皆さんは、IS 10巻読みましたか?
活動報告にも書きましたが、10巻でメインヒロインが本音ちゃんでは無いだろうか?と疑い始めました。
本音ちゃん可愛いですよね?
皆さんの好きなキャラって誰ですか?メールで教えて下さい。お願いします<(_ _)>
一夏がデュノアと一緒に第四アリーナに行くと人は誰もいなかった。
「?なんで誰もいねえんだ??」
疑問符が湧きおこる現象に一夏は首をかしげる。週末には学年別トーナメントがある。訓練機の貸し出し申請とアリーナの使用申請に殺到してアリーナを使っている人もいるはずなのに初めから一夏とデュノアのために明けていたかのようにアリーナを使用している人が全くいなかった。
むろん、訓練機にも貸出しの数は限られているが、それでもアリーナの数と訓練機の数を比較するならば訓練機の数の方が多い。
ならば、訓練機の数の方が多いのならば、各アリーナで練習している人がいるのがふつうである。何しろ週末には学年別トーナメントの開催が行われるのだから週末に向けて最後の追い込みを…と考える人がいるのが普通のはずなのだが、なぜか一夏とデュノアが来たアリーナには使用している人が一人も居ない。
「ああ、事前にアリーナの使用申請をしといたんだよ」
不思議そうにアリーナを見る一夏にデュノアは笑顔で答える。
一夏は真顔で「そうか」と答え、デュノアを横目で見る。デュノアの顔を見ながら一夏は『こいつ、ハナッからこういう腹だったのか?それとも、こうなれば良いな~と思って行動してたんだろうか?』とデュノアの考えていた事に思考を張り巡らせ予測するも、現状に何ら変わることもない。数秒ほど思考を張り巡らせていたが、無駄な事だと切り捨て意識を思考の海から現実へと引き戻す。
「どうかしたの?」
デュノアの顔を横目で見たまま意識を志向の海へと向けて固まっていた一夏に声をかけるデュノア。
デュノアから見れば一夏がデュノアを睨んでいる状態に見えた。
「あ、いや。何でもねえ。少しどうでも良い考え事をしてただけだ」
「それじゃあ、銃を使ってみようよ一夏。先に僕がお手本として見せるね」
デュノアはそう言って自身のIS ラファール・リヴァイヴ・カスタムⅡを展開する。
その手に六十一口径アサルトカノン【ガルム】が握られており、デュノアの前方に射撃の的が出現し、デュノアは【ガルム】を構えて精確な精密射撃を行う。
10発の銃弾が的の中央に目掛けて発射され、10発中8発が的の中央を正確に撃ち抜き、2発が的のすぐ上下を撃ち抜いた。
「それじゃあ、撃ってみて」とデュノアに六十一口径アサルトカノン【ガルム】を渡され、「ああ」と返事をすると一夏も白式を展開する。
純白のボディーアーマーに白い大きな翼がシルエットの白式を展開するが、普段ならばその手に握られている二メートルを超す大剣【雪片弐型】が握られていなかった。
「それじゃあ、リヴァイヴの武装【ガルム】の使用を許可っと。これで【ガルム】が使用できるよ」
空いている両手で六十一口径アサルトカノン【ガルム】をデュノアから渡されると【ガルム】を構える。
前方に的が出現し、一夏は【ガルム】の照準を的の中心に向ける。
右目で【ガルム】の照準を通して的に狙いを定める。
呼吸をする度に筋肉が僅かに動き、的の中心に向けていた照準が上下に前後してぶれる。
一夏は意識を体中に張り巡らせ、末端の筋肉の動きまで読み取る。
――呼吸とともに連動して動く筋肉の動きを感知。呼吸を止めて筋肉の動きを鈍らせる。……3・2・1
脳内でのカウントダウンをし、ゼロと共に照準が的の中心と重なり引き金にかけていた指を動かし引き金を引いた。
ガガガガガガっと
だが、一夏は一つだけ見落としがあった。それは、銃の反動を頭の中に入れていなかった。
二発目以降の銃弾は中央から上に命中し、5発目以降は的の外に飛んでいき8発目以降は空へと向かっていった。
10発目を無駄にした時、一夏は引き金から指を外した。
「……タイミングは完璧だった。だが!銃の反動を計算に入れていなかった」
一夏の射撃のスコアが表示され、的の中心の10点から外に向けて9、8、7点と徐々に点数が下がっていった結果が表示された。
表示された一夏のスコアにデュノアは目を丸くした。
「す、凄い。一夏、銃を扱うの初めてじゃあ無い?」
「あ゛?初めてだぜ?まあ、この学園のサバゲー部でハンドガンのエアーガンを数回撃たせて貰っただけだが」
「い、いやいや!的の中心を撃ち抜いてるよ!!」
驚くデュノアに一夏は「ああ」と答える。
「ああ。一発だけ撃ち抜いているな」
