やっぱり揃えたかったです。ハイ。
二週間に一回ペースがやっぱりベストですかね。私の気持ち的に。
では、大宴会編二回目でございます。
今回はユウが大変なことになっちゃいます。
「いいぞ、もっとやれ」
という方はカラオケに行ってから本文へお進み下さい。
紅魔組から解放され、歩き回っていたユウ。
知らない人が多いため、話しかけようにもなかなか出来ずにいた。
その時、突然手を引っ張られてしまう。
「うわぁ!?」
そのまま倒れ込むと柔らかいものに着地。
恐る恐る視線を上げてみるとそこには、ピンク色の髪をした女性がこちらをのぞき込んでいた。
「貴女がユウ君ね、初めまして~」
「は、初めまして……」
ふんわりとした表情で覗き込まれ、ユウは少し視線を逸らす。
逸らした先には、緑色の服を着た銀髪の少女が正座をして座っていた。
「私は西行寺幽々子っていうのよ。あの子は魂魄妖夢。よろしくね~」
「こ、こちらこそよろしくお願いします……」
挨拶のために逸らしていた目線を元に戻して二人の顔を見るユウ。
その二人はお決まりのごとく美人さんで、挨拶直後にまたしても目を泳がしてしまう。
泳がしていると不意に白くて何かフワフワしてるものを発見する。
「あぁ、あれね。あれは妖夢の魂なのよ」
「た…魂?」
「わたしは、半分が人間で半分が幽霊の、いわば半人半霊なんです。これは、その幽霊の部分ですね」
「そ、そうなんですか……」
色んな人がいるんだなぁ、と理解できないなりにも思うユウ。
するとそこで、今の自分の体制にふと気が付いた。
「えっと……あの……」
「ん? なぁに?」
「このままもあれなので、座らせてもらってもいいですか……?」
そう、ユウは今絶賛膝枕され中なのだ。
倒れ込んだ時とは大分体勢が違うのだが、それは一体なぜなのだろうか。
「あら? 膝枕嫌いなの?」
「そういうわけじゃないんですけどッ! なんか……恥ずかしいと言いますか……」
「大丈夫よ~誰も気にしないから」
「僕が気にするんですけども……」
「我慢しなさい。男の子でしょ?」
「えぇ……」
いつの間にやら膝枕をされていたユウは羞恥心で顔を赤くしてしまう。
その反応を見て幽々子はふんわりと微笑んだ。
「それにしてもおかしいわね~」
「ひぅッ!?」
幽々子はそういうとユウの頭を撫でた。
正確には、ユウの頭についている『モノ』をだが。
「人間の子供って聞いていたのだけど、なんでここに犬耳なんてあるのかしら」
「ひゃうッ!?」
現在、ユウの頭には犬耳がくっついていた。
さらに、
「ちゃんと感覚もあるみたいだし……妖夢、そっちも確かめてみて」
「はい」
「ひゃうぅ!!??」
ユウの腰からは尻尾がくっついてる。しかも、しっかり感覚まであるらしい。
傍から見れば、犬人としか思えないような格好をしていた。
こうなってしまったのは、一時間前の事が原因になる。
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「ん………」
「あ! 起きましたよ咲夜さん!」
「……そうね」
美女に囲まれて目を回し気絶してしまったユウ。
その眠りから覚め、目を開けた。
「大丈夫? ユウ」
「フラン……?」
そしてそこには散歩から帰って来たフランもいたのだ。
よく見れば、理沙とレミリアも帰ってきている。
どうやら、同じ『姉』という立場で二人の会話には花が咲き乱れたらしい、すっかり仲良くなっているように見える。
「(……ん?)」
突然、ユウにもぞもぞするような感覚が頭に走った。
アクは現在、どこかで寝ているはずだからいないはずなのに……と手を頭に乗せる。
モフッ
「……え?」
「「「………」」」
「「………」」
なぜだろうか、自分の頭に何かある。しかもなぜか感覚がある。
しかも何故か咲夜、レミリア、美鈴が妙な目をしてこちらを見ている。
理沙姉とフランは目をキラキラさせてこっちを見ているし、というか気が付けば全員に注目されている。
