ガールズ&パンツァー 紅蓮の戦車乙女   作:宣伝部長

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訓練開始です!

「教官・・・遅い」

「そうですね、そろそろ来てもいい頃だと思うんですけど・・・」

「んぉ?ありゃなんじゃい!?」

「お前は時々変なキャラになるな」

 

 

 

 

全員教官が来るのを心待ちにしていると遠くの方からC-2改輸送機がこちらに向かって来るのが確認出来ると戦車が1両駐車場へと空中投下された。その際に勢い余って学園長のフェラーリを吹っ飛ばした。

 

 

 

「見事に吹っ飛んだな」

「・・・・・あっ」

「そして、追い討ちとばかりにぺしゃんこになっちった!!」

「学園長・・・ご愁傷様です」

 

 

 

 

戦車は何事もなかったかのように前進すれば、全員が集まっているグラウンドの横に停車すると中から1人の女性が全員の前に姿を見せた。沙織だけはずっと騙されたとぼやいている様子だ。

 

 

 

 

「特別講師の戦車教導隊・・・蝶野 亜美(ちょうの あみ)1尉だ!!」

「よろしくね♪戦車道は初めての人が多いって聞いたけど、一緒に頑張りましょう!」

 

 

 

亜美は生徒の顔を見ていたが、ふとみほと顔が合うと驚いたように近付いた。

 

 

 

 

「あれ・・・西住師範のお嬢様じゃありません?師範にはお世話になってるんです、お姉様も元気?」

「・・・・・はい」

「西住さんってそんなに凄いの!?」

「お母さんがね・・・西住流ってのがあって戦車道の流派の中でも有名な流派なんだ」

「飛鳥先輩も流派とかに入ってるんですか?」

「いや、アタシはそう言う堅っ苦しいのは苦手だからやってないよ」

 

 

 

亜美はみほと会話をしてたが、不意に聞こえた「飛鳥」と言うワードに反応すると今度は飛鳥の方へとやって来た。

 

 

 

「飛鳥ちゃん!お久し振りじゃない」

「亜美さんもお元気そうですね」

「そっか、ココって飛鳥ちゃんの母校だったわね!どうりで聞いたことあると思ったのよ!」

「教官!飛鳥先輩とはどう言う関係なんですか?」

「う~ん・・・良き好敵手・・・と私は思っているわね」

 

 

 

周りはその評価に対してどよめいてた。当の飛鳥は少し照れ臭そうに頬を掻いてそっぽを向いていた。

 

 

 

 

「教官!本日はどのような練習を行うのでしょうか!?」

「そうね、本格戦闘の練習試合早速やってみましょう」

「えっ、い、いきなりですか!?!?」

「いいんじゃない?なんとかなるっしょ」

 

 

 

亜美は一枚の地図をみんなに手渡すとそこには印が付けられており、そこに移動してから開始と言う意味らしいだ。いきなりの出来事にみんな動揺を隠せずにいる。特に飛鳥とみほ以外は未経験者である。

 

 

 

 

 

「これどうやって動かすの~?」

「これ使って」

「これって・・・スッゴい!!私達にも解り易いように説明書になってる!?」

「そっちの2チームの分も作ってあるから取りに来て」

「サンキュー、日野本さん♪」

「これは助かる」

 

 

 

思わぬ代物に各チームのリーダー陣は飛鳥に礼を言った後に自チームへと走って行った。

 

 

 

「やるじゃん♪」

「ちゃんと生徒会長達の分もあるよ」

「日野本ちゃんがやる気になってくれてホンット助かるわぁ~」

 

 

 

にやにやと嬉しそうに説明書を受け取ると干し芋を咥えて杏も自チームに戻った。

 

 

 

飛鳥も急ぐように自チームに戻ってみると戦車の前には玲那しかおらず、後の2人の姿がどこにも見当たらない。

 

 

 

 

 

「ツバサと薫は?」

「2人共・・・戦車動かすんだって・・・・・中に入った」

「そっか、じゃあアタシ達も乗車しよっか」

「・・・・・うん」

 

