落第騎士と生徒会長の幼なじみ   作:簾木健

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戦闘描写難しい!!!

全然まとまってない気がする!!!!

拙い文ですが今回も楽しんでいただけると嬉しいです。

簾木 健


片鱗

『さぁ、それでは本日の第十二試合の選手を紹介しましょう!青ゲートから姿を見せたのは、今我が校で知らない者はいない注目の騎士・黒鉄一輝選手の妹にして、《紅蓮の皇女》に継ぐ今年度次席入学生!ここまでの戦績は十五戦十五勝無敗!属性優劣も何のその!抜群の魔力制御力を武器に、今日も相手を深海に引きずり込むのか!一年《深海の魔女(ローレライ)》黒鉄珠雫選手です!!!!』

 

割れんばかりの歓声・・・・・その中に刀華とカナタを除く生徒会メンバーは居た。

 

「この試合は楽しみだね・・・・ついにかいちょーも全力を出すんじゃないかな?」

 

恋々が楽しそうに笑う。

 

「いや・・・・たぶんそれはないんじゃないかな?」

 

泡沫がニヤリと笑う。

 

「まだ彼女は会長には届かないよ」

 

『そして赤ゲートより姿を見せるは、我が校の生徒会長にして校内序列最高位!前年度の七星剣舞祭では二年生で準決勝まで駒を進めるという快進撃を見せるも、前年度の七星剣王となった『武曲学園』の諸星選手に敗北し、七星の頂には手が届きませんでした。しかし、彼女は再びこの七星の頂を争う戦いの場に帰ってきました!その手に一年前よりもさらに磨きのかかった未だ不敗の伝家の宝刀をひっさげて!その疾さを前に避けることは叶わず!その鋭さの前に防ぐも叶わず!金色の閃光が今日も瞬く間に相手を切って落とすのか!破軍が誇る最強の雷使い!三年《雷切》東堂刀華選手です!!!」

 

刀華が入ってくると一段と大きい歓声が起こる。でも、その刀華は生徒会でいつもドジっている刀華の雰囲気は一切ない。

 

「なんという覇気・・・・」

 

刀華が放つオーラに雷が少し顔を引きつらせる。恋々も表情が真剣なものになる。その二人の様子に泡沫がははっと笑う。

 

「でも、久しぶりの七星剣舞祭クラスの戦いだからね・・・・本気ではないかもしれないけどそれなりの強さは見れるんじゃないかな・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

刀華の試合が今始まろうというとき総司は次の試合にも関わらず会場の外で愛刀の《黒光》と《白和》を両手に持ち目を閉じてその二本の小太刀を動きながら振るっていた。その動きは流麗で例え剣術や武術に造詣のない人から見ても特別ななにかを感じられただろう。一通り動きを確認し総司は目を開けふぅと息を吐く。

 

「今日も大丈夫だな」

 

確認した動きにエラーはない。いつも通りいけるだろう。

 

「久しぶりに滾ってるな・・・・」

 

総司がニヤリと笑う。なんせ今日の相手はあの貴徳原カナタ。今までの相手たちとはわけが違う。本物の強さを持つ伐刀者(ブレイザー)

 

「さて、行きますかね」

 

総司は《黒光》と《白和》を消し会場に歩いていく。その瞳に抑えられない興奮と冷たい闘気を携えて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱりロングレンジはすごいな。まさか互角になるとは思っていなかった」

 

泡沫がははっと笑う。でも、その物言いに恋々が首を傾げた。

 

「かいちょーちょっと押され気味じゃない?ちょっと負ける可能性が「それはないよ」えっ?」

 

恋々の発言を泡沫が遮る。そこまではっきり言い切られたことに恋々がさらにわからないと顔をする。どうやら雷も同じだったようで泡沫に尋ねる。

 

「でも、其の目にもそう見えたのだが、どうしてそこまで副会長は言い切れるのですか?」

 

「だって会長まだ全然本気じゃないよ?」

 

その発言に恋々と雷が固まる。なんせ今行われた魔術戦はかなり高レベルの読みあいを基に行われていたからだ。これ以上上があるということが二人には信じられなかったのだ。そんな二人に泡沫はさらに続ける。

 

「それに今のはロングレンジでの戦いだけだよ?会長にはさらにクロスレンジがある。それにそうちゃんと『闘神』直伝のあの歩法も使ってない。たぶん会長は折角の一流の水使いとの戦いでお勉強してたんだろうけど・・・・これからはそれも終わりだ・・・・・一気に決めに行くよ」