呼吸とそれに連動する筋肉の動きを感知する事は拳を使う一夏にとって簡単だった。照準を合わせるタイミングは完璧であった。ただ、一つ銃の反動を頭に入れていれば。
だが、その一つの要素を頭の中に入れて置かなかったばかりに手元が狂い、銃の照準が乱れてしまった。
初心者が的の中心に当てることは困難を極める。
筋肉の僅かな動きによって照準が狂ってしまうからだ。だが、一夏は拳を使った体術による近接格闘戦を得意とし、あらゆる道場を道場破りのような形で渡り歩いた。近接格闘戦のスペシャリストの一夏にとって筋肉を把握する事は造作もない。
だが、今回の射撃練習は初めてとは言え、これが実戦だったらと仮定するならば使えない。やはり、上手と言われようとも慢心できるほどの実力ではないと一夏は思ってしまい、嬉しくは無い。無論慢心をするつもりなど毛頭もなく、自分の射撃の腕をデュノアと比較するならば一日の差がある事は否めないが、練習が必要であることは明らかだった。
これが実戦だったら間違いなく致命的なミスだと思うと無意識に目つきが更に険しくなってしまう。銃の反動を頭から除けていた事が技術的なミスでは無く、致命的なケアレスミスと言える。
一夏は、一夏の才能に目を付けたデュノアに「【ガルム】の銃弾を全部撃ち尽くして良いから」と言われ無言で頷くと再び六十一口径アサルトカノン【ガルム】を構える。
前方に新たな的が出現し、今度は銃の反動を頭に入れて【ガルム】の照準を的の中央に狙いを定め、意識を体に向け筋肉の動きを末端まで読み取り、呼吸と共に連動する筋肉のリズムを読み取り【ガルム】の照準である十字のカーソルが的の中央に重なり引き金を引こうとした時、目の前の画面に『ISにロックされている』との表示が出現した。
「一夏、危ない!」とデュノアが一夏の前に現れると共に爆音が生じ、一夏の前方に出現した的の右上に転校生のラウラの姿が確認できた。ラウラはISを身に纏い、大口径レールカノンが一夏に向けられており一夏が気付いた時には、もうロックされていた。
爆音と共に大口径レールカノンから砲弾が撃ち出され、向かってくる砲弾と一夏との間にデュノアが盾になる様にして入り込む。
一夏は「チィッ!」と唸ると左手を六十一口径アサルトカノン【ガルム】から離すも右手は【ガルム】を構えたまま照準をラウラの方へと向け左手に近接格闘武装の大剣【雪片弐型】を展開させ、盾になる様にして砲弾と一夏の間に割り込んできたデュノアを「どけ!」と蹴り飛ばして砲弾の軌道から逸らすと左手で持つ【雪片弐型】で向かって来る砲弾をまるでテニスの様に【雪片弐型】をラケット代わりにして弾き返す。
ゴキッンとデカい金属音と共にラウラに向かって大口径レールカノンから撃ち出された砲弾を弾き返すと右手で持つデュノアから借りた六十一口径アサルトカノン【ガルム】を向け、引き金を引く。
照準をの十字カーソルは上下左右に揺れ狙いは滅茶苦茶ではあったが、銃弾は全てラウラへと撃ち出された。
向かって来る十発の弾丸と自身が撃ち出した砲弾を前にラウラは不敵に笑い、右手を前に突き出す。
ラウラに全弾場所は違えども命中すると思われたその時、弾き返した砲弾も十発の【ガルム】の銃弾も全て空中で停止した。
「無駄だ。このシュヴァルツェア・レーゲンの停止結界の前では貴様など有象無象の一つにすぎん!消えろ!」
再びラウラの大口径レールカノンが一夏に向けられる。
だが、大口径レールカノンから砲弾が発射される前にラウラに向かって攻撃を仕掛ける者がいた。デュノアだ。
一夏に蹴り飛ばされ、強制的に砲弾の弾道軌道線から外されたデュノアが再び出番だと言わんばかりに出てきたのだ。
その手には【ヴェント】と呼ばれる五十五口径アサルトライフルが握られ、素早く狙いをラウラへと向け一夏を応戦する。
予想外の敵に「チィ!」と今度はラウラが唸り、1,2歩ほどたじろぐ。
ラウラの停止結界には致命的な弱点があった。
複数での同時攻撃には意識を割かれ、停止する対象物に意識を向けないと停止できないと言う事だ。つまり、セシリアのブルー・ティアーズのビットとスターライトmkⅢによる別の箇所からの同時攻撃は弱点であると言う事だ。
ラウラのたじろぎにデュノアは気にも止めなかったが、戦闘に身を置いていた一夏はその行動に疑問を持った。
ラウラに向かって五十五口径アサルトライフル【ヴェント】で応戦するデュノア。そして、蛇行移動しながら片手で六十一口径アサルトカノン【ガルム】の照準をラウラに向けて引き金を引く一夏。
