踏み出す一歩   作:カシム0

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 長らく投稿できず申し訳ありませんでした。
 まだまだ定期的に更新できる状態にはありませんが、エタることはしないよう努力します。
 しかしながら、まだデートにたどり着かないと言う。
 いい加減に引き延ばしはいかんと思いますが、次回こそはデート本番ですので、はい。

 じゃあどうぞ。


 デートの前のあれこれ

 

 

 

 

 

 土曜日。午前中の予備校の講義を終えれば、午後からは留美とのデート(仮)である。最近勉強にかまけて運動不足ではあるからテニスをすることも、留美と遊ぶことも、まあ、面倒と思わないでもないが楽しみではある。

 ふと、奇妙な焦燥感にとらわれることがある。見えない何かに絡みつかれているというか、墓穴を掘りにいっているというか。これはなんなんだろうな。

 ともあれ、講義が終わり片づけている俺に話しかけてくるやつがいた。

 

「ねえ」

「ん?」

 

 振り向けば、川何とかさんこと川崎がいつもの不機嫌そうな顔でそこにいた。相変わらずスタイリッシュな服装である。

 そのつもりはないんだろうが、睨まれているようだ。ついついカバンの中の財布の位置を確認してしまう。今日は珍しく金は準備してきているが、留美とのデートのためのものだ。死守しなければなるまい。財布と別にポケットに入れておこうか。

 

「……なんか変なこと考えてない?」

「気のせいだろ」

 

 俺の身の回りの女性陣は皆が鋭い。俺が分かりやすすぎるのか。一層眉根を寄せる川崎。やめて、迫力ありすぎるから。

 

「で、どうした?」

「う。うん……あんた、このあと用事ある? もし無ければ、ちょっと付き合ってほしいとこあんだけど」

 

 頬をかき目を反らしながら言う川崎は、どこか照れくさそうに見えた。人を誘うのに勇気が必要なのはよくわかる。同じぼっちとしてその姿勢は称賛に値するが、今日はとにかく日が悪い。

 

「今日はちょっとあれなもんで」

「は?」

「ほら、中学生を遊びに連れて行かなきゃならないって、話したろ? あれ、今日なんだ」

「ああ、そっか……結局どこでデートするか決めたの?」

「駅前のスポーツセンターでテニス」

「へえ」

 

 断った時はジロっと睨まれた気がしたが、思い出してくれたようだ。しかし、川崎は美人なのに、常に不機嫌そうなのがもったいなく思える。にこにこしている川崎というのも想像つかないが。

 いつだったか、ネコミミメイドな川崎を見たことがあるような……あれは材木座の妄想だったか。

 

「まあ、そんなわけだ。付き合えなく悪いな」

「ああ、いや……大した用事じゃ、ないし」

 

 と川崎は言うが、本当かよと言いたい。なんだかションボリしている川崎を見ると罪悪感が湧いてくる。ペタリとした犬耳が見えるようだ。

 うーん、別にフォローをする必要があるわけじゃないんだが、何となく気まずい。誰が悪いわけでもないのに。

 川崎と並んで廊下を歩く。講義が終わったばかりだからか、エレベーターの前は非常に混んでいた。待っててもいいんだが、周りに話聞かれるのは嫌だしな。

 川崎に階段を指さす。なぜだか階段を使おうとするのがいないため、非常に空いていた。

 

「川崎、けーちゃん、元気か?」

「え? う、うん……元気、だけど」

「今度、会いに行ってもいいか?」

「だ、大丈夫。けーちゃんもあんたに会いたがってたし。多分、大志も喜ぶと思う」

「あ? 大志? 誰だっけ」

「は?」

 

 またまたギロリと睨まれるが、そんな名前のやつは知らん。頑張って総武高校に合格したようだが、俺の大事な小町に近づく羽虫の名前なんざ知らん。

 

「大志とは一度腰を落ち着けて話とかんといけない気がしていたしな。じゃあ、近いうちに」

「わかった。また声かけるから」

 