 

 

玲那を背負うと車椅子は折り畳んで倉庫の隅っこに置いた。軽快に側面から登ると乗り込む前に辺りを見渡した。自分の手渡した冊子のおかげか他のチームも無難に戦車を動かせているのがわかった。

 

 

 

2人が丁度乗り込んだと同時にエンジンが作動した。操縦席に座る薫と冊子を持って指示していただろうツバサは嬉しそうにハイタッチを交わしていた。

 

 

 

「2人共、玲那が外で置いてけぼり状態だったぞ」

「あっ!?玲那先輩、すみませんでした!!」

「・・・いいよ・・・別に」

「戦車が私を呼んでたのさ」

「お前は少しは反省しろ」

 

 

 

一発頭を小突かれる薫はさて置いて4人は役職を決める事にした。

 

 

 

「・・・・・3人の希望は?」

「私は操縦手やりたい!!だって、戦車が私を・・・「私は通信手がいいです!」最後まで聞いてよ!!」

「玲那はなにがしたい?」

「・・・・・砲手」

「それならアタシが車長と装填手を兼任する」

 

 

 

 

皆が意気揚々と配置に着くと飛鳥は薫にトランシーバーを手渡した。

 

 

 

「んっ?これはどうすんの?」

「戦車が動き出すと騒音が激しくてアタシの声が聞き取れなくなるから指示はそのトランシーバーにするから常時オンにしといて」

「用意周到ですこと」

「戦車乗りってのはそんなモノさ」

「それじゃあ・・・パンツァー・フォー!」

「パンツァー・フォー!!」

 

 

薫の掛け声にツバサもノリノリで応答すれば戦車はゆっくりと動き出し倉庫から出ることに成功した。初回にしては上々の滑り出しである。だが、操縦している当の本人は「ヤバイヤバイヤバイ!!」とか「適当じゃぁぁぁ!!」など奇声を発しながら戦車は目的地へと進んでいた。

 

 

やっとこさ目的地に辿り着くと緊張が解けたのか薫は崩れ行く中で飛鳥は地図を見ながら配置された位置を確認していた。自チームの配置付近にはDチームとEチームが居ることがわかった。

 

 

 

「開幕でDかEのどちらか見つけた方を先に叩く」

「やべぇ・・・緊張してきたぁぁぁぁ!!」

「全然緊張してるように見えないんですけど・・・」

「・・・・・・・・・・」

「大丈夫だよ。みんな初心者だからリラックス、リラックス」

「・・・・・わかった」

 

 

 

緊迫した雰囲気に割って入って来るように亜美の通信が聞こえて来た。

 

 

 

『みんな、スタート地点に着いたようね。ルールは簡単、すべての車両を動けなくするだけ!つまり、ガンガン前進してバンバン撃ってやっつければいいだけ!わかった?』

 

 

 

「うわぁ~・・・ざっくりな説明」

「けど、簡単に言えば全員倒せば勝ちですよ!」

 

 

 

『戦車道は礼に始まって礼に終わるの。一同・・・礼!!』

 

 

 

「「よろしくお願いします!!」」

 

 

 

『それでは・・・試合開始!!』

 

 

 

 

開始の合図と同時に飛鳥はすぐに双眼鏡を手に取って砲塔のキューポラから顔を出すと辺りに注意を張り巡らせた。するとM3がゆっくりとだがこちらに近付いているのが目に入って来た。

 

 

 

 

「Dチームがこっちに来てる。こちらもゆっくりと前進しながら交戦に入る」

「ドキドキするぜぇ~・・・」

「玲那、すぐに撃たずに合図に合わせて砲撃」

「・・・・・わかった」

 

 

 

徐々に近付く音に飛鳥はトランシーバーを口元に当てたまま待機していた。そして、なにも知らずにゆっくりとM3が目の前に姿を見せた。

 

 

 

「前進!!」

 

 

 

ゆっくりと進んでいた筈のチャーフィーは号令と共に一気に加速を始めた。M3はいきなりのことに動揺しているのか動けずに目の前で停止したままだ。

 