すると、小悪魔がイイ笑顔で鏡をこちらに向けてきた。
ピコピコ
………犬耳があった。
それはもう立派な犬耳でユウの頭に違和感なく乗っかっている。
「……え?」
思考停止。
ユウの頭は予想外の事にフリーズした。そして、数秒後。
「ええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
大絶叫。
皆の視線の意味が分かると同時にパニックに陥ってしまった。
「え!? えぇ!? 何これ!!??」
「私特製のゆう君専用コスプレアイテムです」
「どういうこと!?」
「いやー、前からゆう君犬みたいでかわいいな~って思ってたんですよね~」
「いやだからどういうこと!?」
「ユウ、似合ってるよ!」
「フランまでどういうことなの!?」
簡単な話、ユウの気絶中に小悪魔が密かに作っていたコスプレグッズを装着させられていたということ。感覚がリンクしているのはパチュリーの魔導書を参考にしたらしい。
「それにほら、尻尾も」
「え、あ! ホントだ!」
「いやー、やっぱり獣人ショタは萌えますよね~」
「どういうことなの!?」
満足げな顔で凝視……というよりかは視姦している小悪魔に寒気が走るユウ。
思わず身を両腕で庇ってしまい、後ずさってしまう。そしてその背後には黒い影。
「とーーう!」
「へ? ひゃッ!?」
黒いの正体はフランだった。ユウはフランに思いっきり後ろから抱き着かれてしまった。
その拍子でうつ伏せに倒れてしまう。その上にはフランがいる。
そしてフランはユウについている犬耳を撫で始めた。
「えへへ~、フワフワだ~」
「フ、フラン!? ちょ、やめ、ひぅッ!?」
「あ、感覚はリンクしてますよ。触り慣れてない場所なので結構敏感になってるかも」
そんな言葉はもはや、ユウの耳には入っておらず、よくわからない感覚に悶えるばかりだった。
「こ、小悪魔……さんっ……外して……くださ……」
「因みに尻尾は感情に合わせて動くようになっています」
「あ……あのっ!」
「妹様、そろそろお止めになられた方がよろしいかと」
「えー? 触ってて気持ちいよ?」
「た、助けッ……!」
「ですが、ユウがまた気絶しますよ?」
「むー、分かったよ」
「……」
そういってフランは素直に離れた。
そして残ったのは、一言も発さず顔を紅潮させプルプルと震えるユウの姿。
「(あっ、これダメなやつだ)」
誰かがそう思った。
未だ動けずにいるユウのもとに美鈴が駆け寄りユウの頭をそっと撫でる。
「よしよし、怖かったね」
「め、美鈴ざ~ん……グズッ」
よくわからない感覚が怖かったのが美鈴に泣きついてしまうユウ。
美鈴の温かさが安心できて、何よりも嬉しかったのだ。
泣きつくユウを優しくあやす美鈴。そんな母子を思い起こさせるような光景に周りにいた者達はというと
フ「(あ、尻尾動いてる)」
裡「(やっぱ変わってないわね~)」
咲「(ほんとに動くのねあの尻尾)」
小「(かわいいですね~)」
レ「(………)」
総じて尻尾に着目していた。
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そして現在。
「あ、幽々子様。これ、作り物です」
「そうだったのね~。でも、感覚はあるのね」
「魔法道具の類かと思われます、幽々子様」
「パチュリーあたりかしら? にしても、モフモフしてて気持ちいいわねー」
「ひゃッ! ちょ、尻尾も……ひゃうぅ!」
「あら可愛い。しばらく続けましょうか。妖夢、尻尾をお願いね」
「……わかりました」
「やめてぇぇぇ!!!」
ユウは再び生命の危機に瀕していた。
はい、いかがでしたでしょうか。
これがやりたかっただけです。はい。
今回はユウ、叫んでばっかしでしたね。嬌声もなかなか多めで……ムフ
この大宴会の中はずっと犬人状態でいてもらいましょうかね(笑)
次回は白玉楼組とです。まぁ、ある意味生きてればね………
では、また次回。