 しかしさすがのシスコン、ブラコンぶりだ。妹を持ち出せば機嫌がよくなった。弟を蔑ろにするとあっという間に機嫌が悪くなるが。

 けーちゃんをダシにした感は否めず、何か悪いことをしている気がしないでもないが、俺もあの可愛らしい幼女に久しぶりに会いたかったところではある。

 川崎と別れ予備校を出る。

 留美との待ち合わせは駅前で、それぞれに昼飯を食べてからの予定だ。しかし、テニスをするわけだから軽く腹を満たすくらいがちょうどいいだろう。

 となると、何を食べたものか。ハンバーガーは重いからドーナツくらいがちょうどいいか、と考えながら歩いていた俺だが、対向から歩いてくるとある女性たちを見て、方向転換をせざるをえなかった。いや、片方はいいんだけどな、片方は。

 しかしながら、人知れず路地に入ろうとした俺の肩を掴む手があった。

な、なにぃーー! この俺のステルスヒッキーを見破るとは何者だ! いや、わかっちゃいるんだけど。

 恐る恐る振り向いた俺の目の前に、超美人がにこやかな笑みを浮かべていた。怖えよ。

 

「ひっきがーやくーん? どうしてお姉さんから逃げようとするのかなー?」

 

 雪ノ下陽乃。今は国立理工系の大学に通っていたはずだが、その割にやたらと顔を出しては引っ掻き回していく非常に厄介な雪ノ下の姉である。

 美人で人当たりが良く、大平原の雪ノ下に比べ丘陵をお持ちである。細かい描写は省くが、今もそのご立派なものを俺に見せつけ、あまつさえ押し付けてくる。近い近いいい匂い柔らかい近い。

 

「あっ、比企谷くんだー。久しぶりだね」

 

 そんな陽乃さんの後ろからにこやかに手を振っているのが、ゆるふわの化身にして俺の知り合い連中一の癒し系である、総武高校前生徒会長城廻めぐり先輩だ。

 陽乃さんが在校中に文化祭実行委員長に就任していた際に仲良くなったらしいのだが、休みの日に一緒に出掛けるまで仲がいいとは思わなかった。誰と誰の仲が良くても俺には一切関係ないのだが、正直この二人は共通点が思いつかないし、仲がいい理由も想像つかん。性格も似ているところがあるようには思えんのだが、性格が似ているからと言って仲が良くなるわけでもないか。

 友達のいない俺からすれば誰かと仲良くする方法とか興味ないし、どうでもいいことだ。

 

「どうも、雪ノ下さん、城廻先輩」

「どこに行こうとしてたのかな?」

「いや、こっちに用事があっただけですよ」

「ふーん、この先にはお店なかったと思うけどなー」

 

 表面上にこやかな陽乃さんだが、だからこそ超怖え。美人が怒ると怖いとは言うが、そういう意味でもなくただ陽乃さんが怖い。

 

「比企谷くん、暇だよね。これからめぐりとお昼食べるから、比企谷くんも来なさい」

「いや、暇とか決めつけるのはいかがなものかと」

「違うの?」

 

 いつもなら間違いなく暇だが、今日ばかりは違う。できればこのままフェードアウトしたかったのだが。

 

「いいね、比企谷くん。一緒に食べようよ」

「……この後用事があるので、軽くなら」

「あはっ、比企谷くんとご飯なんて初めてだね」

 

 めぐり先輩お誘いはだめだった。俺の苦手な女性にして年上、しかも美人からのお誘いである。敵うはずもなかった。

 

 

 

 

 

 二人に連れてこられたのは全国チェーン展開しているドーナツ屋であった。なんでこの店は中華を置いてあるんだろうかと、昔気になったものである。

 それぞれに注文をし、席に着く。以前陽乃さんとエンカウントした時はカウンター席だったが、今度はボックス席であるのは助かった。横に座られて絡みつかれたら飯を食うどころではなくなってしまうところだった。

 しかし、なんだな。先日川崎に言われた言葉が脳裏に浮かんできてしまった。俺、ホントに、チョロい。

 

