落第騎士と生徒会長の幼なじみ   作:簾木健

23 / 52
遅くなってすみませんでした!!!!!!

ちょっといろいろと忙しくて遅れてしまいました・・・・・今後はもっと短いスパンで投稿していきます。

さてでは今回も楽しんでいただけると嬉しいです。

簾木 健


闇討

「巌さん!!襲撃です!!」

 

「なに?」

 

巌が驚きの声を上げる。

 

「数は?」

 

「二人です・・・・ただ建物内に侵入され、しかも相手は武術の達人らしく多くの伐刀者(ブレイザー)がやられています」

 

「魔術の使用は?」

 

「行う前に切られています」

 

「・・・・そうか」

 

「どうなさいますか?」

 

「・・・・・相手の狙いは?」

 

「わかりません。ただこちらを目指しているようです」

 

「そうか。なら兵を引け」

 

「えっ!?どうするおつもりですか?」

 

「・・・・・ここに侵入できて達人級の武人。そんな相手と戦えるような人間は今ここにはいない。ここまで通してここで迎え撃つ」

 

「わかりました」

 

そういって巌と話していた人間が執務室を出ていく。するとそこにもう一人太った男が入ってくる。

 

「どうかなさいました?んっふっふ」

 

「・・・・侵入者だ」

 

「えっ・・・・」

 

「赤座お前もここにいろ。たぶんお前も関係のある案件だ」

 

「は、はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おっ・・・・敵が減ったな」

 

「ですね・・・それより本当にいいんですかね?」

 

「まあいいだろ」

 

男二人は仮面を被り武器もち、その二人の後ろには大量の人が倒れている。

 

「さて、執務室はあっちだったよな?」

 

「ええ。たぶんそこにいると思います」

 

「了解。じゃあ行くか」

 

 

 

 

 

 

 

 

「久しぶりですね。巌さん」

 

執務室に入った総司は仮面を脱ぐ。そこには巌と赤座がいた。

 

「なっ!!貴様なにをしたのかわかってるのか!?」

 

赤座が叫び声をあげる。総司はそんな赤座に頭を抱えた。

 

「なんでお前がいるんだよ・・・・・」

 

「貴様いくら玖原といってもこの行いは・・」

 

「黙れ」

 

「ひっ!!」

 

「ちょっと黙ってろ。おれたちが話があるのは巌さんだけだ」

 

総司のその言葉に赤座が悔しそうに唇を噛みながら黙る。それを確認してから総司が続ける。

 

「本当にお久しぶりですね巌さん」

 

「ああ。久しぶりだな総司君・・・・で?その横にいるのは誰かな?」

 

「そういえばまだ仮面を取らせてなかったな。取りなよ」

 

すると総司の横にいた男が仮面を取る。

 

「久しぶり父さん」

 

「一輝か・・・・・」

 

「うん。ちょっと聞きたいことがあってね」

 

「なっ!!この出来損ない「黙れっていったよな」・・ひっ!?」

 

総司は赤座を一瞥し黙らせる。さらに総司は気になっていたことを尋ねた。

 

「あとここに()()()がいるだろ?さっきから気配がだだ漏れ・・・・変わらないな」

 

総司は執務室内の横にあったドアを指しながらそういうと巌はふっと笑った。

 

「・・・・さすがは総司君というところか」

 

巌がそう言うと執務室の横にあった扉から黒い和服の男が入ってきた。かなりの長身に鋭い目。その纏っている雰囲気が刀のような鋭さがある。この男こそ一輝の兄であり、総司を倒すと宣誓した男であった。

 

「・・・・まさかここにいるとはな・・・・王馬」

 

「・・・お前こそなにをしに来たんだ総司・・・それに一輝もいるのか」

 

「おれは一輝を連れてきただけだ。巌さんに話があるらしい」

 

「そうか・・・・で・・・その間・・・・お前はどうするんだ?」

 

そう言う王馬は全身から殺気を漲らせる。その殺気を総司は目を閉じて受け止める。

 

「この殺気・・・・当たり前だがかなり強くなったな。でも今日はお前とはやるつもりはないよ。というか」

 

総司が目を開いた瞬間王馬の殺気が一瞬で消え去りその空気を総司の殺気が支配した。

 

「お前その程度の殺気でおれに喧嘩を売るつもりか?」

 

総司の放つ殺気に一輝は息をのむ。

 

「総司先輩はどれほど強いんだ」

 

一輝の目を持ってしても底を捉えることができない総司の強さ。その片鱗を一輝は見たと同時に兄である王馬の信じられない行動を目撃していた。

 

「王馬兄さん・・・・震えてる」

 

王馬の身体は激しく震えていたのだ。一輝の知っている王馬という男は強く、ただただ強く、そうあり続けるために努力をしそしてそのためにどんな強者にも恐れることなく挑む男だった。そんな王馬がこの総司を前にして震えていたのだ・・・・・しかしその顔には恐怖ではなく果てしないほどの歓喜が滲んでいた。

 

「そうだ。それでこそ玖原総司だ。だからこそ乗り越える価値がある」

 

そんなことをいう王馬に総司は呆れた顔になる。

 

「おれなんか追いかけたところでなににもならないだろうが。それこそおれはお前のいうペテンの最たる存在なんだからよ」

 

「えっ・・・・・」

 

いま総司が言った言葉が一輝には理解できなかった。が王馬にはそれはわかったらしくニヤリと笑う。

 

「確かにお前は一輝と同じペテンの騎士だ。でもな、お前はそれを突き詰めた。そしてそのペテンでおれを否定した。だからこそおれはおれの求める強さのために今度こそお前を否定しおれの強さこそ本物の強さだと証明する」

