拳の一夏と剣の千冬   作:zeke

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第1話

 私立藍越学園―そこは、全ての頂点(トップ)を排出する名門校。それは、芸能人から歌手、官僚、世界に名だたるあらゆる企業の中枢、ボクシング選手、プロレスラー、芸術家、空手家、挙句の果てにはヤクザまで。入学し、学業を修めれば、卒業後は安心して暮らしていける太いパイプを持つ、まさに夢のような学校。そう、全ての業界、ジャンルの頂点(トップ)に君臨する者を排出する名門中の名門校であり、あらゆる受験生が入学したいと願う高校。入学費は無料、授業料も他の高校と比べるならば1/10以下と言う高校。

 しかし、そんな夢の様な高校の門は狭き門で一般受験を拒否している。唯一の入学資格は藍越学園のOB、OGに何らかの力を認められての推薦によってのみ入学を許される。何故ならば、学校が総力をあげて生徒の育成を励む事を目的とした高校であり、卒業生による推薦、それは学校が出したいわば商品である。そして、卒業生は厳選な眼で入学者の判定をする。万が一にも下手な人を推薦した場合、学業の取り消しに合い、さらに二度と表立った生活をするのは厳しくなる。故に卒業生は必死に受験生の判別をする。

 

 青狼会―それは構成員10万人を超える日本最大のヤクザであり、ギャングやマフィア等の裏業界において一目おかれるヤクザ界の頂点(トップ)に君臨する。

そして、その青狼会の事務所は山を切り開いて造られた、でっかい東京武道館の様な形をしていた。山の頂に切り開き造られた事務所までには舗装された大きな階段が並ぶ。

麓の入り口には大きな特殊合金と木で作られた門があり、門には青狼会の文字が描かれている。

 

 そんな麓にある青狼会の門の前に一人の男が立っていた。

 

「ふう、ここが青狼会か」

 

 男は腹に巻いた鉢巻を軽く摩る。腹巻の下には厚い鉄板を仕込んでいた。

 男の鼓動は高鳴り、額に汗をにじませる。

 

「あいつには黙ってて悪いが、これも俺が生きる為だ」

 

 そう呟くと震える手で拳を握り、一発額を殴りつける。額は赤く成るも拳の震えは止まった。

 

 拳が震えるのも無理は無かった。何故ならこれからヤクザの頂点(トップ)に君臨する青狼会に殴り込みをかけるのだから。命を落とすかもしれない。

 だと言うのに男は獰猛に笑みを浮かべる。飢えたライオンが生肉にかぶりつくが如く目の前に見える頂にある青狼会の事務所を前にすると笑みを止める事は出来なかった。

 

青狼会の今のボスが私立藍越学園出身者であるという情報を掴んだからだ。

芸能人、アイドル、歌手、官僚、様々なOBやOGがいる中で唯一ヤクザは推薦しに現れる人物がいないと踏んだ男の考えは正しかった。他の業界のOBやOGには入学希望者が殺到しておりテレビでもニュースの話題として取り上げられている。

しかし、今現在だけではあるが男の周囲に入学希望者らしき人影は居ない。

 誰も命をかけてまで藍越学園への推薦を取ろうとは思ってないだろうと踏んだ男の考えは正しかったようだ。

 

麓にある青狼会の大きな門は開かれており、男は深呼吸を一つすると門の中に入って行った。

 

 門を潜るとそこは長い大きな階段が立ち並ぶ。

 舗装された階段の端には木々が奇麗に整えられており、青い芝生が木々の間に植えてある。

 

「行くか」

 

 大きな階段を駆ける。

 階段は一段一段が大きくバリアフリーなんて知った事かと言わんばかりの大きさで、永遠に続くと錯覚させるような段数である。

 

 男が私立藍越学園に入学するのには理由があった。

 白騎士事件―突如日本に世界各国から2341発の攻撃可能ミサイルが外部ハッキングによって制御不能と成り、篠ノ之束が当時開発中で試作段階であったIS白騎士を出さざるを得なくなった事件。この事件によって世間に出す気ではなかったISが初めて世間の注目を集めた。

