東方少年呪   作:CAKE

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はい、どうも。CAKEです。
戦闘編だけ投稿は早め早めです。
だってみんな気になるもんね。
あ、そういえば僕誕生日なんですよ。嬉しや嬉しや。
では、前書きとかもういいのでちゃっちゃか本文に進みましょう!
「いいぞ、もっとやれ」
という方は実際に「いいぞ、もっとやれ」と音読してから本文へお進みください。


EP,21 【霊夢と5秒】

「はぁぁぁぁぁぁッッッ」

「うっそ……」

 

霊夢が全速力でシャリ―に突っ込む。

霊夢の予想通り、能力を並行使用した反動でシャリ―は能力を使えずにいた。

その長さはおおよそ5秒弱。霊夢は短い戦闘時間中に大体のチャージ時間を割り出していた。

霊夢が素早い動きで後ろに回り込む。

シャリーも何とかその動きに反応するが、そこは実戦経験の多い霊夢が上。

瞬発的に方向転換し、見事背後をとる。そのまま背中に重い一拳を食らわせた。

 

「ぐッ!」

 

―――1秒。

 

シャリ―にはある弱点があった。

それは特別な能力を持った者、または持っていた能力の本質に気付いた者に見られがちな弱点である。

そう、能力依存だ。

恐らくシャリーも能力の本質に気付く前はひたすら己を磨いたのだろう。

確かにその成果はこの戦闘で表れている。

しかし、本質に気付いた瞬間、シャリ―は能力を使った攻撃方法を編み出したのだろう。実際そうだった。

それ故、脇が甘い。

霊夢は空中で前転し、その勢いのままシャリ―を叩き落す。

 

―――2秒。

 

そのままシャリ―は高速落下し始める。

霊夢は少し顔をゆがめた。

 

「(硬い……ッ)」

 

博麗のお祓い棒は実はそこら辺にあるお祓い棒とは違う。

言ってみれば、妖怪に対しての最強兵器だ。

振るえば妖力が下がり、叩けばまるで自分の体重の10倍の重さの鉛を叩きつけられるような痛みが走り、突けば体を貫く槍となる。

しかも対戦相手の妖力に従いその力もパワーアップする。

まさに妖怪退治専用の最強武器である。

しかし、どうだ。

シャリ―はことごとく衝撃に耐えている。

ある時は拳で、ある時は腕で耐えがたいであろう痛みに耐えている。

 

「(また能力なのかは知らないけどッ!)」

 

霊夢がシャリ―を上回る速さで光速降下する。

シャリ―には恐らくお祓い棒が効かない。ならば。

霊夢がシャリーの背後に回り、そして

 

「ふんッ!」

「グッ!!」

 

蹴り上げた。シャリ―の背中から、ゴキッ、という嫌な音が鳴る。

そのままシャリ―は再び遥か上空へ。

 

―――3秒。

 

霊夢がシャリ―を追いかける。

 

「こんのッ!」

 

突如、シャリ―が無理やり体を捻じり、霊夢の方を向く。

そして、シャリーの手から、正確にはシャリ―の手の中にある1枚のカードから、幻想郷にはとても馴染み深いモノが出てきた。

 

 

   「移符『バイブレーション』!!!」

 

 

球型の青い妖力の塊、弾幕だ。

よく見れば弾一つ一つが震えるように細かく揺れている。

その震え方は千差万別で、ほぼ揺れていないのもあれば、もはや2つ3つに分裂しているように見えるものもある。

これも能力の賜物、それぞれの弾に能力をかけ、後はその弾自身が持つ妖力で自動的に能力が施行される。

その異質な弾幕に霊夢は目を細めるも、迷いなくスペルの渦中へと飛び込んだ。

 

 

―――4秒。

 

 

霊夢はその弾幕の中で広い空間を見つけ、そこで減速。

1枚のカードを取り出した。

その直後、ひときわ濃い弾幕の壁にぶつかってしまう。

 

「(くぅ……)」

 

不規則な弾の揺れに危うく当たりかけ、グレイズ数を重ねる。

直撃はしないものの、揺れのせいで弾が突然現れたかのように見え、回避できないのである。もはや、運任せに近い状態で、霊夢は前進していた。

時間はもうない。目の前にある青弾を無視し、叫んだ。

 

 

   「霊符『夢想封印』ッ!!」

 

 

―――5秒。

 

 

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「ゆう君どこーー!?」

 

裡沙は必死に叫んでいた。

その姿は凝視しないと見えない程『透けて』おり、たまたま通りかかったならば声だけが聞こえる霊的現象を体験することになるだろう。

彼女の体が透けているのは言うまでもなく、『能力』だ。

その名も、『透ける程度の能力』。

その効果は読んで字の如く、『透ける』のである。

そして能力を行使すれば、あらゆるものに当たらない。

体をすり抜けていくのである。イメージとしては、幽霊に近いだろう。

しかし、その副作用として体が透けてしまうのである。

特に害があるわけではないが、依然にこの姿を見られて大変な目にあった。

透けた体を見て驚かなかったのは、先ほどの霊夢という少女と『ゆう君』だけである。

 

「ゆうくーーーん!!」

 

叫ぶ。

しかし、どこで叫んでも返事はない。

やはり、ここら辺にはいないのか。そう諦めかけて、もう一度叫ぶ。

 

「ゆう君どこーー!?」

 

叫んだものの、帰ってくるのはシンとし静寂だけ。

ここにはいないと考え、別の場所に移ろうとしたその時、

 

 

 ドォォォンンン……

 

 

裡沙の目線の先の地面が盛り上がり、火山のように火柱が上がった。

 

 

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「ふぅ、危ない危ない」

「……」

 

霊夢がスペルを叫んだ。

その瞬間、青弾に囲まれた世界で赤弾が霊夢を中心に発射される。

また、それと同時に大量の札が出現。ターゲットめがけて飛んで行った。

霊夢はスペルを使った代償として大きな隙を生んでしまい、青弾に着弾してしまった。

一方、シャリ―は間一髪で能力を発動させ、瞬間移動を用いて回避。

霊夢の決死の五秒間は、あえなく失敗に終わってしまったのだ。

 

「にしても、一発しか当たってないのか…」

 

しかし、霊夢は最初の一発は当たってしまったものの、それだけだった。

霊夢は『博麗の勘』でそれを察知し、一寸のブレもなく弾が一つしか当たらない奇跡の位置でスペルを発動させたのだった。

ハイレベルな戦い。ここまで行きつくのにどれだけの修行が必要なのかと思わせるほどだった。

 

「さてと……まぁ焦ったけど、これで振り出し。次は全力で行くよ」

「……ええ、全力で相手をしてあげる!」

 

しかし、ここから戦局は一気に流れを変えた。

 

「まどろっこしい知恵比べは無しだ!妖怪らしく、力で叩き潰してやる!」

 

この瞬間、秩序が消えた。

 




はい、いかがでしたでしょうか。
やっぱり戦闘編だけは文字数少なくなっちゃいますね……
やはり、精進不足なのでしょう。うん。上達する気がしない。
では、次回も戦闘回なので早めにお届けします。
では、また次回会いましょう!

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