 

「・・・・・まあ理由なんてどうでもいい。とりあえず今日はやるつもりはない。今日は一輝の付き添いとついでに黒鉄家に言っておこうと思うことがあってな。一輝先にそれを言わせてもらうぞ」

 

総司は部屋にいる面々をグルッと見てから言った。

 

「今回の件、正直おれは看過できない。ただ巌さん。おれはあなたの考えは正しいと思う。確かに不相応な生き方ってのはいい生き方じゃねぇ・・・・でも、それでもやり方ってもんがあるはずだ。だから今後もし一輝になにかしようってなら・・・・・今度はおれが本気で黒鉄家を潰す」

 

総司の言葉はあまりにも自分勝手であり、自分の考えを人に押し付けるものだ。でも・・・・それを通してしまうほど力を総司は持っているのだ。

 

「・・・・・まぁでもさっきも言った通りおれは巌さんの考えが間違っているとは思わない。それにおれ自身の力で一輝にそれを与えてしまうのもどうかと思う・・・・だからな」

 

総司がフッと一輝を見てほほ笑む。

 

「一輝あとはお前の力でなんとかしな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうちゃん!!」

 

刀華は寮の部屋の扉を勢いよく開ける。

 

「おう。刀華どうかした・・・「どうかしたじゃないよ!!!」・・・なんだよ?」

 

部屋のソファーで本を読んでいた総司に刀華が今にも掴みかかりそうな勢いで迫る。

 

「そうちゃん・・・私の最終戦の相手しっとうやろ?」

 

「そんなの知る訳・・・・まさか・・・・」

 

「やっぱり心当たりがあるんね」

 

「・・・・・」

 

「さっき黒乃さんに言われたの・・・・この選抜最終戦にはある思惑が絡んでる。だから今回のみオープンでやることになったって。そしてそれにはそうちゃんが関わってるから聞くならそうちゃんに聞けって」

 

「・・・・あの人はそんなことまで話したのかよ」

 

総司は観念したようにため息をつく。それに刀華は確信を得る。

 

「で?私と黒鉄君が戦うことになにがあるの?」

 

「・・・・簡単に言えば一輝が巌さんたちに認められるための妥協案として決闘を進言したんだ。それでそれを選抜最終戦で行うことになったんだよ・・・・そしてその相手として倫理委員会側は刀華を指名したという訳だ」

 

「なんで私が・・・・」

 

「それは刀華が学園最強の伐刀者(ブレイザー)だからだろう」

 

総司は当たり前のようにそんなこと言う。そんな総司に刀華は少し腹を立てた。

 

「私よりそうちゃんのほうがつよかやん・・」

 

「おれは指名するのはダメということにしたんだ・・・ただおれはステラを指名すると思ったんだがな」

 

総司が面倒そうに頭を掻く。そんな総司を見ていると刀華の怒りは行き場を失い失速していく。そして怒りが落ち着いたところで刀華は総司に尋ねた。

 

「・・・・そうちゃんいいの?私・・・・「いいさ。切ってやれよ」」

 

総司がフッと微笑む。

 

「ただ油断するなよ。あいつは強い。いままでの相手とは格が違う」

 

「・・・『七星剣王』の証を取るに足る力を黒鉄君が持っていることはわかっとるよ。だから・・・・・」

 

刀華の周りに雷が迸る。総司は「おっと・・」と言いながらその雷を回避しながら刀華の顔を見て笑う。刀華は今にも噛みつきそうなのを抑えているような表情を浮かべ総司に笑い返した。

 

「今まで以上に全力で戦う。そうちゃんについて行くと決めたんだからここで負けるわけにはいかない」

 

「そうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「イッキ・・・・・」

 

ステラは一輝が出ていった寮の扉を見つめていた。今日一輝とステラの最終戦の相手が発表された。ステラの相手も今まで全勝を守ってきた猛者だが、破軍の中でビックネームではなかった。しかし・・・一輝の相手は・・・『雷切』東堂刀華。現破軍の頂点であったのだ。それを見てから今日の一輝は落ち着きがなく。少しそわそわとしていた。しかもそれは一輝には珍しく戦いを恐れているようにステラには感じられた。

 

「アタシは・・・・」

 

今の一輝にかけてあげる言葉がなかった。一輝と総司が倫理委員会に闇討ちをかけた日から一輝が何かを気負っているようにステラは感じていたが、今日相手が発表されたところでそれが爆発した。

 

「イッキ・・・・っ!!」

 

どうしようと思っていたところでステラたちの部屋のドアがノックされる。

 

「こんな時間に誰だろう・・・・・」

 

そう思いながらもステラは返事をしてドアを開ける。するとそこには・・・・・

 

「よう、ステラ。一輝のやつはまだ起きてるか?」

 

玖原総司が立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ソージさん。イッキならさっき部屋を出て行っちゃって・・・・・」

 

「そうなのか?・・・・なるほどな」

 

「えっ・・・・ソージさん何か知ってるんですか?」

 

「・・・まぁな。ステラちょっと話をしないか?」

 

「ええ・・・・そのことも聞かせてもらえるんでしょう?」

 

「ああ。わかった。元々そのつもりだったからな」

 

 




どうだったでしょうか?

ちょっと強引だった気がしますが・・・・・

さて次回で選抜戦編は終わりにしたいと思っています。そして次の剣舞祭編に移っていきます。結局総司のことはまだまだ全部明かされていませんね・・・・ただ剣舞祭本戦に入る前までには能力など明かしていきたいと思ってますので楽しみにしていてください。

今回も感想、批評、評価募集していますのでできればよろしくお願いします。

ではまた次回会いましょう

簾木 健

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。