ナーベがんばる!   作:こりぶりん

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 前回のあらすじ:
ンフィー「親方!幼なじみの家から知らない美女が!!」



第十四話:エンリとンフィー

 翌日の朝食は久しぶりにエンリが自分の手で作った。

 

 ある程度治ってきていたとはいえ、一晩で手を動かせるようになる程の治癒薬(ポーション)の出来にダインが感心して言った。

 

「流石、エ・ランテル一と名高い薬師の孫であるな!」

 

「ちゃんとした道具さえ持ってきていれば全快させてあげられたんですけどね……」

 

 誇るどころか悔しそうに返すンフィーレアに、エンリが声を掛ける。

 

「ん、でも背中の痛みも殆ど無くなったし、ほぼ全快だよ!ありがとう、ンフィー!」

 

 そういってンフィーレアの両手をとると、たちまちンフィーレアの顔が真っ赤になった。そんな様子を微笑ましく見つめるペテルにダイン。ニニャは全く自重も懲りもせずにナーベラルに粉をかけるルクルットの尻をつねるのに忙しかった。ナーベラルには完全にシカトされていたが。

 

 日が昇りきった頃、ンフィーレアと護衛の四人は本来の目的である薬草の採取に出立した。見送るエンリとネムに手を振りながらペテルが言った。

 

「そういえばンフィーレアさん」

 

「なんでしょう?」

 

「これまでの採取ツアーでは、森の賢王の縄張りに踏み込まないように気をつけてたんですよね?」

 

「当然そうですが、それが……」

 

 そこまで言って自分でも気づきンフィーレアははっとする。現在、森の賢王はエンリの家の納屋でごろ寝している。

 

「今の森の賢王が縄張りに入ったからと言って侵入者を殺しに来るとは思えない、これってもしかしてチャンスなのではないでしょうか?」

 

「であるな、今まで人の手で荒らされていない群生地などを見つけることもできるかもしれないである!」

 

 ダインの同意に、ンフィーレアは難しい顔をして考え込む。

 

「たしかに、それはそうなのですが……」

 

「何か問題がありますか?」

 

 ニニャが不思議そうに問う。

 

「理屈はそうなのですが、なにぶん、森の賢王の縄張り内部に関する知識はないですからね僕たちは……薬草の群生地を探すところから手探りでは、普段と比べて効率が良いかも微妙なところです」

 

「なるほど、それもそうですね……だったらえーと、ハムスケさんに案内して貰うこととかできたらよかったですね」

 

 ニニャの述解に、ンフィーレアは苦笑いする。

 

「確かにそうなったら理想ですが、なかなか難しいですねそれは……エンリの話だと、ガンマさんってなんというか、とても難しい人のようですし」

 

「まあつれない女の子だよな-。俺がこんなに一生懸命なのに梨の礫なんだもん」

 

 口を挟むルクルットを、ニニャはジト目でにらみつけた。

 

「ルクルットにつれないのは明らかに別の理由だと思いますけどね。ちゃんと警戒しててくださいよ。森の賢王の領域だからってモンスターが居ない訳じゃ……な……い……」

 

 台詞の途中でだんだん強ばった顔になり考え込むニニャを、ンフィーレアが不思議そうに見つめた。

 

「どうしましたニニャさん?何か気になることが?」

 

「いえ、その……すいません、少し考えを纏めさせてください」

 

 そう言って自分の思考に沈み込むニニャ。ンフィーレアはとりあえず他の面子に振り返っていった。

 

「まあとりあえずはいつも行っている地点で採集し、新しい場所については別途考えましょう。それこそ本当にガンマさんに交渉して見るのも手だとは思いますしね……」

 

 ルクルットの手が上がり、ンフィーレアの言葉を遮った。その真剣な表情を見て、ンフィーレアは疑問の声を飲み込む。ペテルとダインが武器に手を掛けた。

 

「……屍臭がする」

 

 

 ゴミ捨て場。

 

 ルクルットの先導に従って辿り着いた光景を目にした一同の第一印象はそれであった。なだらかな斜面の上から下に、ゴミを放り投げて積み上げればこのような光景ができあがるかもしれない。