日本本土に降り注ぐはずだった攻撃可能ミサイル2341発は全てたった一機のISによって撃墜されてしまった。各国はそれに驚き戦闘機207機、巡洋艦7隻、空母5隻、監視衛星8基を送り出した。データ採取、あわよくば捕獲、出来なければ撃墜。当時の国際条約を無視して各国は日本海領域、空域を侵略した。

 だが、各国の思惑は叶う事が無かった。戦闘機207機、巡洋艦7隻、空母5隻を剣と呼ぶしかない近接武装で撃墜させ、空中に突如召喚したと呼ぶしかない試作段階だった大型荷電粒子砲で監視衛星8基を撃ち落とした。

 しかも、一人の死傷者も出さずに。

 世界は一夜にして「究極の機動兵器」であるISの存在を知る事と成った。

 

 当時、男は篠ノ之束の隣にいた。ディスプレイに映る白騎士の姿を見ながら束は涙した。

 

「どうしてこんな事に成っちゃったのかな……」

 

 ISは欠陥機である。開発当時から女性にしか扱えない事が分かっていたからだ。

 故に束は調べた。男性にも扱えるようにと調整しようとした矢先での白騎士事件であった。

 

 このままでは日本本土に2341発ものミサイルが降り注ぐことに成る。

 悩むに悩み、苦渋の決断をした束は試作段階だったIS白騎士を出撃させた。

 

 白騎士を出した事によって天才である彼女の頭には今後の展開が手に取るようにわかっていた。

 

 女性にしか扱えないISは今までの兵器をはるかに上回る機動兵器と成る。故に操縦者は重宝されISが使えない男性は無下に扱われる。ならば、ISの製造方法を公表しなければいいではないか?と思うかもしれないがそれは出来なかった。既に学会で兵器を搭載していないISの理論に関する論文を提唱済みなのだ。幸い心臓部にあたるコアは束しか作れないが、この後、束や束の家族のもとに大勢の人間が押し掛けるだろう。

 

 ディスプレイを見ながら涙を流す天才を後ろから抱き締める事しか当時、男にはできなかった。

そして、男は誓った。必ず白騎士事件の元凶である犯人を見つけ出すと言う事に。

その為にはこの国の頂点(トップ)に立たなければいけなかった。故に男は私立藍越学園に入学を決意した。

 

 あの時、白騎士事件の時に何も出来なかった自分が悔しくて必死に鍛えぬいた。拳を鍛え、感覚を鋭く研ぎ澄まし、知識を磨き、かつて神童と呼ばれた脳にあらゆる知識を詰め込んだ。弄るに弄り抜いた肉体は一片の贅肉は無く、脳は回転速度をさらに上げた。

 

 ただただ、あの時の思いが歯がゆさが男を強くした。

 

 

「……もう着いたか」

 

 かつての記憶に思い耽っていると男は青狼会の事務所の入り口に着いていた。

 長い階段の道のりはあっという間に終わり、男は死地へと歩みを進める。

 

 青狼会の事務所の扉は麓の門と比べると半分くらいの厚さだが、それでも鋼鉄製の立派な扉と成っており対人用の銃弾を軽く跳ね返せそうな厚さを誇っていた。

そんな分厚そうな扉を開くと長い廊下と成っており、扉の入り口に一人の男が立っていた。男は 20代ぐらいで強面の面構えだった。

 男は入って来た男に気づくと

 

「何や坊主。ここが何処だか知ってんかわりゃあ?」

 

ガンを飛ばす。

 

 入って来た男は

 

「ああ、知ってるよ」

 

と言うとガンを飛ばしてきた男の鳩尾を体をひねり、全身の筋肉と言うばねを利用して先手必勝と言わんばかりに殴りつける。

 