 

 

「急停車!撃てぇぇぇ!!」

 

 

 

なるべく砲撃が外れないようにとM3に近付いた所で停車すると飛鳥の指示を聞いた玲那がトリガーを引いた。撃発の轟音が響き、マズルブレーキから炎が拡散した。だが、砲撃はM3に直撃はしなかったのだが、「行動不能」を示す白旗が上がっていた。良く見ると逃げようとバックした際にぬかるみに履帯を奪われてしまいそこからエンジントラブルだろうかエンジン部から煙が出ていた。

 

 

 

 

 

「なんとか1両撃破。この調子で・・・って、みんなどうした?」

「い、いやいや、今のは超刺激的でしょ!?超エキサイティング!もうファンタスティック!!」

「・・・・・心臓が飛び出そう」

「あわわわわわ!?!?」

 

 

 

意味のわからないぐらいのハイテンションの薫。

目を見開き震えている両手を見る玲那。

地震かなにかと勘違いして慌てるツバサ。

そんな3人を見て微笑みながら次の砲弾を装填し、またキューポラから顔を出して辺りを見渡す事にした。

 

 

 

 

すると遠くの方から砲撃が聞こえて来るのが耳に入って来た。地図を広げると自分達とは反対側に居るはずのA,B,Cの方からである。これからの事を考えているとM3のキューポラからDチームのリーダー・・・澤 梓(さわ あずさ)が顔を出してキョロキョロとしていた。

 

 

 

「どうかした?」

「私達はこれからどうすればいいんですか?」

「回収班が派遣されると思うからそれまで待機してたらいいよ」

「はい!」

 

 

 

 

梓が中に戻って行くのを見届けるとトランシーバーで次の指示を出した。

 

 

 

 

「このまま交戦地帯に向かう。薫、落ち着いた?」

「OK!案内よろしく~!!」

「今度も状況に応じて砲撃を許可するからお願い」

「・・・今度は・・・当てる」

「飛鳥先輩!私が装填手をしますから指示をお願いします!!」

「結構重いけど・・・大丈夫?」

「なんとかします!」

「じゃあツバサに任せた」

「はい!!!」

 

 

 

 

チャーフィーは発進すると一気に加速をさせて次の目標地点へと駆け足で向かっているのだ。その為に戦車は激しく揺れ動く。時々、戦車内から「吐きそうぅぅぅ!!」と言う雄叫びが聞こえているが気にしたら進めないので無視をした。

 

 

徐々に近付いてくる砲撃の音に反応すると近くに隠れられるように指示をする。慣れない操縦なのに器用に戦車は木々の中に隠れるように収まった。トランシーバーから「どやっ!!」と声が聞こえたがまた軽く無視をして双眼鏡を覗き込みなにが起きているのかを確認した。

 

 

 

吊橋の上にⅣ号、向こう側にはⅢ突と八十九式、こちら側には38T、3両がⅣ号を包囲する形で交戦している状況だ。

 

 

 

 

「みほが包囲されてるか・・・援護してやるか」

「いっしっし♪Eチームの戦車のお尻が丸見えだねぇ~」

「ここからEチームを狙撃。玲那、狙えそう?」

「今度は・・・外さない」

 

 

 

砲塔がゆっくりと38Tの居る方向へと回転すると玲那は集中するように照準器を覗き込んでいた。

 

 

 

 

「撃てぇぇぇ!!」

 

 

 

飛鳥の大声と同時にトリガーが引かれた。砲弾は轟音と共に飛び出せば見事に38Tの尻に着弾された。38Tから白旗が出たのを双眼鏡で確認した。

 

 

 

「見事命中、この調子♪」

「・・・・・ありがと」

「ツバサ!装填お願い」

「はい!ふ、ふんにゃぁぁぁ!!」

「・・・・・大丈夫?」

「御堂先輩の為なら・・・こ、これくらい朝飯前ですよ!!」

 

 

 

あからさまに無理をしているツバサに他の3人は苦い表情になっていた。と言っても彼女だけ1年生なのでこう言う無茶が生じる事がこれから増えるかもしれないと感じているのだ。

