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これからも頑張っていこうと思いますのでどうぞよろしくお願いします!
では今回も楽しんで読んでいただけると嬉しいです!
簾木 健
「・・・・・すごい魔力だったね」
「あの試合は相手がだらしないな。でも『紅蓮皇女』のプレッシャーは並じゃない。あのプレッシャー相手に
総司と刀華はさっきまで行われていた。Aランクの1年生騎士ステラを見にいき、帰りながらその試合の話をしていた。試合は相手がステラのプレッシャーに負け、投了し試合終了。見ているものからすればこれほどつまらない試合もないだろうという試合だったが、総司と刀華にはそんな試合を見て内心かなり満足していた。
「あれは本物だね」
「ああ・・・・」
刀華の言葉に総司が頷く。
「あの才能は一級品だ・・・・・・でもまだ粗い」
総司がニヤリと笑う。刀華はその言葉の裏にある意味をしっかりと理解していた。
「・・・・・私なら勝てるかな?」
総司が言いたかったことそれは・・・・・今のステラには負けないだ。でも刀華こそ質問しているがそれは質問じゃない。
「・・・・刀華も負けるなんて思ってないだろ?」
「・・・・ふふ」
刀華が意味深な笑みを浮かべる。でも、その意味をよく知る総司はハァとため息をついた。
「刀華は本当にいい性格してるよ」
「そうかな?・・・・あっそうだ。そうちゃん今日も特訓付き合ってくれる?」
刀華はハッと思い出したように言う。
「・・・・わかったよ」
総司は嬉しそうな笑顔を浮かべてそう答えた。
「で?今日も試合を見に行くのか?」
次の日の朝。朝食を食べながら総司は刀華に尋ねる。刀華はお味噌汁を吸って一つ息を吐き出した。
「今日も行きます。今日は『
「一輝か・・・・」
総司の目が鋭くなる。なぜなら総司とって黒鉄一輝は手のかかるかわいい後輩であると同時にこの選抜戦では刀華の次に当たりたくない騎士だ。
「刀華もちろんおれも行っていいよな?」
「ええ。生徒会のみんなも一緒になるけどいい?」
「わかった。ええっと・・・・今日の何戦目だ?」
「そうちゃん・・・・メール読んでる?」
「自分以外の試合は・・・」
「確認してないんよね?」
ニコリと刀華が笑う。総司はその笑顔にたじろぐ。
「・・・・今度からはきちんと確認してね」
「はい」
総司は素直に頷いた。
「はは・・・それは朝から災難だったね」
「ああ」
一輝の試合の前に会場内で生徒会のメンバーと合流する。総司はまず朝から刀華のあの笑顔を見たことを泡沫に伝えると泡沫が乾いた笑いのあとに同意してくる。
「本当かいちょーの笑顔は怖いよね。目が全然笑ってないもん」
そういって話に入ってきたのは校内序列3位であり生徒会の庶務である兎丸恋々。総司や泡沫の後輩にあたるが基本的には敬語などはない。でも、そんな恋々を二人は別に気にする様子もない。
「だよね・・・・会長は本当に怖いから・・・・本当に・・・・」
泡沫が遠い目をする。
「まぁ泡沫は昔から刀華によくお尻ペンペンされたもんな」
「お尻ペンペン・・・・」
恋々がお尻を押さえる。
「・・・昔はあの笑顔とお尻ペンペンがセットだったときがあってね・・・・それにしてもあのお尻ペンペンの時は一種の才能だと僕は思うよ。なんというか・・・スナップがすごいんだよね」
「3人とも・・・・・」
そこで後ろからゾクっとするほどの威圧を感じる。もちろん声の主はこの話の中心になっていた人だ。
「うたくんには少しお仕置きが足りないのかな・・・だからまた色々問題を・・・・」
「うわーーー違うから!違うからその目で僕に手を向けないで!!!」
