魔法少女リリカルなのは~Amantes Amentes~ 改訂版   作:鏡圭一改め鏡正

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投稿が遅くなっていて申し訳ありませんでした!

大学の期末試験が忙しくて、投稿する暇がありませんでした。

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では14話です!






第14話

 午前6時の朝早くにメルクリウスは蓮を鍛えていた。

 元々他力本願なメルクリウスだが、他力本願なのはあくまで彼が歌劇の舞台にあがると舞台が一気に面白く無くなってしまうからにすぎない。

 よって、蓮を鍛えることに関しては彼等の物語に介入していないから脚本に問題ないと無理やり頭の中で納得させていた。

 本来の『メルクリウス』の腕力はバビロンことリザ・ブレンナー以下なのだが、その欠点を放って置くほどメルクリウスは馬鹿ではなかった。

 そこで、■■■■の記憶と平行世界の情報を参考にして波紋法・北斗神拳・南斗聖拳・流派東方不敗・飛天御剣流・アバン流殺法・ロマンシングサ・ガの技などを全て覚えた。

 今のメルクリウスはモヤシの様な体型から細マッチョになっている。

 

 「では蓮、昨日の復習だ。セットアップをして活動段位になってくれるかな?」

 

 蓮は瞬時に右腕が黒く変わり、活動段位になった。中にロートスの魂を宿しているだけあって中々器用である。

 

 「どうやら成功したようだね。次はその状態で斬撃……ソニックブームを放ってみせろ」

 

 「分かったよ。……ハァ!!」

 

 蓮はメルクリウスに向かって目に見えないソニックブームを5発放った。メルクリウスは顔には出さないが、やはり息子がしっかり育っている姿を見ることができるのは素晴らしく、何よりも嬉しく感じていた。

 だが、今は蓮の特訓中だと瞬時に頭を切り替え、目の前のことに集中する。

 

 「『ソードバリア』(ほう、昨日よりも2発増えているな。全く才能は誰に似たことやら)」

 

 メルクリウスはロマンシングサ・ガに登場する剣技を全て無効にする法術であるソードバリアを張るとバリアに触れたソニックブームは消滅した。

 このソードバリアは6発同時に当たると解除するように設定されている。

 

 「どうしたのかね? その程度の攻撃ではこのバリアを壊すことは愚かスライムすら倒せんよ」

 

 「だと思ったよ。……ならこれならどうだ!!」

 

 蓮はデバイスの形成段位の武器であるギロチンを形成すると、ソニックブームを弾幕の様に乱発しながら、メルクリウスに『縮地』を使って近づいてくる。

 

 「(っ! 居合いの構えをしているということは、勝負を決めにきたか。だが、蓮はまだ9歳。その幼い体で未完成の形成を使用し続けたら間違いなく体が壊れる)」

 

 「っ!!」

 

 蓮の斬撃を咄嗟に片腕で止めたメルクリウスは蓮のデバイスに干渉して強制的に形成を解除した。

 

 「ああ、いけないな我が愛しの息子蓮。無知蒙昧とはこのことか。今は活動段位を極める為の練習の筈だ。何故形成段位になったのか答えてもらおうか?」

 

 「そ、それは……」

 

 「まあ、お前の気持ちは察する。だが、これだけは言っておこう。基礎を疎かにしてスポーツやオリンピック競技の道を諦めた者、体を壊して競技を二度とできなくなった才能のある者を私は何人も見てきているのだよ」

 

 実際、■■■■の友人も基礎を疎かにしたことでテニスを辞めた。メルクリウスは蓮に後悔はさせたくはないそう思いながら蓮の頭に右手を乗せ、優しく撫でた。

 

 「……なんだよ?」

 

 「焦らなくてもいい。お前は気付いていないかもしれないが、少しずつ強くなっている。すぐに私よりも強くなるよ」

 

 「分かったよ。……けど俺が強くなってなかったら、一週間父さんと話さないからな」

 

 「私が嘘をついたことがないことはお前が一番良く知っている筈だがね。……さあ、もう一度活動段位になりたまえ」

 

 そしてメルクリウスは再び蓮との特訓を再会した。

 

 

 

 「……すごい。どうしたらあんなに高度な魔法が使えるんだろう?」

 

