落第騎士と生徒会長の幼なじみ   作:簾木健

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ふぅ・・・連続投稿できたけど短めですね・・・・

でも、今回はこれで切りがいいので・・・・・これでいいんですww

では今回も楽しんで読んでいただけると嬉しいです!!

簾木 健


決定

「あっ・・・・・言ってなかった」

 

「そうちゃんどうしたの?」

 

総司と一緒に試合を見ていた泡沫が急にそんなことを呟いた総司に聞く。恋々と一輝の試合が開始される時だ。雷は次が試合のために刀華とカナタは仕事のために今日は来ていないため総司と泡沫だけだ。しかも総司はこの後試合なのだ。

 

「恋々に言ってなかったなって・・・・」

 

「えっとなにを?」

 

「一輝には突っ込むなよって」

 

はぁと総司が頭を抱える。そんな総司に泡沫は苦笑い浮かべた。

 

「恋々の能力的には突っ込まないと攻撃できないよね?」

 

「それでも能力に任せて安易に突っ込んだら負ける。あいつ注意しとかないと絶対安易に突っ込むからな」

 

「はは・・・・確かに」

 

「・・・・・・・・なんか結果は見えてる気がするけどとりあえずどうなるやら」

 

「それにしても本当にすごいオーラだよね」

 

泡沫が頬杖をついて少し笑いながら一輝を見る。

 

「刀華やそうちゃんに近いものを感じるよ」

 

「・・・・系統は違うけど一輝はおれと経歴が似てるからな」

 

「確かに刀華や僕とも近い経歴だよね」

 

「・・・・・そうだな」

 

総司は気まずそうにに頬を掻いた。それに気づいた泡沫ははっと笑う。

 

「もう昔みたいにはならないよ」

 

「・・・・・まぁあの時の泡沫はね・・・・・」

 

「はは、思い出さないでくれるとうれしいな・・・・・あっ」

 

「やられたな」

 

総司と泡沫が話している中、恋々が繰り出した超音速の拳が空を切り、二人の身体が交差する。そのすれ違いざまに一輝は恋々のウインドブレーカーの襟首を掴み、彼女の超音速の推進力を利用してその場で独楽のように身体を一回転。勢いそのままに恋々の身体を石板の地面に叩きつけた。

 

「はあ・・・・やっぱりこうなったか」

 

「でも、どうして・・・・とは聞くのは野暮か」

 

「ああ。さすが泡沫だな」

 

「一輝君やそうちゃん・・・・刀華はまだかもだけどそういうのが武術なんだよね」

 

「そうだな。でも、その中でも一輝のは特別だ」

 

総司の目が鋭くなる。その目は獲物を見つけた鷹のように鋭い眼だった。

 

「さてさて次の雷君はどうなるかね・・・・」

 

「泡沫。それこそ考えるまでもないだろ」

 

総司ははっと息を吐く。

 

「マックスまで雷が力を溜めたところで『紅蓮の皇女』のパワーには勝てない」

 

「はは・・・・そうちゃんは本当に現実的だよ」

 

それに総司は苦笑いをし席を立つ。

 

「うんじゃおれも行くわ」

 

「うん。応援してるよ」

 

「ああ。よろしく」

 

総司はそう言って会場を出ていく。

 

「ふふ・・・確か今日のそうちゃんの相手は・・・・」

 

泡沫が学生手帳を出し総司の相手を確認する。

 

「ふーん・・・・序列8位か・・・・・」

 

泡沫がニヤリと笑う。その笑顔は見た人はたぶん少し不気味さを感じるような笑顔だった。

 

「そうちゃんの敵じゃないな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『さてさて今日の最終戦!!それではもう一人騎士が登場してきます!!黒鉄一輝選手、ステラヴァーミリオン選手、黒鉄珠雫選手の一年生のダークホース。それに加え今年は三年生にもダークホースが誕生しました。今まで一切の公式戦出場記録は無し。風紀委員長に任命されたときには誰もがこの人で良いのかと疑ったはず。しかしその実態は実は超高速の騎士だった!!あまりにも短い試合時間からついた二つ名は『閃光』。今回の試合も高速で勝っていくのか!!ここまで八戦八勝、三年Cランク――――『閃光』玖原総司選手!!!」

 