「なーんで不機嫌そうなのかな、比企谷くんは? こんな美人のお姉さん二人に囲まれてさ」

「あ、ひょっとして、迷惑だった?」

 

 陽乃さんがいつもの笑みで、めぐり先輩が不安そうに聞いてくる。

 

「いや、不機嫌でも迷惑でもないですよ。ただ、自分の意志の弱さを見つめなおしていただけです」

 

 チョロい、押しに弱いと言われても仕方のない気はするな。思い返せば誘いを断れたことはないようだが、仕方あるまい。魔王からは逃げられないのだ。

 

「へー、なんかかっこいいね」

 

 ほんわかと言うめぐり先輩に癒される。めぐりっしゅされて俺の心の澱みが消えていくようだ。浄化された先から澱が溜まっていくだろうが。

 

「見たところ、予備校帰りかな? ちょうど講習の時期だしね」

「まあ、そっすね」

「予備校から離れてここまでご飯を食べに来てるってことは、午後の講義はなし?」

「ええ、今日は午前中だけなんで」

「そっか。それじゃ、荷物持ち兼ナンパ除けで一緒に来てくれると助かるんだけど」

「はるさん、比企谷くんに失礼だよ。でも、来てくれると嬉しい、かな」

 

 なんだろう。天使と魔王が目の前に並んでいて、両方からお誘いを受けているこの状況。天使の上目遣い、魔王のにこやかなプレッシャー、いつもの俺なら押され落とされついていったかもしれないが、今回は乗るわけにはいかん。

 

「あー、その、このあと用事があるんで、葉山でも呼んでください。呼べば来るでしょ、あいつなら」

「隼人? 私は比企谷くんがいいなー。めぐりもそう思うでしょ?」

「え!? わ、私はよく知らない人よりかは……比企谷くんがいい、かな」

 

 二人のセリフは同じ内容だが、受ける印象はずいぶんと変わる。よく知らない人が聞けば、美人二人からのお誘いでしっぽ振ってホイホイ付いていくところだろうが、陽乃さんを知る人からすれば何をさせられるか恐々としてしまう。印象は本当に大事なのである。

 

「お誘いは嬉しいんですが、すんません」

「……ふーん、いつものとりあえず断るのとは違いそうだねえ」

 

 鋭いな。陽乃さんは笑みは崩さないながらも、こちらを探るような目線を向けてくる。心底まで見透かしてくるかのようで背筋がゾクリとする。

 

「……比企谷くんの今日のデートの相手は誰なのかな?」

「えっ、比企谷くんデートだったの!?」

 

 本当に鋭いな。エスパーかよ。

 

「雪乃ちゃん……違う。ガハマちゃん……でもない。一色ちゃん……違うな。まさかの静ちゃん……ないか」

 

 呟きながら俺を見る陽乃さん。俺のどこ見て判断してんだよ。マジで読心術もってんじゃねえだろうな。

 俺の知り合いの女子連中で陽乃さんが知ってるのがそいつらだけとはいえ、よくもポンポンと出てくるものだ。というか平塚先生への対応に涙が流れそうだ。

 ブツブツと言っていた陽乃さんだが、診断結果が出たのだろうか。綺麗なニンマリ顔を見せてくれる。やっぱ怖え。

 

「比企谷くん、浮気はダメだって、前に言ったよね」

「浮気じゃないですよ」

 

 本命すらいないっていうのに……いや、そうか。

 

「本気だったらもっとダメだよー。君は雪乃ちゃんのなんだから」

「本気ですよ」

「「えっ!?」」

 

 形式上ではあるが、俺と留美は恋人同士なわけだし。本気と表現して過言ではなかろう。

 

「えっと、比企谷くん? どういうことかな」

「言った通りですよ。これから彼女とデートなんです」

「ええっ、比企谷くん彼女いたの!?」

「ええ、最近できたばかりですけど」

 

 なぜか、やたらと驚いているめぐり先輩は、わーわー、とか言いながら顔を赤くしている。こういう話に免疫がないのだろうか。もしそうならどんだけ箱入りなんだって話だが。

 

