死なないことはチートでは無いのだろう   作:my茸

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投稿が大変遅れて申し訳ありませんでした。
この回でオリキャラが出てきます。

今年初投稿ですね…もう少し早く更新できる様に頑張ります。



第8話、男の夢にはリスクがつきもの。

前回のあらすじ〜

 

「店員さん、コーヒーをくれ。ブラックで」

 

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本編スタート〜

 

服屋の試着室。そこから天使が現れた。

嘘じゃない。天使(アイズ)が現れた。

 

まあつまりはこういう事だ。

 

俺、発見、ワンピース。

アイズ、試着、似合う。

 

 

結論:可愛い子には衣装をあげろ

 

そんな訳で今俺の前には白いワンピースを着た天使もといアイズがいる訳で。

 

「…どう?」

 

「お、おう。…似合ってる」

 

「…なら、買おう、かな」

 

アイズが元の服に着替えている間に店員さんに声をかける。

 

「会計、お願いします」

 

 

♢♢♢♢

 

男なら一度はやってみたいこと。

それを叶えるのにはやはりそれなりのリスクがあるのだろう。俺は今日それを身を以て知った。

具体的にはこういう事。

 

あの服、超高かった。

 

なに?何なの?なんであんなに高いの?俺を破産させたいの?俺死ぬの⁉︎

 

「…アスタ?やっぱりお金…出すよ?」

 

「あっ本当ですか是非よろしくお……ゴホン‼︎いや、俺がだしたいと思ったから出したんだ。気にしなくていいぞ?」

 

っぶねー…つい本音が7割位出ちまった。

…いや7割ってアウトじゃない⁉︎

 

「…そう?なら、ありがとう」

 

「お、おう。気にすんなよ。んじゃあそろそろ帰

 

「じゃがまるくん」

 

「うっす…」

 

 

 

じゃがまるくんって、こんなに高いものだったんですね。

27000ヴァリス?嘘でしょ?

 

「ありがと、アスタ」

 

「」

 

「…アスタ?」

 

「…ハッ!えっと、流石にもう帰るか」

 

(これ以上の出費は俺が路頭に迷うことに…!)

 

「…うん」

 

そんな事を話しているうちに、【ロキ・ファミリア】のホーム、黄昏の館の前に着いていた。

 

「…それじゃあ、ね。また遊ぼうモグ」

 

「まだ食べてるのかよ…じゃあな」

 

短い別れの挨拶を済ませると、アイズは館の入り口に歩いて行った。

なんか門番が不思議なものを見るような目でアイズを見ていたのが気になったけど、気にしない事にする。

あと、今日一日中消える事がなかった殺意の籠った視線が消えて、同時に栗色の髪のエルフが黄昏の館に入って行った事も、気にしない事にする。

 

「ま、帰るか」

 

そう呟いて廃教会(我らがホーム)の帰り道へと歩き出す。

 

【ヘスティア・ファミリア】のホームこと廃教会はオラリオの中心部からやや離れた場所にある。

よって、帰るためには必然的に人の少ない裏路地に入ることになる。

夜中に暗い道を歩く美少年。

そこに忍び寄る巨大な影。

そしてその影は言うのだ。

 

 

 

『やらないか』

 

 

………………。

あ…阿部さァァァァん!!!!!!

ぼ、ボクそっちじゃないんですそれとこの作品タグに棘のあるお花の名前とか入れてないんでそういうのは"B"と"L"をタグに入れた方の作品でお願いしますごめんなさい!

…まあ、そもそも俺美少年じゃないんだけどねー。

 

…などと余計な事を考えていたから気付かなかったのか、顔を上げた目と鼻の先にフードケップをすっぽりと被った人物が立っていた。

 

「うわっ⁉︎」

 

「あ、そんな反応しちゃう?私泣いちゃうよ?」

 

その人物がフードを外す。

肩下ほどの黒髪。白い肌、クリッとした大きな瞳。

年齢は…リューさんと同じくらいか?

何コレ超美人じゃないですかやだー。

 

「え、あ、すいません。……ってか誰です?」

 

「それにしても遅かったねー。…私、ずいぶん待ったんだよ?」

 

あ、俺の質問はムシですか。

…ん?待ったんだよ(・・・・・・)

 

「いやあなたが待ってることなんて知りませんし…だから誰です貴女」

 

「秘密は女を女にするんだよアスタくん」

 

「え、何それどこのベルモット?」

 

「まあそれはそうと。ハイこれ。お誕生日おめでと〜う!」

 

渡されたのは何やら古めかしくて分厚い本。

 

「…………俺の誕生日、半年後なんですけど」

 

「えー!そういう事は言ってくれなきゃ分からないよ!」

 

「やだ何この人横暴!」

 

不意に、背筋が寒くなる何か(・・)を感じた。

 

「⁉︎」

 

何だ…?今の…。

この人か…?

 

「…ところでアスタくん。君の誕生日って誰が決めたの?」

 

「あー、孤児院の友人に勝手に決められたんですよ」

 

誰とは言わないけどフローヴァに。

 

「ふぅん」

 

え?聞いたのアンタでしょ⁉︎

なんでそんな興味なさそうなの?

 

「それじゃあまたね!アスタくん♪」

 

「え?あっええと、またね?」

 

いきなりの別れの言葉に戸惑っていると、彼女は俺の頬にキスをして立ち去っていった。

 

なんだったんだあの人…

 

…ん?『キスして』??

我に返って振り返った時には彼女の姿はどこにも見えなかった。

 

「……帰ろ」

 

 

♢♢♢♢

 

歩きながら、先ほどようやく会えた子供(・・)の事を思い出す。

 

「ふふっ。あの反応かわいかったなぁ…」

 

でも、あの視線(・・・・)の所為で台無しにされてしまった。

 

「あれ絶対私を疑ってたよねー…私じゃ無いのになぁ」

 

でも、それよりも。

あんなことが出来るのは彼女しかいない。

 

「…いくら貴女でも、あの子に手を出したら許さないよ?」

 

1つの影が、都市の中央に聳える塔の上に向かって呟いた。

 

 

 




さて、オリ主以外で初のオリジナルキャラが登場です。
誰なんでしょうねー。
さて、そろそろ話が進みます。
1巻の内容も終わってないよ…がんばるよ。

感想、すごく励みになります。
感想見て一人でニヤニヤして、周りにドン引かれるまであります。

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