うーん・・・こっちばかり投稿してるな・・・・・
もう一つの方はちょっと書いては直して書いては直してを繰り返しています。
でも必ず投稿します!!!
ではこっちはですがあまり話が進んでない・・・・結局バトルシーンには行けず・・・・いつに辿りつくのか・・・・・
では今回も楽しんでいただけると嬉しいです。
簾木 健
「まぁ・・・見えるからな」
総司が冷静今の状況を分析した。
「さすが
刀華も納得したように頷く。一輝は、『狩人』桐原静矢の見えないところから放たれる矢を打ち落としていた。
「それにしても怖ろしい
「ああ。でも使い手がなぁ・・・・・・」
カナタの発言に総司が苦笑いを浮かべた。桐原静矢、
「でも、矢が知覚出来るっていうのは黒鉄君にとってまだよかった・・・・・・!?」
そこまで言って刀華の言葉が止まる。なぜなら『朧月』から放たれた矢が一輝の右太もも穿ったのだ。
「今の反応・・・・」
カナタの言葉に総司と刀華が苦い顔で返す。
「今のどうかしたの?」
恋々が総司たちに聞く。
「いままで黒鉄君は矢に反応することができていました。たぶん、矢だけ見ることができていたのでしょう。でも、今のは完全に虚を突かれてもらった一撃・・・・たぶんですが」
「矢すら見えなくなったんだろうな」
刀華の言葉を総司が繋げる。
「これでさらに恐ろしい能力になりやがったな・・・・」
総司が悪態をつく。それに雷の表情が少し強張る。
「・・・・黒鉄君はここまででしょうか?」
カナタが総司と刀華のほうを見る。刀華は苦い顔し総司も顔をしかめる。二人ともこの状況を打破するすべを思いつかないのだ。
「ああ・・・黒鉄君がボコボコに・・・・・」
泡沫が少し笑いながら言う。
「泡沫・・・ちょっと楽しんでるな・・・・・それにしてもやっぱり一輝のやつあがってたな」
「えっ!?そうなの?」
恋々が驚いた表情で総司を見る。それに総司は冷静に返す。
「一輝の力量があればおれの一戦目みたいに開幕速攻を仕掛ければ桐原が
「ええ。私の目にもそう映りました」
総司の発言に刀華も頷く。
「・・・・このままだと負けるな」
そこで普段は寡黙な雷が残念そうに言った。
「確かに、このままだと・・・・・・ああ、一輝のやつ膝が落ちたな」
「フフフ、アハハハ!なんてみっともなくして汚らわしいっ!酷い顔だよ黒鉄君?さあさあ笑顔で頑張ろう頑張ろう。頑張るだけの理由が君にはあるはずだ。そうだろう?だってこの試合、君の卒業がかかっているんだから」
そこに響いた下種な静矢の声に生徒会のメンバーも総司も顔をしかめた。理事長はこの七星剣舞祭は成績には関与しないと言っていたのだ。でも今静矢は一輝の卒業がかかっていると確かに言った。それがどういうことかわからず全員で顔をしかめていると静矢がそれも説明してくれた。
「成績に関係があるのは彼だけだよ。新理事長も無茶な条件を出すよね。『七星剣舞祭で優勝し、七星剣王になれば卒業させてやる』なんて」
桐原の言葉に会場のざわめきはピタリとやみ次の瞬間
「「「「「「ぷっ、あははははははははっははっはははははっは!!!!」」」」」
その場にいたほとんどの観衆が、同時に吹き出した。そして口々に始まる一輝への批判。それはドンドンと加熱していく。でもその会場の空気と同時に加熱されているものがもう二つあった。それの一つを肌で感じている生徒会メンバー全員は思っていた。特に彼との付き合いの長い、刀華、泡沫、カナタの顔は完全に恐れをなしてしまっている。恋々や雷も彼の異変を感じとっていた。
「「「「「そうちゃん(総司先輩、総司さん)の機嫌がヤバい」」」」」
