3人になってしまいましたけど、ハーレム感はあまり出さない様に気を付けようと思っています。
…思っているだけかもしれませんが。
ヒロインに入れられなかったリューさん、ロキ、リヴェリアさん、ティオナのファンの方すいません。
文章力頑張って上げていくのでこれからも宜しくお願いします。
また、文の書き方をを少し変えてみたのですが、どちらが良いか、もし良ければ教えて下さい。
前回のあらすじ〜
『『『よし。処刑だ。』』』
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本編スタート〜
メインストリートから一本外れた道。
この通りはメインストリートほどの喧騒は無く、小洒落た喫茶店などが並ぶ静かな通りだ。
そこをオラリオで名高い【剣姫】ことアイズ・ヴァレンシュタインが歩くとやはり目立つ。
『おい…あれ、剣姫じゃないか?』
『あらほんと!やっぱり綺麗ねぇ』
『隣の人は誰なのかな?』
『おいおい、そんなの"コレ"に決まってるだろ?』
ーーー当然、その
"コレ"と言いつつ小指を立てている男を尻目に歩きながら、
「まあ
と多少の噂は諦める事にする。
隣を見ると、先程からの俺の様子に「 ? 」と、首を傾げているアイズ。
と思いつつ、半ば確信している疑問を投げる。
「まず飯を食べようか。アイズ昼飯食べてないだろ?」
「…うん。なんで?」
なんで分かったの?ってことか。
「スカートにちょっとシワが付いてる。さっき待ってた時に付いたやつだろ?見た感じ生地は良いの使ってそうだから、結構早くから待ってたんだろうな…って」
自分の推理に自己嫌悪が募る。
やっぱり待たせてたんじゃねーか俺!
「凄いね…当たり」
「…いや本当、遅れてすいませんでした…でもなんでそんなに早くから…?」
少し考え込むアイズ。そしてーー
「…楽しみだった、から?」
「ぐはっ!!!!」
ーーーートドメを刺された。天然怖い。…心が、痛いっ!
♢♢♢♢
場所は変わり、さっきの通りの喫茶店の隅、俺達はそこで食事を取っている。
ここを選んだ理由?特にはないよ?俺のチョイスだけど。
…まあ気になる人もいるだろうから一連の流れは話しておこう。
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「えっと…アイズは何か食べたいものは?」
「じゃがまるくん」
「他には?」
「じゃがまるくん小豆クリーム味」
「…うん。アイズに聞いた俺が間違ってた。あそこの店入ろう」
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もそもそとパスタを食べるアイズ。
時々"じゃがまるくん"と聞こえてくるのは俺の空耳だろう。…そう思いたい。
…もしかしてアイズって普段は三食全部じゃがまるくんだったり…いや、流石にないな。うん。
「あー…じゃがまるくんは後で行こう?な?この間の礼に奢るから」
「……!」
コクリ、と頷くアイズ。心なし目がキラキラした気がする。
まあ重要なのはそこじゃない。本題はここからだ。
「…で?俺に何か聞きたいことがあったんだろ?」
そう。これだ。
知り合ってまだ2、3日の男を、バトルジャンキーのアイズが
「……!!!!」
なぜかそこでハッとするアイズ。
………もしかして、忘れてたの?
そのアイズが居住まいを正してこっちを見つめてくる。
さて、オラリオトップの剣術使い、【剣姫】が俺に聞きたいことはなんだ?
「…君の、アスタの強さの理由が知りたい」
「…は?強さ…?」
「うん」
強さってアレだよな。スカウターで測ったら測りきれなくて爆発したり、53万だったりするアレだよな?
「いやいや、アイズの方が断然強いだろ?俺は強くなんかないぞ?」
むしろどっちかっていうと「たったの3か…ゴミめ」って言われる方だよ?それに後輩のベルにステイタス抜かれてるんだぞ俺。
「…ううん。君は強いよ。だって、怪我しなくても、痛いんでしょ?」
"怪我しない"、ね。成る程、アイズは俺のスキルをそう捉えたのか…
それよりアイズさん?ちょっと文の繋がりがよく分からないよ?
