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腹ごしらえが終わり巨人探すため刀華が散策のために班分けを行った。さすがに
「さてカナタ紅茶でも飲むか」
「はい。いい茶葉持ってきてますよ」
「はは。それは楽しみだな。入れるの手伝うよ」
「いえ、大丈夫ですから総司さんはのんびりしていてください」
「そうか・・・じゃあ頼む」
「はい」
カナタが紅茶を用意していく。その姿は総司にとっては普段も見ている姿だったが・・・・
「懐かしいな」
そう総司は零した。それにカナタはふふっと笑う。
「ええ。昔はよく二人でこんな風にお茶しましたよね」
「ああ。カナタのお茶はその時から美味しいもんな」
この二人はよくカナタの別荘などでお茶をした仲なのだ。しかし刀華や泡沫と知り合ってからは四人でいることが多くなり二人でお茶はしなくなった。
「これを切欠にこれからもたまに二人でお茶をしましょう」
そういいながらカナタが紅茶を出してくる。
「ああ。たまにな」
そういいながら総司も紅茶を受け取り飲む。
「みんな大丈夫でしょうか・・・・」
カナタが心配そうに部屋から山を見る。
「まぁ生徒会メンバーは大丈夫だろうよ。心配なのは一輝とヴァーミリオンだな」
「えっ?」
総司の発言にカナタは驚き視線を山から総司に移す。
「でも、黒鉄さんもステラさんもすごく強いはずですけど・・・・」
「
総司がすっと目を細める。しかしカナタにはその言葉の意味がわからず少し首を傾げる。総司は一口紅茶を飲み、言う。
「ヴァーミリオンがちょっと気になるんだ。あいつ食欲なかったんじゃないかと思ってな」
そう言った総司にカナタはジト目を向けた。
「なんだよ?どうしたカナタ?」
そのジト目に気まずそうに総司が尋ねる。
「いえ。なんというか、私も刀華ちゃんも大変だと思いまして・・・・」
それに総司は首を傾げる。
「大変?なんでだよ?」
「だって私や刀華ちゃんが少し変わっても気づかないじゃないですか?」
「えっ?・・・・ああ」
総司はそれに少し恥ずかしそうに頭を掻いた。
「カナタ・・・・髪切ったろ?」
「えっ・・・・」
そう言われてカナタが驚いて髪を触る。実は三センチほど髪を切っていたのだ。でも正直気付いているとはカナタは思っておらず驚いて固まってしまう。それもそのはず総司は実はそう言ったことをほとんど言わないのだ。だからカナタを気づいてないと思っていた。総司は苦笑する。
「いや・・・気付いてるんだけどさ・・・いちいち言うことかなって・・・・」
総司がそういうとカナタはぷぅと頬を膨らませる。普段は見せない子どもっぽい表情のカナタに総司は少しドキッとする。
「気付いているのなら言ってください!そういうの気付いてくれるの嬉しいんですから・・・・・」
「でも、気付いて当たり前じゃないか?」
そんなカナタに総司はキョトンとして返す。
「だって一緒にいるんだ。普通気付くだろ。わざわざ言うことでもないし」
「・・・・・ハァ」
そんな総司にカナタは露骨にため息をついた。
「今度から気付いたらきちんと言うことにしてください。もちろん刀華ちゃんにもですよ?」
「・・・・・マジ?」
「マジです」
「ハァ・・・・わかったよ。今度から言うよ」
「はい。お願いしますね」
ニコリと笑うカナタに総司は恥ずかしそうにまた頭を掻いた。そうして総司はトイレと言って席を立った。トイレに入り総司は一つのため息と共に
「カナタ露骨すぎだろ・・・・てかかわいいよなあいつ・・・・」
悶絶した。
総司がトイレから帰ってきて少ししてから合宿所の電話が鳴った。カナタが出て聞いたところにはステラが体調を崩したという一輝からの連絡だった。
「で?総司さんどうしますか?」
「カナタはここにいてサポートを頼む。でおれが向かう。あと恋々と雷をこっちに戻らせて、刀華と泡沫に一輝たちのところに向かう指示をしてくれ」
「わかりました。気をつけてください」
カナタは頷きまずは刀華たちに連絡を入れる。総司は地図を暗記し外に出る。雨が降っていて視界が悪い。奥多摩の森に入るのは初めてである総司にとっては最悪のコンディションだ。でも総司はニヤリと笑う。
「森なんて久しぶりだな。実家で仕事してた時はよく入ってたのにな・・・・まぁサクッと行くか」
そして総司は森に入っていく。そして森に入るとすぐに木に飛び乗り、木を伝って凄まじい速度で移動していった。
そして総司が一輝たちから連絡が来た山小屋に到着する。
「一輝、ヴァ―ミリオン大丈夫か?」
