でも出来たので投稿します!
一応書けはしたのですが……うーん…文才ほしい!
今回も皆さんに楽しんでいただければ嬉しいです
簾木 健
「失礼します」
総司はドアをノックしその部屋に入る。
「来たか。玖原」
「来たかって呼んだのあなたですよ。理事長」
総司が入ったのは理事長室。そこには今年から破軍学園理事長になった新宮司黒乃がタバコを咥え座っていた。
「ふふ。お前に理事長と言われるとなんだかくすぐったいな」
「なら黒乃さん。今度はどうしたんですか?」
総司が面倒臭そうに頭を掻く。総司はここ最近理事長室に呼び出されると絶対面倒事を押し付けられているのだから仕方ないだろう・・・・
「これ、出ないのか?」
「これ?・・・ああ。代表選抜戦ですか」
黒乃が総司に見せてきたのは、今年の代表選抜戦要項と総司が不参加を選択して出したメールだった。
「おれは出ないですよ・・・・わかってますよね?」
「・・・・黒鉄弟とは戦わなくていいのか?」
「そこでヴァ―ミリオンではなく一輝をあげるあたり、黒乃さんの期待度がわかりますね」
「ヴァ―ミリオンになら今のお前なら絶対に負けんだろ。でも黒鉄は違う。お前ですら負ける可能性のある男だ。もう一度問おう、戦いたくないのか?」
「・・・・負けないですよ。少なくとも今はまだ」
「ほう・・・私にハンデ戦とは言え勝った男だぞ?」
黒乃はニヤニヤと笑う。総司はそんな黒乃を見て顔をしかめた。
「この学園で刀華の次くらいにあなたおれの実力を知ってるはずですけど・・・・」
「ふふ・・・・そういえば今日はもう一つ要件があってな。こんなものが私のところに届けられていてな」
黒乃が一枚の紙を総司に渡す。そこには嘆願書と冒頭に書かれていた。そして内容は・・・・・
「・・・・こんなものが上がってきたんですか?」
「ああ。風紀委員会副委員長とその他風紀委員からだ」
そこには総司の実力を知るために選抜戦に総司が参加し代表になれなければ委員長を変えてほしいということが要約すると書いてあった。
「この嘆願があった以上お前には選抜戦に参加してもらう。いいな?」
「それ確認というより、もう決定事項なんですよね・・・・というかここでおれが参加して負ければすべての面倒事から・・・・」
「それが出来ないのがお前だろう?なぁ天陰流奥義継承者玖原総司」
総司はそう呼ばれ苦い顔をする。流派に泥を塗ることを総司が嫌っていることを黒乃はよく知っているのだ。そしてもう一つの訳も。
「それに普段はそんな風にやれ面倒臭いだのやれ疲れるだの態度や言葉で示してるくせに・・・・・君は本当は究極の負けず嫌いじゃないか。まぁそうでなければあの天陰流を極めることなどできないだろうがな」
「・・・・どうしてこう人の痛いところをついてくるんですか」
「悪いな。性分だ」
「はぁ」
総司のため息には、あきらめが滲んでいた。
「わかりました。参加しますよ・・・七星剣王になんて全く興味はないですけど。とりあえず本戦まで進めれば文句でないですかね?」
「ふふ・・・ああ」
「・・・・なんか楽しそうですね」
「そうなってしまうだろう。あの玖原鷹丸が最強という弟子が闘うのだ。楽しみだよ。ではそんな君に一つ朗報をやることにしよう」
「朗報?なんですか?」
総司がそう聞くと黒乃が意味あり気にニヤリと笑う。
「・・・黒鉄王馬が日本に帰ってきたらしい」
「えっ・・・・」
総司が耳を疑う。
「だから黒鉄王馬が日本に帰国してきたという連絡が私のところに来たといったのだ」
その黒乃の言葉に総司の目が大きく見開かれる。そして顔を伏せた。
「・・・七星剣舞祭本戦に出てくるんですか?」
静かに総司が黒乃に尋ねる。
「いや、まだそこは決まっていないが・・・・・・出てくる可能性はある」
