東方少年呪   作:CAKE

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お久しぶりです。CAKEです。
一か月ぶりです。すみません、この時期って何かと忙しいんです。
学末試験とか入学試験とか入社面接とか。
この通り、のんびり気ままに投稿していこうと思います。
さすがに一か月は長すぎたから………二週間に1,2話くらいのペースがいいかな。
「いいぞ、もっとやれ」
という方はPC眼鏡をかけて本文へお進みください。


EP,9 【・・の意識】

ソレは分かっていた。今の現状が絶望的であると。

ソレは分かっていた。何をやっても勝てない相手であると。

ソレは分かっていた。逃げることすら、出来ないと。

 

目の前の誰とも知らない少女がこの者の命を取ろうと様々な凶器で襲ってきていた。

爪、牙、拳、脚、光る弾。

どれをとってもこの者にとっては致命傷。

戦っても死、逃げても死。ならば、やることは一つ。

避け続ければいい。この者の脚や腕の耐久力が尽きるまで避け続ければいい。

そうしなければ、生き残れないのだから。

 

 

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場所は紅魔館内、レミリアの個室。

中には、霊夢とレミリアが紅いソファに向かい合わせになって座っていた。

部屋の中は相変わらず紅く、下手をしたら目を傷めるのではないかと思うほどだ。

この部屋で紅くないものと言えば、机、ベッド、そしてこの部屋の照明になっているシャンデリアぐらいだ。

 

「さて霊夢。どういうことかしら? あの子、全く運命が見えないし、弄れないわよ」

「私はあの子の能力が関係していると思うわ。『能力を受け付けない程度の能力』、とかね」

「能力を……受け付けない、ねぇ……」

「ん? どうしたの?」

「なんか、その、何か違うような気がするのよ。何とも言えないけどね」

「……そう」

 

腕を組み考え始めるレミリア。

実は霊夢もちょっとした違和感を感じていた。

もし『能力を受け付けない程度の能力』であることが事実ならばレミリアの能力が通じなかったことも納得できる。

咲夜との自己紹介を済ませた、というのも彼女の『時間を操る程度の能力』が効かず、ユウには咲夜と同じ世界が見えていたのだろう。突然霊夢が何も言わなくなり、動かなくなってさぞ慌てたことだろう。

しかし、これまでの生活で咲夜の能力を受けなかったのは……

その問いにレミリアが一つの仮説を立てた。

 

「もしその能力が正しいとすると、一定以上の距離離れると、その能力の対象外になるのでしょうね。ふふふ、また厄介な能力者が出てきたわねぇ」

 

能力を受け付けないとなると、ある程度の【能力】を持っている人物や妖怪はその力を封じられることになる。

その能力に頼ってばっかりの人間や妖怪には天敵となるだろう。

しかし……ユウの戦闘能力が著しく低い。

以前、博麗神社で弾幕について話をし、やらせたことがあるが、結果は惨敗。

弾幕も出せず、空も飛べない。

浮遊の練習中に必死にジャンプし、手をばたつかせる姿は、不覚にも霊夢を(何この子かわいい)と思わせるほどだった。

閑話休題。とにかく、戦闘力1未満のユウでは、そんな能力を持っていても、自衛ができないのである。

 

「それにしても霊夢、なぜあの子を貴女のところに置いてるのかしら?」

「あぁ、それは……」

 

と、またこの話かと思いつつ、説明を始めるのであった。

どこか、嫌な予感を感じながら。

 

 

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咲夜がお茶を取りに行ってから丁度15分。

咲やはフランの部屋の前でただ時計を見ていた。

 

「(まだ部屋から音が聞こえる……でも、もう限界ね)」

 

ユウがここに来る前、レミリアから課せられた仕事を思い出す。

 

 

「今から来る子をフランと二人きりにしなさい。限界だと思ったら中断しても構わないわ」

 

 

レミリアは最初からユウがどんな能力を持っているのか知っていた。

だから、こう考えたのだ。フランの暴走癖を止められると。

実際、フランと二人きりになって15分も生きていることが奇跡に近い。

しかし、徐々に小さくなってきている喧噪の音でこれ以上は厳しいと判断。

冷たいお茶を部屋の前のドアの前に置き、部屋に入る。

その手には、スタンガンが握られていた。これでフランを止めることができる。

 

咲夜ドアを開けると同時に能力で時を止める。

部屋の中には動かなくなったフランと、何故か白い仮面を付けたユウがいた。

ユウはただじっとフランの方を見つめている。

そのうちにフランに近づき、能力を解除。その次の瞬間。

 

バチィッ!!

 

フランの首筋にスタンガンが当てられ、一瞬でフランの意識を刈り取った。

 

「大丈夫ですか、ユウさん」

「………」

 

何も言わないユウ。

不思議に思い、ユウに近づくと

 

ドサァッッ

 

咲夜に身を預けるように倒れ込んだ。

 

「ユウさん!? 大丈夫ですか!?」

「ご………さい……」

 

そうつぶやき、ユウは気絶した。

 

「………!」

 

そして咲夜は気付いた。

腕と脚の筋肉や骨がボロボロになっていると。

急いでユウを安静な状態にし、仮面を外す。

そして咲夜が目にしたのは。

目を腫らして血の涙を流すユウの姿だった。




はい。如何だったでしょうか。
何とか生き残りました。しかし………
と気になる後書きでも書いておこうかな。
さて、多忙な時期が終わったので前書きの通り、二週間に1,2話ペースで行きたいと思います。今度から何かある場合はメッセージボックスにでも書いておくので、そちらをご覧ください。あと、必ず完走します。絶対です。
それと、弾幕ごっこ。安心してください!絶対描写いれるので!
では、また次回お会いしましょう。

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