東方少年呪   作:CAKE

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はい、どうも。CAKEです。
これを書いて気づいた。
ああ、僕って文才無いんだなと。気づくの遅いね。
さて、今回は前回の伏線回収してから宴会パートです。
多分相当読みにくいと思うけど……だいじょうぶだよねッ!
「いいぞ、もっとやれ」
というかたはお酒飲んでから本文へお進みください。


EP,26 【ユウと大宴会(紅)】

シャリーを封印し、彼が起こした『鬱病異変』が収束。そしてその宴会が始まる前の事。

要するに、紫が霊夢に引きずられた時である。

 

「……で、アレはどういう意味」

「アレって?」

 

別室にて、霊夢は紫に質問をぶつけていた。

紫のリアクションを見て、本当にこのスキマは分からないようだと察する。

 

「ほら、アレよ」

「だからアレってなによ」

 

本当に分からないようだ。

ため息交じりに霊夢はアレの内容を話した。

 

「初めて会うってどういうことなの」

「……あーそれね」

 

幻想入りをする方法はおおよそ二つだ。一つは八雲紫の『境界を操る程度の能力』によって生まれる『スキマ』を通じて幻想入り。そしてもう一つは偶然的な何かがいくつも重なり奇跡的な幻想入り。その代表例が東風谷早苗とその一家である。早苗の持つ『奇跡を起こす程度の能力』で文字通り奇跡的に幻想入りをした(勿論彼女たちは狙って奇跡を起こしたのだが)。じつは、なぜか最近では外来人が急激に増加しあっちやこっちで面倒ごとを起こしたりしているらしい。このことを受け、幻想郷を取り囲む結界が強化され、今ではこの奇跡的な方法はあり得ないものになっている。

よって、幻想入りするのならば『スキマ』を通るしか、今は方法はない。だが、これならば紫が引き入れるため、『初めて会う』というのはあり得ないのだ。

 

「まさか、また結界に綻びが?」

「いや、それはないわね。異変の最中ずっと結界を全部精密に調べたけど、どこにも綻びなんてなかったわ」

「あー、だから異変中現れなかったのね。じゃ、なんであの二人はここにいるのよ」

「分からないわよ。まったく見当つかないわ。ただ……」

 

ただ?、と霊夢がその先を促す。

 

「あの二人、もうゆう君の方はもう薄れてるけど『スキマ』を通った跡があったのよ」

「はぁ? アンタが連れ込んだわけじゃないんでしょ? ならなんで」

「だから、分からないわよ。今藍が調査中だから待ってなさい」

 

霊夢は顎に手を添えて考える。

 

「(ユウの能力? いやでも……あり得なくはないけど……)」

 

ユウの能力が『能力を受け付けない程度の能力』ではないことには霊夢も薄々気が付いていた。まだ断定はできないが、そのような能力ではないはずだ。

少しとらえ方がぶれているのか、はたまた全く違っているのか―――

と、ここまで考えたところで思考を中断する。

そろそろ『おまけ』を紫に渡さなくては。

逃げようとする紫を捕まえ、イイ笑顔で言った。

 

「そういえば、私の出番をよく奪ってくれたわねぇ紫?」

「え……あ……あれはちょっとした出来心で……」

「はいはい夢想封印夢想封印」

「いやあああああああああ!!」

 

 

 

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宴会も進み、夜になって来た頃。

昼までは種族上来ることが難しい方々が入場した。

それを見て、洩矢組に撫で繰り回されていたユウが立ち上がりその人たちの元へ元気に駆け寄った。

 

「あ! フラン!」

「ユウ!」

 

紅魔組のみなさんだ。他にもぞろぞろと性質上夜しか来れない妖怪が乱入してくる。

これにより、ただでさえギュウギュウ詰めな境内がさらにギュウギュウ詰めになった。

 

「元気そうで何よりね、ユウ」

「あ、レミリアさん、お久しぶりです」

 

そこにはもちろん、レミリア、咲夜、美鈴、パチュリー、小悪魔も一緒だ。

今回の異変は大きいだけあって、主要人物が全員大集結している。

 

「大変だったみたいじゃない。大丈夫だったの?」

「はい。怪我とかしてないので大丈夫ですよ」

 

あははと笑うユウに微笑むレミリア。

今日はいつにも増してカリスマがあふれていた。

ユウは、フランと一緒に紅魔組と移動する。着いたのは神社の縁側だ。

 

「ユウはお酒飲めないんだったわね」

「あ、あはは……すいません」

 