 

泡沫がニヤリと笑顔を浮かべて言った。そしてそれは本当にその通りになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、イッキ珠雫はどうしちゃったの?」

 

「どう、とは?」

 

ステラが一輝に尋ねる。なぜなら珠雫が急に刀華の切り込みを防ぐことができなくなったからだ。それに一輝は苦虫を潰したような表情で聞き返す。

 

「見てわかるでしょ。突然明らかに相手の動きへの反応が悪くなっているわ」

 

そこで珠雫のルームメイトである有栖院凪も加わる。

 

「ステラちゃんの言うとおりね。会長さんはふつうに動いているだけなのに、それがまるで見えてないみたい」

 

「・・・・たぶんその通りだよ」

 

「え?」

 

「珠雫には本当に見えてないんだ。前に一度、これと同じものを僕も見たことがある」

 

それはデビュー戦の前、一輝は《夜叉姫》西京寧音に会ったことを思い出していた。

 

「あのとき西京先生はいつの間にか目の前まで迫ってきていた。視線は一瞬も切らなかったはずなのに、知らない間に懐を取られていたんだ。たぶん《雷切》が使っているのはそれと同じ体術なんだと思う」

 

「あはは。さっすが黒坊。やっぱり気づいたねぇ・・・・でも、やっぱり気づかなかったね」

 

一輝たちの斜め上から声が降ってくる。そこには艶やかな着物姿の小柄の女性と、スーツに身を包んだ凛々しい女性がすり鉢状の観客席の階段を下ってきていた。

 

「やっほー。お久しぶり」

 

「西京先生に、理事長先生。二人揃ってどうしたのかしら?」

 

「なに、用があるわけじゃない。お前たちの姿が見えたから声をかけただけだ」

 

凪・・・アリスの問いに理事長・新宮司黒乃が答える。二人はこの試合とそのあとの試合を観戦しに来たのだ。声をかけたのは一輝たちが興味深い話をしてたからだった。

 

「・・・・ねぇ、ネネ先生。やっぱり気づいたってことはそれが正しいってこと?でも気づかなかったってどういうこと?」

 

ステラの問いに寧音は、ははっと笑って答える。

 

「まず黒坊が言ってることは正しいよ。あれは《抜き足》っていう古武術の呼吸法と歩法の組み合わせ技。どういうもんかというと―――」

 

「・・・・・・・え?」

 

瞬間。ステラと五メートルばかり離れた場所にいたはずの寧音が息がかかるほど至近に現れて、――――ステラの豊満な胸を下から揉みながら持ち上げた。

 

「ヒッ!!??」

 

「ま、こんな感じ?いやーしかし乳でっけーなおい。しかも超やわらけ~」

 

「キャァァァ!な、ななななにするのよ!!」

 

「揉んだらうちのも増えるかなと思って」

 

「増やしたいなら自分の揉みなさいよ!」

 

「揉むほどないんだよバーカ!」

 

「逆切れされた!?」

 

騒ぐ二人を無視し黒乃が一輝に問いかける。

 

「黒鉄。お前ならもう《抜き足》のカラクリは見抜けているんじゃないか?」

 

その問いに一輝は首を縦に振った。

 

「まあ。たぶん同じことをしろと言われればできます」

 

「ねえイッキ、なんなのこの《抜き足》ってのは」

 

「えっとね、人間は生き物である以上、機械みたいに目に見たことや耳にしたことすべて事細かに認識できない。でも脳は確かにそれも聞いていて、覚えていても、意識がそれを認識できない。だって目にしたことや耳にしたことを全部認識して分析なんてしたら脳みそがオーバーヒートを起こしてしまうから。だから人間の脳は優先度の低い情報を『覚醒の無意識』の中に放り込んで認識を放棄することで脳の処理を軽くする。この《抜き足》はある種の特殊な呼吸法と歩法によって、自らの存在を相手の『覚醒の無意識』に滑り込ませる体術だ。その結果、珠雫には東堂さんが見えているのに見えていることがわからなくなる。脳も眼も確かに東堂さんの動きを捉えているのに、意識がそれを必要のない情報として分類してしまうから認識できなくなる。それこそ、生命の危機が迫るギリギリの瞬間まで」

 

「大正解だ。よくわかったな」

 

黒乃が感心したように唸る。相手に一切悟られずに半歩呼吸と身体をずらすことで、その狭間に滑り込み、意識のロックを外す。それが古流歩法《抜き足》のカラクリだった。

 