泡沫は前に刀華が怒ると怖いと言ったことがある。しかし刀華以上に怒らすと怖いのは総司なのだ。でも総司はダラダラしていようとも、なにか悪戯をしてもそう怒ることはない。普段は沸点の高い総司だが、特定のことに対する沸点は異常に低いのだ。その一つに『相手の努力を笑う』というのがある。総司は一度一輝と手合わせをしたときにわかったのだ。自分の剣技が盗まれていることにを、そしてそれを手合わせを行いながら行うことのできる一輝の剣技の凄さを・・・・そしてそれが一輝の多大な努力によって積み上げられていることを・・・・・・そんな人間を才能で諦めている人間が笑っている。そんなこの状況を総司は許すことが出来なかったのだ。
「ぶち殺すぞ」
低い声、総司の横にいた恋々が「ヒッ」っと悲鳴を漏らす。
「そうちゃん・・・・ちょっと落ち着いて・・・・」
刀華がなんとかなだめようとするが、総司はそんな刀華に一瞥もせず一輝の対戦相手でこんなことを暴露した静矢を凝視して殺気と魔力が出されていく。
「総司君そんなことをしたら・・・・」
「そうですよ。あんな下種なんて殺す価値すら・・・・」
泡沫とカナタも総司をなだめる。
「いや、あいつはおれが・・・・・」
「だまれぇええええええええええええええええええええ!!!!!!」
「「「っ!?」」」
総司が今にも飛び出そうとするのを急な叫び声が遮った。
「誰!?」
刀華が誰が叫んだのかを確認しようと会場を見渡す。ただそれはすぐに分かった。なぜなら会場のカメラが叫んだ人間を映したからだ。
「ステラ・ヴァーミリオン」
総司が呟く。ステラは緋色の目を燃やし火炎の燐光を散らして立っていた。
「FランクがAランクに勝てるわけがない?そんなの、アンタ達が勝手に決めつけた格付けじゃないの!アタシ達天才には何やっても勝てない。そうやって勝手に枠にはめて、自分自身の諦めを正当化しているだけ!そうやって諦めるのは勝手よ。だけどお前たちの諦めを理由にイッキの強さを否定するなぁッッ!!」
ステラと総司の考え方は似ている。そしてそれは二人の境遇が似ていることにある・・・・・二人とも天才と呼ばれている。そして二人とも一輝の魂の輝きを見たことがある。そしてその魂の輝きを誇り高いと思っている。それに加えステラと総司は多大な努力をしたことがある。だから一輝の強さはそれ以上の努力から成り立っていることをわかっているのだ。だからそれを笑う諦めた人間が二人は許せなかった。
「才能なんてその人間のほんの一部でしかない。そんな小さなモノにしがみついているアンタ達に、イッキの強さがわかるわけがないッ!理解できるわけがない!だからそんな知った風な口で――――アタシの大好きな騎士をバカにするなッッッ!!!!!!」
そこで総司の殺気と魔力が完全に霧散した。刀華がそこで一つ息をつく。
「やっぱりそうちゃんも少し気にしてたんだね」
「・・・・・別にそれは」
そこで刀華が総司の手をギュッと握る。
「そうちゃんには私がいるから」
「ああ・・・・・頼む」
「うん」
総司の傷。少し昔の話。確かに総司の心にはまだ残っていたのだろう・・・・自らの才能に翻弄されたのはステラだけではないのだ。そしてステラは一輝に言い切った。
「イッキ言ったじゃないの・・・・・ッ。他人に何を言われても、自分を諦めないって・・・・・!アタシはそんなイッキとならどこまでも上を目指していけるって思ったのよ!だからこんな奴らに好き勝手言われたくらいで、そんな、諦めたような顔するんじゃないわよッ!アタシはそんな弱い男に負けたつもりはないわ!!!!アタシが、アタシが憧れたのは、アタシが好きになったのは、いつだって上を向いて、自分自身を誇り続ける黒鉄一輝という騎士をなんだから!!―――だからッッ!!アタシの前ではずっと格好いいアンタのままでいなさいよこのバカァァァァァァァ!!!!!!!」
一輝はその声を聴き、そして
「ゴン!!!!」
自らのこぶしで自分の顔面を音が響くほど強く殴りつけた。
「ありがとう。ステラ・・・・いい活が入った」
ゆっくりと立ち上がる一輝。その眼に強い決意を滲ませて。
「言いたいこともそれ以外も言われちゃったね」
泡沫が総司に笑いかける。総司もふっと笑って頷く。
「でも、どうするの?黒鉄君には桐原の《