 ただしそのゴミは死体であった。ゴブリン、オーガ、トロル、etc……街道や森で出没するとされる多種多様なモンスターの死骸が、うずたかく積み上げられて屍臭を放っている。古いものは腐りかけて腐臭を発しているが、真新しいものが多く、骨まで進んだものは全くないようだ。

 

「これはいったい……?」

 

 息を呑んだペテルがあえぐように言葉を発する。それに答えられる者はいなかったが、ニニャがぽつりと呟いた。

 

「……森の賢王の仕業でしょうか?」

 

「そうだな……あそこのモンスター達、どいつもこいつも爪や牙で引き裂かれたような傷か、体に空いた穴が致命傷みたいだ。人間の仕業ならこうはならないし、討伐証明部位も回収されてない」

 

 ルクルットが死体の様子を観察して同意する。

 

「森の賢王は元々縄張りへの侵入者を許さないと聞くであるが……ここは縄張りの外ではないのか?」

 

「ガンマさんに従えられて縄張りが変化したとか……」

 

 考え込む一同は、森の奥から聞こえる茂みを掻き分ける音にはっとして身構えた。

 

 木々の間から現れたのはハムスケであった。口元に新鮮なゴブリンの死骸を加えており、斜面の上から下に向けてそれをペッと吐き出すと、ゴブリンの死体は元々あった山にぶつかってぐしゃりと潰れ、死体の山の新たなパーツとなる。

 それを見届けると、ハムスケは不思議そうに一行を振り返る。

 

「これはお客人方……ひょんなところで会うでござるな。ここには面白いものはないと思うでござるが」

 

 森の奥でも、ナーベラルが居なくても、特に変わらず友好的な態度をとったハムスケを見て、一行は緊張をゆるめた。ンフィーレアがおそるおそる問いかける。

 

「ハムスケ……さん、お一人なんですか?これはあなたが?」

 

「うん?姫が村でなにかやってるときは、それがしは自由行動である故、一人でござるな。これというのがその死体の山のことなら、それがしがここしばらくの間に狩った獲物でござるよ。食ってもまずい奴はこうしてまとめて捨てておくのでござる」

 

 美味い奴は食べるらしい。今度はペテルが疑問を口にした。

 

「狩ったというのは……縄張りの侵入者ということですかね?今のあなたの縄張りは、カルネ村近辺であるということですか?」

 

「それはちょっと違うでござるなあ。それがしの今の縄張りは……言うなら姫の周囲でござるが故。それに、こいつらちょっと妙なのでござるよ」

 

 ハムスケは言う。自分の武名が高まったと見え、近年はある程度の知性をもったモンスターや人間はおろか、野生生物でも自分の縄張りを侵す者はめったに見なくなっていたのだが、近頃森が騒がしい。森の中を不穏な空気が蔓延し、住人が怯え逃げ惑っている。

 

「それがしがかつての縄張りを事実上放棄したというのもあるでござるが……それが知れ渡るような間もない時点で――具体的には姫にお仕えすることになった翌々日くらいにはもう、縄張りとか関係なしにそれがしの知覚範囲に入ってくる者が出始めたでござるよ。(……今にして思えば、全部あのトレントのせいでござろうが)」

 

 それも、侵入者というよりは、そこがどこであるかに構う余裕もなく逃げる途中のモンスターが多かったらしい。

 

「それで、姫のお手を煩わすのもいかがなものかと思うでござるが故、このように自由時間にちょくちょくとこちらに向かってくるモンスターを狩っていたら……気づいたらこれだけたまっていたでござるな。厳密に言えば、こいつらの中で村まで来そうだったのは一割くらいだと思うでござるが、いつもの癖で近くに来た奴はついつい狩ってしまったでござる」

 

 そう言うとハムスケはドヤ顔で胸を反らした。漆黒の剣一同とンフィーレアは不安そうな顔を見合わせる。

 

「つまり……森の賢王の縄張りが無くなって、生態系が大きく乱れた?」

 