 ガンを飛ばした男の体は「く」の字どころか「つ」の字と成り、男は一瞬にしてガンを飛ばしてきた男を気絶させた。

床に男が倒れると、その重みで音が鳴る。

 

 男は床に倒れた男のそばを通り過ぎ廊下を進む。

 

「なんだなんだ!?」

 

 男が廊下を進んでいると更に黒いスーツを着た強面の男が3人現れた。

 スーツを着た男は床に倒れている男を見ると

 

「出入りだ!」

 

「どこの組のもんじゃ!?」

 

「かちこみじゃあ!!」

 

と口々に叫んだ。 

 それぞれが懐から拳銃、長ドスを取り出した。

 

 拳銃はオートマグ44、グロック17Lと同じ銃ではないが、持ち運びに便利な銃ではあった。

 男は今まで得た知識をフルに活用してオートマグが約7発グロック17Lが約16発である事を見抜き、すぐさま駆ける。

 まず、長ドスを持った男の顎に拳を一発。

 コキンという音がして長ドスを持った男は脳震盪を起こして白目をむいて崩れ落ちた。そして、そのまま手とうに変えて背後にいた男の首を体を180度回転させ、遠心力と男の力でオートマグ44を持っていた男は首に重い一撃を貰い意識を失った。

 

「わりゃあ!調子乗ったの、坊主!!」

 

 グロック17Lを持った男は銃先を襲撃者である男に向けると躊躇う事無く引き金を引いた。

 

 男は自身に向けられる拳銃の銃口と引き金に意識を向ける。

 拳銃はその性質上追尾性は皆無であり、直線しか動けない。ただ、脅威なのが火薬による威力によって人間が捉える事が出来ない速度で鉛玉が発射される事による殺傷性。そう、要は発射される直前に、コンマ一秒でも早く銃の直線軌道上からいなければ良いのだ。

 

 黒服の強面の男が引き金を引こうと指が動いた瞬間に男は動いた。滑るように左足を左前方に出し、右足にかかっていた重心を左前方に出していた左足に素早く移した。男の体が前のめりになりながら上半身をかがめ、重心がかかっていない右足でグロック17Lの引き金を引き発砲しようとしていた男の左あばらに廻し蹴りを叩き込む。

銃弾が男が廻し蹴りを叩き込むと同時に、先ほどまで男がいた場所に発砲される。銃声が廊下に鳴り響き、空薬莢が宙を飛ぶ。硝煙があたりに充満し、男の鼻に火薬の匂いが入る。廻し蹴りを受けた男は、苦痛に顔を歪ませる。

 男は、苦痛に顔を歪ませた相手に右足で相手の顎をめがけて廻し蹴りを叩き込んだ。

 脚は腕の3倍の力があると言われ、拳による顎への攻撃でも意識を失わせるのに脚での顎への攻撃は十分な威力を発し、意識を確実に失わせた。

 

「あ~、銃声鳴っちゃったか。これで人が来るな~」

 

能天気そうに男は呟き、気絶させた3人を通り過ぎ、さらに廊下を進もうとする。

だが、とある事を思い出して先ほど気絶させた3人の所まで戻ると床で気絶する男達の拳銃と長ドスを拾い上げる。

 ちょうど拳銃と長ドスを拾い上げ終わった瞬間にドタバタと廊下を走る音と共に複数のヤクザが現れた。

 

「われ!青狼会に喧嘩売ってタダですむと思うなよ!!」

 

 怒鳴り声と共に現れたヤクザの全員が拳銃や日本刀、長ドスを取り出した。その銃口や剣先が全て一人の男に向けられる。

 数十人のヤクザと一人の男の戦いが始まった。

 

 

 

 

 戦いが始まって数十分。

 殴り込みをかけた男は未だ生きていた。男の前方に見えるのは男によって気絶させられ床で横に成っているヤクザ数十人と、未だ気絶させられていない立ったヤクザだった。

 男の腕や脚には幾つもの銃弾による銃痕と、日本刀や長ドスによる切り傷が出来ており男は無傷とまではいかなかった。

 