その紹介で会場が揺れる。そんな中総司はゆっくりと入っていく。ここ八戦の中で総司の学園での認識は大きく変わっていた。今までは『こいつなんでこの学園にいるんだ』とか『こいつなにものなんだ』と腫れ物に触るような雰囲気だった。しかし、今では『玖原くん。今日も勝ってたね!!すごいね』とか『玖原!弟子にしてくれ!!』などなにやらすごい居心地が少し悪いくらいある。余談だがそんな風に人に囲まれている総司を見て刀華が複雑そうな表情をしてることが多くなったが総司はそれには気付いていない・・・・そんな風に総司は今では七星剣舞祭有力候補に台頭していた。まぁでもそれも当然ではある。しかし、そうなるにつれて多くの人が疑問を持つことも出てきたのだ。それは・・・・『あいつの伐刀絶技(ノーブルアーツ)ってなに?』だ。総司はこれまで八戦で一度も伐刀絶技(ノーブルアーツ)を使うことなく勝利しているのだ。しかも瞬殺で。学園内では総司は一輝と同じで能力が弱く仕方ないため剣術のみで戦っているというのが一番の説だった。でもそれは実はそうではなく、総司自身が使う必要がないと判断しそんなことになっているのは多くのものにとって知らぬが仏だろう。そして今日も総司は入ってきながら相手を観察し、ため息をついた。

 

「今日も使うまでもないな」

 

《白和》を抜き、逆手に持ち構える。

 

『さぁ行きましょう!!』

 

LET's GO AHEAD!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーす」

 

総司が生徒会室のドアを開ける。

 

「ああ。そうちゃんお疲れさま。勝ったと?」

 

「まぁな。これで14勝だな。カナタ紅茶もらっていいか?」

 

「ええ。では準備しますね」

 

「総司先輩お疲れ~」

 

恋々がエキスパンダ―で筋トレをしながら総司に話しかけてくる。

 

「おう恋々筋トレか?」

 

「うん。僕は負けちゃったからね」

 

恋々がカラカラと笑う。どうやら気にはしてないらしいがその中に少し悔しさが滲んでいたのを総司は見抜いていた。

 

「まぁやり過ぎに注意しながらやれよっと・・・・・泡沫はなんのゲームしてんだ?」

 

総司は恋々としゃべりながらゲームをしていた泡沫の隣に座る。

 

「ス〇ブラだよ。久しぶりにそうちゃんもする?」

 

泡沫が好戦的にニヤリと笑う。それに総司もニヤリと笑って返した。

 

「ほう・・・・・おれに勝つつもりか?」

 

「ふふ・・・僕はそんな簡単に負けないよ」

 

そんなやり取りをしながら総司はコントローラーを握る。

 

「3でいい?」

 

「ああ・・・・カナタ、紅茶は少しゆっくり入れてくれ」

 

「はーい」

 

そうやって総司と泡沫がゲームを始める。

 

「ふふ・・・」

 

そんな二人を刀華が微笑ましい笑顔を浮かべながら見ている。

 

「会長、嬉しそうですね?」

 

「ふふ。そんな風に言っているけどカナちゃんも嬉しいそうだよ?」

 

「ええ・・・・昔はこんな風によくゲームしていましたね」

 

「うん。そしていつも通りなら・・・・・」

 

「くっそぉぉぉ!!!!!」

 

そこで総司の声が生徒会室に木霊した。

 

「ふふ。相変わらずそうちゃんは弱いね」

 

「ちくしょ!!泡沫もう一回だ!!」

 

「いいよ~」

 

そんな二人を刀華とカナタが見ながら微笑んでいた。そこで急に三つの無機質な音が響く。

 

「これって・・・・・」

 

恋々が反応する。この音は学生手帳にメールが届く音だ。

 

「悪い泡沫ちょっと止めてくれ」

 

「うん」

 

総司は泡沫に言ってゲームを止めてメールを確認し目を見開いた。刀華は興奮を押さえられないのか好戦的に笑う。そして

 

「・・・・っ!!」

 

顔が強張るカナタ。その視線を学生手帳からゲームをしている対戦相手に向ける。その対戦相手は嬉しそうにそして好戦的に笑ってゲームではなくカナタを見ていた。

 

 

 

破軍学園七星剣舞祭選抜戦第12戦。      三年Bランク 東堂刀華 VS 一年Bランク 黒鉄珠雫

 

 三年Bランク 貴徳原カナタ VS 三年Cランク 玖原総司

 

 

 

 

 

七星を巡る争いはさらに激しさを増す。




どうだったでしょうか?

ついにきましたね。一つ目の山です。

バトルシーンですけど・・・・うまく書けるといいなぁ・・・・・

頑張って書こうと思っていますので楽しみに待っていただける嬉しいです。

ではまた次回会いましょう

そういえば原作9巻を読みました。もうたまりません!!!熱すぎです!!激熱です!!あの熱に負けないように頑張っていこうと思いますのでこれからもよろしくお願いします。

簾木 健

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