泡沫が悲鳴をあげながら刀華から逃げる。でも刀華のお尻ペンペンの威力を知っているものとしては正しい反応だろう。
「会長そろそろはじまりますよ?」
そこでこの様子を笑顔で見ていたカナタが刀華に声をかける。
「そうみたいですね・・・ではうたくんへのお仕置きは終わってからということで・・・」
「えええ!!!!僕のお仕置きは確定なの!?この話始めたのは総司くんだよ!?」
「泡沫・・・ドンマイ」
総司は泡沫に向かって親指を立てサムズアップする。するとその表情があまりにもウザかったようで泡沫もついに切れた。
「・・・・そういえば総司くんこの間あげた本はどうしたの?」
「はぁ?本?おれ泡沫から本なんか借りたっけ?」
「うん貸したよ。『厳選巨乳百選』」
「えっ!?」
そこで泡沫がなにをしたかったを理解したがもう遅かった。
「うたくんとそうちゃんは後でお話しがあります」
死刑宣告とも取れる声。泡沫はニヤリと笑い総司はそんな泡沫を睨みつける。こんな次元の低い争いをこれからさらに繰り広げようとした時に
「入ってきましたね・・・・」
カナタが呟く。その声で総司と泡沫も視線を闘技場の中心に向ける。そこには二人の騎士がゆっくりが中心に近づいていっていた。
「そうちゃんはどっちが勝つと思う?」
「・・・・刀華その答え聞く意味あるか?」
静かに総司が言う。どうやら総司もスイッチを切り替えたようだ。今は目の前の試合を見ることに集中する。
「ということはやっぱり・・・・・」
「ああ。十中八九一輝が勝つ」
総司がハッキリと言い切る。
「・・・・・でも確実ではないんですね」
カナタは総司の言い方が気になったのか総司に聞く。それに対して総司は複雑そうな顔をした。
「・・・・正直確実ではない」
「それはどうして?」
今度は刀華が聞いてくる。それに対して総司が頭を掻きながら答える。
「一輝はたぶんかなり緊張してると思う」
それに対して泡沫が首を傾げた。
「黒鉄くんが緊張?でも彼は一流の武術者だよね?それなら・・・・・」
「普段なら100%一輝が勝つ。でも一輝はこれまでチャンスらしいチャンスをもらったことがない。しかも今回はもしかしたら自分の力を示すためのラストチャンスになるかもしれない・・・・・そんな状況なのに一輝はあまりに普通だ。おれと模擬戦をしたときと変わらない・・・・そんなの普通はありえないだろ?たぶんおれや刀華でもなんらかの影響が出る。たぶん一輝はそれを自らの気持ちで抑え込んでるんだろう」
「でも、プレッシャーを抑え込むのはいいことなんじゃ・・・・」
今度は恋々がそう答える。でも総司と刀華がそれに対して首を横に振った。
「完全に抑え込んでしまうのは問題なんだ」
「そうちゃんの言う通り。完全にプレッシャーを抑え込んでしまうのはこういう場合よくない」
「そうなの?」
恋々がカナタや雷、泡沫に尋ねる。
「確かに完全に抑え込んでしまうのは良くありませんね」
それにはカナタが答えた。恋々がへーと言ったあと、総司が解説を続ける。
「たぶん一輝にはこういうことの場数が圧倒的に足りないんだ。こういうのは完全に場数だからな・・・・だからもしこの状況から抜け出せないとすると・・・」
総司が一度言葉を切る。もう総司が言いたい事は生徒会メンバー全員が理解している。でも総司は自分に言い聞かせるように続きを呟いた。
「一輝はなにも出来ずに負ける」
そしてその言葉のあとすぐに試合は始まった。
どうだったでしょうか?今回は少し短めでしたしバトルシーンないため微妙な話でしたね・・・・
ただ次回かその次にはバトルシーンを入れようと思っています。ついに総司の片鱗が・・・・明らかになるといいなぁ!!ww
ではまた次回も楽しんで読んでいただけると嬉しいです!
簾木 健