる無限の美を追い続ける者達がいる。

 世間の人々は、そんな探求者達を畏敬の念を持ってこう呼ぶ。

 

 ―――ロリコン、と。

 

 俺もそんな求道者の末席に名を連ねる者として、日頃から幼女の神秘を追い求め、研鑽に励んでいる。

 いちおう、誤解の無いように一言付け加えさせていただくが、巷で時たま問題になる幼女に悪戯をするような、変質者紛いのゴミクズ共とは一緒にしないで欲しい。

 あんな連中は、断じて探求者(ロリコン)ではない。

 脳味噌がクソで出来た倒錯的な性犯罪者。唾棄すべき下衆野郎共だ。去勢して埋めるべき破廉恥漢共である。

 ロリコンは、あくまで紳士の学問なのだ。己のどす黒い欲望に負けて、人類学上の神秘である無垢な幼女を穢そうとするなど、言語道断だ。

 幼女とは、決して手を触れず、人目につかない場所からひっそりと見守るべき神聖不可侵の存在なのだ。

 話が逸れた。

 つまり何が言いたいかというと、俺は幼女を愛でるのが大好きだということだ。

 それはもう、可能であれば常時観賞用に一体部屋に飾っておいて、四六時中眺めていたいぐらいに。

 そう。あくまで、愛でる対象として、探求する対象として、幼女を愛して止まないだけなのだ。

 それ以外に、やましいことなど決して無い。無いったら無い。

 そんな自他共に認めるガチロリコンである俺は、少し前からド嵌りしているネットゲームがあった。

 そのゲームは、よくあるMMORPGゲームで、タイトルを『インペリアルセンチュリー』という。

 日本国内と欧米、そしてアジアの一部地域でサービスを展開しているワールドワイドなネットゲームだ。

 世界的にサービスを展開しているネットゲームにしては珍しく、サービスを提供している運営会社は日本の企業だ。

 人類が宇宙に進出して幾つもの国家を形成するようになった遥か未来。地球の名が、人類発祥の地という伝説上の存在となっているという時代設定のゲームだ。

 ゲームの目的を大雑把に言うと、宇宙船の船長とかになって冒険したり交易して金を稼いだりなんだりと色々やるゲームだ。

 宙賊(いわゆる宇宙海賊)になってPK行為に勤しむなんて事も可能だし、その逆に国家に所属して軍人として他国との戦争や宙賊の討伐に従事するなんてことも可能だ。

もちろん、国家間の争いなどに関与せず、トレジャーハントや星間貿易でひたすら金を稼ぐプレイもありだ。

 現実の大航海時代をモチーフにしたファンタジーもののゲームがいくつかあるが、それの宇宙版と言ったところだろうか。

 スペースオペラというゲームの設定自体は、わりとありふれているもので特に目を引くものではないが、このゲームならではの特色がいくつかあった。

 その一つが、プレーヤーキャラの作成システムだった。

 どのMMORPGでもそうだが、まず最初に自分自身の分身となるプレーヤーキャラクターを作成する。

 殆どのゲームにおいて、自キャラの作成は、予め用意されている男女別の複数のグラフィックから、見た目や服装が気に入ったものを選ぶ程度がせいぜいだろう。

 多少凝ったものであれば、体型や目や鼻といった顔の造形パーツ、髪型なんかを選ぶぐらいは出来るかもしれない。

 しかし、このゲームの場合、その体型や顔といった、人体を構成するパーツ自体を、自由自在に一から作ることが出来る。

 それによって、世界でたった一人のオリジナルのキャラクターを作成すること可能となるわけだ。

 もちろん、それなりの知識と技術が必要にはなるが、このシステムは画期的だった。

 加えて、下手なグラフィック系ソフトよりもよほど多機能なツールを備えているせいか、本来のゲームとしてよりも、グラフィックソフトとして使用するユーザも多く、ゲーム自体はまったく未プレイという人さえいるほどだった。

 作成したキャラクターのグラフィックデータは、JPEGやPNGなどの画像ファイル形式ではもちろん、他社製グラフィックソフトで扱えるファイル形式で書き出すことも出来るという点も評価が高かった。

 運営側が著作権や二次利用について寛容だったこともあり、この機能を使って作られたグラフィックのデータは、作成者自身の同人作品で再利用されることが多く、それがゲームの知名度アップに貢献していた。

 もちろん、そこまでこだわらないプレーヤーの為に、デフォルトで用意されたものから選ぶということも出来る。

 予め設定されているデータにしても、たとえば目のパーツ一つをとっても、睫毛や瞳孔の形状や色合いなどかなりのパターンが用意されているため、出来合いのパーツを使用しただけでも、ほぼオリジナルに近いキャラクターが作成できた。

 よほど特別なこだわりが無ければ、これだけでも十分すぎるくらいだ。

 ちなみに、パーツを選択するのも面倒だという人のために、お任せ機能で無難なキャラクターを自動的に作成するなんてことも可能だ。

 さて、幼女愛好家である俺の使用するプレーヤーキャラクターは、当然のことながら美幼女だ。

 だがしかし、出来合いのパーツを組み合わせて作成するつもりなど毛頭無い。

 俺だけの、世界にたった一人の理想の幼女を作り上げなければ意味が無いのだ。

 一念発起した俺は、これを機にそれまでは全くの専門外だったコンピュータグラフィックスを一から勉強し直し、何冊もの人体や骨格についての専門書を読み漁り、実に半年の間、幾度と無く試行錯誤を繰り返して理想の幼女を作り上げたのだ。

 直毛ショートボブの髪型にパッチリお目目。さらに黒縁メガネを装備。ロリと言ったら眼鏡は必須だ。

 もちろん、体型はスレンダーなナインペタン。ロリ巨乳など邪道。むしろ、ロリの真髄は洗濯板。いうなれば、ふくらみかけの虚乳にある。

 正直、この素晴らしいキャラメイク機能が無ければ、ゲームそのものに嵌っていたかどうかも分らない。

 何はともあれ、そのマイベストロリっ娘をプレーヤーキャラとして、俺は日々ゲームに勤しむのだった。

 


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