東方少年呪   作:CAKE

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どうも、おはこんばんにちは。CAKEです。
さて皆さん。今回はちょっとしたイベントです。
それと、自己解釈のフルコース回となっています。
「いいぞ、もっとやれ」
という方はノンストップで本編をお読みください。
では、どうぞ。


EP,4 【ユウと依頼】

「人を襲う妖怪?」

 

ユウが幻想入りしてからちょうど1週間経った頃。

博麗神社に妖怪退治の依頼が来た。

依頼者は上白沢慧音という、人里で寺子屋の教師をやっている人物だ。

30分前に博麗神社にやって来て既にユウとは自己紹介を済ませている。

 

「ああ。つい最近、うちの生徒が行方不明になっていてな………それで確かめに行ってみると、その子が重症で倒れていたんだ。命に別項は無かったが、放っておくわけにもいかないだろう」

「ふーん。大変そうね。でも、それだったらアンタがやっちゃえばいいんじゃないの? アンタも戦えるわけだし」

「私も私で調査はしてるんだけどな………どうも、相手が悪そうなんだ。頼む、霊夢」

「うーん、じゃあ、分かったわよ。その代わり、お賽銭入れていきなさいよ」

「あぁ、分かってるさ。じゃあ、頼んだぞ霊夢」

 

慧音は安心したようにその席を立った。

それと同時に、神社の廊下の方からトタトタと足音が聞こえた。

 

「あの〜、お茶入りました〜」

 

ユウが淹れたてのお茶を持ってきたのだ。

 

「あぁ、ありがとう。ユウ。……………ん、美味しいな」

「えへへ……ありがとう」

「あぁ。じゃあ、私達はもうちょっと話す事があるから、ちょっとどこかで遊んでてくれないか?」

「うん、分かった!」

 

そう言うとユウは元気に裏庭へと向かった。

最近、ユウに妖怪の友達ができたという。ユウはその妖怪達とほぼ毎日遊んでいた。

ユウが遠く離れたところに行くと、慧音は霊夢に向き合った。

 

「あの子……何があったんだ?」

「………」

 

慧音は真剣に霊夢に問うた。

慧音の能力、それは『歴史を食べる、隠す程度の能力』。

その応用で、はっきりとした事までは分からないが、対象の過去を覗くことができる。

さっき、慧音はユウの過去に何とは分からないが、黒く、赤い何かを感じ取っていた。

 

「なぁ、答えてくれ、霊夢。私なら仕事柄、何か助けになれるかもしれない」

「………無理よ」

 

霊夢は少し考えた後、ため息混じりに答えた。

 

「………なぜだ?」

「私自身、ユウに何があったのかわからないからよ」

「わからない?」

「えぇ、それを見つける為にココにユウを置いてるのよ。まだ何も分かってないけどね」

「……そうか」

 

慧音は視線を落とし、ユウに手渡された湯飲みをみる。

すると突然、霊夢が口を開いた。

 

「……………化け物」

「え?」

「ユウよ。あの子、外の世界で化け物って呼ばれてたらしいの。ユウっていう名前だって、私が付けたものだし」

「……化け物、か。あの子が何かするようには思えないがな」

「ええ。むしろ優しくて、好かれてなきゃおかしいわよ。外の人間はあの子の何が気に食わなかったのかしらね」

 

その後しばらく沈黙が流れた。

静かになった居間では、遠くで遊ぶ妖怪達とユウのはしゃぎ声が聴こえる。

 

「さて、私はもう行くよ。じゃあな、霊夢」

「ええ、またね。お賽銭、忘れるんじゃないわよ」

「分かってるって」

 

そして慧音は博麗神社を後にした。

 

 

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夜。

ユウは何やら用事をしている霊夢を見つけた。

 

「(何してるんだろう…………あれは……お札かな?)」

 

ユウは不思議がるのと同時に興味津々だった。

何か面白いことが起こる、そんな予感がしていた。

ユウは色々と思考を巡らしてみるが、当然ながらさっぱり分からない。

 

