東方少年呪   作:CAKE

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はい、どうも。CAKEです。
今回はみんな大好きゆう○りんです。
ユウよ。頑張れ。
あと、今回は前回と比べて少なめです。
「いいぞ、もっとやれ」
という方は花を愛でてから本編へお進みください。


EP,17 【ユウと花】

「それに、テントウムシと将棋をしている貴方は誰かしら?」

 

僕はユウ。年齢は分からない。

そんな僕は今、霊夢の家である博麗神社という所に住ませてもらっている。

霊夢はすごい人で、空も飛べるし、優しい。

この前だって、僕のために色々な事を教えてもらった。

妖怪の事とか、異変の事とか、妖力や霊力といった力の事とか。

でも、僕には難しくて少ししか理解できなかった。そんな僕にも、きちんと教えてくれた。

空の飛び方も教えてくれたけど、僕には霊力が無くてできなかった。

 

………僕は誰に言ってるんだろう。

とにかく、一旦落ち着こう。いくらなんでも焦りすぎだぞ僕。

 

「ねえ? 大丈夫?」

「ひゃい⁉︎ 大丈夫です‼︎」

 

つまりどういうことかというと、霊夢のご指導によりそういう力をある程度感じられるようになった。

そして、今僕はとてつもなく巨大な妖力を目の当たりにしている。

レミリアさんの時も確かな妖力を感じ取れたのだが、その比じゃない。

ここまでくると恐怖を感じぜずにはいられなかった。

 

「そう。じゃ、貴方は誰かしら?」

「は、初めまして! ユウといいましゅッ⁉︎」

 

噛んだ。盛大に。スゴクイタイ。

口を押さえて僕はうずくまる。ハァ、と聞こえた気がするがそんな場合じゃない。

舌のジンジンが我慢できるまで痛みが引いたところで、女性の方を向いた。

涙目であまり姿は見えなかったけど。

 

「ユウね。私は風見幽香よ。それで、霊夢はいないのかしら?」

「えっと……はい。今は人里の方に行ってます」

 

そう、と幽香さんはため息まじりに言う。

 

「えっと……霊夢に何かあるんですか?」

「まぁね……」

 

幽香さんは、重〜くそう言う。

えっと、これってかなり重要なんじゃ……?

 

「最近、向日葵達の元気が無くてね……さらに私の調子も悪いし、何が起こってるのか聞きたかったのだけれど……」

「ひ、向日葵?」

 

向日葵って、あの黄色いお花だよね……?

向日葵の元気が無いってどういうことなんだろう。

試しに将棋の『歩』の上でとまっているアクに小声で聞いてみると、アクは右肩に乗った。右はそう、YESだ。

 

………本当にどういうことなのだろう?

確かにお花にも調子がいい時もあれば悪い時もあると思う。

でも、それを判断するというのはできるのかな?

 

「まぁ、また来るというのもアレだし、ちょっとここにいさせてもらうわね」

「あ、はい……」

 

僕がうんうん唸ってると幽香さんは神社の建物に入ってきた。

そして、靴を脱ぎながら幽香さんが、それに、と続ける。

 

「それに……?」

 

そして幽香さんは微笑んだ。

 

「貴方達の事が気になるからね」

 

ゾワリ。

何故だろう、恐怖が蘇った。

でも、流石にこのままじゃ失礼だ。

僕の落ち着かなきゃいけないし、お客さんが来たのならやることがある。

 

「ぉ、お茶入れてくるので今で待っててくださいッ!」

 

僕は巨大な妖力から逃げるように台所へと駆けたのだった。

 

 

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「うぅ〜また負けたぁ〜」

 

あれから一時間くらい経った。

霊夢はまだ帰ってきておらず、暇な時間ができてしまった。

そこでユウと幽香は近くにあったもので時間を潰すことにした。

 

「うふふ、私に勝とうなんて10年早いわよ?」

「うぅ〜〜……」

 

将棋だ。

お茶を持ってきたユウだが、初対面の二人というのもあって、案の定気まずいような雰囲気に。

内心おろおろしていたユウ。

何か無いかとキョロキョロしているとアクと勝負中だった将棋盤を発見。

「しょ、将棋やりませんか⁉︎」と言い、現在に至る。

で、 勝率はというと……

 

「はい、これで私が2勝0敗ね」

「む〜……」

 

アクは思う。ユウよ、弱すぎやしないか、と。

実は敗因は明確なのだ。実に手が読みやすい。

将棋というのは2手3手、人によっては10手先に読むゲームだ。

そしてユウはというと、1手先しか見ていないのだ。

だから非常に読みやすく、逆手にも取りやすい。

アクも将棋には疎かったのだが、言っちゃあアレなのだが、ユウ程度であれば楽々勝てた。まぁ、最初の一戦はアクもユウと同レベだったのだが。

 

そして始まる3回戦。

素人でもわかるユウの圧倒的劣勢。いつも通りの相棒の姿にアクは温かい目を送った。

 

その時だった。

アクを凄まじい疲労感が襲った。

やる気が起きず、何も無いのにため息をついてしまうようなダルさもある。

そして何より、正気がほぼ枯渇していた。

マズい。理由はわからないがマズい。

アクは渾身の力で飛ぶと、ユウの頭に潜り込んだ。

ユウはそれに気付かず、幽香との対局に夢中になっていた。

 

 

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「ユウ、貴方、花は好きかしら?」

「花、ですか?」

 

ユウの3連敗で終わった将棋の後、幽香は唐突にそう聞いた。

 

「うーん、好きですね。たまに友達が綺麗な花を見つけてとても喜んでたし、純粋に僕が花好きですし」

「そう」

 

幽香からの質問に正直に答えるユウ。

それを聞くとニッコリと幽香はわらった。

 

「じゃあ、これあげるわ。いい匂いだから嗅いでみなさいな」

「え? いいんですか?」

 

幽香が一本の花を取り出し、それをユウに向ける。

いいわよ、と幽香は言い、ユウにその花を手渡した。

そしてユウはその花の匂いを嗅ぐべく、顔を近づける。

 

「………」

「…………クスッ」

 

その10秒後、ユウは花を持ったまま、倒れていた。

 

 

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「ユウ! ユウ!」

 

しばらくして、霊夢は博麗神社に帰ってきた。

しかし、そこにユウの姿は無く、霊夢が境内の中をくまなく探しても見つかることはなかった。




はい。いかがだったでしょうか。
何があったんでしょう、怖いですね。
ここでベチャクチャ喋って今後の展開がばれてもアレなので締めますね。
では、また次回。

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