 

 

 

だが、今はまだ試合中だ。状況確認の為に飛鳥がキューポラから顔を出すとⅣ号が吊橋を渡って来ているのが見えた。背後ではⅢ突と八十九式は煙と白旗を出しているのが双眼鏡で確認出来た。

 

 

 

それを確認した飛鳥はキューポラの上に立ってⅣ号を睨んだ。初心者のぎこちない動きじゃない走行に眉を寄せ疑問を感じるがトランシーバーをすぐに手にして指示を出した。

 

 

 

 

「止まってたら撃たれる!発進!!」

「うりゃぁぁぁぁ!!」

 

 

 

チャーフィーが発進したと同時に発砲の音が聞こえた。音に反応してⅣ号に視線を向けようとした時に真横を砲弾が擦り抜けて行くのが見えた。一歩でも判断が遅れていれば直撃コースだ。

 

 

その一瞬の出来事に飛鳥の体中から汗が滲み出るのがわかった。1年間戦車道をしていなかっただけなのに長く感じた1年間。だが、飛鳥の中でまたゆっくりと歯車が動き出した。

 

 

 

 

 

「精確に当てるにはDチームの時にした撃ち方で行く」

「目の前で急停車するヤツね♪」

「勝負は一発・・・いける?」

「・・・・・うん」

「じゃあ・・・行くよ!!」

 

 

 

逃げる素振りを見せていたチャーフィーは急旋回するとⅣ号の正面に向き直った。すると玉砕覚悟とも言えるような勢いでⅣ号に突っ込んで行ったのだ。それに対してⅣ号の砲塔もゆっくりとこちらの車体に照準を合わせて来ている。

 

 

 

「放てぇぇぇぇ!!」

 

 

 

言い終わる前に2つの主砲から轟音が響き渡ると発射時の煙と直撃での煙で2両は覆いつくされていた。煙が晴れるのと同時に2両から白旗が立った。するとⅣ号、チャーフィーのキューポラやらハッチやらから全員が汚れまみれで顔を出した。

 

 

 

 

「引き分けか・・・」

「飛鳥!?頬っぺた怪我してるよ!!」

「さっきのか・・・気付かなかったな」

「飛鳥殿!も、申し訳ありません!!」

「優花里が砲手だったか・・・まぁ、これぐらいのキズ気にしなくていいから。」

 

 

 

Ⅳ号の操縦席のハッチが開くと見慣れない女の子が顔を出していた。

 

 

 

 

「なんで麻子が戦車を運転してんの!?」

「成り行き状こうなったまでだ」

「知り合い?」

「うん、私達の幼馴染!しかも、飛鳥から貰ったマニュアルを一瞬で覚えて操縦してたんだよ」

「それは凄いな」

「それ程でもない」

 

 

 

自分でもかなり早くに操縦テクニックを覚えたと言うのに練習も無しに瞬時に動かせるなんて並大抵の人間では不可能に近い事を目の前に居る女の子は平然とやってのけたのだ。侮れない人材である。

 

 

 

と言う訳で初めての試合は全滅と言う形で幕を閉じたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぷっはぁぁぁぁ!!生き返るぜぇぇぇぇ!!」

「薫、親父臭いよ~」

「酷い!?こんないたいけな少女に向かって親父扱いなんて!?」

「・・・・・おっさん」

「言い方変えても一緒!!」

「じゃあ・・・おじ様ですわね」

「お上品に言ってもダメだっての!!」

 

 

 

 

AチームとFチームは疲れを癒す為にと大浴場にてのんびりとした一時を過ごしていた。

 

 

 

「腕が・・・もう上がりません」

「小早川殿!私がマッサージをしてあげますよ~♪」

「あれ?飛鳥と御堂さんは?」

「後から来るって言ってたぜぇ~♪おっ、噂をすれば・・・・・」

 

 

 