「……」

「はるさん、黙っちゃってどうしたの? そんなにショックだった?」

「違うわよ、めぐり」

 

 目を細めてこちらを見つつ、黙り込んでいた陽乃さんがまたまた怖い。

 

「ねえ比企谷くん」

「なんでしょう」

「その子は、雪乃ちゃんも知っている子なのかな?」

「ええ、雪ノ下も知ってますよ」

 

 というか、お姉ちゃんばりに可愛がってます。留美も懐いているし、本当の姉妹のようでもある。

 さて、それが陽乃さんと留美ならばどうだろう。陽乃さんは留美を気に入りそうだが、留美はどうだろう。あいつも警戒心高いし。

 

「ふーん、そっかそっか。それじゃしっかり楽しませてあげるんだよ」

「はあ」

 

 俺には陽乃さんほどの読心術めいたことはできないが、陽乃さんがろくでもなさそうなことを考えているのはわかる。それが誰にとってのかまではわからないが、たいてい俺か雪ノ下が被害を被る羽目になる。

 ゴリゴリと精神力を削られ、嫌な予感を感じつつ、俺は陽乃さんとめぐり先輩と別れたのだった。ああ、せっかくこれからデートだと言うのに、後顧の憂いができてしまった。

 

 

 

 

 

 今日の部活はいつも通り午前中だけだった。先輩たちは夏の大会に向けて調整に励んでいるけれど、過剰な練習は身体が出来上がっている途中の中学生には逆効果ということで先生から禁止されている。

 私たち新人はその補助をしつつ基本技の連度を高めていく。正直、もっと練習したいとは思うけど、わがままを言うわけにはいかない。

 いつも通りに練習をし、いつも通りに後片付けをし、いつも通りに真希ちゃんと家路に着く。

 昨日のことを忘れたわけではない。真希ちゃんだってそうだろう。それでも、私はいつも通りに真希ちゃんと一緒にいる。

 今まで通りに真希ちゃんと仲良くいたい。今までより真希ちゃんと仲良くなりたい。そんな矛盾した感情が私の中にある。けれど、真希ちゃんと一緒に過ごすことが嫌だと思ったことは一度もない。真希ちゃんは、どうなのだろう。

 真希ちゃんと別れる交差点で、不意にお互いに立ち止まった。

 

「ねえ留美ちゃん、今日、八幡さんとデート、だよね?」

「……うん」

「できたらでいいんだけど……デートの後にお話しできないかな」

 

 真希ちゃんの様子はいつもと変わらなかった。朝会った時も普通に挨拶をして、部活中も一緒に練習をし、一緒に後片付けをした。

 でも、今の真希ちゃんは、どこか違う気がする。何がとも、どこがとも言えないけど、そう見える。

 

「あ、変な話じゃないから安心して。八幡さんとのデートの話を聞きたいだけだから」

「……うん、わかった。五時くらいには八幡と別れるから、その後でいい?」

「うん。それじゃね」

 

 バイバイと手を振って、真希ちゃんはタタタッと駆けて行った。

 根拠があるわけじゃないけど、デートの話だけ、では終わらない気がしていた。

 

 

 

 

 

 帰宅し、シャワーを浴びて服を着替える。昨夜にどんな服を着るか考えてはいたけど、どうせスポーツセンターに行けばテニスウェアに着替えると思って動きやすいシャツとキュロットにした。お気に入りのやつではある。

 本気で可愛らしいのはまた今度にするつもり。そっちなら、また八幡に可愛いって言ってもらえるとは思う。聞くところによると、八幡は結衣さんやいろはさんが気合入れた格好をしても口に出して褒めたりはしないらしい。雪乃さんに見惚れたりはするし、目線とか態度で意識しているのはまるわかりらしい。

 八幡は小町さんのことは口に出して可愛いと言うけど、他の人に対してはほとんど言わないらしい。私に対しては言ってくれるけど、それってつまり小町さんと同じく妹カテゴリで私を見ているってことで、でも可愛いって言ってもらえるのは嬉しい。どっちがいいのかな。複雑な気分だ。