ゆっくり山小屋の扉を開ける。すると二人は隣あって座っていた。
「総司先輩。麓から来たんですよね?速くないですか?」
一輝がハハッと気まずそうに笑う。
「まぁ森はおれの庭みたいなもんだしな・・・・というかなんかごめんな。邪魔したろ?」
「いえっ!わざわざ来てくれたんですか・・・・・」
気まずそうな二人の様子に総司は心から後悔する。
「まぁ大丈夫そうだし・・・おれは外に・・・!!」
そこで三人は地面の揺れを感じ顔色が変わる。
「なにこれ・・・地震?」
ステラの発言に総司と一輝が顔を見合わせて頷く。二人ともこれが地震ではないと思っていた。なんせ断続的にズシンズシンと音が近づいてきている。
「これは
総司は
「一輝出るぞ。ヴァ―ミリオンを抱えろ。お前は闘わなくていいからヴァーミリオンを守れ」
「わかりました。じゃあステラちょっと頑張ってね」
「わかったわ」
一輝がステラを抱えたのを確認し総司は山小屋から出た。
「なっ!?」
そこには身丈五メートルはあろうかという巨人が静かに立っていた。音も振動もなくなんの躊躇いもなくその腕をこの山小屋に叩きつけようとする。
「一輝はやく出ろ!!」
「はい!!」
二人は駆け出してその巨人の腕を避ける。
「ヴァーミリオンは大丈夫か?」
「ええ。一輝が守ってくれてるし・・・」
「そうか・・・・」
そして三人が巨人を見つめる。するとステラが大声で叫んだ。
「なんか思ってたのと違う!!」
「そっち!?」
一輝が突っ込む。巨人の姿は巨大な人間というものではなかった。大小様々な岩石を繋ぎ合わせた無骨な人型。生き物には見えない。しかし明らかな害意を感じる。事実、さらに追撃しようとこちらに巨大な腕を振り下ろしてくる。
「一輝さっきも言ったが、お前はヴァーミリオンを抱えて逃げろ。おれが闘う」
「わかりました」
二人は巨人の腕を避けながらそう確認する。総司は《白和》と《黒光》を抜く。
「「・・・・っ!!」」
それが抜きうたれた時、一輝とステラはとてつもない魔力を感じた。そしてその魔力源を見つめる。その本人はニヤリと笑う。
「人じゃない以上、加減はいらないよな」
総司の周りに雷が迸る。
「いくぜ・・・・」
総司が《白和》を一振りする。その一振りによって起きた出来事に一輝とステラは驚き固まってしまった。
「「えっ!?」」
総司の一振りで巨人は真っ二つになり残骸となった岩石がバラバラとその場に崩れ落ちた。
「くそ・・・弱いやん・・・・」
総司はガッカリしたように《白和》を鞘にしまう。
「一輝大丈夫か?」
「はい・・・・大丈夫です」
「これってやっぱり
ステラが総司に尋ねる。総司はそれに頷いた。
「無機物を魔力の糸で操る能力。『鋼線使い』の仕業だな・・・しかもかなり実力者の」
総司はふぅっと息をついて《白和》《黒光》を消す。
「そうなんですか?」
「ああ。さっき切った時に電流ながして距離を測ったけど百キロくらい離れてたな。初めて見たぜ、その距離で操ってくるやつなんて。世界は広いな」
「百キロ……」
「まぁもう安心だ。流した電流そのまま使い手にぶち込むようにしといたから負傷くらいはしただろ」
総司はさも当たり前のようにそう言うが一輝とステラからしてみれば鋼線使いよりも総司のほうが異常な気がしてしまっていた。
「マサか・・・コレほ・・ど・・・」
「だから言っておいただろうが。奴には手を出すなと」
全身が真っ黒に焦げて手足がもう落ちかけている男に向かって黒い和服をまとったガタイのいい男が言う。焦げている男はもうどんな顔なのかわからないほどであった。そして異常はその男だけではない。二人がいる部屋も雷が落ちたように真っ黒に煤けていた。
「奴はお前たちの手におえる男ではない。しかも貴様〈軍〉側の癖にそんなちょっかいかけていいのか?」
「マサか・・・コンな・・・コトに・・・なる・・と」
ガチャと音を立て右手が落ちる。それと同時に焦げた男は動かなくなる。和服の男はふんと鼻を鳴らす。
「・・・・・ただこれほどとは思ってなかったぞ総司」
ガタイのいい男は強い言葉とは裏腹に全身を激しく震わせていた。
「おれはお前を必ず乗り越えるぞ。総司」
そう言ってその男は一人その部屋を出て行った。
どうだったでしょうか?
楽しんでいただけましたか?
総司の強さも段々明らかになっていますがすべてが明らかになるのはもうちょっと先になるかなぁ・・・気長に待ってくださww
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ではまた次回会いましょう!