同時に別方向からの攻撃にラウラはデュノアの銃撃を最初こそ停止結界を使用していたが、一夏が応戦すると停止結界を解き蛇行運転をしながら【ワイヤーブレード】を2本二人に向かって射出する。
デュノアはうねる様に襲って来る【ワイヤーブレード】をどうにか回避するが、一夏は【雪片弐型】で【ワイヤーブレード】を地面にもぐら叩きの様に叩き落とすと加速し、ラウラとの間合いを詰めながら六十一口径アサルトカノン【ガルム】の引き金を引く。銃口から
迫りくる銃弾を前にラウラは再び右手を突き出すとラウラに命中するはずだった【ガルム】の弾は全弾見えない壁に遮られたかのように空中で停止した。
「フ!このシュヴァルツェア・レーゲンの停止結界の前ではK「おしゃべり、禁止ぃい!うぜえセリフスキップだ」」
停止結界で遮られ作られた銃弾のカーテンを眼くらましに一夏はラウラとの間合いを詰め、【雪片弐型】を振り回す。横に一閃だが、直撃すればかなりのダメージを負うその一撃をラウラはスラスターの逆噴射という荒業によって回避する。
だが、完全に避けきれずにラウラは射出した【ワイヤーブレード】のワイヤーを一本一夏によってぶった切られる結果となった。
距離をいったん取ろうとするラウラに、更に追撃しラウラに攻撃しようと【雪片弐型】を振り下ろす一夏。ラウラに【雪片弐型】の斬撃が当たる瞬間に飛び込んでくる影があった。
ガキイイインと金属と金属の金属同士がぶつかり合う音がアリーナに響き渡る。
「きょ、教官!?」
その予想外の人物の登場に驚くラウラに、
「ち、ちーたん!?」
ええ~、これで戦闘終了が確実ジャンと落胆の色全開の一夏。
『うわ、ISの刀を生身で振り回して更に一夏の斬撃を受け止めている!?す、凄い!』と内心静かに驚くデュノア。
三者別々のリアクションを見せるも、千冬は「アリーナをこんなに荒らされては整備が大変でな。横槍を入れさせてもらった」と告げる。
「「「え?」」」と三人が周囲を見渡すと、アリーナの地面にはデカいクレーターが出来ておりアリーナの壁には一夏が撃ち出した【ガルム】の弾がのめり込み、アリーナの壁を一部破壊、一部半壊させていた。また、デュノアの【ヴェント】の弾もアリーナの壁にのめり込んでおり、アリーナの壁を破壊していた。
「ハア」と溜息を吐きながら千冬は淡々と告げる。
「この決着は学年別トーナメントで着けて貰う。良いな?」
ラウラとデュノアは
「教官がそうおっしゃるなら」
「解りました」
と二つ返事で返答するが一夏は「ハア!?」と異を唱える
「おいこら、ちーたん!ふざけんな!こちとら最高に楽しんでいる最中なんだ。ハイになる前の寸止めとかマジ勘弁しろや!!そのケツの青い餓鬼に喧嘩の仕方を教えんだよ!」と息巻いている。
「良 い な」と問答無用と言わんばかりに千冬は一夏を睨むと、一夏は「ハアアアアア」と魂が抜けそうなくらい長い溜息を吐いて渋々「了解」と了承した。
かくして、千冬のおかげで両者の決着は学年別トーナメントへと持ち越されたわけだが、ラウラには屈辱だった。一夏ではなく自分が千冬に守られた事に。尊敬する千冬の経歴に泥を塗った相手に自分が劣っていると千冬に言われているかのような感覚に人知れず陥っていた。
さらにラウラの一夏への憎悪は人知れず膨らみ、それは千冬ですら見抜けぬほど静かに、だが、確実に膨らんでいった。
「それでは、学年別トーナメントまで一切の私闘を禁ずる。解散」
パンと千冬の手を叩く音がアリーナに響き渡った。
作「一夏さん、一夏さん」
一「何だ?」
作「今回、思いっきりラウラさんをぶった切ろうとしてませんでしたか?」
一「あ、あれか?あれは当たる直前に寸止めるつもりだったんだが、あいつが下手に回避すっからかすっちまった。まあ、ワンオフアビリティーを使ってねえからさほどのダメージを受けねえだろうけど」
作「いやいや、直撃してたら絶対にシルードエネルギーをがっつり削ってたと思いますよ?半分くらい確実に」
一「でも、致命傷じゃねえだろう?」
作「ええ、まあ」
一「戦闘続行できるじゃねえか!問題ねえだろ?」
作「いやいや、戦闘続行出来るかどうかというあなたの基準で全てを判断しないで下さいよ。皆が皆あなたみたいな戦闘狂じゃないんですから」
一「俺は戦えればそれで良い。強くなれればそれで良いのさ」
作「いやいや、何格好良くまとめようとしてんですか!?だめですからね!原作ヒロインズをちょろまかしてたぶらかせたとしても作者はたぶらかされませんからね!?」
一「男をたぶらかす気なんざ全くねえよ!(苦笑」
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