ハイスクールD×B×F   作:ゴンサレス斎藤

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斬魄刀の修行内容です。


第2話

       ~始解の修行中~

 

「面を上げろ・侘助」

 

 刀身が鉤状へと変化する。

 

 

 

「尽敵螫殺・雀蜂」《じんてきしゃくせつ》

 

 右手中指にアーマーリング状の刃に変化する。

 

 

 

「弾け・飛梅」

 

 七支刀のような形状に変化する。

 

 

 

「吠えろ・蛇尾丸」

 

 刀身にいくつもの節を持ち、伸びて蛇のようにしなる蛇腹剣の形状に変化する。

 

 

 

「吹っ飛ばせ・断地風」

 

 風を纏い、コンバットナイフのような形状に変化する。

 

 

 

「波悉く我が盾となれ、雷悉く我が刃となれ・双魚理」

 

 一振りの刀が二振りになり、刀身が逆十手状になり柄どうしが縄でつながれた二刀一対の刀に変化した。

 

 

 

「花風紊《みだ》れて花身啼き天風紊れて天魔嗤う・花天狂骨」

 

 

 

 双魚理からの変化で二本の青龍刀のような形状になる。

 

 

 

「舞え・袖白雪」

 

 刀身も鍔も柄みも全て純白形状に変化し、柄頭の先に長い帯がついた。

 

 

 

 ここまで、様々な始解を繰り出す。始解をするたびに一度元の刀に戻してから解号して別の始解を繰り返し行った。

 

 

 

 そして最後に自分の魂で作られた斬魄刀の始解を行った。

 

 

 

「引けば老いるぞ、臆せば死ぬぞ・斬月」

 

 鞘も柄も鍔もハバキもなく、出刃包丁のような形状の巨大な刀身のみの刀になった。

 

 

 

 自分の魂を元にしたとはいえ、なぜこのような攻撃に特化した形状になってしまったのか自分でも疑問に思ってしまうほどである。

 

 

 

 その時、周りから声が聞こえた。

 

 

 

『主よ、なかなかうまく扱えるようになったではないか』

 

 

 

『そうですね、初めての頃よりかはずいぶんと早く始解になる事が出来ましたね』

 

 

 

 鎧武者風の青年と真っ白な着物姿の女性が感想を口にしていた。

 

 

 

「ありがとう、千本桜、袖白雪」

 

 

 

 鎧武者風の青年〈千本桜〉と着物姿の女性〈袖白雪〉は言葉を投げかけると優しく微笑んだ。

 

 

 

「でも、まだまだだな。さすがに君たちに元の主たちのようにはうまく扱えてないよ」

 

 

 

 少年は悲観した表情を浮かべていた。

 

 

 

『そんなことはないぞ。われらの元の魂の所有者たちは別として、歴代の斬魄刀の所有者の中ではそなたが一番多く我等を扱えているしこのように会話もできている』

 

 

 

『千本桜殿の言う通りです。今までの斬魄刀の所有者たちは、皆自分の魂で作った斬魄刀の他には二人ぐらいしか我等を認識できなかったのです。それをあなた様は10人以上の斬魄刀を扱うことができます。それはもはや今までで一番我等と心を通わせているからなのです。ですから、そのように悲しい顔をなさらないでください』

 

 

 

 千本桜と袖白雪は不安に駆られている少年を心配になり、それぞれの言葉で少年を励ました。

 

 

 

「そうか、君たちに励ましてもらえてうれしいよ」

 

 

 

 少年が微笑みながらそう言うと両名とも安心した。

 

 

 

『別に貴様の心配しているのは二人だけではないぞ』

 

『そうだぜ。オイラたちもいることを忘れるなよな』

 

 

 

 長髪長身の猿女と鎖で繋がれている蛇の尻尾を持った長袖半裾の小柄な男の子が急にしゃしゃり出てきた。

 

 

 

「忘れてはいないよ、蛇尾丸」

 

 

 

 猿女と蛇男〈蛇尾丸〉達にそう言うと、二人は満足した表情を浮かべた。

 

 

 

『だが、卍解には至らなかったな』

 

 

 

 漆黒のコートに身を包んだ長髪で髭面、半透明のサングラスをかけた男が難しい顔をしながら辛辣な言葉を投げかけた。

 

 

 

「そうだな、斬月。それだけが心残りだなぁ」

 

 

 

 サングラスをかけた男〈斬月〉に少年は答えた。

 

 

 

【卍解】それは斬魄刀本来の力であり、基本的には始解の能力・特性を強化したもので、その戦闘能力は始解の5~10倍とされており、斬魄刀の最終奥義といえる。

 

 

 

『そういうな、斬月。主とて、それは重々承知しているさ。だが、そもそも主はまだ幼い。卍解は習得には10年かかる。それを使いこなすにも時間がかかるのだぞ』

 

 

 

『それはわかるが、そんな甘えでは困るのだ。なにか胸騒ぎがしてならんのだ。近くお前には言い知れないなにかが起こるかもしれんぞ』

 

 

 

「その時はその時さ。何があろうとも、おれは前へ進むだけさ」

 

 

 

『・・・ふん、どうやら杞憂だったようだな』

 

 

 

 少年の言葉に斬月は納得したかのような笑みを浮かべた。

 

 

 

「さて、そろそろ帰るとーーーっ!?」

 

 

 

 集落に戻ろうとした少年にある気配が感じれた。

 

 

 

『どうしたのだ、主よ』

 

 

 

「千本桜、少し離れた場所で殺気を感じたんだが」

 

 

 

『確かに、ここより数㎞離れた場所に複数の人間と・・・人間ではないな・・・1人の異形な者の気配がするな』

 

 

 

「・・・少し気になるな。様子を見て来よう」

 

 

 

『集落では一人前にならなければ外の人間との接触は禁止されているのではないか?』

 

 

 

「要は、ばれなければいいだろ?それに、必ずしも接触するとは限らないんだし、まずは、遠目で様子を見るだけにしておくよ。一応斬月の状態で移動する」

 

 

 

 そう言うと、少年は斬月の茎の後端に巻き付けられている晒を刀身に巻きつけて鞘の代わりとし、瞬歩で移動し始めた。




始解の解号でわからないのは、こちらで勝手に決めました。

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