「ハムスケさんの話だと、縄張りが無くなったこととは関係なく森が不穏だってことですよね?今までの常識が通用しなくなっているというか……」

 

 そこでずっと考え込んでいたニニャが顔を上げた。

 

「そうか……防壁がなくなったんだ……」

 

 思わず全員が注視する中、ニニャはンフィーレアを真っ直ぐ見据えていった。

 

「ンフィーレアさん」

 

「は、はい」

 

「エンリさんのことが好きなんですよね?だったらこのまま嫁に貰ってエ・ランテルに連れて帰るべきです」

 

「は、はいいいいいいいいい!?」

 

 

 カルネ村を含む近辺の開拓村は、森の賢王の縄張りを天然の防壁として利用することで安全が保たれていた。縄張りにモンスターが近寄らないので、その近くにもモンスターが寄ることはほとんどない。それで物理的な柵も壁もなしで、安全な暮らしを謳歌することができたのである。先の陽光聖典の襲撃事変では、そのことが徒となってあまりにあっさりと帝国騎士(に偽装したスレイン法国工作員)に蹂躙される羽目に陥ったのだが。

 

 カルネ村の未来は明るくない、村を訪れエンリに大方の事情を聞いたときからニニャは心の底でそう感じていた。過半数の命をナーベラルに救われたものの、大勢のまだ若い働き手が奪われたのもまた事実。今年の収穫は激減するだろう。そこに普段と変わらぬ税を取られ、残った僅かな働き手を徴兵されたら。

 

「今年も行われるであろう、帝国との戦から帰ってきた男達が目にするのは、無残な廃墟と化したカルネ村の残骸かも知れませんね」

 

 そう言うニニャに、顔を青くして沈黙するンフィーレア。

 

「しかしニニャ、そういう事情であれば少なくとも租税は減免等の措置が期待できるのでは……」

 

「減免?あいつらがそんなことをするものか」

 

 形ばかりの疑念を呈したペテルを冷たい目で見据えると、ニニャは言い放った。大貴族に家族を蹂躙された過去を知る漆黒の剣の一同は沈黙する。

 

「それにまあ、ちょっと話が脱線しましたけど、それですら希望的観測なんです。そこの死体の山を見てください。ハムスケさんが居なくなったら、瞬く間にあの村はモンスターに飲み込まれますよ?」

 

 気を取り直したニニャがそう言い直すと、一同は積み上げられたモンスターの死体に目をやり納得した。柵すらなく、森の賢王という防壁に安住してモンスター退治の経験もろくになく、また男手も大きく減ったカルネ村が、モンスターの襲撃に耐えられるはずがない。その意見は納得のいくものがあった。

 

「次に来るときにはもう、カルネ村は放棄された廃墟になってる可能性が高いです。だからンフィーレアさん、エンリさんを死なせたくないなら」

 

 嫁に貰って連れて帰ってください。再びそう結ぶニニャに、ンフィーレアは真剣な表情で頷いた。

 

「ご忠告、感謝します。僕では思い至らなかったかもしれません。ただ……それは他の村人達は見捨てろという話ですか?」

 

 逡巡の籠もった声に、ニニャは冷静に見解を述べる。

 

「……エ・ランテル暮らしで薬屋のンフィーレアさんは知っていますか?王国法では農民の耕作地放棄は重罪なんですよ?開拓地もその例外ではありません。見つかったが最後、農奴より過酷な強制労働所として名高い、鉱山送りになります」

 

 ンフィーレアがぎょっとして立ちすくむ。

 

「ただ、婚姻による転居はその例外となり得ます。その場合保護者が居なくなるので、ネムちゃんが付いてくることも認められる筈です。僕が言いたいのは、救える分だけでも救ったらどうですかという話です。

 勿論、カルネ村の危険な状況を皆さんに伝えるのは大いに結構です。権力者の慈悲というやつを大盤振る舞いして貰いたいものですね是非とも」

 

 そう言って憎々しげに口元を歪めるニニャを、心配そうに見つめる他の三人。過去に何かあったことを察し、ンフィーレアは黙り込んだ。

 

