東方少年呪   作:CAKE

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はい、どうも。CAKEです。
今回で戦闘回は終わりとなります。
地味にこの投稿ペースはキッツイものがありました。
じゃ、ちゃちゃっとやりますか!
「いいぞ、もっとやれ」
というかたは空を飛びながら本文へお進みください。


EP,24 【そして終戦へ】

戦闘は、幽香が参戦してから酷いものになった。

一方的ないじめである。

幽香の圧倒的な戦闘力や戦闘経験の前に、シャリーにはもはや攻撃する暇さえなかった。

攻撃しようとした瞬間に殺られる。しかも、逃げることなど不可能。

幽香には逃がす気など毛頭ないし、ただ目の前の『調子に乗った雑魚』を倒すことしか考えていなかった。

“元祖『マスタースパーク』”。

それは、魔理沙の得意とする“恋符『マスタースパーク』”の原案となったスペルである。

しかし、魔理沙の持つものとはまるで別物。太さと当たった時のダメージが桁外れなのだ。

そんな代物が直撃などでもしたらシャリー程度では灰も残さないだろう。

それが、囲むように、追尾してくるように何発もシャリーめがけて飛んでくる。

 

「(無理ゲ―確定。あーあ、弾幕ごっこに抑えとけばよかった……)」

 

種をまいたのはシャリー自身。

今ここで「ごめんなさい」と言っても手遅れなのだ。

それを悟ったシャリーは地上へと急降下する。

それを幽香は見逃さない。すかさず極々太レーザーを飛ばす。

そしてそれが当たる瞬間、シャリ―は消える。自分の体を空間から空間へ移す瞬間移動だ。

しかし。

 

「待ってたわよ」

「うっわ………」

 

そこには、霊夢が待ち構えていた。

毎度おなじみ『博麗の勘』である。

 

霊夢が札を持ち上げ、シャリーは目を瞑る。

 

「封、印ッ!」

 

こうしてシャリーの体は封印され、『鬱病異変』は幕を閉じた。

 

 

 

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「いやー、何気にピンチだったな~今回の異変」

「そうね……厄介な相手だったわ」

「いいな~、私も乗り出したかったなぁ異変解決!」

「あんたは無理だったでしょ。病気にかかってたんだから」

「くぅ~~! それでもズルいんだぜ」

 

決戦の日から一週間が経った。

幻想郷はいつもの活気を取り戻し、日常の生活を送っていた。

シャリーが封印され、その直後に能力によって感染病にされた鬱病が瞬く間に回復していった。

中には鬱を拗らせるものもいたが、永琳が鬱にかかりながらも制作した活力剤で回復した。

 

 

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「霊夢――!!」

「ユウ!!」

 

異変解決直後。

ユウが霊夢のもとへと戻り、ユウは緊張の糸が切れたのか倒れ込むように眠ってしまった。

そしてユウと霊夢は博麗神社へと帰り、理沙ははそれに着いていったのだった。

そしてユウを布団に寝かせた後、霊夢は理沙の待つ居間に向かった。

 

「お茶、いる?」

「あ、はい。いただきます…」

 

神橋理沙。異変の時に幽香の家で見つけた少女。

そして、絶体絶命だった私を間一髪で助けてくれた人でもある。

 

「あ、あのっ!」

「…?」

 

お茶を受け取った理沙が、少し緊張しながら言う。

 

「ゆう君、何でここにいるんですか…?」

「ゆう君……ユウの事?」

 

理沙が黙って頷く。

どうやら、外の世界でのユウの事を知っているらしい。

軽い衝撃と驚きを感じながら、霊夢はその少女に質問した。

 

「あなた、ユウの事何か知ってるの?」

「は、はい………一応、弟だったので……」

「弟ッ!?」

 

衝撃の事実に霊夢は思わず身を乗り出してしまう。

それに理沙は慌てたように手を前にして言った。

 

「あぁ! でも、血が繋がっていたわけじゃないんですよ! なので義理の……という感じになり……ます」

「義理の……」

 

霊夢は体勢を直し、聞いた。

 

「ユウって……何があったの?」

「そ、それは……」

 

聞きたいのはユウが幻想入りした時のことだ。

ユウは目も当てられないような、酷い状態で幻想入りを果たした。

その理由が知りたかった、が

 

「………」

 

どうやら、この少女が話してくれそうにはない。

無理に話させる必要はない。霊夢は慌てて話を変えた。

 

「あぁ、辛いんだったらいいのよ。答えなくても」

「……すみません」

「じゃあ、ユウの事で知ってることとかあなたのこと教えてくれる? 例えば……名前とか」

「え?」

 

理沙が不思議そうな声を上げる。

 

「ゆう君の名前……知らないんですか?」

「あの子、ずっと『化け物』なんて呼ばれてたんでしょ?あの子も覚えてないみたいだし」

「だって……さっきから『ユウ』って……」

「それは適当につけた名前よ」

「………そう……か…」

 

理沙が考えるように視線を泳がせ、そして呟いた。

 

「どういうこと?」

「……ゆう君、私の事を覚えてなかったんです。だから……多分、記憶を失ってるんじゃないかって。多分あのとき…」

「あの時?」

「あ、いえ、何でもありません……えっと、名前でしたっけ。ゆう君の本名は日照優人っていうんです。私の自慢の弟分で、とっても優しい子なんですよ。それで……」

 

姉の弟自慢は、長く途絶えることは無かったと、後に霊夢はそう語ったという。

 

 

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「さて、そろそろかしらね」

「…? 何が?」

 

そして一週間が経った。

博麗神社では元々霊夢しかいなかったのがユウ、理沙が加わり(アクの事も加えるべきだろうか)一層にぎやかになった。

ユウが目を覚ました後、理沙と自己紹介を済ませた後、ユウは理沙に驚異的な速さで懐いた。

理沙は、変わらないなぁ、と目を細めて、その他一名と一匹は、警戒心がないのは大丈夫なのだろうか、と心配していた。

 

「異変解決後の恒例行事よ。本当は別のところでして欲しいんだけどねぇ……」

「「……?」」

 

ユウと理沙が揃って首をかしげる。

その見事なシンクロに霊夢は

 

「(やっぱり姉弟なのかしらねぇ……)」

 

なんてことを思いながら二人の疑問に答え……

 

「今回は大変だったからこっちも大変になるでしょうねぇ…」

 

……ずに、ちょっとした遊び心で二人の疑問を更に深くしてみる。

二人がうんうん唸ってるのを少し楽しみ、そして今度こそ疑問に答え……

 

「宴会よ。とびきり大きな……ね」

 

……られなかった。

 

「……ちょっと、とらないでよ。今回全然助けてくれなかったくせに」

「うふふ、なんの事かしらね~」

「はぁ、相変わらずね……紫」

 

唸っていた二人の前に突然『スキマ』が現れ、一人の少女が現れる。

二人の疑問が増えた決定的な瞬間だった。




はい、いかがでしたでしょうか。
やっぱり戦闘狂は相手にするべきじゃないですね。恐ろしい。
そして暴かれるユウの本名『日照優人(ヒテル ユウト)』。
でも、本文では『ユウ』もしくは『ゆう君』で書かせていただきます。
ベツニメンドウクサイワケジャナイデスヨホントデスカラネ。
では、次回は恐らく二週間後になります。
では、そういうことで、また次回。

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