 蓮の家で、蓮とメルクリウスの特訓を見ていた民族衣装の少年はユーノ・スクライア。

 管理世界のスクライア一族には苗字はないが、色々な世界に行って発掘をするのに苗字が必要とされている為、一族はスクライアを苗字にしている。

 ただ、スクライアの姓を使うには一族の長老に許可を貰わなければいけない。

 勿論、ユーノは長老から許可を貰っている。

 だが、ユーノはジュエルシードを発掘して管理局に渡した翌日にジュエルシードが盗まれたことを聞いた。

 その時ユーノは後悔していた。ジュエルシードにはリンカーコアの魔力が少ないユーノでも感じることができるほどの高密度の魔力が宿っていた。そして、もっと厳重にジュエルシードを封印するべきだったと自分を責めた。

 

 「(ボクはあの時、一族の言った通りに1人でこの地球に行かなければ良かったのかな?)」

 

 ジュエルシードの件について、一族の皆は管理局員が来るまで待った方が良いと言っていた。

 しかし、ジュエルシードを最初に発掘したのはユーノだ。ジュエルシードが盗まれたのはユーノが最後まで管理をしなかったからだと思い、皆に黙ってジュエルシードが落ちたとされる第97管理外世界『地球』に『レイジングハート』と共に転移した。

 結果、ユーノはジュエルシードの暴走態に苦戦してなんとか一個封印できただけ。

 それ以外のジュエルシードはなのはと蓮と司狼の3人に助けて貰って合計3個封印できた。

 そこでユーノが自分の実力の無さを知った。それと同時に、色々な相談ができる同世代の友達である蓮に会うことができたことに少しだけ嬉しさを感じていた。

 

 これは予断だが、もしユーノがなのはに引き取られていたら、なのはや美由紀と一緒に風呂に入ることになってしまい、後の友人であるクロノ・ハラオウンに淫獣とからかわれることになっていただろう。

 

 「(僕がジュエルシードを発掘していなかったら蓮となのはと司狼の3人は平和な生活ができていたかもしれないのに)やっぱり、僕はジュエルシードを発掘するべきじゃなか……痛っ!!」

 

 発掘するべきじゃなかった。ユーノがそう言おうとした瞬間、頭を誰かに軽く殴られた。

 ユーノは痛む頭を押さえながら、周りを見ると、そこには悪戯が成功したといわんとばかりの笑顔を浮かべた遊佐司狼だった。

 

 「おいおい。そんなにネガティブになるんじゃねぇよ。だけど、この姿が本当の姿かよユーノ? まあ、フェレットが人間の言葉を話せるからおかしいとは思っていたけどな」

 

 「いきなり殴らないでくれないかな!? 下手したら舌が切れていたんだよ! ……それに僕がフェレットになっていたのは傷を治しながら魔力を回復する為だよ」

 

 「なるほどな」

 

 「君は特訓をしなくても良いのかい?」

 

ユーノはコーラを飲んでいる司狼に質問すると、司狼は余裕そうな笑みを見せた。

 

 「バーカ。天才の俺様には特訓なんてしなくてもいいんだよ。俺のことは俺が一番分かってる」

 

 「(やっぱり蓮と司狼となのはには魔法の才能があり過ぎる。このままじゃ、ボクが皆の足を引っ張ってしまうかもしれない。それだけは嫌だ! それに、皆に認められる位に強くなりたい!!)」

 

 ユーノは自らの目標を決めて、今自分に出来ることをやろうとしたが、司狼に止められる。

 

 「真面目に物事考えてると将来禿げるぜ? だから少しこれでも読んでリラックスしろよ」

 

 司狼は面白そうに笑いながら一冊のマンガをユーノに投げた。ユーノはそれを落とさないように受け取り、題名を見ると、

 

 「『H○LL○ING』?」

 

 そのマンガはイギリスが舞台の主人公が吸血鬼である物語だ。

 

 「ああ。主人公はラスボスみたいな奴だけど、マンガに出てる1人1人のキャラが濃いからオススメだぜ? それと続きが読みたくなったら俺の家に来いよ貸してやるからさ」

 

 「ありがとう司狼」

 

 「それと、そのマンガにはお前の戦い方に合った戦法があると思う。探してみな? ……さてと、もうそろそろであの2人の特訓が終わるみてぇだし行くぞ」

 

 司狼は飲み終わったコーラの缶を左手で潰した後、蓮の所に歩いて行った。恐らく蓮をからかうつもりなんだろう。

 そんな司狼の悪巧みしている顔を見ながらはユーノは苦笑して蓮の元に向かった。

 


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