「ところでハムスケさん……念のために確認しておきたいのですが、これからもカルネ村を守ってくれたりは……しないですよね?」

 

 一応という感じでハムスケに問いかけると、ハムスケは首を傾げた。

 

「はて、それがしは『人間の村を守って』いたことは今までもこれからも別にないでござるよ?姫が滞在する間は露払いも吝かではないでござるが、姫の出立時にはお供する所存ゆえ、その要望に応えるのは無理でござるな」

 

「ですよね……」

 

 ナーベラルがいつまでカルネ村に滞在するつもりだろうか考えかけて、ンフィーレアは目をそらすのをやめにした。いつかは告白したいと思っていたのだ。それが今になるだけのことだ。

 

「決めました。エンリに告白して結婚します。その為に薬草は今回持てるだけ根こそぎ持ち帰ります。ハムスケさん、あなたの縄張りを案内して貰えませんか?」

 

「フム?姫のご許可があれば吝かではないでござ……」

 

「案内して貰えますね?」

 

「アッハイ」

 

 真顔で詰め寄るンフィーレアに、ハムスケは気圧されたように頷いた。人が変わったかのような迫力をかもしだすンフィーレアを見て漆黒の剣の一同は瞠目する。

 

「さすが、恋する男は迫力が違うな……」

 

「それをいうなら乙女ではないであるか?」

 

「乙女でもどのみち意味は通じないですよ……」

 

 好き放題な感想を述べる一同を促して、ンフィーレアはハムスケの案内の下、貴重な薬草を大量に収穫してカルネ村に帰った。ルクルットの提案でちゃっかりと山積みの死体から討伐証明部位も回収してある。無論、戻ってから事情を説明するつもりではあるが。

 

 

「あら?ハムスケ、そいつらと一緒だったの?」

 

「うむ、なんだか途中で一緒に行動することになってしまったでござる……」

 

 一行が帰宅したとき、ちょうどエモット姉妹とナーベラルは家の外にいた。エモット姉妹は菜園から野菜を収穫しており、ナーベラルは鉢植えから出た双葉の芽に水をやっているところのようだった。足音に気づいたナーベラルが顔を上げてハムスケに声を掛けると、ハムスケがなんだか困惑したかのようにどことなく疲れた顔で答える。そんな光景を横目に、ンフィーレアは大股でエンリに歩み寄る。こういうのは勢いが肝心なのだ。タイミングを見計らっててもそんなものは永遠に来ない。

 

「……ど、どうかしたのンフィー?」

 

 友人のただならぬ様子に気圧されて、エンリは半歩下がる。そんなエンリの目の前に立つと、ンフィーレアはその両手をとると自分の両手をそれに重ねて握りしめた。

 

「エンリ」

 

「う、うん」

 

「……好きだ。僕と結婚してくれ」

 

「はい?」

 

 その言葉はエンリの耳を右から左へ通り抜け……意味を理解すると同時に耳朶が熱くなるのを自覚した。目の前には真剣そのものの友人の顔。普段は前髪の奥に隠れている瞳は、決意をたたえて静かな輝きを放っている。正直ちょっとかっこいい、そんな風にエンリは思った。

 

「え、あの、その、でも、こんな所、みんな見て」

 

 混乱の余り口から出る言葉は混迷を極めたが、ンフィーレアの顔は揺るがない。実際、衆目を集めているのは間違いないのだ。ンフィーレアが連れてきた護衛の冒険者は真面目くさった顔つきでこちらを見守っている。隣ではネムが握り拳を口元に寄せてドキドキ……、いや、ワクワクしているのが見える。ハムスケの表情は人間よりわかりづらいが、どことなく切なげにも興味深そうに成り行きを窺っている。そして、ナーベラル。大概不機嫌そうな仏頂面を貼り付けている彼女が、なんだか面白いものでも見たかのようなその表情は、今までエンリに見せたことがないものであった。

 

(うう~、は、恥ずかしい……!!)