「なんなんや、ワレは!?何が目的なんや!!」

 

 仲間の半分以上を男によって気絶させられたためかヤクザの一人が錯乱気味に男に問う。

 それに対し男は、

 

「俺の目的はただ一つ。己が力を証明するのみ」

 

 そう返すと問いかけて来た男の腹に一発パンチを入れ、体がくの字に成った瞬間に男の首に手刀を当てて気絶させる。

 

「野郎!!」

 

 まだ残り数人意識のあるヤクザが仲間を気絶させられた事に怒りを感じ、争いが更にヒートアップし、男もそれに応戦しようと拳を握り構え互いにぶつかりそうになった瞬間。

 

 

『何事や!!』

 

 図太い大きな声が廊下で男が対立しているヤクザの後ろからし、意識のあるヤクザ全員がびくりと一瞬体を震わした。ヤクザは全員声のした背後を向き道を開ける。その様は、モーゼの十戒の如く人が割れヤクザの背後にいた人物が襲撃者である男の視界にも映った。

 

 視界に映ったのは黒い和服を着た厳ついおっさん。右眼は開いているも昔に着いたであろう刀傷による切り傷が残っていた。

 襲撃した男はその人物を知っていた。青狼会の親分である。襲撃した男はこの男に会う為だけに天下の青狼会を襲撃したのだ。

 

 親分は近くにいた子分のヤクザ達に聞いた。

 

「おい、一体何の騒ぎや!」

 

「はい。どうやら殴り込みの様でして現在応戦中です」

 

 部下のヤクザに事情を聴くと親分は「ほう!」と呟き右眉を動かした。そして、襲撃者である男の前まで歩みを進める。その途中に部下たちが「危ないです!」と止めるも手で静止させる。

 親分は襲撃者である男を見る。

 襲撃者は天下の青狼会に殴り込みをかけるにも関わらず顔を隠していなかった。その為ひっそりと親分の中で襲撃者に対する好感度が静かに上がった。髪は黒髪で顔だちも日本人。

 年は高校生か中学生ぐらいだろうか。顔には幼さを残すも親分は襲撃者である男の眼にひかれた。ギラギラとした鋭い眼。肉食獣の獣を思わせるような鋭い眼で襲撃者である男は親分を見ていた。

 

「おい坊主!わりゃあ、何の為にこの組に殴り込みをかけたんや?余所の組の新参者か?殴り込みをかけてうまくいけば幹部にさせてやるっちゅう言われたんか?」

 

 親分は一番可能性のありそうな事を言ってみた。ヤクザなどの裏社会では抗争が絶えない。自分の若いもんを使って特攻させることは良くある。何しろうまくいけば敵対する組織に大打撃や幹部クラスを潰して組織としての致命傷を与える事が出来る。送り出す組織にとって若いもんは新人でありスペアの効く道具でしかない。稼ぎも幹部クラスや準幹部クラスと比較するならば1/10以下と言う事だってあるのだから。失うとしたら襲撃の時に使用する銃や爆弾や日本刀などの武器位だ。

 しかし、今回襲撃してきた男は拳で戦っていた。

 あまりにも変だ。普通銃や日本刀、長ドスの方が殺傷能力は高く襲撃するには拳よりも武器の方が相手に致命的なダメージを与えやすい。なのに、男は武器を使用していなかった。持って来た銃の弾を撃ち尽くしたからかと思ったが、良く良く考えてみれば気絶している、うちのモンから拳銃や日本刀などの武器を奪えばいい。だが、親分は自分が見た限り襲撃者は部下達を殺していない。故にわからない。何故、目の前の男は一人も殺してないのか?