シルエットが扉に写ったのと同時に扉が開かれたのだが、そこで全員が口を開けたまま固まってしまった。飛鳥が足を動かせない玲那をお姫様抱っこしているのに驚いているのではなく、全員が驚いてしまったのは飛鳥のナイスボディにである。

 

 

 

「おまたせ」

「えええええ!?飛鳥ってモデルかなにかやってるの!?」

「いや、してないけど・・・」

「してなくてそのスタイルとか舐めてんのかこらぁぁぁぁ!!」

「お前は風呂に沈めるぞ」

「それにしてもお綺麗ですわね」

「・・・ありがと」

 

 

 

掛け湯をしてからみんなの入っている浴槽に入れば、玲那も降ろしてもらい2人は湯船に浸かった。

 

 

 

 

「やっぱり戦車道してたらモテる理由がわかっちゃったかも」

「ボインボインのバインバインになったら男なんて勝手に寄って来ちゃうって!!」

「戦車道関係ないから。みほ、そっちのチームの役職は決まった?」

「私が車長で砲手が華さん、通信手が沙織さんで装填手が優花里さん、最後の操縦手は麻子さん」

 

 

 

みほが名前を呼ぶのと同時に名前を呼ばれた面々は手を挙げて反応していた。それを聞いた飛鳥は唸るように顎に手を当てるとなにかに悩んでいる様子だった。

 

 

 

 

「どうかしたの?飛鳥」

「いや、アタシ達の方も1人必要だなっと思っただけだ」

「だ、大丈夫ですよ!私が1人で頑張りますから・・・あたたっ!!」

「筋肉痛になってたら話にならんぞ」

「麻子!!」

 

 

 

ツバサが頼りないと言う訳ではないが、今回の1回の戦闘だけでここまで疲労が出るとなると本格的な試合になれば必ずと言って装填手としての役目が果たせなくなってしまうのが難点になるのだ。

 

 

 

 

「明日、生徒会長と話してみる」

「ナイスアイディア!あの人ならなんとかしてくれるんじゃない?」

「飛鳥先輩がそう決めたのでしたら私も戦車道に興味ありそうな子に声を掛けときます」

「私達もなにかあったら言ってね!飛鳥さん」

 

 

 

 

 

と今後のことが決まると佐織が急に「あそこ」に行きたいと言ったのだが、Fチームはまだ風呂場に居ると言う事でAチームは沙織を先頭に何処かへいってしまったのであった。

 

 

 

 

「今日はどうだった?」

「最高だったぜぇぇぇぇ!!」

「まだ思い出しただけでドキドキしちゃいます」

「・・・・・初体験」

 

 

 

子供のようにはしゃぐ薫。

目を瞑ってあの時のことを思い出しているツバサ。

自分の両手を見て嬉しそうに笑う玲那。

3人の反応にどことなく喜びを感じつつ窓の外に見える夕焼けを見ていた。

 

 

 

 

「でも、飛鳥の砲手や操縦も見てみたいなぁ~」

「あっ、それはわかります!!」

「・・・・・見たい」

「そうなってくると3人共もう一つ役職を兼任することになる。そうなったらしんどくなるよ」

「大丈夫、大丈夫♪お前が出来るなら私達にも出来るだろ?」

「一生懸命頑張ります!!」

「・・・・・やる」

 

 

 

3人を見ていると昔の自分を思い出したのかフッと鼻で笑ってしまった。

 

 

 

「笑い事じゃないっての!!」

「悪い悪い、ちょっと昔のアタシに似てたんだよ」

「お前のチームメイトなんだから似るんだよ!!」

「そうかもしれないな。じゃあ、アタシは操縦の時は薫が車長」

「あいよ!!」

「アタシが砲手の時は通信手が玲那、車長がツバサ」

「・・・・・わかった」

「任せてください!!」

 

 

 

 

こうしてFチームの編成は仮ではあるが完成した。後は、もう1人加わることでちゃんとしたチームが完成するに違いない。そう信じて・・・翌日を迎えた。

 

 

 

 

だが、飛鳥はメンバーの事よりも大変な出来事が待ち受けていた事に愕然としてしまった。


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