「僕はすでに一度この体術を見ていますから・・・・では気づかなかったということはどういうことなんですか?」

 

黒乃が正解と言ったように《抜き足》のカラクリは一輝の言った通りだ。でも気づかなかったことがあったといわれた。それが一輝には少し気になっていた。そこで黒乃がニヤリと笑う。

 

「実はな、もう一人この《抜き足》を使っている騎士がいるんだ・・・・知らなかったか?」

 

「えっ・・・・」

 

一輝の表情が驚きに固まる。それに「やはりか・・・」と呟いてから黒乃は説明を始める。

 

「この『抜き足』はな、元々寧音と東堂が同じ騎士に師事してるからできる技なんだ」

 

「その騎士というのは?」

 

「南郷寅次郎」

 

「《闘神》南郷ですかっ!!」

 

告げられた名に一輝が驚愕の表情を浮かべる。《闘神》南郷寅次郎。《大英雄》黒鉄竜馬と《天陰》玖原鷹丸の終生のライバルにして齢九十を超えてなお現役の老騎士。問答の余地もないほどの『生きる伝説』だ。

 

「むっ。ちょっとまてよぅ、くーちゃん!うちは一度だってあのじじいを師匠なんて思ったことないっての!」

 

「何を照れてるんだ。その天狗下駄もあの人の真似をしているんだろう?」

 

「ちちちがいますぅ!これ履いてると便秘が治るって通販でやってたから買っただけですぅ」

 

「足つぼサンダルか・・・・・」

 

振り袖をバタバタさせながら、なにやらムキになって否定する寧音に黒乃は「相変わらずあの人のことになると素直じゃないな」と苦言を漏らし、そして改めて一輝に視線を向ける。

 

「しかし、実はなこの技は元々南郷先生の技じゃないんだ」

 

「えっ・・・では誰の・・・」

 

「元々はな、《天陰流》の技なんだ」

 

「《天陰流》・・・・それはまた・・・・えっ?」

 

そこで一輝は気づかなかったと言われたことに気づいた。

 

「ということは・・・・まさか・・・・・」

 

その疑問に黒乃は肯定のために首を縦に振った。

 

「そうだ。だから《天陰流》である玖原総司もこの技を使っていたんだよ。しかもこの選抜戦での速攻はこれに支えられていたんだ」

 

「・・・・・なるほど」

 

一輝は本当に気づいてなかった。確かにあの速攻には何かトリックがあると思っていたがまさかそんなトリックがあるとは思ってみなかった。そこでアリスは一つ疑問が浮かんだのか黒乃と寧音に尋ねる。

 

「ちょっと待って。イッキは西京先生と《雷切》の技が同じだと気づいた。でもあの《閃光》が同じことをしてることには気づけなかった。それって・・・・」

 

その問いに寧音は悔しそうに頭を掻きそして言った。

 

「実はね・・・あたしの《抜き足》よりも総司ちゃんの《抜き足》は練度が高いんだよ」

 

「「「えっ・・・・」」」

 

一輝、ステラ、アリスが驚愕の表情を浮かべる。

 

「世界第三位の『夜叉姫』よりも高い練度ってどういうこと!?」

 

そこで黒乃がふうとため息をつく。

 

「黒鉄、有栖院、ヴァ―ミリオン。あいつと・・・・・玖原総司と当ったのなら気をつけろ」

 

黒乃が強い目に三人は少し呆気にとられてしまう。そして黒乃ははっきりと告げた。

 

「はっきり断言しようあいつの本気は・・・・日本中の学生騎士の中で最高のレベルだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『さてさて先ほどのBランク同士の戦い手に汗握る戦闘でしたが、《雷切》東堂刀華選手がその二つ名でもある《雷切》を用い勝利しました。さてこの興奮そのままに今日第十三戦を始めていきましょう!!!まず青ゲートから姿を見せるのはこの人!!破軍学園生徒会執行部にして学園序列第二位。その《伐刀絶技(ノーブルアーツ)》は見えぬ間に敵に入り込み内側から切り刻む。その強さはこの学園に知らないものはいないでしょう!!そして今日もパラソルを片手に入ってきました。今日もその《伐刀絶技(ノーブルアーツ)》を持って敵を切り刻むのか?十五戦十五勝!三年Bランク《紅の淑女(シャルラッハフラウ)》!貴徳原カナタ選手!!!』

 

 

歓声が聞こえる・・・でもそれはカナタには遠く聞こえる。なぜなら・・・・カナタには反対側から現れる騎士しか見えていないのだ。というか

 