 

「……僕は君が好きだ。君は僕のことをどう思うか、聞かせて欲しい」

 

 内心悶絶するエンリに、ンフィーレアが畳みかけた。ルクルットがよし、その調子だと呟いてガッツポーズするのが見える。そりゃ見てる方は大層な見物ですよね、そんな思考が頭をよぎる。

 

(それにしたって……なんだってこんな急に……)

 

 そこまで考えて、すっとエンリの中に冷静な思考が入ってきた。何があったか?勿論、村の惨状を見たからに決まっている。エンリだって、これから妹と二人でどうやって生きていけばいいのか、内心では途方に暮れていたのだ。普通ならば、このような辺境の村では孤児の類は周囲の大人が何くれと無く手助けをしてくれるものだが、そんな余裕のある大人が今のこの村のどこに居る?

 ンフィーレアに、バレアレ家に嫁入りする。その先をエンリは想像する。バレアレ家はエ・ランテルでも指折りの薬屋を営んでいる。エンリだって、自分の方から薬草を卸しに訪れたことがあり、それは立派な店構えであった。家の奥に引っ込んで家事だけしたとしてさえも、エンリを養うくらいの収入はあるだろう。それに、ンフィーレアがたびたび親切に教えてくれるので、薬草の扱いはカルネ村でも一番よく知っている。あれは薬草をよい状態で手に入れたくて、収集作業を営む自分たちに教育しているのだと思っていたが、もしかして自分と仲良くしたかったのだろうか。それはともかく、薬草を加工して治癒薬(ポーション)を作るのなら、途中までは今でも手伝えるはずだ。その先を教えて貰って一緒に治癒薬(ポーション)作りにいそしむことだってできる。

 そしてネム。あの日以来すっかりやんちゃ加減がなりを潜め、「いい子」になってしまった不幸な妹も、バレアレ家であれば問題なく面倒を見られる。将来はなりたいものになることだってできるかも知れない。

 

「エンリ……?」

 

 黙り込んで考え事を巡らすエンリに焦れたのか、不安そうにンフィーレアが問いかける。エンリは体の表面が熱いのとは裏腹に、冷めた頭で目の前の少年のことを考えた。親切にしてくれる大切な友人、そのような認識に過ぎなかったが、彼はどうであるか。

 顔立ちは線の細い美形だ、好意的に言えば。世間一般でどう見られるかはともかく、十分に好ましい顔立ちである。将来性は非常に安心感がある。エ・ランテルでも有名な祖母の指導の下、この年で既に薬師として頭角を現しているくらいだ。あとよくわからないけど、なんだか凄い生まれつきの異能(タレント)を持っているそうだ。

 客観的に言ってかなり良物件じゃないか。かくも打算的に考える自分自身をなんだか浅ましいと自嘲しつつ、エンリはンフィーレアという友人をどう思っていたか考える。

 

(ンフィーは私が好き。私は……私もンフィーのことは好ましく思っている。なんだ、単純なことじゃない)

 

「ンフィー……ありがとう、嬉しいわ。私をお嫁さんにしてくれる?」

 

 口を開いてそう告げると、ンフィーレアの顔がぱっと明るくなる。後ろで漆黒の剣がガッツポーズをとったり、ネムが頬に手を当ててきゃーきゃー言うのが見えたが、まあ余計なものは頭から追い出す。

 

「エンリ……」

 

「ンフィー……」

 

 ンフィーレアが両手を外してエンリの顔に添える。ンフィーレアの顔がだんだん近づいてくると、エンリはそっと目を閉じた。

 

 そうして二人は幸せなキスをした。

 

 

 

 




 最初はハムスケじゃなくてナーベラルが守る理由をあれこれ考えてみたのですが……下手にこじつけると不自然過ぎて断念、ナーベちゃんマジ冷血生物。パレイン系第七惑星人並。
 こんなこともあろうかとハムスケつけといたんだしまあいいか( ´∀`)

 王国法云々は「二次設定」です。元ネタは農民の移住の禁なんで、まあそういうルールがあってもおかしくはないよねということでどうかひとつ。


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