行くでガンス!
フンガ〜!
まともに始めなさいよ!
PROLOGUE 【幻想入り】
「はあっ…はあっ……」
ただ、少年は走っていた。
ここがどこで、どこに向かっているのか。そんなことは、もう頭にはなかった。
『おい、あっちに行ったぞ!』
『追えッ! 追えぇぇッ!』
『化け物め! 殺してやる!』
逃げろ。それしか頭に無かった。
逃げろ。逃げろ。逃げろ。
どこまで走っても、この森の出口は見えそうに無かった。
少年は、泣いていた。恐怖、不安、そして精神の疲労。
その少年は泣いていた。走るため、生きるために振られているその手には、あるものが握られていた。
仮面だった。全てが白く塗られている所に、赤い液体が付着している。そして、右目の部分だけ穴が空いていた。
いつまで経っても振り切れない追っ手。
もう足からは血が流れており、肺も破れる寸前まで追いやられていた。
その時だった。
「うわぁっ!?」
突然、地面に穴が開き、少年は抗うこともできずそこに落ちていった。
『おい、どこいった!』
『消えた………』
『探せ! 探すんだ!』
その後も、結局追っ手は少年を見つけることができなかった。
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「さてと……掃除はこれくらいでいいかしらね」
その頃幻想郷、博麗霊夢はいつも通り朝の掃除を行っていた。
いつもと変わらぬ朝。しかしそれは、突然破られた。
上空から何かが落下。霊夢の目の前で静止した。
「え……」
それは人の形をしており、足は血や泥で汚れていた。
「子供………? 」
落ちてきたのは、見た目10歳の少年だった。整った顔立ちをしており、男の中では確実に「かわいい」の域に入るだろう。しかし、少年の顔や足、そして胴体は血で濡れており、既にボロボロとなっていた。
恐る恐る近づく霊夢。生きているのかも分からないので、とりあえず揺すってみる。
「う………………」
なんとか生きてはいるようだ。ならばするべき事は一つ。
「はぁ〜……面倒くさいわねぇ。でも、ほっとくわけにもいかないし、とりあえず保護しましょうかね。あと、医者も」
そして霊夢は少年を神社の中へと運び込んだ。
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「ん………………」
「あら、気が付いたかしら?」
しばらくして、少年が目を覚ました。そしてその顔を覗き込む霊夢。
そして、この状態のまま両者ともに固まった。
「ひっ…………」
「え?」
すると突然、少年は怯えるように顔を歪ませ、泣き目になってしまう。
キョトンとする霊夢。
その直後
「うわあああああああああああああああああああああッッッ!!」
「え、ちょ、待ちなさい!」
少年はすぐに立ち上がり霊夢から逃げ始めるのだった。
はい。どうだったでしょうか。
こんな感じのスタートでやっていこうと思います。
必ず完結させるので、ゆっくり気ままに待っていてください!
次回、【少年と名前】。お楽しみに!