「そうですか・・・・・わかりました。では予選に参加すればいいんですね?」
「ああ。その内実行委員から相手を知らせるメールが生徒手帳に届くと思う」
「了解です。では失礼します」
総司は黒乃にしっかりと礼をし理事長室から出ていった。
「ふふ・・・あの男が出てくるかもしれないということがそんなに嬉しいのかね」
黒乃は苦笑いを浮かべる。礼をし顔を上げた時に見せた総司の笑顔・・・・獰猛で今にも切りかかりたくてうずうずしているように黒乃には見えた。
「ふふ・・・・しかし・・・・」
黒乃はタバコに火を付けながら考えていた。
「あの黒鉄の放蕩息子が帰ってきたのにはなにかありそうだな・・・・・」
黒鉄王馬・・・・前に七星剣舞祭について聞かれたおり彼は『戦うべき相手はいない。一人戦いたい人間はいるがそいつは出てこないみたいだから』と答えている。もちろんこれは多くの学生騎士やその他から反感をかった。しかし黒乃などの本当の実力者や一輝のような彼を良く知っている人間からするとそれが口だけではなく、実力に裏打ちされていることがわかる。しかしそこまで言った男が何故このタイミングで戻ってきたのか、それを黒乃がわからなかった。
「・・・・・なにもなければいいのだが」
黒乃はタバコの煙を吐き出した。
この日の授業は午前中で終わり、刀華は生徒会に行ってしまった後、総司は風紀委員室に一度顔を出すために廊下を歩いていた。その足取りはとても軽い。総司は歓喜していた。ここまでの大きな興奮を感じたのはいつぶりだろうか・・・・
「王馬・・・出てこいよ・・・・」
王馬・・・・黒鉄王馬は黒鉄一輝の兄して日本唯一のAランクの学生騎士。風を操る
「どこまで強くなっていやがるんだろうな・・・想像つかない」
総司がニヤリと笑う。その身体には汗が滲んでいる。
「でも、この数年間強くなったのはお前だけと思うなよ、王馬」
総司の腰に黒塗りの鞘と白塗りの鞘に入った小太刀が現れる。
「《黒光》《白和》、今回はかなり楽しめるかもな」
そこで総司の生徒手帳に連絡が入る。
「はい・・・・」
「すみません。風紀委員長」
「どうかしたか?」
「実は一年生の教室で
「・・・・わかった。近いからおれが向かう」
「わかりました。応援はいかがしますか?」
「・・・すぐ終わると思うからいらない」
「わかりました。ではよろしくお願いします」
「了解」
総司は電話を切って一つ息を吐く。
「面倒なことになってないと良いけど・・・・無理か」
総司が到着するとその教室は喧噪で満ちていた。
「何があったんだ?」
総司はそこで見つけた一人の生徒を捕まえて事情を聞いた。どうやら
「で、二人がバチバチしてるわけか」
クラスの中には三人。一人が男の子でオロオロと二人の女の子を交互に見ている。二人の女の子から殺気が漏れていた。その他の生徒は迅速に避難していた。総司はクラスの中に気配を消して入る。
「《宵時雨》」
銀髪のショートカットの女の子・・黒鉄珠雫が
「傅きなさい。《
赤髪のロングの女の子ステラ・ヴァ―ミリオンも
「そろそろ止めないと、あのレベルの騎士が教室でぶつかると教室が消えるな」
総司は
「抜き足」
総司は特殊な歩法と呼吸で割って入りステラと雫の首筋で刃を止めた。
どうだったでしょうか?
やっと固有霊装が出ましたね。まぁ能力はのちのち……
感想、批評、評価についてはドンドン募集していますので書いていただければ作者はとても嬉しいです!
また次回を楽しんでもらえるよう頑張りたいと思います!
これからもよろしくお願いします。
簾木 健
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