すみません! 遅くなってしまいました……
ここのところ超絶忙しくて、なかなか執筆できないのです。ごめんなさい。
次もいつになるか分かりません。ご了承ください。
では、本編です。異変ないと書くの難しい……やはりまだまだ精進できていないようで。
今回もオリキャラ出てきます。すみませんね、オリキャラ多くて。
「いいぞ、もっとやれ」
という方は京都旅をしてから本文に進んでください。
「で? ユウ、それどうするの」
「え?」
朝食を食べ終わったころ。霊夢はユウを指さしそう言った。
それ、とは言わずもがなコスプレグッズの事である。
小悪魔特製のそのグッズは魔法が付いている超ハイスペックグッズであるからして、先ほどのような『元々ない部分のために感覚が鋭くなっている』というような、ユウにとっては堪ったものではない現象が多発するのだ。
「私はそのままでもいいと思うぜ?」
「右に同じ」
「それじゃユウが困るの。あんたらの意見は聞いてない」
すっかり保護者になってるなぁ、とうっすら思う魔理沙。ついちょっと前までは何事にも興味を示さない鋼の巫女だったのにと、親友ながら嬉しく思っていた。ちなみに、裡沙の方はというと、姉の立場に危機感を覚え、体をワナワナさせているが誰も気づかなかった。
「えっと、紅魔館に行って取ってもらいたい、かな…」
「よし決まり。じゃあ、今すぐ行くからさっさと用意しなさい」
ユウの返事が聞こえた霊夢は即座にガタッと立ち上がり居間を出る。
そのあまりにも早すぎる行動に全員、間の抜けた表情になる。
「え、え、え!? 今から!?」
「ええそうよ、外したいんでしょ? それ」
「え、まぁ、うんそうだけど…」
「じゃあさっさと行く。今日はやることないんだから行ける時に行っときましょ」
「「……お母さん…?」」
魔理沙と理沙が意味不明な反応を見せるが、霊夢は当然無視。
霊夢はスタコラサッサとその場から離れてしまった。
「(結界の確認とか、面倒臭い。紫が来る前に逃げなきゃね)」
そんなことを考えながら。
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人里。
それは、日人間が集まって集落を作り妖怪から避けるための、いわば人間安住の地である。
しかし、所詮は人間などと言うとアレだが、頻繁に妖怪やら魔物やらが侵入してくるようじゃ安住の土地は守ることができない。また、件の異変、『鬱病異変』のよう攻め方をされてしまっては手も足も、何もかもが出なくなってしまう。
まだ人里ができたばかりだった頃、彼らはこの問題に常に頭を抱え、腕を組んで考えていた。もし妖怪が徒党を組んで襲ってきたならば、博麗の巫女だけでは当然手が回らない。彼女らとて、一人の人間なのだから限度はあった。それに、博麗神社は知っての通り山の頂上に位置している。もちろんそれは人里の全体を見下ろすためにあったのだが、博麗の巫女がそれに気付き山を下ってから戦うようじゃ当然遅い。もういっそ、この里を捨てて神社の近くに移住しないかと考える者もあらわれた。
そんな時だった。かの獣人、ワーハクタク上白沢慧音が現れたのは。最初は非難する者が大多数だった。人里に妖怪を入れるとは何事か、どうせこいつも目的は我々だ。中には討とうとするものまで現れた。しかし、慧音は歴史を弄ることで人里を守り、多くの人とコミュニケーションをとることで徐々に信頼を勝ち取っていったのだ。もちろん、それだけでは彼女を敵視する目は完全に消えることは無かった。そこで彼女は現代で言うところの学校、『寺子屋』を開いたのだ。そのことにより敵視する者はいなくなり、上白沢慧音はめでたく人里の一員として皆に受け入れられたのだ。そして、人里は妖怪に襲われる心配がなくなり安心して仕事に勤しみ夜も眠れるようになった。
そして長い月日がたった今、人里は活気にあふれ多種多様な人で埋め尽くされていた。
さて。
これまで人里について長ったらしく解説していたわけなのだが、つまり何が言いたいのかというと。
本当に多種多様な人々いて。そんな中を、突然見知った男の子が犬人になって歩いているわけで。
「「「「「「「「「「………」」」」」」」」」」
「うぅ……」
現在、空を飛べない為に歩いて紅魔館に向かっているユウは、多くの人から視線を浴びていた。
それには、霊夢の思惑にも原因があった。
「(ユウには申し訳ないけど、飛んでいくわけにはいかないのよね……たっぷり時間かけなきゃ……ついでに寄り道もしないとね)」
並んで歩いているユウをちらりと見る。
周りの人から色んな意味で熱い視線を受けているのか、全身を赤らめ霊夢の巫女服をギュっと握り込んでいる。尻尾もプルプルと震えているようだ。
「でも、結界の見直しにはいきたくないのよね……」
「…え?」
「なんでもないわ。それより、ユウ。少し寄り道しない?」
「え? いや、紅魔館に……」
「はいはいいくわよー」
霊夢は傍にある団子屋に強引にユウを連れ込む。
周りからは恨みの声やら黄色い歓声が聞こえてくるが、おかまいなしだ。
店に入ると女性店員が顔をのぞかせた。
「いらっしゃ―――」
ピタッ、と。
女性店員の動きとセリフが止まる。
ユウが首をかしげていると、さっきの時間はなかったかのように言い直した。
「――いらっしゃいませ! 二名様ですか?」
「ええ。醤油ダレを五本ずつ頂戴」
「かしこまりました! てんちょー醤油十本ー!」
「ういーっす」
女性店員は店の奥に引っ込み、二人は適当な席に座る。
そして出された団子を、霊夢はゆーーーっくりと食べようと決めたのだった。
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私の名前は、古沢春。春と書いて『おはる』と読む。
団子屋『みるべえ』で働くただの人間なのである。
父と母も働いていて、それを見つつ家でゴロゴロしている時に「働くってなんだろなぁ」と考えていたのだが、ふと思い立ったのが私の人生の分かれ道だった。
そう、働きたい、と。
両親に軽いノリで「私、働く」といった日の晩御飯はなぜか超豪華になっていた。我が家にはそんなものを用意するお金なぞ無いと知っていたのだが、父は泣きながら買い出しに、母は踊りながら料理を作っていたのを覚えている。
そしてここ『みるべえ』で面接をしたところ、店長であるおっさんが即採用してくれた。
こうして私、春はめでたくここの正式な店員となったわけでありまして。
「なんだ、結構楽しいじゃん」と思えるようにもなってきて。
この仕事にも慣れたもんになって来た頃、あの子が来た。あの、犬の耳を生やした男の子が。
「かしこまりました! てんちょー醤油十本ー!」
父さん、母さん。団子屋に勤めて三か月が経ちます。
変な異変もあって、いろいろ心配しましたが楽しくやれています。そして何より――
今、この瞬間、古沢春は最高にハイってやつです!
「カメラカメラ! あの人からもらったカメラってどこだっけ!?」
「ちょ、ま、春! 落ち着けカメラが厨房にあるわけないだろってああ! 焦げちまう!」
はい、いかがでしたでしょうか。
突然何かに目覚めることってありますよね。私は最近FPSに目覚めました。
おもしろいですよね、アレ。
さて、前書きでも前述したとおり、次はいつになるか分かりません。
できればいつも通り二週間後に出したいのですが…頑張ります。
ではでは、また次回お会いしましょう。