 リビングに行くと、お母さんが用意してくれていたお昼ご飯と、置手紙があった。朝は一緒にご飯を食べたけど、部活中にお父さんもお母さんも仕事に行ったみたいだ。

 

『留美ちゃんへ。仕事に行ってきます。晩御飯はつくるけど、比企谷くんとのデートが盛り上がったら気にしないでいいからね。そうなったらtelちょうだい。お母さんより。

 比企谷くんなら大丈夫だと思うけど、節度を守って楽しんできなさい。お父さんより』

 

 寂しくはあるけど、コミュニケーションはとれているから以前ほどではない。文字を読んでいると、自然と笑みが浮かんできた。

 今日八幡とデートをすることは二人には話してある。作戦の一環であることも伝えてあるのだけど、どうも二人には私の気持ちはばれているようだった。まあ、話したことはないけど隠そうともしていないし。茶化すことはしないけど、時折すごい優しい目で見られるのが居心地悪いと言うかなんというか。

 ともあれ、軽めの昼食をとる。私も料理を作れなくはないのだけど、お母さんがデートに集中できるようにと作ってくれていた。テニスをしにいくことも話していたので軽食だ。

 さて、そうこうしている内に家を出る時間だ。待ち合わせは駅前、演劇を見に行った時に八幡を待っていた場所だ。

 

 

 

 

 

 駅前に到着すると、八幡がベンチに座っているのが見えた。なんだろう、ぐったりしているように見える。疲れているのかな?

 

「八幡」

 

 声をかけると、八幡がゆっくりと顔を上げた。その目はいつもより二割り増しくらいで淀んでいる気がする。私と目が合うと、八幡は頬をバシバシと叩いて立ち上った。気合を入れたようだけど、目の腐り具合はたいして変わっていなかった。

 

「おう留美。今日もまた可愛らしい格好だな」

「……ありがと。ところで、どうしたの? すっごい疲れてるように見えるけど」

「ああ……まあ、気にすんな。ちょっと疲れる人と会っちまっただけだ」

 

 頬がにやけそうになるのを堪えて聞いてみると、八幡は何かを振り払うように頭を振っていた。本当に何があったんだろう?

 

「すまんな。せっかくのデートなのに、会ったとたんに変なところ見せちまって」

「ううん。こっちが無理言ってるんだし別にいいけど。その……もし調子が悪いなら、別の日にしても」

「いや、大丈夫だよ。さて、行くか」

 

 言って、八幡は私の手を取って歩き出す。演劇を見に行ったとき、大半の時間を八幡と手を繋いでいたからか、これがごく自然であると思えてしまう。八幡もそうなのかな。今、凄く自然と私の手を握ってきたし。

 掌に八幡の体温を感じすごく安心する。どこか不安を感じていた心に体温が移り、暖かくなっていく。

 さっき自分で言っておきながら、日を改めたいと思っているのは私の方だった。八幡とのデートが決まってからずっと楽しみにしていたけど、浮かない気分になっていた。

 それでも、八幡と電話で話をして、八幡と顔を合わせて、こうして手を繋いで、ただそれだけで安らいでいる自分が分かる。私って簡単だなと改めて思う。

 ……うん。とりあえずは、今日この時を楽しもう。お父さんたちからも真希ちゃんからも、楽しんできてと言われている。それに、私のわがままに突き合わせている八幡にも失礼だ。

 八幡と並んで手を繋いで歩く。数か月前の私は、よくこれで平気でいられたものだ。どんどん動悸が激しくなっているのが分かる。

 色々と考えなきゃいけないことはあるのだけど、今は八幡とのデートを楽しもう。

 

 

 

 




 ミスドはドーナツだけでは売り上げが上がらなかったので、腹を膨らせるサイドメニューとして中華に手を出したとか。
 私の世代では、所さんが歌うCMが記憶にこびりついていますね。
 それはともかく、次回こそデート本番です。
 更新は、いつになるかは……早くします。
 感想や活動報告に返信をくれた方々、ありがとうございました。

 じゃあ、また。

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