「…………よし。こんなもんでいいかしらね」

 

そう言うと霊夢は神社の脇の方にある森へと入っていった。

 

「(………よし!)」

 

ユウはコッソリと霊夢の後をつけていった。

 

 

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「(………なにか、つけてきてるわね)」

 

霊夢は後ろにいる何者かの気配を感じ取っていた。

 

「(妖怪かしら? 危害を加えることは無いだろうけど……鬱陶しいわね、軽く注意しますか)」

 

そして霊夢は木を利用して隠れる。

後ろにいたものが急いでこちらにやってくる。

そしてそれが横切る瞬間。霊夢は足を出した。

 

「うわっ⁉︎」

 

そしてついさっきまで霊夢をつけていたもの、ユウが盛大に転んだ。

 

「って、ユウ⁉︎」

「あ、あはは……霊夢さん……」

「なんでこんなところにいるの⁉︎」

「え、えっと………」

 

そしてユウはこれまでの経緯を全て話した。

そして話し終わったあと、ユウの頭頂部にげんこつが落ちる。

 

「いでッ‼︎⁇」

「……………はぁ」

 

霊夢は盛大にため息をついた。

まさかこんな事になるとは思わなかったからだ。

 

「分かったわよ。じゃあ、絶対に私から離れないこと。これだけは守って」

 

ユウはその言葉にコクンをうなづいた。涙目になって。

そして二人は再び妖怪探しに歩くのだった。

 

 

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「へぇ。じゃあ、霊夢はその妖怪を倒しに行くの?」

「まぁ、そんなとこよ」

 

霊夢はここまでの道中、大雑把に目的を話した。

ユウは目を輝かせてあっちを見たりこっちを見たりしてる。

 

10分後、ユウが声を上げた。

 

「あ、あそこ!」

「え?」

 

ユウが指を指す先。そこには一体の妖怪がいた。

 

「僕の友達なんだ! おーい!」

「あ、待ちなさい!」

 

ユウがその妖怪のところへ駆け寄る。

霊夢は慌てて追いかけた。

次の瞬間。巨大な何かが横からユウに迫る。

木々が邪魔して見えなかったのだ。

そして巨大なソレがユウに当たり、ユウは横に弾けとぶ。

 

「…………え?」

 

一瞬の出来事だった。

ユウが弾け飛んだ先には、血を流し、倒れて動かないユウと一本の折れた木だった。

 

「ユウ!」

 

霊夢はその場に行こうとした。

しかし、

 

ガキンッ!

 

「…………!」

 

霊夢の体は動かなくなった。

まるで動画を一時停止させたように、走るフォームをしつつ、指一本動かないのだ。

そして、森の奥でソレは嗤った。

 

「ゲギャギャギャギャギャ! 美味しそうな人間が捕まったなぁ」

「……! アンタ………!」

「んん? なんだい?何処かであったかぁ?」

「……アンタでしょ。ここ最近人里の人間襲ったの」

「あぁ、そうさ。腹が減ってたんでなぁ」

 

そして妖怪はまた嗤う。

その間にも霊夢は必死に動こうとしていた。

 

「ヒヒッ、無駄だよ無駄。俺には『封じる程度の能力』がある。お前がどう足掻こうと無駄さぁ」

「………くッ」

 

霊夢は『あらゆるものから浮く程度の能力』がある。

それはつまり、この世の『理』さえからも浮けることを示唆している。

 

「(……コイツ、私の能力まで………)」

 

しかし、巨大な妖怪は霊夢の能力でさえも『封じていた』。

 

「じゃあ、いただきまぁ〜す」

 

迫り来る妖怪。霊夢目を閉じた。

 

「……ギャンッ‼︎」

 

しかし、妖怪が霊夢にたどり着くことはなかった。

 

「(……え?)」

 

霊夢は恐る恐る目を開ける。

霊夢の目の前には、あの白い仮面を付けたユウが立っていた。




はい。いかがだったでしょうか^_^
次回はちょっとシリアスになるかも。
では、また次回!

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