「・・・・そういえばどうするんだ?」
恋々と雷が総司たちに聞く。それに刀華とカナタは難しそうな顔をする。でも・・・・総司と泡沫はニヤリと笑った。
「男がここまで啖呵切ったんだよ?」
「そうだ。一輝にはたぶんなにかあるんだろう・・・・おれにはなにも思いつかないけどな」
でもそんな二人を刀華が呆れたように見る。でもすぐにやさしく微笑む。
「ほんとに昔から二人は変わらんばい」
そしてそこで一輝が
「僕の
「「「!!???」」」
次の一輝の行動に生徒会メンバーを含め会場全員が驚愕に包まれた。
「やっぱりね。桐原君なら、ここは必ず曲げてくると思った」
一輝は見えないはずの矢を掴んだのだ。そしてその双眸は静矢を完全に見抜いていた。
「・・・・・ああ、捕まえた。そして、僕はもう君を逃さない」
血にまみれた騎士が薄く笑った。
「でもなんで・・・・」
刀華が理由がわからずあたりを見渡すが総司と泡沫と雷は目を見開き、カナタと恋々も驚愕に固まっていた。
『あは、うははははは!マジっすか!本当にやりやがったよ!』
そこに入ってくるのは実況席で爆笑する世界第三位の騎士西京寧々の声。
『西京先生?何か知っているんですか?』
『くくく!!うん。知ってる。見ての通りさ。もう《
その西京の言葉に、桐原が反射的に噛みつく。
「で、デタラメを言うなッ!ボクはの《
『あははっ。うんそうだね。そりゃうちもそう思う。桐やんの《
「な、なるほど!本当に一輝のやつ滅茶苦茶だな」
「そうちゃんどういうこと?」
刀華が総司に尋ねる。他の生徒会メンバーも説明してほしそうに総司を見ていた。
「一輝はおれとの模擬戦やヴァ―ミリオンとの戦いでおれたちの剣技を見て盗んだ。でも剣技を盗むってのはただ真似るだけじゃないんだ」
そこからは解説の寧々が行う。
『型や太刀筋から積み重ねられた歴史を紐解き、そこに至る思想をくみ取り、根幹に座す『理』を暴き出す。それが剣術を盗むということ・・・・・そして黒坊はこれと全く同じことをした』
「一輝は戦いながら盗み、導きだしたんだ。桐原静矢という人間の『理』をな」
それは名づけるなら《
「A級リーグでもこんなことできる奴はいないって。いやいや、くーちゃんの隠し球なだけあるわぁ。これは選抜戦が楽しみだぁね~。でも次はもっと強い相手との対戦をして欲しいねぇ。例えばそう、そこにいる学園の生徒会長や風紀委員とか」
「あんまり色々と言うと寧々さん、また学園長に怒られますよ?」
「まぁそこは総司ちゃんがバラさなければ大丈夫だよ」
「はぁ・・・相変わらずっすね」
総司がため息をつく。
「でも、西京せんせーは意地が悪いよ」
「クスクス。ええ全く。折角あんなに健気に頑張ってるんですから、もっと大切にしてあげないと可哀そうですわよ」
泡沫とカナタが笑う。
「ふぅん・・・大した自信だね。やっぱり前年度七星剣舞祭ベスト4の壁は厚い?じゃあ本人はどう思う?」
寧々の双眸が総司と刀華を見抜く。その眼には強い好奇心が滲んでいた。
「私は全力で相手をするだけです」
刀華が淡々と答える。でもその言葉には強い意志と力が宿っている。
「ふーん・・・・じゃあ総司ちゃんは?」
「・・・・・今は負けないですね」
総司はハッキリと言い切る。その言葉はあまりにも当たり前で普通に出たように感じられる。
「ふふ・・・・君の場合はそうかもしれないか」
寧々が笑う。それにつられて総司も笑う。その二人の眼には明らかな好奇心が滲み、本当に戦いを楽しみにしているように見えた。
どうだったでしょうか?
実はUAが15000越えしお気に入り検数も500を超えました!!たくさんの方に評価もしていただいています。
読んでくれるみなさん本当にありがとうございます。感謝してもしきれません。
今後も頑張っていこうと思いますのでこれからもよろしくお願いします。
今回も感想、批評、評価どんどん募集していますのでよろしければお願いします。
ではまた次回会いましょう
簾木 健