以前、勇儀にお酒を飲まされた時に昏睡状態になってしまったユウ。

あの時のお酒は相当度が強いものだったせいか、ギリギリでセウトだった。

 

「貴女も来なさい」

 

突然レミリアが誰かを呼ぶ。

レミリアの視線の先から現れたのは、ユウの義姉の理沙だった。

 

「私もいいんですか?」

「ええもちろん。あなたに興味があるのよ」

「私、周り見てくる!」

「ええ、フラン。いってらっしゃい」

 

やったーー!とフランはピューーとどこかへ行ってしまった。

 

「咲夜、ユウの面倒見てあげて。私はこの子と話すから」

「かしこまりました」

「私もちょっと行ってくるわ。あの白黒から本を取り返さなくちゃいけないから」

「あ、じゃあわたしも」

「小悪魔は残ってていいわよ。そんなに人はいらないし」

「そうですか……」

 

そういうと、レミリアは理沙を連れてどこかへ行き、パチュリーは魔理沙の捜索を開始した。

残ったのは、咲夜、美鈴、小悪魔、そしてユウ。そして各自縁側に座る。

ここで少し想像してほしい。ユウは人見知りで、年もまだ浅い少年である。そこに桁外れの別嬪さんが三人もいるのだ。羨ましいとしか思えないシチュエーションにユウが若干だが困惑している。

さらに、位置が悪い。悪すぎる。いつかのように小悪魔の上にユウが座り、隣に美鈴がいる。極めつけは咲夜は正面に立っており、もう視線の逃げ場が無い。

しかも小悪魔は現在進行形でユウを撫でている。ユウの神経はゴリゴリ削られていた。

ユウもこうなるとは微塵も考えておらず、困惑が風船のようにどんどん大きくなる。

このままでは破裂しかねない。ユウは焦りで、せめてもの小悪魔からの脱出を試みる。

しかし、かわいい系男子に目がない小悪魔は勿論それを認めない。

 

「えへへ~」

「こ、小悪魔さん!?」

 

頭なでなでを中止し、脇に手を入れガッチリとホールドする。

ユウの困惑の風船に送り込まれる空気のペースが上がる。

わたわたしだすユウだが、その姿も小悪魔にはかわいいものとして見えた。

 

「こら、小悪魔。いいかげんにしなさい」

「えー、いいじゃないですか咲夜さ~ん」

「まったく……」

 

咲夜も諦めてしまったようで、美鈴は隣で微笑ましそうに見ているだけ。

どうやら助けは来ないようだ。ユウは覚悟を決め、おとなしくすることにした。

 

「どうぞ、これなら飲めますよね?」

「あ、ありがとうございます……」

 

ユウは咲夜から渡されたアップルジュースを受け取り、飲む。

ほのかな甘みと冷たいジュースのおかげで、困惑の風船はどんどんしぼんでいく。

 

「もー咲夜さんったらここでも敬語にしちゃって~今ぐらいは普通に話したら?」

「美鈴、あなたもう酔ってるわね?」

「酔ってないわよ。もっとこう、ラフな感じで! そっちの方がユウ君も安心できるでしょ? ね~ユウ君?」

「え、えっと……」

「ほら、ユウ君もそれがいいって言ってるじゃない」

「言ってないわよ……はぁ、分かったわよ。これでいいんでしょ?」

 

どんどんユウを置き去りにして話が展開されていく。

しぼみかけていた風船はまたしても膨らんでいった。

すると、不意に美鈴がユウの頭を撫でだす。少しお酒臭いところを見ると、若干酔っているようだ。

それによって一気に風船が膨張。どんどんユウが赤くなりだす。

 

「いやー、ゆう君の髪ってモフモフしてますね~」

「ぁぅ……」

 

想像してみて欲しい。

後ろに美少女(悪魔)、そして美少女(妖怪)に撫でられ、そして目を逸らそうにも待ち構えているのはやはり美少女(人間)。高校生の紳士ならどうするかわからない状況に、人見知りなショタが放り込まれているのだ。

見事にユウの意識の風船は破裂し、バタンキュ~と後ろ向きにポフッと倒れた。




はい、いかがでしたでしょうか。
羨ましいですね。いやもうホントに。
まぁ、僕だったら恐らく(自主規制)してますね。間違いなく。
ちなみにこれで薄い本を脳内で作っちゃった人は末期です。残念でした。
では、次回またお会いしましょう。ではでは。

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