これからの話一切決まってません。
なので更新ゆっくりかもしれませんが、楽しんでもらえたら嬉しいです。
追記:主人公の名前がまだ出てこない…。考えてるので案あったら下さい。
「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っていたのだろうか?」
場違いにも僕はそんな事を考えていた。
ーーここはオラリオ。広大な地下迷宮を持つ都市。その地下迷宮の第五層である。冒険者である僕、ベル・クラネルは今そこで何をしているかというと…
簡単に言えば、
「来るな来るな来るなぁぁぁぁぁ!!!!!!」
何度道を曲がってもフェイントをかけてもあの巨体で驚異的な速さで追ってくる。
途中でミノタウロスが何か踏みつけた音がしたけど、他の冒険者じゃないことを祈ることしかできない。
そんなこんなでダンジョンを走り回っていたが、とうとう行き止まりに。
ごめんおじいちゃん、美少女より先に
と、死を覚悟した時、ミノタウロスに縦の線が入った。
「…え?」
真っ二つになって倒れるミノタウロスの向こうには、金髪金眼の美少女がいました。
「…大丈夫?」
♢♢♢♢
ベルが聞いたミノタウロスが何か踏みつける音。
その音源は
「痛ってぇ…あのウサギ後でど突く。」
ーー俺です。
…ん?
えぇ。思いっきり踏みつけられましたよ?
え?レベル?1ですよ?
あ、分かった!耐久特化するとかいう謎スキルだ!…いえいえ違います。
確かに冒険者になってまだ二週間にしては耐久は高いかもしれないけれど、所詮レベル1ですよ。
なら何で生きてるんだって?普通死んでる筈だって?
ええ、ちゃんと死にましたよ?
……たぶん人としては。
だって俺も訳わかんないもん。
なに?なんなの?いきなり牛男に腹踏み潰されて痛みすら感じなくなってたのに、気が狂うかって位の激痛が戻ってきたと思ったら、踏み潰される前に負ってた怪我まで治ってるし。
確かに冒険者になった日の夜ステイタス更新した時、
いや、絶対してたな。隠してたな。
うん。よし。今夜の予定が決まったな。
取り敢えずあの
うんうん頷いてたら、のっしのっしと音が聞こえてきました。
森のくまさんならぬ
「ってか今更だけどベル大丈夫かな…」
現実逃避気味に同期の兎君を慮っていたら、
当然の如く、
♢♢♢♢
ーー間に合わなかった…。
白兎を助けて逃げら…走り去られた後、全部倒したと思っていたミノタウロスの影を見つけ、全力で向かうと、諦めたのかミノタウロスを全く気にせずに何か呟いている少年。
「あぶなーーー」
あと少しというところで少年は吹き飛ばされた。
装備からしてレベル1みたいだし、即死だろう。
少年を助けられなかった鬱憤にミノタウロスを必要以上に細切れにする。
遺体は無理かもしれないけれど、せめて遺品はギルドに届けようと吹き飛ばされた少年の方を向くと、
「ーーってぇ。」
目を疑った。
「ーーどうして、生きてるの?」
♢♢♢♢
「ーーどうして、生きてるの?」
知りませんよこっちが聞きたい。
「さぁなぁ。それより、なんでミノタウロスが上層にいるんだ?」
「…ごめん。私たちが襲ってきたのを返り討ちにしたら逃げ出したの。」
ーーなるほど、泣く子も黙る
「あり、がとう?」
あ、剣姫さん天然だ。天然でいらっしゃる。小首を傾げる動作とか実に可愛いけしからん。でもなんで
「あ!そういえば兎みたいな少年を見なかったか?」
「あ、その子なら、助けたよ…」
あれ?なんでだんだん落ち込んでいくんだ…?
「あ、そいつ、同期の奴なんだ。助けてくれてありがとう。」
「…あの子、怖がらせちゃったかもしれない。ごめん。」
「え?」
「助けたら、逃げちゃって…。私が怖かったのかも。」
それは無いだろうな…あんな顔して女の子との出会いに夢見てる奴だ。おおかたいきなり現れた美人に命救われて、テンパって逃げたってとこか。
ーーーーーーーー
「っくしゅん!…あれ?風邪かな?」
「ベル君。私のお説教中に独り言なんて余裕だね?」
「ごめんなさいエイナさん!!!!!!」
ーーーーーーーー
「取り敢えず、その辺りは話を聞いてみる。でもまずはお詫びとお礼をするように言っとくよ。」
「…うん。ありがと。」
「じゃな!今度お礼に何か奢るよ。」
「じゃが丸くん。」
「へ?」
「じゃあ、じゃが丸くん奢って。」
「わ、わかった。」
ーーじゃが丸くん好きなのかな?
ーーじゃが丸くん、おいしいよ?
うん、知ってる。ていうかとうとう
さすが剣姫。剣姫だからできるんだな。うん。
やや強引に納得して、それじゃ。と地上へと走って向かう。
♢♢♢♢
去っていった少年の方をみつつ呟く。
「あの子の名前、聞いてなかった…」
同時に、少年の去っていったのと反対側から、
「アイズ!ようやく見つけた。早く戻れ。フィン達が待ってんぞ。」
「…うん。」
♢♢♢♢
ギルドに着いて、目的のアドバイザーのハーフエルフの姿をみつける。
「エイナさん!」
「っ!!きゃぁぁぁ!!!!!!?」
…叫ばれた。なんで?
「まったく!あなた達はどうしてこうなの⁉︎」
「どう」と「こう」じゃあわかりませんよ、エイナさん。
と、思ったけどそれは言わない。
「…ベル、何かやらかしたんですか?」
「 き、み、も、だ、よ ? 」
「あっ、ハイ!僕もでしたねスミマセンエイナさん!」
「はあ…なんで二人して血塗れかなぁ…トマト兄弟って呼ばれてたよ?」
「へ、へぇ〜。なかなかステキなネーミングだなぁ、考えてくれたお礼しに行きたいんでそれ言った人のファミリア教えてくれません?」
「…目が笑ってないよ、目が。」
ありがとうございました!と言ってギルドを出る。
さてさて、
この後ベル君は逆エビ固めです。
ヘスティアさまは…なにされたんでしょうね…。どっかの無乳神さまが見ていたら泣きながら走り去ってくかもしれない罰ですかね?
作者はエセ関西弁神の事気に入ってます。出番増やしたい…主人公にイジらせたい。