 

親分の問いに男は構えていた拳をおろし答え始める。

 

「俺はヤクザの抗争に利用されているわけでも懐柔されたわけでもねえ!」

 

男の返答に親分はますます解らなくった。

 

「ほな、お前さんの狙いは一体なんなんや?」

 

「俺の目的は二つ。一つ目はあんたに会う事だよ日本最大のヤクザ青狼会青狼会の組長さん」

 

「わい?わいに会う為だけに坊主、おまんは殴り込みをかけたっちゅうんか?」

 

「そして、もう一つが俺の力を証明するために…だ」

 

「力、証明……ああ」

 

青狼会の親分である組長は合点がいったと頷いた。

 

「おまんの本当の目的は…」

 

「ああ、俺の本当の目的は…」

 

「「藍越学園の入学」」

 

「成る程。坊主、お前さん藍越学園に入学したいんか」

 

「正確に言うならば藍越学園への入学も手段でしかない」

 

「ほう、面白いわ坊主。お前さんに興味がわいたわ。ついてきな。ゆっくり話を聞かせて貰おうやないか。そんで藍越学園への推薦を考えたるわ」

 

青狼会の組長である親分はそう言って男に背を向け先導きって案内する。部下たちが「組長!」と声を上げるも、「あの男と話をする。あの男の後ろにおれ」と指示を出した。男は黙って親分の後について行く。

 

 

男が案内されたのは和室だった。綺麗な畳が敷き詰められ、壁には虎の墨絵が掲げられており、窓からは石と緑で彩られた綺麗な庭が見える。

 

「ほな、聞かせて貰おうか坊主」

 

親分が座り、男は親分と対峙するように座ると口を開いた。

 

「ああ。俺の目的は最強を目指す事だ」

 

「は?」

 

「少し昔話をしよう。とある少年が居た。少年には姉と幼馴染、そして少年が大好きな天才の優しい幼馴染の姉が居た。少年は幼馴染の姉と共に居ると幸せだった。しかし、ある時事件が起きた。幼馴染の姉が当時研究中だった兵器にもなる欠陥品の道具を使用せざるを得ない状況に成ってしまった。その事件の所為で幼馴染の家族はバラバラに成る事を余儀なくされた。天才であった優しい幼馴染の姉は悲しみに暮れた。その事件当時、少年は悲しむ幼馴染の姉を後ろから抱き締めること以外に何も出来なかった。幼いと言うのもあった。だが、それは言い訳にしかなかった。弱いから守れない。弱いから、守れないから悲しむ。当時の少年の心にその思いが刻まれた。だから少年は己が肉体を鍛えた。肉体だけではなく頭も詰めるだけの知識を詰めた。そして少年は決意した。必ず事件の元凶を見つけ出すと。もう二度と弱いが故に何も出来ないと言う事が無い様に最強を目指すと」

 

「……それがお前さんか」

 

「ああ。まあ、最強を目指すのには男として、一人の人間として生を受けたからには最強の称号()を手に入れたいって言うのもあるんだが……まあ、その為に今回青狼会に殴り込みを掛けさせてもらったわけだが」

 

「お前さん何で顔を隠さなかったんや?それに、失敗すれば命を失うリスクやて在ったと分かっとったやろうに」

 

「藍越学園に入るのに命かけずに入学なんかできやしないだろうよ。後、顔を隠さなかった理由はもし失敗してお礼参りが来ても構わんかったからよ。そのおかげで俺は更に強く成れるだろうよ。命を賭け最強の称号()を手に入れる経験に成るだろうよ」

 

「戦闘狂やな。まあええやろう!お前さん気に入ったで。藍越学園のOBである俺が推薦したるわ!お前さんの男気、えらく気に入ったで!ただ、一つ条件がある」

 

「条件?」

 

「お前さんがもし、藍越学園で入学して卒業できんかったら……その時は責任とってうちの組で今回の殴り込みで出た損害額と俺の学業取り消しの分、全部まとめて牛馬の如く365日働いて貰うからな」

 

「ああ」

 

「あ、そういやお前さんの名前訊いてなかったな。名前はなんっちゅうんや?」

 

「俺の名前は織斑一夏」


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