「あの騎士に対して一瞬でも気を抜けば殺される」

 

そしてその反対側から現れるのは

 

『そして赤ゲートから現れるこの人を知らない人はこの破軍にはいないでしょう!!今は破軍最速の騎士とも言われる騎士にして風紀委員長。その速さを持って破軍第二位の騎士を今日も切り捨てるのか!!同じく十五戦十五勝

三年Cランク《閃光》玖原総司選手!!!』

 

総司がゆっくりと入ってくる。その眼には今までにはないなにかが宿っていた。

 

「なんだ・・・今日の《閃光》なにか違わないか?」

 

「ああ。なんていうか・・・・《落第騎士(ワーストワン)》と雰囲気が似てる?」

 

「いや・・・それ以上だろ。この寒気を覚える雰囲気は・・・・・」

 

会場がざわめく。でも、それは総司には全く聞こえない。

 

「・・・・一輝・・・・」

 

「うん・・・・今までの戦い明らかにあの人は手を抜いていたんだ」

 

ステラと一輝が目を見開いて総司を見ていた。

 

「これは少しは底が見えるかもしれないね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「総司さん」

 

「カナタ、言葉は要らないだろ」

 

総司がニヤリと笑う。その眼の興奮と冷たい闘気にカナタの背に冷たい汗が流れる。

 

「ええ。今日は全力でいかせてもらいます―――参りますよ。《フランチェスカ》」

 

ガラス細工のようなレイピア。そして左手の手の平を切っ先に当て、刺し込む。それによって《フランチェスカ》が塵と砕けて空気中に舞う。

 

「受けて立つぜ。―――時間だ。《白和》」

 

総司も左腰に現れた白塗りの鞘から小太刀を取り出し、逆手で構える。両者の準備が整った。

 

『LET’s GO AHEAD!!』

 

試合開始が告げられたと同時に総司が飛び出す。

 

『おーといつも通りの《閃光》による開幕速攻!!これまでの騎士はこれを防ぎきれずに敗北しています!!』

 

いつも・・・・いつも以上の速度で総司はカナタ目がけて突っ込む。しかし、 その速攻はカナタの一メートルほどの地点で止まる。

 

「あそこが境界みたいね」

 

ステラが呟く。一輝も頷く。

 

「うん。たぶんあれから先には《紅の淑女(シャルラッハフラウ)》の《伐刀絶技(ノーブルアーツ)》である《星屑の剣(ダイヤモンドダスト)》が展開されていて、突っ込めば細切れにされる・・・・だから玖原先輩は突っ込まない」

 

「でも、そんな能力ならこの勝負正直《閃光》のほうが分が悪いんじゃない?」

 

アリスが言う。

 

「《閃光》は今まで《伐刀絶技(ノーブルアーツ)》を使ってないし・・・もし剣術のみならこれほど分の悪い騎士はいないわ」

 

それには一輝も同意したようで頷く。

 

「確かに剣術のみで《紅の淑女(シャルラッハフラウ)》を攻略するのは難しい・・・・でも」

 

そこで一輝は言葉を切る。一輝の眼にはステラやアリス以上に様々なものが見えている。その眼はこの状況の異常さも見抜いていた。

 

「《紅の淑女(シャルラッハフラウ)》がこんな風に近距離で守りに入る必要はない。彼女は中距離でも戦える騎士だ。だからもっと広い距離で勝負を決めるべきだ。わざわざ近づけさせるなんてことなんてしない。でも彼女はそうしなかった。ということは・・・・」

 

「遠距離では絶対に勝てないと判断したから・・・・・」

 

ステラが続けた言葉に一輝が頷く。それを聞いていた黒乃と寧音が感嘆の声を漏らす。

 

「さすが黒鉄といったところか」

 

「うん。さすがは《完全掌握(パーフェクトヴィジョン)》なんてとんでもないことをする騎士だね。でも正解だよ」

 

「ということは・・・・・」

 

「ああ・・・・」

 

寧音がニヤリと笑う。

 

「総司ちゃんはね、武術も確かにすげぇ。でも、もっとすげぇのは魔術制御だ。しかもそれは黒坊の妹ちゃん以上だよ」

 

「「「なっ!?」」」

 

「貴徳原と玖原は幼馴染だからなそのことを知ってるんだろう。だからあえて近づいた。だが・・・・」

 

「この勝負はもうついてる」

 

黒乃の言葉を引き継ぎ、寧音がニヤリと笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こりゃ、どうしようもないな」

 

総司は舌を巻いていた。なぜならカナタの守りが完璧だったからだ。

 