…でも、聞きたいことは何となく分かった。
「強さの理由…かぁ。俺はただやりたい事やってるだけだからなぁ…悪いなアイズ。俺には分からん」
「…そっか」
「でも、そういうもんじゃないのか?」
「…え?」
「んー、だってさ、憧れる強さなんて人それぞれだろ?それを目指すから頑張れるんじゃないのか?…例えば、うちのベルはあいつなりの憧憬を見つけて、今凄い勢いで強くなってる。アイズも、アイズ自身の憧れる、アイズだけの英雄に出会えたら、目標が出来たらきっと………って忘れてくれアイズ‼︎なんでこんな上からに…⁉︎」
「…………」
慌てて弁解をするが返事がない。……怒らせた?
「………ふふ」
笑ってる?も、もしかして笑ってしまうほど怒ってるとか…?や、やばい…!
「…アスタ」
「は、はいッ⁉︎」
思わず背筋を伸ばす。
…が、聞こえてきたのは予想とは全く違う言葉だった。
「ありがとう。…凄く参考になった」
それも、極上の笑顔付き。
アスタはこう思った。
ーー俺はベルじゃ無ければ、ましてロキでもない。でもこの時ばかりは、断言できる。
『『『『…アイズさんマジ天使!!!』』』』
心の声が…ハモった…だと?
驚愕。と、同時に目の前にケーキが置かれる。
それもカップル用の食べさせ合う例のアレだ。アイズも目を丸くしている。
運んできた店員に注文していない事を伝える。
「えーっと。頼んでないんですけど…」
「いえ、あちらのお客様からです」
視線の先には数人の男神。
…あっ、ウインクしてきやがった。
団員が稼いできた金をこんな事に…ファミリアの人泣くぞ?
『『『そんな事言ったってしょうがないじゃないかぁ』』』
何言ってんのあんた達。この世界にえなり君は居ないんだよ?
あと
「…はい」
そこに不意に差し出されるフォーク。
「…え?」
「食べない、の?」
「え、あ、いや…」
「…ごめん、嫌だった?」
しゅんと俯くアイズ。
…そのまま上目遣いで聞いてくるから破壊力が凄い。
「い、嫌じゃない!…でも、アイズはいいのか?」
「?…大丈夫、だよ?」
……これは断れないな。
断れる奴は男…いや、人じゃない。
そんな俺を見てまたケーキを差し出してくるアイズ。
「…はい」
「…お、おう」
差し出されたケーキにぱくっと食いつく。…なんか、ごめんな、ベル。
「…どう?」
「…美味い」
正直味なんか分からない。ただひたすら恥ずかしい。
でもあの神どもに負けるのはなんか嫌だ。凄く。
だからもう一度言っとく。…ベル、ごめん!
「アイズ!…はい!」
「…う、うん」
差し出したケーキに近付いていく小ぶりな口。
さっき食べてたパスタのせいか、唇がツヤツヤしているように見える。
柔らかそ……
………何考えてんだ俺。
首を振って顔を上げると、ニヨニヨしてる神どもが見えた。
…くっそ…この野郎!!
心底ムカついたから、その後全部、「はい、あーん」って言って食べさせ合うことにした。
途中、
『『『…店員さん。コーヒーをくれ。ブラックで』』』
とか、
『このコーヒー、ブラック…だよな?』
『『甘い!甘すぎるぜ!!』』
とか聞こえてきたから、安心して店を出る前にドヤ顔できた。
…なんか途中からアイズの反応が薄くなったのも気になるけど。
ふと横を見ると、真っ赤になって、ぼーっとしているアイズ。
声を掛けても目の前で手を振っても反応無し。…大丈夫か?
アイズがこんなんじゃ今日はここまでかな…。
相変わらずぼーっとしているアイズから目を離し、なんとはなしに店を見ていると、あるヒューマンの店に目がとまった。
窓の中に見えたのは、スカートの部分に花をあしらった真っ白なワンピース。
そこで思ってしまったのだ。
アイズ、私服持ってるのかな、と。
今日着ているのは、脱装しているものの、
「…アイズ。ちょっと寄ってもいいか?」
相変わらずぼーっとはしているものの、こくりと頷くアイズ。
それに、よし。と、頷き返したアスタは、アイズと共に服屋へと入っていった。
あーん、は流石に恥ずかしかったアイズでした。
予定よりちょっと長くなってしまいました。
次回の頭でデート(仮)回は終了です。
この話でもう一人だけ登場するオリジナルキャラクターを出す予定です。
尚、神様達ですが処刑よりもおちょくる方向へとシフトしたようです。あとが怖いですね。
それともう一度言います。"神様達は"です。