「《星屑の剣(ダイヤモンドダスト)》を身体の周りに展開してこっちが攻め込ませないようにしてやがる。そして・・・・・」

 

「っ!!」

 

カナタが《星屑の剣(ダイヤモンドダスト)》を動かしてこっちに攻めてくる。しかもこれを吸い込んだり触れてしまえば切り刻まれる。

 

「本当に恐ろしい能力だな!!!」

 

総司は距離を取って逃げる。

 

「・・・・やっぱり剣のみじゃカナタには勝てないか」

 

総司ははぁと一つため息をつく。

 

「時間だ―――《黒光》」

 

『えっ!?』

 

総司がもう一本の固有霊装(デバイス)を取り出す。そしてそれを抜いた。

 

「っっ!!!!」

 

カナタがその動きに少し慌て攻めを急ぐがその攻めはするりと避けられる。そして《黒光》を鞘に戻し消す。そしてニヤリと笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ついに見せるんだね・・・・そうちゃん」

 

それを試合の後すぐに泡沫たちと合流した刀華がその様子を見ていった。

 

「そうみたいだね。さて今回はなにを見せてくれるのやら・・・・・さてよく見ておくんだよ?」

 

泡沫が楽しそうに笑いながら恋々と雷に言う。

 

「そういえば総司先輩の能力って・・・・・」

 

「其も見たことないな・・・・・」

 

「恐ろしいものが見れるから覚悟してるといいよ」

 

泡沫がニヤリと笑うと同時に・・・・総司の周りに雷鳴が轟き、雷が落ちた。

 

 

 

 

 

『ついに!!ついに!!玖原選手が能力を使ったぁぁぁ!!!その能力は雷!!!あの《雷切》と同じ能力です!!』

 

「カナタ・・・行くぜ・・・・」

 

「・・・・・ええ」

 

カナタの返事と同時に総司の姿が消える。

 

「あれは・・・会長の『疾風迅雷』!?」

 

「速度だけならそれ以上ですけど、やってることは同じですね」

 

恋々の反応に刀華が少し苦い顔をする。そして総司はカナタの周りを高速で移動しながら雷をカナタに向けて放ちまくる。

 

「この戦法は・・・・」

 

「会長が黒鉄妹にしたのと同じ戦法だね・・・・・しかも」

 

カナタは放ってくる方向に《星屑の剣(ダイヤモンドダスト)》を集中し防ぐ。しかしそれは間に合わなくなっていき・・・・・

 

「っ!!!キャアアア!!!」

 

総司の雷撃がカナタに直撃しカナタは倒れこんでしまった。総司は追い打ちはかけず停止してカナタを見つめる。

 

「カナタの《星屑の剣(ダイヤモンドダスト)》の量が決まっている。守りにあれだけの量を割かれたら、黒鉄妹みたいに攻めることはできない」

 

「うん」

 

泡沫の言葉に刀華が頷く。恋々と雷は目を見開いて総司の動きを見ていた。そこでカナタはなんとか立ちあがるがそれもやっとのようだった。

 

「決まったな」

 

「まじかよ・・・・傷一つ負わないなんて・・・・」

 

「序列二位が子ども扱いなんて・・・」

 

会場は総司とカナタの戦いに戦慄しなぜここまでの騎士がこの能力を隠していたのかがわからないといった様子だった。

 

「・・・・・決めるか」

 

総司はそういって腰を落とす。そして『疾風迅雷』を用いて突っ込む。そして雷撃を撒き餌として放ちそれをカナタに防がせる。そしてその守りをこじ開けていく。そしてついに総司の身体が総司の固有霊装(デバイス)である小太刀が届く距離に入りこんだ。

 

「・・・・小太刀が鞘に・・そしてこの構え・・・まさか!!!」

 

総司は小太刀を鞘に直し、その柄に手を添え抜き打ちの構えを取っている。そしてカナタはこの構えから放たれるある伐刀絶技(ノーブルアーツ)を知っている。それは二人の幼馴染の二つ名になっている伝家の宝刀と評される伐刀絶技(ノーブルアーツ)

 

『雷切』

 

その圧倒的な速さと威力を持ってカナタの意識は完全に刈り取られた。

 




どうだったでしょうか?

ついに総司の片鱗が見えましたね。

でも本当に戦闘描写難しい・・・・もっと勉強しないとな・・・・

今回も感想、批評、評価どんどん募集していますのでよろしくお願いします!!

ではまた次回会いましょう。

簾木 健

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